Gemini 3.0の制限を整理|無料回数・有料プラン・利用環境の違い

Gemini

先日、Gemini3.0がGoogleから公式リリースされました。

そこで、Gemini 3.0を仕事や副業で試してみたものの、無料でどこまで使えるのか、1日の回数制限が分からずモヤモヤしている人は多いはずです。

Gemini 3.0は非常に高性能なAIですが、利用プランやモードによって、1日あたりの回数制限や機能制限が大きく異なります。知らずに使っていると、肝心な時に制限に達してしまうかもしれません。

この記事では、Gemini 3.0の無料版と有料版の回数制限やプラットフォームごとの制限、プラン選びの考え方などを徹底解説します。

これを読めば、制限を理解して、今の自分に最適なプランが分かり、業務に最適な形でGemini3.0を使うことができるようになります。

📖この記事のポイント

  • 思考モード(3 Pro搭載)は無料版で1日3回、Proで1日100回、Ultraで1日500回の制限がある。
  • プラットフォームごとにGemini3.0 Proをどの程度利用できるのかが異なる。
  • 特に、アプリ版では思考モードと高速モード以外のモデルを選択できず、無料版では思考モード制限が厳しい。
  • スライディング後のモデルも十分高性能なので、業務で困らない限りはGemini3.0のために課金する必要はない。
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監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Gemini 3.0の回数制限の結論

Googleの公式ヘルプや各種解説記事を整理すると、Gemini 3.0の回数制限は「どのプランで」「思考モードをどれくらい使うか」で大きく変わります。特に、Gemini 3 Proモデルをじっくり考えさせる思考モードには、1日あたりの上限回数が明確に決められています。

アプリ版/Web版においては「思考モード = Gemini 3 Pro」です。

まずは、無料版・Google AI Pro・Google AI Ultraそれぞれで、思考モードを1日にどれくらい使えるのかを一覧で整理しておきましょう。

  • 無料プラン:5回
  • Google AI Pro:100回
  • Google AI Ultra:500回

また、公式情報では「上限は変更される場合があります」と明記されているため、最終的な判断の前には必ず最新のヘルプページを確認するようにしてください。

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プラン別・制限別に見る主な違い

「無料/Pro/Ultra」で違うのは「Gemini3.0」を使える回数だけではありません。ビジネス用途で見るべきなのは、回数制限に加えて、利用できるモデルや機能、コンテキストウィンドウ(まとめて読ませられる情報量)など、複数の制限の組み合わせです。

プランごとの違いを表にまとめてみました。

機能・制限無料プランGoogle AI Pro Google AI Ultra
月額料金無料2900円36400円
高速モード (主なモデル)制限: 非公開 (スライディング制) 制限: 非公開 (スライディング制) 制限: 非公開 (スライディング制)
思考モード (Gemini 3 Pro)1日 約5回 まで1日 約100回 まで1日 約500回 まで
コンテキスト (一度に扱える量)最大32,000 トークン (約50ページの文書)最大100万 (1M) トークン (約1,500ページの文書) 最大100万トークン
画像生成 (NanoBanana/
NanoBanana Pro)
1日 約100枚 /3枚1日 約1,000枚/100枚1日 1,000枚/1000枚
動画生成 (Veo / Whisk)利用不可 (または極めて限定的)Veo 3 Fast 目安:1日 3〜5本 Veo 3 (フルモデル) 目安:1日 5本以上

アプリ版/Web版で画像生成モデルの選択はできません。

これらの制限を見ると、テキスト中心の業務であれば、無料プランでも高速モードを活用して、一定範囲のビジネス利用が可能です。しかし、動画生成をしたい場合やGemini3.0のモデルが必要な作業の場合は課金は必須と言えます。

※画像生成モデル(Nano Banana Pro)に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

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プラン選びの考え方|Gemini3.0のために課金すべき?

