Midjourneyで複数人を生成する方法!失敗しないプロンプトのコツや例も紹介

Midjourney

Midjourneyで「3人のアイドルを並べたい」「友だちグループの写真っぽい一枚を作りたい」

と思っても、人数を増やした瞬間に顔や体が崩れたり、なぜか一人だけ大きくなってしまったりして、「複数人ってむずかしい…」と感じていないでしょうか。

何度もプロンプトを直しているうちに、どこをどう工夫すればいいのか分からなくなってしまいますよね。

実は、画像生成AIはもともと、1枚の中で複数の人物をきちんと描き分けるのが得意ではありません。

ただ、最近のMidjourneyには、複数人をコントロールしやすくする機能が増えてきており、コツさえ押さえればかなり安定して複数人シーンを作れるようになっています。

この記事では、そうした機能を組み合わせて複数人を生成する具体的な手順と、失敗しにくいプロンプトの考え方、すぐにマネできる例文までまとめて紹介します。

まずは3人構図から、理想に近いグループイラストや写真風画像を一緒に作っていきましょう。

📖この記事のポイント

  • Midjourneyは複数人が苦手なので前提を理解して対策する
  • パン機能で1人ずつ追加しながら、構図と人数を段階的に決めていく
  • Region Varyを使えば、あとから特定のキャラだけ自然に差し替えられる
  • 複数人プロンプトは「人数の宣言+キャラごとの特徴+共通シーン」を分けて書くと安定しやすい
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監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Midjourneyが複数人生成を苦手とする理由

複数人を一枚に描こうとすると、急にクオリティが不安定になる…というのは、Midjourneyに限らず多くの画像生成AIに共通する弱点です。

Midjourneyが複数人生成を苦手とする理由は以下のとおりです。

  • 特徴の割り当てがあいまいになる
    「赤い髪の女の子」「黒い服の女の子」というように条件を並べても、どの特徴をどの人物に振り分けるかをAIがうまく判断できないことが多いです。
  • 一枚の中の情報量が多くなりすぎる
    人数が増えるほど、位置関係・大きさ・ポーズ・視線など、同時に計算すべき要素が一気に増え、破綻しやすくなります。
  • 学習データが「一人ドーン構図」に偏っている
    AIが学んでいる写真やイラストは、中央に一人が大きく写っているものが多く、そのクセで「一人だけ目立つレイアウト」を選びやすくなります。
  • 似たキャラ同士がまとめられてしまう
    髪色や服装が似ている人物を複数並べると、「別人として描き分ける」より「一人分としてまとめてしまう」ほうに寄りがちで、キャラが混ざって見えます。
  • 細かく盛ったプロンプトが逆効果になりやすい
    多人数ぶんの条件を詰め込みすぎると、AIは優先度の低い情報から無視していくため、意図していない髪色や服装に置き換わることがあります。

まずは「AIにはこういう苦手分野がある」と理解しておくと、後で紹介するパン機能やcref、Region Varyを使うときに、どこを補強すればいいのかが見えやすくなります。

Midjourneyで複数人を生成する3つの方法

複数人を安定して生成したいとき、やみくもにプロンプトを盛るよりも、「どのアプローチで作るか」を最初に決めてしまうほうがうまくいきやすくなります。

ここでは、Midjourneyで複数人を配置するときの代表的な方法として、三つのパターンに分けて解説します。

パン機能を使った段階的生成
最初に1人目のキャラを作り、その画像をPanで左右や上下に広げながら、空いたスペースに2人目・3人目…と追加していく方法です。「1人ずつ増やしていく」感覚で構図をコントロールできます。

cref(キャラクターリファレンス)を使った既存キャラの配置
あらかじめ作っておいたキャラ画像を–crefで参照し、そのキャラを同じ画像の中に何度も登場させる方法です。「一度作ったキャラをコピー&ペーストする」イメージで、同じ人物を別カットや別ポーズで並べたいときに向いています。

Region Varyを使ったキャラ入れ替え
背景や他のキャラはそのままに、選択した範囲だけを描き直す機能を使い、特定の人物を別のキャラに差し替える方法です。ベースの構図は気に入っているけれど「この人だけ変えたい」というときに便利です。

それぞれの方法に長所・短所があり、目的に応じて使い分けることが重要です。

ここからはそれぞれの詳しい使い方について見ていきましょう。

【方法①】パン機能で複数人を段階的に配置する方法

いきなり3人分のプロンプトを書くのがむずかしいと感じるなら、パン機能を使って「まず1人 → あとから2人目・3人目を足していく」やり方がおすすめです。

ベースとなる1人目のキャラをしっかり作ってから、画面を横に広げつつ少しずつ人数を増やしていくので、構図が崩れにくく、どこに誰を置くかも直感的にコントロールできます。

パン機能とは?

