Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)で画像生成する際に、「ネガティブプロンプトの入れ方が難しい…」「ネガティブプロンプトをコピペできるテンプレートが知りたい」「ネガティブプロンプトを入れたけどあまり効かない、反映されない」などといった疑問やお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
そんな方のために今回は、分割生成や奇形を防止できるおすすめのネガティブプロンプトやStable Diffusionでネガティブプロンプトを入れる方法について解説します。
※「Stable Diffusion」の立ち上げ方や使い方については、以下の記事を参考にしてください。
ネガティブプロンプトの入れ方・書き方
Stable Diffusionで生成する画像のクオリティーを上げるためには、ネガティブプロンプトの入力が必要不可欠となります。
そんな大切な要素であるネガティブプロンプトを使いこなせるように丁寧に解説していきますので、是非参考にしてみてください!
ネガティブプロンプト(Negative Prompt)とは?
ネガティブプロンプト(Negative Prompt)の意味は、Stable Diffusionに“画像を生成する際に除外したい要素”を指示させるということです。つまり、通常のプロンプトが指定する「入れたい内容」の指示とは反対の、除外すべき要素に着目するものです。
プロンプトとネガティブプロンプトどちらにも指示を入力することで、正確度が上がりクオリティーの高い作品を生み出すことができます。
ネガティブプロンプト(Negative Prompt)の種類
ネガティブプロンプトの種類として、以下のものが挙げられます。
①手・指・顔・体・腕・足などボディーパーツのエラーや欠損を防ぐもの
②品質低下を制御するもの(高画質化する)
③暴力表現など不適切な要素を生成しないようにするもの
④作画崩壊や奇形を防止するもの
⑤ロゴやテキスト(文字)を消すもの
⑥特定の表情やスタイルを避けるもの
⑦分割生成を避けるもの
これらを意識してネガティブプロンプトを構成していきましょう!
また以下の画像のように、特定のネガティブプロンプトを入れるように薦めているモデルもあるので、ダウンロードする際には詳細を確認しておきましょう!
【テンプレート付きコピペ可】おすすめのネガティブプロンプト一覧
ここからはおすすめのネガティブプロンプトをジャンル別に、テンプレート付きで紹介していきます!
※紹介するネガティブプロンプトを保存する方法もありますので、以下の記事を参考にしてください。
どの画像生成にも入れるべき!最強のネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
worst quality | 最低品質、最悪の品質 |
low quality | 低い品質 |
normal quality | 普通の品質 |
out of focus/blurry/bokeh | ぼやける、ピンボケ ピントが合わない、ボケた |
ugly | ひどい、醜い |
bad anatomy | おかしい人体構造、変な身体 |
jpeg artifacts | 圧縮による歪み JPEGの圧縮による劣化 |
lowres | 低い画質 |
error | エラー |
これらのネガティブプロンプトを入力することによって、クオリティーの低い画像が生成されるのを防ぐことができます。
また、後ほど詳しく解説しますが、画像のクオリティー・品質に関するプロンプトは常に入力するべき要素になります。
●ネガティブプロンプトのテンプレート
worst quality,ugly,bad anatomy,jpeg artifacts
ぼやけるのを制御したい人は『out of focus』、高画質の画像を生成したい人は『lowers』などをネガティブプロンプトに追加しましょう。
必要に応じて入れるべき!ネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
nsfw(Not safe for work) | 性的描写、エロい表現 |
username | 名前 |
text | 文字、テキスト |
signature | 署名、ロゴ |
watermark | 透かし |
missing limb | 手や足の欠損 |
bad hands | おかしい手や指、変な手や指 |
missing fingers | 指の欠損 |
extra digit | 指が多い |
fewer digits | 本数が足りない指、指が少ない |
これらのネガティブプロンプトは、実際に生成した画像を見ながら不要な要素を追加していくのがおすすめです。
エロ要素を除外したい場合は「nsfw」、テキストやロゴを除外したい場合は「text/username」、手や指の生成が変になる場合は「bad hands」などのネガティブプロンプトを使い分けましょう。
特に、Stable Diffusionの画像生成は、指の描写が非常に苦手なツールですので、『bad hands, missing limb, missing fingers, extra digit, fewer digits』などのネガティブプロンプトは必要不可欠な要素になるでしょう。
●ネガティブプロンプトのテンプレート
nsfw,text,watermark,bad hands,extra digit,fewer digits
品質の悪い画像生成を防ぐネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
worst quality | 最低品質、最悪の品質 |
