Veo 3.1の利用回数制限完全ガイド！透かしやポリシー関連の制限もまとめて解説

「Veo 3.1を使ってみたいけれど利用回数に制限はあるの？」

「ウォーターマークは入るのか知りたい」

Googleの高性能AI動画生成モデルVeo 3.1に興味はあるものの、具体的な制限がわからず利用しづらい方もいるのではないでしょうか。

Veo3.1は無料プランと有料プランの違いやコンテンツポリシーを理解しておかないと、思ったような動画制作ができません。

そこで、本記事ではVeo 3.1の各種制限について以下を中心に詳しく解説します。

ぜひ最後までお読みいただきVeo 3.1の制限を正確に理解した上で、快適な動画制作のために役立ててください！

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Veo3.1のプラン別生成回数上限まとめ

Veo 3.1の利用回数は、使用するプラットフォーム（GeminiまたはFlow）と契約プランによって異なります。

Geminiは1日あたりの生成本数、Flowはクレジット制と管理方法が異なる点が特徴です。

各プランの主な違いを以下の表にまとめました。

Gemini（Web版やアプリ）での利用は、手軽ですが1日の本数上限が設定されています。

一方、より高度な動画編集が可能なFlowでは、毎月付与されるクレジットを消費して動画を生成します。

高品質な動画や長尺の動画を生成する場合は、より多くのクレジットが必要となる仕組みです。

無料プラン

Veo 3.1の無料プランは、本格的な利用ではなく「お試し」としての位置づけです。

GeminiアプリやWeb版のGeminiでは、無料プランでの動画生成機能はありません。動画生成を試すには「Flow」を利用する必要があります。

Flowの無料プランでは、機能テスト用に100クレジットが一度だけ付与されます。

100クレジットは、Veo 3.1のFastモデルやQualityモデルで数本の短い動画を生成すると消費してしまう量です。

継続的に動画を生成したい場合や、Geminiでの手軽な動画生成を利用したい場合は、有料プランへの登録が必須と言えます。

Google AI Pro

「Google AI Pro」プランは、Veo 3.1を試したい個人ユーザーやクリエイターに適したプランです。

GeminiとFlowはアカウント情報を共有しているため、両方でVeo 3.1を利用できます。Geminiを利用する場合は、1日あたり3本までの動画生成が可能です。手軽にアイデアを映像化したい場合に適しています。

一方、Flowを利用する場合は毎月1,000クレジットが付与されます。クレジットを消費して、より高品質な動画や編集機能を使った動画制作が可能です。

生成するモデルによって本数は異なりますが、約100本ほどの動画制作ができます。

Google AI Ultra

「Google AI Ultra」プランは、Veo 3.1を頻繁に、または高品質で利用したいプロフェッショナルやヘビーユーザー向けの最上位プランです。

Proプランと比較して、利用可能なリソースが大幅に増加します。Geminiでの利用は1日あたり5本までとなり、Flowで利用可能なクレジットは毎月25,000クレジットが付与されます。

豊富なクレジットにより、Flowの高品質な「Veo 3.1 Quality」モデルを多用したり、動画を延長する「Extend」機能を使って長尺の動画を制作したりするなど、クリエイティブな作成がしやすくなるでしょう！

Google Workspace (standard~)

Google WorkspaceでVeo3.1を利用する場合は、ほとんど使えないと思っておくのが賢明です。公式サイトからも1日あたり最大3本の生成と記載があります。

動画生成を業務やビジネスのベースにするのであれば、GeminiのUltraプランで契約するのをおすすめします！

Veo3.1で生成した動画に透かしはつく？

Veo 3.1で生成された動画には、ウォーターマーク（以下の動画右下）が付与されます。

ウォーターマークは、AIによって生成されたコンテンツであることを明示し、誤情報やディープフェイクの拡散を防ぐための措置です。

ProプランやFlowの無料プランで生成した動画には、目に見える形で透かしが表示されます。

最上位プランであるUltraプランを利用する場合、この目に見える透かしは表示されません。ただ、透かしがないように見えても、Googleが開発した識別技術「SynthID」による電子透かしが埋め込まれています。

SynthIDは、人間の目には見えない形でピクセルレベルで情報を埋め込む技術です。動画がAIによって生成されたものであることを、Googleが後から検出できるようになっています。

年齢・地域・利用環境による制限

Veo 3.1にはプランごとの回数制限だけでなく、利用者の年齢や居住地域、使用するプラットフォームによる機能の違いも存在します。

安全かつ法令を遵守したサービス提供のため、いくつかの前提条件が設けられています。

それぞれ解説します。

年齢・地域による制限

Veo 3.1を含むGoogleの生成AI機能を利用するには、原則として18歳以上である必要があります。

年齢規制はGoogleアカウントの利用規約に基づくもので、成人向けのコンテンツポリシーを理解し、安全に利用できるユーザーを対象としているためです。

利用可能国についてはVeo 3.1は2025年10月現在、米国や日本を含む多くの国で提供されていますが、提供状況は国や言語によって異なり段階的に拡大されています。

特に注意が必要なのが、プライバシー保護規制（GDPRなど）が厳しいEU（欧州連合）、イギリス、スイスです。

上記の地域では、Veo 3.1の機能（人物を含む動画の生成に関するパラメータ）に一部制限が課せられているため、意図した通りの人物描写ができない場合があります。

日本国内での利用に関してはサービス提供対象国に含まれており、各プランに登録することで利用可能です。

日本語のプロンプト（指示文）にも対応しており、日本人や日本の風景といったテーマでの動画生成も行えます。

Geminiアプリ・Flow・Google AI Studioの違い

Veo 3.1は主に3つの異なるプラットフォームから利用でき、それぞれ特徴や制限が異なります。

Geminiは、最も手軽にVeo 3.1を体験できるプラットフォームです。テキストプロンプトや画像から、数分で短い動画を生成します。

主に速度に最適化された「Veo 3.1 Fast」モデルが使用されますが設定は不要です。アイデアを素早く映像化したい場合に最適で、モバイルアプリとWeb版で機能的な違いは基本的にありません。