パン機能は、アップスケールした画像の左右上下に「キャンバスを少し広げて、空いた部分を描き足す」ためのアウトペイント機能です。

もともとは背景を伸ばしたり、構図を横長にしたりするときに使われますが、複数人生成では「1人ずつ画面の端から追加していく」用途と相性がとても良いです。

パン機能の最大の利点は、追加するキャラごとに別々のプロンプトを書けるので、特徴が混ざりにくいこです。

パン機能を使った複数人生成の手順

複雑なことはせず、次の流れをそのままなぞるだけでOKです。

以下はDiscord版の説明になります。

パン機能の使い方
  • ステップ1
    基本となるキャラクターを生成

    まずは主役となる1人目のキャラを通常どおりプロンプトで作ります。
    ここで全体のテイストや画風が決まるので、納得いく1枚が出るまで何度か試すのがおすすめです。

    a bright cheerful girl with brown hair in twin tails, wearing sailor uniform, sitting on classroom chair, smiling, anime style --niji 6
  • ステップ2
    気に入った画像をアップスケール

    複数人生成に使うのはアップスケール後の画像なので、「これをベースにしたい」と思える1枚を選んでアップスケールします。

  • ステップ3
    左矢印ボタンをクリックしてPan Left

    アップスケール後の画像下にある矢印ボタンから、追加したい方向(例:左にキャラを足したい場合はPan Left)を選びます。

  • ステップ4
    ポップアップに新しいキャラを書く

    ここでは、いったん元のプロンプトをすべて削除し、「追加したいキャラの情報」を中心に書き直します。
    そのうえで、必要に応じて first girl など、既にいるキャラとの位置関係だけを一行そえておくイメージです。

    a girl with long red hair, wearing sailor uniform, holding a book, sitting next to the first girl --niji 6 --ar 3:2

    1人目の詳しい説明をもう一度書く必要はない
    2人目の特徴+「sitting next to the first girl」のような簡単な関係だけを追加する

  • ステップ5
    候補から気に入ったものを選ぶ

    生成された画像の中から、構図や表情のバランスが良いものを選びます。
    違和感があれば、同じプロンプトでもう一度Panしてやり直してかまいません。

  • ステップ6
    反対側にもPanして3人目を追加する

    同じ手順で今度は右矢印のPan Rightを選び、3人目のキャラを追加します。

    a girl with short black hair and glasses, wearing sailor uniform, serious expression, sitting on the right side of the group --niji 6

パン機能で複数人生成する際の注意点

  • 追加したキャラは描き込みが甘くなりやすい
    中央の1人目より、後からPanで足したキャラほどディテールが弱くなることがあります。
    顔が小さくなりすぎない構図を選ぶと違和感が出にくいです。
  • 隣のキャラの影響を受けやすい
    ポーズや服の雰囲気、色味などが、すでにいるキャラから引っ張られることがあります。
    まったく別ジャンルの服装やカラーを混ぜたいときは、何度か出し直して選びましょう。
  • 距離をとりすぎるとタッチがバラバラになりやすい
    キャラ同士を離しすぎると、光の当たり方やコントラストだけ微妙に違う、コラージュっぽい仕上がりになることがあります。肩〜半身がほどよく重なるくらいの距離感を目安にすると安定します。
  • 一度で決めようとせず何回かPanし直す
    最初のPanで納得いかなくても普通です。
    同じ方向に2〜3回Panし直して、その中から一番しっくりくる候補を選ぶ前提で試したほうが、結果的に早く仕上がります。
  • 最後は必ず全体バランスをチェックする
    人数を増やしていくと、「1人だけ目線が変」「身長バランスがおかしい」といった細かいズレが出やすくなります。
    全員の顔の向きや明るさ、足元の位置まで一度引きで見直すのがおすすめです。

【方法②】cref機能で同じキャラを複数人配置する方法

指定した画像のキャラを参照してくれる cref(Character Reference)機能があります。

いったん「この子」という元画像さえ作っておけば、別カットや別シーンでも同じキャラを何度でも登場させられます。

cref(キャラクターリファレンス)とは?