low quality/poor quality | 低品質 |
error | エラー |
out of focus/blurry/bokeh | ピンぼけ |
ugly | ひどい、醜い |
JPEG artifacts | 圧縮による劣化 JPEGの圧縮による劣化 |
low resolution/low res | 低い解像度 |
●ネガティブプロンプトのテンプレート例
worst quality,out of focus,JPEG artifacts,low resolution,error
また、画像生成のクオリティーを上げて高画質化するためには普通、プロンプトに
masterpiece,best quality,ultra detailed
などのワードを入力しますよね。
これに加えてネガティブプロンプトに“低品質”に関するプロンプトを入れることで、さらにクオリティーの高い画像生成を行うことができるのです。
不適切な要素を生成しないようにするネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
nsfw (Not Safe for Work) | 性的描写、エロい表現、18禁要素 |
pubic hair | 陰部の毛、陰毛 |
nipples | 乳首 |
これらのネガティブプロンプトは、Stable Diffusionに対して「性的表現、暴力的描写などの不適切な要素(エロい要素)」を生成しないように指示するものです。
これらを入力することで、適切に使用できる安心安全な画像生成が行われます。
●ネガティブプロンプトのテンプレート
nsfw,nipples,pubic hair
手・指・顔・足・腕・目の欠損などによる作画崩壊・奇形を防止するネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
longbody | 長い身体 |
bad anatomy | おかしな人体構造、変な身体 |
long_neck | 異常に長い首 |
long_body | 異常に長いからだ |
mutated hands | 手の変形 |
deformed mutated disfigured | 変形している |
missing arms | 腕の欠損 |
extra_arms | 腕が多い |
extra_legs | 足が多い |
bad hands | 不自然な手、不正確な手 |
poorly_drawn_hands | 下手な手 |
malformed_hands | 奇形な手 |
missing_limb | 足や手の欠損、四肢の欠損 |
disconnected_limbs | 繋がっていない足や手、四肢 |
inaccurate limb | 不正確な足や手、四肢 |
floating_limbs | 宙に浮く足や手、四肢 |
extra_fingers/extra digit | 指が多い |
missing fingers/fewer digits | 指が少ない、指の欠損 |
bad fingers | 不自然な指、最悪な状態の手や指 |
poorly drawn fingers | 下手な指 |
liquid fingers | 溶けたような指 |
ugly face/bad face | 容姿が良くない、醜い顔 |
partial face | 半分の顔 |
partial head | 半分の頭 |
deformed eyes | 歪んだ目 |
Torso length | 胴長 |
humpbacked | 猫背 |
cat ears | 猫耳 |
bad proportions | 悪い姿勢 |
huge breasts | 大きすぎる胸 |
Muscular Physique/Bulging Muscles | 筋肉質な体つき |
Powerful Biceps | 二の腕の筋肉 |
Sculpted Chest | 彫刻のような胸筋 |
cropped | 切り取られている |
●ネガティブプロンプトのテンプレート
bad anatomy,long_body,mutated hands,missing arms,extra_arms,extra_legs,bad hands,missing_limb,disconnected_limbs,extra_fingers,missing fingers,liquid fingers,ugly face,deformed eyes,cropped
これらのネガティブプロンプトを入力することで、顔が崩れるなどの作画崩壊を防いだ自然で美しい画像生成を行うことができます。
※手や指を崩さずに生成する方法については、以下の記事を参考にしてください。
ロゴやテキスト(文字)を取り除くネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
text | 文字、テキスト |
watermark | 透かし |
signature | 署名、ロゴ |
username | 名前、ユーザー名 |
stamp | スタンプ |
artist name | アーティスト名 |
title/subtitle | タイトル・サブタイトル |
date | 日付 |
footer/header | フッター・ヘッダー |
●ネガティブプロンプトのテンプレート
text,signature,username,watermark,stamp,date
これらのネガティブプロンプトを入力することで、「テキスト(文字)や不要なマーキング、ロゴなど」の要素を生成しないようにできるため、目的に合ったクリアな画像を生成することができます。
特定の表情・肌を避けるネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