同じ回数制限でも、どの程度不自由を感じるかは、Gemini 3.0をどんなシーンで使うかによってまったく違います。AI初心者〜中級のビジネスパーソンやクリエイターがよくある使い方をイメージしながら、Gemini3.0のために課金するのがおすすめなラインを整理しておきましょう。

ライト利用(調べもの・短い文章作成・軽いコード相談)

一日数回程度のライトなやり取りであれば、Gemini3.0の制限に達しても移行するGemini2.5で十分対応が可能です。このような利用の方は、無料版で十分です。

副業・クリエイティブ制作(長文記事制作・動画企画・大量の画像生成など)

1日に何十回も考えさせるプロンプトを投げることが多いため、制限が緩い有料プランを積極的に検討するのがよい層です。また、無料版では動画生成ができないので動画を扱いたい方は課金は必須です。

開発・研究用途(大規模コードベースの解析・長大な技術文書の読解など)

コンテキストウィンドウの広さと思考の深さが効いてくるため、制限のことを考えると有料プランが必須級な層です。

Geminiの他のモードやモデル(高速モード・スライディング後のモデル)も非常に高性能なので、業務で困っていないのであればGemini3.0のために課金する必要はありません。このように、プラン選びは自分の典型的な使い方(業務・日常使い)に合わせて検討することが重要です。

プラットフォーム別の制限

Gemini 3.0のプラットフォーム別の制限をまとめた解説バナー画像(アプリ・Web版、検索AIモード、AI Studio・API、地域・アカウントごとの違いを図解)

同じGemini 3.0が搭載されていても、「どこから使うか」によって体感する制限はかなり変わります。スマホアプリやWeb版だけで使うのか、あるいはAI StudioやAPIとして開発に組み込むのかによって、回数・機能・扱えるデータ量が変わってきます。

ここでは、代表的なプラットフォームごとに、押さえておきたい制限と向いている用途を整理します。

Geminiアプリ・Web版での制限

GeminiアプリとWeb版は、もっとも多くのユーザーが触れる入口です。ブラウザでGeminiのページを開く、スマホアプリからチャットする、といった使い方であれば、特別な設定なしにGemini 3.0を試せます。ビジネスパーソンやクリエイターが、まず最初に日常利用に乗せやすいのもこの経路です。

一方で、アプリ・Web版では選択できるモード(モデル)が「高速モードと思考モード(3 Pro 搭載)」しかないという制限があります。制限に達するとGemini2.5などの下位モデルに自動遷移します。

検索AIモードの制限

Google検索 においては、Gemini 3は まず米国にて「AI モード」で利用可能になります。近日中に、米国のすべてのユーザーがAI モードでGemini 3を利用できるようになる予定です。

しかし、公式ブログでは日本展開の具体的な日程は言及されておらず、順次拡大予定とされています。また、Google検索サポートページではAIモードの対象国リストに日本は入っていますが、「英語で提供」と記載されています。

そのため、日本ではGemini3.0をGoogle検索で使用できないのが現状です。

Google AI Studio・API利用時の制限

Gemini APIは、Gemini 3.0を自社アプリや業務フローから呼び出すためのインターフェースです。Google AI Studioは、ブラウザ上でプロンプトの試行錯誤や、簡単なアプリの試作が行える開発者向けツールで、無料(クレカ登録なし)でも様々なモデルを試したり、自分のGemini APIを登録して利用することもできます。

Google AI StudioやGemini APIを利用してGemini 3.0を利用する場合は、下記の開発者向けの料金が適用されます。

項目内容
対象モデルgemini-3-pro-preview
課金方式入力トークン・出力トークンごとの従量課金(1M tokens単位)
通常コンテキスト(〜200k tokens)入力: 約$2.0 / 1M tokens、出力: 約$12.0 / 1M tokens 程度と案内
ロングコンテキスト(200k超〜最大1M)入力: 約$4.0 / 1M tokens、出力: 約$18.0 / 1M tokens 程度(長コンテキスト向けプレミアム料金)
コンテキスト上限最大約100万トークン(1M-token context window)
無料枠開発者向けに月あたりの無料トークン枠あり(量や対象モデルは時期・地域で変動)
API料金の公式ページ

また、Gemini3.0 ProのAPIレート制限は以下の通りです。

プラン / ティアRPM(Requests/min)TPM(Tokens/min)RPD(Requests/day)
Tier 1(有料)501,000,0001,000
Tier 2(有料)1,0005,000,00050,000
Tier 3(有料)2,0008,000,000事実上無制限
APIレート制限の公式ページ