特定の画像URLを指定して、その画像に写っているキャラの顔立ち・髪型などを参照させる機能です。

プロンプト末尾に「–cref 画像URL」を付けると、その画像のキャラをベースにした人物が生成されます。

同じURLを使い続ければ、「同じキャラが別のシーンに登場している」ような絵を量産できます。

ただし、crefはあくまで「その画像のキャラを参考にする」機能であって、ドット単位で同じ顔をコピペするわけではありません。

ポーズや角度、ライティングが変わると、表情や印象も少しずつ変化します。

crefで複数の異なるキャラを配置する方法

crefで複数の異なるキャラを配置する方法
  • ステップ1
    同じキャラで複数人を配置

    まず同じキャラで複数人を配置します。
    この段階では、双子のように「同じ顔の少年が2人」いる絵になりますが、構図(距離感やポーズ)はここで固めてしまいます。
    ここでは上記でも使用した画像のURLを使用しています。

    two girl talking to each other, casual clothes, simple background --cref [URL] --niji 6
  • ステップ2
    Region Varyで選択範囲を指定し、別のキャラのcrefで置き換え

    置き換えたい片方の少女の顔〜上半身あたりをRegion Varyで囲み、別キャラの元画像URLを指定して –cref [別URL] を使います。

    a girl with long hair --cref [別のURL] --cw 70 --niji 6
    二人目のプロンプト:a bright cheerful girl with long black hair, wearing sailor uniform with a red ribbon, sitting on classroom chair, smiling gently, anime style --niji 6
  • ステップ3
    生成結果確認

crefのcwパラメータ調整のコツ

cw(Character Weight)は、「元画像のキャラをどれくらい強く真似するか」を決めるつまみです。

数値を上げるほど元画像に寄り、下げるほどプロンプト側の指定が優先されます。

  • cw 0:顔の雰囲気だけゆるく似せて、服装・髪型・ポーズなどはプロンプトの指示に大きく従う
  • cw 50〜70:元画像らしさとプロンプトの反映が半々くらいで、バランスが良いおすすめ帯
  • cw 100:顔立ちも服装もほぼ元画像どおり。ただし体の大きさやポーズまで引きずりやすく、サイズ感が崩れることもある

キャラが大きすぎる/小さすぎるなどサイズ感が合わないときは、まずcwを少し下げて様子を見ましょう。

逆に「この服装だけはほぼそのまま再現してほしい」ときは、cwを80〜100あたりまで上げてみるとうまくいことが多いです。

cw 0cw 50cw 100
a girl standing, full body --cref [URL] --cw [0/50/100] --niji 6

【方法③】Region Varyでキャラを個別に入れ替える方法

複数人の画像を作ってみたものの、「全体の雰囲気は気に入っているけれど、このキャラだけ別の子に差し替えたい」「表情だけ変えたい」ということはよくあります。

そんなときに便利なのが、画像の一部分だけを描き直せる Region Vary です。

構図や背景はそのままに、指定したキャラだけをピンポイントで調整できます。

「crefで複数の異なるキャラを配置する方法」のステップ2で使用しています。

Region Varyとは?

Region Vary は、アップスケール済みの画像の中から任意の範囲を選択し、その部分だけを再生成してくれる機能です。

  • 画像詳細画面で「Vary(Region)」を選ぶと、画像の上に選択用の枠が出る
  • 描き直したいキャラの顔や上半身などをドラッグで囲み、その範囲に対してだけ新しいプロンプトを適用する
  • 背景やほかのキャラは基本的にそのまま残るので、「全体はそのまま、ここだけ差し替えたい」という調整に向いている

パン機能やcrefと組み合わせることで、複数人構図の仕上げツールとしてかなり強力に使えます。

Region Varyで複数人を自然に配置するコツ

  • 選択範囲を広めに取る
    キャラの輪郭ギリギリだけを選ぶより、髪の毛の外側やまわりの背景も少し含めて、少し大きめの四角で囲むと自然な仕上がりになりやすいです。
    ただし、他のキャラの顔まで選択に入れてしまうと、その子まで一緒に変わってしまうことがあるので、そこだけは避けます。
  • 画面をパン(拡張)してから編集する
    キャラ同士の距離が近すぎる密集構図だと、Region Varyで囲んだ範囲に他の人物が入り込みやすく、サイズ感も崩れがちです。
    一度Panで左右に少し余白を作ってからRegion Varyを使うと、選択範囲を取りやすくなり、キャラの大きさも安定しやすくなります。
  • crefと組み合わせる
    「この位置のキャラだけ、別の子に差し替えたい」というときは、Region Varyで範囲を選んだうえで、プロンプト側に –cref で差し替えたいキャラの画像URLを指定します。
    服装や雰囲気もある程度そろえたい場合は、cw(Character Weight)を70前後にしておくと、元画像らしさとプロンプトの指示のバランスが取りやすいです。
a girl with pink hair, cheerful expression --cref [URL] --cw 70 --niji 6