make-up | メイク |
blush | ブラッシュ、頬を赤く染める |
open mouth | 口を開けている |
rouge | 口紅やチーク |
mascara | マスカラ |
dot,more | ほくろ |
freckles | そばかす |
half-open eyes | 目が半開き |
closed mouth | 閉じた口 |
●ネガティブプロンプトのテンプレート
make-up,rouge,mascara,open mouth,half-open eyes
これらのネガティブプロンプトを入力することで、指定した表情を生成させないようにすることができ、ユーザーの意図に合った画像を生成することができます。
特定のスタイル・背景を避けるネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
sketch | スケッチ画 |
oil painting | 油絵 |
watercolor | 水彩画 |
monochrome | 白黒、モノクロ |
flat color | 単調な出来上がり |
flat shading | CGの要素 |
retro style | レトロ調 |
ink | ペンで描いたようなイラスト |
2D | 2次元 |
1 girl, 1 boy/1 woman, 1man | 一人 |
multiple people | 複数人・人数 |
animal | 動物 |
●ネガティブプロンプトのテンプレート
oil painting,2D,flat color
これらのネガティブプロンプトを入力することによって、ユーザーのイメージにぴったりなスタイルの画像生成を行うことができます。
分割生成を避けるネガティブプロンプト
呪文(プロンプト) | 意味 |
---|---|
multipul angle | 複数の角度 |
split view | 分割画面 |
two shot | 2人の人物が同じ画面に生成される |
grid view | グリッド表示 |
●ネガティブプロンプトのテンプレート
multipul angle,split view,grid view,two shot
Stable Diffusionを使っていると、画面分割されることは多々ありますので、分割されないようなネガティブプロンプトに入れることをオススメします。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい
ネガティブプロンプトを入力する際の注意点!
ネガティブプロンプトを入力する際は、ネガティブプロンプトを入れすぎるのもかえってあまりクオリティの高くない画像が生成されてしまう原因になる場合もあります。
例えば「○○がない、○○がない…」などと否定するネガティブプロンプトばかり入れてしまっても何もない画像が生成されてしまったりしますので、とてもシンプルで些細なことなのですが、適度な単語数にすることを心がけておくと良いですよ!
ネガティブプロンプトとおすすめ拡張機能『embedding』を併用しよう!
Stable Diffusionでさらにクオリティーの高い画像を生成したい方は、ネガティブプロンプトだけでなく、拡張機能『embedding』も併用することをオススメします!
『embedding』は、生成される画像を特定の方向に調整してくれるツールです。例えば、“画像の品質を高める”という方向に調整してくれる『embedding』を使用すると、たくさんネガティブプロンプトを入力する必要なく簡単に画像の品質を上げることができます!
特に『EasyNegative』というembeddingはネガティブプロンプトの入力を簡単にしてくれる非常に便利なツールですので、導入していない方はインストールしましょう。
●EasyNegativeについては、以下の記事で詳しく解説しています!
●embeddingについては、以下の記事で詳しく解説しています!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
おすすめのネガティブプロンプトやStable Diffusionでネガティブプロンプトを入れる方法、おすすめの拡張機能「embedding」などについて解説してきました。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります!
- ネガティブプロンプトとは、“画像を生成する際に除外したい要素”を指示させるもの
- Stable Diffusionで画像生成のクオリティを上げるためには、ネガティブプロンプトは必要不可欠
- ネガティブプロンプトで意識づけること
- 作画崩壊を防ぐものを入れる
- 品質低下を制御するものを入れる
- 不適切な要素を生成しないようにするものを入れる
- 文字やテキストを取り除くものを入れる
- 特定の表情やスタイルを避けるものを入れる
- 分割生成を避けるものを入れる
- 「作画崩壊を防ぐプロンプト」と「品質低下を制御するプロンプト」は必須
- ネガティブプロンプトに加えて拡張機能「embedding」(「EasyNegative」)も利用する
また、Stable Diffusionで画像生成しながら、不要な要素があったらネガティブプロンプトに追加していくというやり方も良いですよ。
今回ご紹介したようなネガティブプロンプトをStable Diffusionに指示することで、さらにクオリティーが高く、イメージに沿ったリアルな画像を作成することができるので、ぜひ参考にしてみてください!
※リアルな画像生成ができるプロンプトのコツについては、以下の記事を参考にしてください。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい