【入門編】NotebookLMとは?使い方や料金、活用シーンを徹底解説

Gemini

NotebookLMは、読み込ませた資料(ソース)のみに基づいて回答を生成するAIです。

そんなNotebookLMについて、以下のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

  • 「結局、何ができるツールなの?」
  • 「無料で使えるの?」
  • 「Geminiと何が違うの?」
  • 「仕事(議事録作成、論文要約など)での使い方は?」
  • 「安全性は大丈夫?情報漏洩しない?」

この記事では、NotebookLMの基本機能から、Geminiとの決定的な違い、具体的な活用シーンまで徹底的に解説します。

この記事を読み終わる頃には、NotebookLMの全体像を理解し、どう活用すべきかまで明確になっているはずです。

📖この記事のポイント

  • NotebookLMは資料にもとづいた分析・活用専門のAIでハルシネーションが少ない(AIのもっともらしい嘘)。
  • NotebookLMは、資料の音声解説や動画解説、マインドマップなどのスタジオ機能が魅力的。
  • NotebookLMはGoogleアカウントがあればだれでも利用できるが、無料版では基本的な機能のみが利用可能
  • NotebookLMは日本語に対応している。
  • NotebookLMは無料版ではノートブック100冊、チャット50回などの制限が設けられており、有料版(Pro:2,900円/月、Ultra:36,400円/月)への課金で上限が拡張される。
  • セキュリティ対策がしっかりしているため情報漏洩の可能性は低い
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監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

NotebookLMとは?3分でわかる基本

まずは、「NotebookLM」とはどういうものなのかを、Geminiとの比較やできることの紹介を通して解説していきます。

Googleが開発した「ソース(資料)に基づいたAI」

NotebookLMは、Googleが開発したAI搭載のノート作成・リサーチツールです。最大の特徴は、一般的な生成AIのようにインターネット全体の広範な情報(学習データ)から回答を生成するのではなく、ユーザーがアップロードしたソース(資料)のみに基づいて回答や要約を作成する点にあります。

ハルシネーション(AIがもっともらしい嘘をつくこと)のリスクを最小限に抑え、あなたが持っている情報に基づいた正確な分析や要約を得意としています。

読み込めるソース(資料)一覧
  • PDFファイル
  • Googleドキュメント、Googleスライド
  • テキストファイル(.txt)
  • WebページのURL
  • YouTube動画のURL
  • 音声ファイル(MP3, WAVなど)

Geminiとの決定的な違い|カスタマイズでは埋まらない差

ここまで聞いて、「別にGeminiをGemなどの機能を使ってカスタマイズしたらいいんじゃないの?」と思った方もいると思います。

しかし、両者の間にはGeminiのカスタマイズでは以下のような埋められない差があります。

観点NotebookLM(DeepResearch搭載)Gemini(Gem)
情報源の制御資料+Web収集結果をユーザーが選択・管理し、情報源が明確学習データ、Web、AI知識が混在する可能性を無視できない
根拠の明示回答ごとに「どの資料から抽出したか」を引用・検証可能根拠は厳密でない場合があり、混在も起こりやすい
ハルシネーション抑制資料にないことは答えない安全設計(根拠なき回答は少ない)AI自身の判断やWeb知識・学習データが混じり誤認リスクあり
資料の管理ノートブック単位で資料・Web結果を一括保存/再活用が可能チャットの履歴として管理/他のチャットに埋もれる可能性
できること音声解説や動画解説、マインドマップを簡単に作成それぞれカスタマイズすれば可能だが時間がかかって面倒(動画解説のような長い動画は生成が難しい)

特にNotebookLMでは、スタジオ機能を使うことでソースに基づいた生成物(動画解説やスライド資料)が得られる魅力的で、Geminiとの一番の差別化点です。

また、Geminiのカスタマイズ機能の「Gem」に関しては、Googleの公式noteで以下のように言及されています。

ファイルをアップロードすると Gemini の知識が追加されますが、そのファイルのみを使用するように制限されるわけではありません。Gemini に参考資料を与えているようなもので、Gemini は引き続き、一般的な知識も活用します。