このように、「構図づくりはパン機能」「キャラづくりはcref」「最後の微調整はRegion Vary」という役割分担で使っていくと、複数人構図でも狙った通りの並び方に近づけやすくなります。

複数人生成で失敗しないプロンプトの書き方

複数人を一度に描こうとすると、つい情報を詰め込みすぎてしまい、「誰がどんなキャラなのか」がAIに伝わりにくくなりがちです。

ここでは、プロンプトを少しだけ整理することで、キャラ同士が混ざりにくくなる書き方のコツをまとめます。

難しいテクニックは使わず、「どの順番で、どんな情報を書けばいいか」にしぼって解説していきます。

各キャラの特徴を明確に書き分ける

複数人プロンプトで一番大事なのは、「誰がどの子なのかを、AIにハッキリ教えてあげること」です。

ふわっとした言葉だけで書くと、全員が同じような見た目になってしまいます。

  • 人数をはっきり書く(two girls, three friends など)
  • 1人ずつ「性格・髪型・服装・ポーズ」をセットで説明する
  • 1st girl / second boy / third friend など、番号や役割で区別する
  • 身長差や体格がほしい場合は、tall / short / petite / muscular なども追加する

背景とシチュエーションを統一する

キャラの説明ばかりに気を取られると、背景がバラバラになりやすく、まとまりのない絵になってしまいます。

最後に「共通の舞台装置」をまとめて指定しておくと、全体が一枚のシーンとして成立しやすくなります。

  • 場所をひとつに決める(classroom / concert stage / office / cafe など)
  • 時間帯や雰囲気をまとめて指定する(at sunset, warm lighting, soft focus など)
  • カメラの距離と角度を簡単に書く(medium shot, eye-level, group photo)
  • 全員の感情がそろうように、moodも共通で指定する(cheerful, relaxed, serious meeting など)

実際に使える!複数人生成のプロンプト例集

ここからは、すぐにコピペして試せる複数人プロンプトの例をいくつか載せておきます。

好みに合わせて髪色や服装だけ変えて使ってみてください。

アニメ系複数人のプロンプト例

学園もの3人組

three school girls wearing sailor uniforms, together in a bright classroom, cheerful girl with brown twin tails, serious girl with long black hair and glasses holding a book, sporty girl with short red hair and headband, energetic pose, anime style --niji 6

アイドルグループ

Three idol girls on stage, left: purple short hair girl in frilly dress, center: black long hair girl in elegant dress, right: blonde twin tails girl in cute dress, spotlights, concert stage --niji 6

ファンタジーパーティー

A female elf archer with long blonde hair and green cloak. A dwarf warrior with red beard and heavy armor. A human mage with blue robe and staff, forest background, adventure party --niji 6

リアル系複数人のプロンプト例

ビジネスシーン

three business people standing together in a modern office, a businessman in navy suit with short black hair, a businesswoman in gray suit with glasses and brown hair in bun, a young professional in casual blazer with short blonde hair, professional photography style --v 7

友人グループ

Three friends at cafe, left: Asian woman with long dark hair in white blouse, center: Caucasian man with brown hair in casual shirt, right: African woman with curly hair in colorful dress, laughing together, natural lighting --v 7

まとめ

Midjourneyで複数人をきれいに並べるには、「AIは複数人が苦手」という前提を踏まえて、段階的に整えてあげることが大事です。

まずはパン機能で1人ずつ増やしながら構図を決めて、crefで同じキャラの顔や雰囲気をそろえ、必要なところだけRegion Varyで入れ替える、という流れを押さえておけば、大きく崩れることは減っていきます。

プロンプトも、最初に人数をはっきり書き、キャラごとの特徴と共通のシチュエーションを分けて書くだけで安定度がかなり変わります。

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