Flowは「AIフィルムメイキング・インターフェース」と位置付けられており、高品質な映像作品を追求するクリエイター向け。

動画を延長して1分以上のシームレスな動画を作る「Extend」機能や、複数の参照画像からキャラクターの一貫性を保つ機能など、多彩な編集が可能です。

Google AI Studioは、開発者がAPIを通じてVeoの機能をプログラム的に利用するためのプラットフォーム。

動画の解像度、長さ、アスペクト比などを細かく指定でき、最も自由度の高い制御が可能です。

ただし、現状ではVeo2までしか搭載されていないため今後に期待しましょう。

Veoのコンテンツポリシーによる制限

Veo 3.1での動画生成は技術的な制限だけでなく、Googleが定める厳格なコンテンツポリシーによっても制限されます。

コンテンツポリシーはAIが悪用されるのを防ぎ、安全な利用環境を維持するために不可欠なルールです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Gemini共通のポリシーガイドラインとNG項目

Googleはすべてのユーザーが安全にAIを利用できるよう、Gemini製品全体に適用される厳格な「生成AIの利用禁止に関するポリシー」を定めています。

Veo 3.1での動画生成もガイドラインを遵守することが必須です。

たとえば、以下のようなコンテンツの生成はブロックされます。

ポリシー違反時のペナルティとして警告の上、最終的にはGeminiサービスへのアクセスが制限されたり、Googleアカウント自体が停止されたりするリスクがあります。

Googleによる安全性評価・テスト方法

GoogleはAIを責任ある形で開発するため、多層的な安全性評価とテストを実施しています。

Googleは「AI原則」を掲げており、すべてのAI製品をこの原則に基づき評価しています。

また、Geminiモデルには有害なコンテンツを検出・ブロックするための安全フィルターが組み込まれています。

フィルターは、「ヘイトスピーチ」「性的表現」「危険なコンテンツ」などのカテゴリごとにコンテンツをスコアリングし、値を超えた場合に生成をブロックする仕組みです。

ユーザーからのフィードバック収集や、AIの潜在的リスクを分析する研究も継続的に行われています。

Veo3.1のポリシー違反コンテンツの生成を実際に調査！

GoogleのVeo 3.1は厳格なコンテンツポリシーを徹底するため、強力なモデレーション機能（安全フィルター）を搭載しています。

また、競合となるOpenAIの「Sora 2」も同様に、厳格なシステムを持つと評価されており、著作権ロゴやリアルな暴力シーンの再現に厳しい規制を敷いています。

著名人・既存キャラクターの生成・画像参照

Veo 3.1は、著作権や肖像権を保護するため、著名人や既存のキャラクター（アニメ、ゲーム、映画など）の生成に強い制限をかけています。

同様に、著名人の写真やキャラクターのイラストを参照画像として使用した場合も、正確に再現することはできません。

ただし、抽象的な表現や動作を指示しない場合は再現できてしまう場合もあるため、取り扱いには注意しましょう。

▪️プロンプト

ピカチュウが笑っている

実在する人物の画像参照

Veo 3.1では、プライバシー保護とディープフェイク技術の悪用を防止するため、実在する人物の画像（特に顔がはっきりと写っているもの）を参照として使用することに厳しい制限があります。

個人の特定につながるような画像をアップロードして動画生成を試みた場合、システムが顔を認識して生成を拒否したり、顔の部分を意図的にぼかしたり、全くの別人に置き換えたりするケースが多いです。

▪️プロンプト

木村拓哉が話している

本人の同意なく他人の肖像を使用して、動画を作成する行為を防ぐための重要な安全措置です。

Googleはディープフェイクによる社会的な混乱や個人の名誉毀損リスクを重く見ており、倫理的な利用を強く求めています。

自身や他者の画像を扱う際は必ず本人の明確な同意を得るなど、ガイドラインを遵守することが不可欠です。

センシティブな要素を含む素材の生成・画像参照

Veo 3.1は、Googleのコンテンツポリシーに基づき、性的、暴力的、その他センシティブな要素を含む素材の生成や参照を厳しく制限しています。

たとえば、「幼児を虐待している父親」といったプロンプトは、フィルターが「暴力的な示唆」と判断し、生成をブロックする可能性があります。

また肌の露出が多い写真を使用した場合も、同様に生成が拒否されやすいですが現状では出力されるケースが多いです。

▪️プロンプト

水着を着た20代日本人女性がプールを楽しんでいる

AIの判断基準は、社会的な規範や倫理観に基づいています。AIが過剰に反応する可能性も理解し、誤ってポリシー違反となるコンテンツを生成しないよう使用する言葉や画像に注意を払いましょう！

まとめ

Veo 3.1の利用制限を理解することで、プラン選択の失敗や予期せぬ生成ブロックを避け、スムーズに動画制作を進められます。

Veo 3.1は強力な動画生成AIですが、安全な利用のために多くの制限が設けられています。特にコンテンツポリシーは厳格で、意図せずブロックされることもあります。

頻繁に利用制限に直面する場合や透かしのない高品質な動画を求めるなら、Ultraプランへのアップグレードがおすすめです。

本記事を参考にVeo 3.1のルールを理解し、AI動画生成を最大限に活用するための一歩を踏み出しましょう。