【保護者向け】Geminiの年齢制限が撤廃！年齢制限と注意点まとめ

Googleが開発した最新AI「Gemini」は、テキスト生成や画像認識など、幅広い分野で高い性能を発揮する注目のAIツールです。しかし、便利さの裏で気になるのが「年齢制限」の存在。特に子どもが利用する場合、安全性や個人情報の扱いには慎重さが求められます。

以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。

この記事では主に以下の内容を詳しく解説します！

本記事では、Geminiの年齢制限の有無や仕組み、13歳未満でも利用できる条件、そして保護者が知っておくべき安全な使い方のポイントまでをわかりやすく解説します。教育現場や家庭でのAI活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください！

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

【前提知識】保護者向けサービス『Family Link』とは？

Family Linkとは、Googleが提供する保護者向けの子どもアカウント管理サービスです。

保護者はこのアプリを使って、13歳未満の子どもにGoogleアカウントを作成し、利用範囲を管理・制限することができます。具体的には、利用できるアプリの選択、画面時間（利用時間）の制限、就寝時間の設定、位置情報の確認などが可能です。

一方で、子どもは保護者の許可なしに勝手に設定を変更したり、年齢を偽ってパーソナルアカウントを作成したりすることはできません。

また注意点としては、子どもが自身でアカウントを管理可能な年齢（13歳）になった際には子ども自身でFamily Linkを解除するか継続するかを選択できます。

Geminiの年齢制限は撤廃された？

まずは基本的な疑問、「Geminiの年齢制限はどうなったのか？」という点から見ていきましょう。AIは便利な反面、誤情報や不適切な表現などのリスクもあるため、現在Googleは利用可能年齢を慎重に設定している印象です。

保護者の同意があれば13歳未満でも利用可能に

前提としてGoogleヘルプによれば、Googleアカウントやスクールアカウントを使ってGeminiを利用するには、原則として 13歳以上（国によって適用年齢が異なる場合もあり）である必要があります。

一方で、今年に入ってから13歳未満（または各国で定められた基準年齢未満）の子どもは、保護者管理下（Family Link管理下） で子ども向けGeminiへのアクセスが設定可能となりました！このように、13歳未満でも「親の許可と制御のもとで使える」形での利用が段階的に許可され始めています。

GoogleはGeminiアプリへのアクセスを 13 歳未満の子どもにも提供しつつ、子ども向けの追加フィルターや制限付き機能を設けています。ただし、年齢制限が完全に撤廃されたわけではないのでご注意ください。

そもそもなぜGeminiには年齢制限が存在するのか

年齢制限が設けられている理由はいくつかあります。

これらの観点から、Geminiの提供側は安全・責任・倫理を担保するために年齢制限を設けており、その制限を段階的に緩和し管理付きアクセスを導入しているわけです。

子ども向けGeminiの特徴とは？

子ども（特に13歳未満、または未成年）向けに設けられているGeminiの特徴的な仕様には、以下のようなものがあります。

こうした特徴により、子どもユーザーが安全にGeminiを使えるような環境が整備されつつあるといえるでしょう！

13歳未満のGeminiの利用制限を設定するための具体的な手順

以下は、13 歳未満の子どもにGeminiの利用を許可するのか制限するのかの設定を行う方法です。

①子ども用のアカウントを作成

まずは子ども用のアカウントを作成します。今回は”子供用テストアカウント”というアカウント名で進めていきます。

手順は通常のパーソナルアカウント作成と同じです。ただ、生年月日を入力した際に13歳未満の場合には自動的に保護者のアカウントを連携する画面が表示されます。指示に従い保護者のアカウント名やパスワードを入力してください。

↓手順に沿って入力すると以下のような画面に切り替わります。

②保護者のGoogleアカウント/Family Link準備

子ども用のアカウントを作り終わったら次に、Family Linkアプリをインストールします。保護者のスマホにのみインストールを行い、子ども用のスマホにはインストール不要です。

↓以下のような画面が表示されるので下の「”保護者アカウント名”さんとして続行」ボタンを押します。

↓するとFamily Linkのホーム画面が表示されます。

③Geminiアプリの利用許可設定

次にGeminiの利用制限の設定を行います。ホーム画面を下にスクロールしてGemini（設定と制限）を選択します。

↓選択すると以下のようにGeminiの利用をON/OFFできる画面が表示されます。デフォルトではGeminiの利用許可はONになっています。保護者の意向に合わせてON/OFFを切り替えてください。

④利用開始・モニタリング

Geminiの利用設定をONにした場合、子ども用のアカウントでGeminiが使用できるようになります。ただ、Googleのフィルタリングをかけていても、しっかりと保護者自身で出力内容や利用方法を定期的に確認することが重要です。

【保護者向け】子どもが使う際のGeminiの活用例

Geminiは親が教えられないような分野の子どもの学び・創造力をサポートし大幅に学習効率を上げることが可能です 。具体的にGeminiを活用できる場面をいくつか挙げると、以下のようなものがあります。