公式ページでは、無料枠で使えるモデルの欄に「Gemini 3 Pro プレビュー」の記載はありませんでした。

詳細な数値や仕様は頻繁に更新されるため、実際にAI StudioやAPIを使うときは、公式ドキュメントの制限の項目を必ず確認してください。そのうえで、どのレベルの制限なら自分たちのユースケースに耐えられるかを見積もることが重要です。

地域やアカウント種別による制約

最後に見落としがちなのが、「どの国からアクセスしているか」と「どのアカウントで使っているか」による制約です。Gemini 3.0はグローバルに展開されているモデルですが、すべての機能が世界中で一斉に同じタイミング・同じ内容で提供されるとは限りません。

実際、Gemini3.0が発表された当初は、一部の地域やツールのみで利用可能で、スマホアプリ版ではシャドウリリースだったりモデルが更新されない場合がありました。

地域による違いとしては、次のような点が挙げられます。

  • 提供開始のタイミング:新しいモデルや機能は、まず一部地域(アメリカ中心)で先行提供され、その後ほかの国に広がるケースが多いです。
  • 利用可能なプラン:Google AI ProやUltraなどの有料プランが、国によって提供状況や料金体系が異なることがあります。
  • 規制やポリシー:各国の法規制やプライバシー保護の要件に応じて、特定の機能が使えない、あるいは挙動が変わることがあります。

アカウント種別についても、個人用のGoogleアカウントと、Google Workspace(企業や学校向けのアカウント)では事情が異なります。Workspaceでは、組織の管理者がGemini 3.0や関連機能の利用可否を制御できるため、「自宅では使えるのに、会社アカウントからは一部機能が見えない」といった状況が起こりえます。

このように、プラットフォームや地域、アカウント種別によって、表から見えるGemini 3.0の制限は少しずつ変わってきます。実務で使う際は、「どの入口から」「どのアカウントで」「どの国から」使うのかを整理したうえで、必要な制限情報を確認することが重要です。

※Geminiの画像生成に関する制限は、以下の記事で詳しく解説しています。

制限を前提にしたビジネスでの使い方

ここまでで、Gemini 3.0の回数制限やプランごとの違いのイメージはつかめてきたと思います。あとは、その制限を踏まえながら、日々の業務・作業の中にどう組み込むかがポイントになります。

このセクションでは、情報をAIに効果的に伝えるプロンプト設計、制限に達したときの対処法を順番に見ていきましょう。

回数制限を節約するプロンプト設計

回数制限を一番早く消費してしまうのは、出てきた回答がなんか微妙で何度も修正を繰り返してしまうパターンです。Gemini 3.0をビジネスで使うときは、こちら側の意図を正確にAIに伝えるプロンプト設計を意識すると、修正回数を減らすことができます。

おすすめなのは、次のような構造化されたプロンプト設計です。

全体像や条件・前提をまとめて伝える

ターゲットやトーン、制約条件をあらかじめ列挙し、回答の精度を上げる。

アウトプット形式を明示する

箇条書き、表、テンプレートなど、欲しい形を指定して回答形式を最適化する。

例えば、メール作成であれば、次のようなプロンプトです。

# 命令書
BtoB向けの新規開拓営業メールの草案を作成してください。

# 前提条件(コンテキスト)
1.  **自社商材**: クラウド型勤怠管理システム「SmartTime」
2.  **ターゲット**: 従業員100名前後の製造業の人事担当者
3.  **訴求ポイント**: 「月末の集計作業をゼロにする」という業務効率化
4.  **トーン**: 礼儀正しく、信頼感のあるビジネスライクなトーン