宿題サポート・疑問解決

子どもが「この算数の問題がわからない」と言ったとき、解法の手順や考え方の補助を出してもらうことも可能です。
例：「この問題を解くときの考え方を3ステップで教えて」

ただし、答えそのものを丸写しさせないようにすることが肝心で、理解を促す補助的なヒントや要点解説を中心に使わせるようにしまよう。

語学学習・英作文補助

英語作文を入力させ、学校や塾の先生の代わりに文法チェック・自然な言い回しの校正などをしてもらうことが可能です。単語クイズ、発音ガイド、類義語提案など、語彙強化や表現拡張に使うこともできます。

ただし、翻訳丸写し用には使わせず、子ども自身で調整・考える時間を残すといった運用を行うことが大切です。

創作活動支援

物語のプロット案、キャラクター設定、絵本のテーマアイデアなど、発想出しの手助けに使用することが可能です！

例）「ファンタジー世界のモンスターを3体考えて」「クラスで行う演劇のセリフを考えて」

子どもが出したアイデアをもとに、AIと共同編集・肉付けしていく形式が理想です。

読解支援・要約機能活用

教材や新聞記事を貼り付けて「この部分の要点を3文でまとめて」などといった使い方も可能です！また、読解問題の物語文を分析し分かりやすくまとめてもらいテスト直しや勉強する際の補助的な役割にもなります。

ただし、ここでもAIの出力をそのまま丸写しさせず、子ども自身に要約し直すプロセスを入れるようにすることが大切です。

プログラミング学習補助

「このコードがなぜ動かないか教えて」と入力してもらい、エラー原因の解説＋修正案を見せてもらったり、「この処理をこう改良したい」といった相談も可能です！プログラミングを教えてくれる人が身近にいない子どもにとっては非常に心強い講師的な存在になります。

未成年ユーザーの安全な利用のための注意点3つ

子どもがAIを安全に使うためには、次の基本的な3点を守ることが重要です。

①個人情報を入力しない・限定利用する

子どもは無自覚に住所・氏名・電話番号などを入力してしまうリスクがあります。子どもに　Geminiを使わせる際は、以下の入力禁止用語・項目をあらかじめルール化しておきましょう。

入力してはいけない内容の例（NG項目）

こうして、入力内容の「枠組み」と「禁止項目」を明文化しておけば、子ども自身も判断しやすくなります。保護者は最初にこのルールを一緒に確認・合意しておくことが効果的です！

②出力内容（誤情報・過激表現など）における注意

生成 AI は完全ではなく、以下のような問題（ハルシネーションや偏りなど）が発生してしまいます。

具体的対応策

生成AIは完全には信頼できません。間違った情報や偏った表現、過激表現が混じる可能性もあります。子どもが受け取った出力を鵜呑みにしないよう、「確認」「別の情報源で裏付ける」という習慣をつけるように促すべきです！

③利用時間と使用範囲を制限する

AI依存を防ぎ、バランスのある学びを促すには、利用時間・利用場面を制限することが不可欠です。具体的には以下のようなルールを導入するのが有効です。

時間管理のルール例

使用場面の制限例

具体設定手順（Family Link等を使って制限する方法）

このように長時間のAI利用や依存を防ぐために、1日あたりの使用時間制限や休憩を挟むようルールを決めるとよいです。AIは非常に便利ですが、子供のうちから使いすぎると想像力や自主的な思考力の成長に影響を及ぼす可能性があります！

年齢制限に関するよくある疑問

以下ではGeminiの年齢制限に関係するよくある質問をまとめてみました！

【参考】Googleスクールアカウントとは？

Googleスクールアカウント（Google Workspace for Education）は、学校が教育目的で発行・管理する特別なGoogleアカウントです。

一般的に [名前]@[学校名].edu の形式で提供され、Google ClassroomやDrive、Meet、Docsなどの教育向けツールを安全に利用するために使われます。最大の特徴は、学校（教育機関）が管理者としてアカウントや利用範囲を一括で制御している 点です。

これにより、生徒が不適切なコンテンツにアクセスすることを防いだり、利用時間やアプリ権限を制限したりといった管理が可能になります。

まとめ｜Geminiを安心して使うために知っておきたいこと

Geminiには年齢制限が存在し、通常は 13歳以上からの利用が原則とされています。ですが、例外として保護者の管理下であれば子ども用に特別な制限を設けられたGeminiを13歳未満でも使用できるサービスが提供されています。

子どもがGeminiを安心・有意義に使うためには、

こうした運用ルールを親子で共有することが欠かせません。

AI は便利な道具ですが、使い方を誤ればリスクもあります。特に未成年ユーザーにとっては、「AIを使う力（リテラシー）」と「安全な使い方ルール」 を同時に育てることが、最も重要なポイントだといえるでしょう！