#出力形式
プレーンテキスト

# 出力指示(ステップ実行)
以下の2段階で出力を行い、1回の回答で完結させてください。

## ステップ1:構成案
まずは、メール全体の構成(件名、導入、課題提起、解決策、クロージング)を箇条書きでアウトライン化してください。

## ステップ2:本文作成
ステップ1の構成に基づき、そのまま送信可能なレベルのメール本文を作成してください。

# 禁止事項
* 過度な売り込みや煽り文句は避けること
* 長くなりすぎないこと(スマホで読める分量)

このように、構成を考えてもらう作業と本文作成の作業を分けると回答の精度が保たれますし、構成が微妙であれば構成の部分への修正指示がしやすくなります。

Gemini3.0が制限に達したときの対処法

無料版ではどれだけ回数制限に気を付けていても、業務で利用していると制限は必ず来ます。そこで、制限に達してしまったときに取れる現実的な対処法は以下の二つです。

Geminiの下位モデルでそのまま作業を進める

Gemini3.0は非常に高性能ですが、スライディング後の下位モデルも十分業務で活用できるくらいの性能です。そのため、下位モデルに自動シフトした後もそのまま使い続けてもほとんどの場合支障はありません。

プランを引き上げる

Gemini3.0をどうしても使いたいという方は、繁忙期で使用頻度が高いときだけ上位プランを契約し、落ち着いたタイミングで見直すというのもありだと思います。ただし、自動で契約が更新されるシステムなので解約の手続きを忘れないようにしましょう。

これらを試して、どうしても制限がネックに感じるようであれば、課金するのが一番です。

Gemini 3.0の制限に関するよくある質問

ここでは、本文では触れきれなかった「Gemini 3.0の制限」に関する細かい疑問にQ&A形式でまとめて答えていきます。仕様や提供状況は変わることがあるため、ここで示す考え方を押さえたうえで、最終的には公式情報も併せて確認するようにしてください。

Q
制限に達したとき、入力したデータはどう扱われますか?
A

回数制限に達したときに「本日の利用上限に達しました」といったメッセージが出ても、それまでに送信したデータが即座に消えるわけではありません。通常は、これまでのチャット履歴はそのまま残り、新しいリクエストだけが一定時間ブロックされるイメージです。

Q
日本での提供状況や地域制限の情報はどうしたらわかりますか?
A

日本での提供状況や地域制限の最新情報を追うには、次のような情報源を組み合わせるのがおすすめです。

  • 公式ヘルプ・サポートページ:対応地域一覧や料金ページ、制限に関する注記などを定期的にチェックする。
  • 公式ブログ・アナウンス:新機能リリースやプラン変更は、ブログやプレスリリースで案内されることが多い。
  • 国内向けの技術ブログ・メディア:romptn aiでは、「日本から見た提供状況」を噛み砕いて解説している。
Q
Gemini 3.0 の知識カットオフはいつですか?
A

Gemini 3 Pro の知識カットオフは 2025年1月 と明示されています。
そのため、それ以降の出来事や最新ニュースについては、検索グラウンディングなど外部情報源と組み合わせて利用することが推奨されています。

Q
Gemini 3.0 はどのプラットフォームで使えますか?
A

Gemini 3 Pro は、少なくとも次のプラットフォームで提供されています。

  • Gemini アプリ(Web / モバイル)
  • 開発者向け Gemini API(Google AI Studio 経由)
  • エンタープライズ向け Vertex AI(Gemini 3 モデル)
    これらはいずれも同一ファミリのモデルですが、レート制限や料金、管理機能などがプラットフォームごとに異なります。

まとめ

Gemini3.0は史上最高の性能を持つモデルで、今後様々な場面で利用されることが予想されます。制限を理解し使いこなすことで、業務がより効率化されるのは間違いありません。

では、最後にここまで見てきた内容を整理したいと思います。

この記事のポイント
  • Geminiの無料版と有料プランでは、Gemini3.0の1日あたりの回数制限だけでなく、利用できるモデルやコンテキスト量などの制限も変わるため、「どのプランなら自分の使い方に足りるか」で考えることが重要。
  • 利用するプラットフォームごとに回数・機能の制限が異なるため、「どの入口から使うか」で体感が大きく変わる。
  • 制限ありきでGemini 3.0を使うときは、効果的なプロンプト設計を意識することが重要。

Gemini 3.0の制限を正しく理解しておくと、自分の利用状況を踏まえたうえで課金するべきかを冷静に判断できるようになります。

仕様や提供状況は今後も変化していくため、公式情報とあわせて定期的にアップデートしながら、自分やチームにとって最適な付き合い方を探していきましょう。

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