Google公式note

そのため、NotebookLMはGeminiとは異なる特徴を持つ、資料専門のツールであると言えます。

NotebookLMで「できること」一覧

NotebookLMは、単なる要約ツールにとどまらず、資料を多角的に活用するために以下のような機能を備えています。

機能説明
資料に基づく質問応答資料の内容についてチャット形式で質問すると、AIが該当箇所を引用しながら回答します。
音声ファイルの文字起こし会議の録音(MP3, WAV)などをアップロードするだけで、高精度な文字起こしと要約を自動生成します。
音声解説アップロードした資料をもとに、2人のAIホストがポッドキャスト風の対話形式で内容を深掘り・解説する音声を生成します。
動画解説資料から画像、図表、引用を抽出し、AIナレーションとスライドで構成された解説動画を自動生成します。
マインドマップ複雑な資料から主要な概念や関係性を抽出し、全体像を把握できる視覚的なマインドマップ図を自動生成します。
レポート複数の資料を横断して分析し、ブリーフィングドキュメント、年表、目次など、目的に応じた形式で体系的な文章を作成します。
フラッシュカード資料から重要な用語や概念を抽出し、学習や暗記に役立つ一問一答形式のカード(単語帳)を自動生成します。
テスト資料の理解度を確認するためのクイズ(選択式問題や記述式問題)と、その解答・解説を作成します。
インフォグラフィック資料内のデータや要点を分析し、視覚的にわかりやすい1枚の図解画像(PNG等)を自動生成します。(スタイルやサイズ指定も可能)
スライド資料の内容からプレゼンテーション資料一式(スライドデッキ)を自動生成します。プレゼン用などの形式を選択でき、PDF等で保存可能です。
ノートブック機能AIとの対話や生成された要約を「ノート」として保存し、管理できます。
2025年12月現在

※スマホアプリ版では、使える機能が少し異なります。スマホアプリ版に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

日本語対応の現状と精度

NotebookLMは、日本語に正式対応しており、UI(操作画面)の表示、資料の読解、AIへの質問応答などが自然な日本語で高精度に利用可能です。

基盤モデルには高性能な「Gemini 2.5 Flash」が搭載されており、専門的な日本語の論文や、長文のビジネス文書であっても、文脈を的確に理解し、精度の高い要約や分析を行います。

また日本語の音声にも対応しており、実際にSNSでは音声解説機能について以下のような声が挙がっています。

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NotebookLMの料金プランと利用制限

NotebookLMは、基本的な機能であればGoogleアカウントさえあれば誰でも無料で利用可能です。

ただし、無料プランにはいくつかの利用制限が設けられています。

項目・機能無料プランGoogle AI ProGoogle AI Ultra
月額料金¥0約¥2,900(約20ドル)約¥36,400(約250ドル)
ノートブック作成数最大100冊最大500冊同左
ソース数/ノート最大50件最大300件最大600件
ファイルサイズ/件1件最大50万語同左同左
チャット(質問数)1日最大50回1日最大500回1日最大500回
音声要約生成1日3回1日20回1日200回
動画解説生成1日3回1日20回1日200回
DeepResearch機能月10回1日20回1日200回
2025年12月現在

課金(アップグレード)を検討の方はGoogleOneのページから手続き可能です。

まずは無料プランで基本的なAI機能や情報整理を試し、より本格的な利用(大量の資料分析や頻繁なチャット)が必要になった場合に有料プランを検討するのが良いでしょう。

※NotebookLMの料金に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

※NotebookLMの制限に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

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NotebookLMの始め方

NotebookLMを使い始めるのは非常に簡単です。必要なのはGoogleアカウントだけです。

NotebookLMの始め方
  • STEP1
    Googleアカウントの用意

    GmailやGoogle Driveで使用しているアカウントで問題ありません。

    Googleアカウントをお持ちでない方は、Googleのアカウント作成のページからアカウント作成をしてください。

  • STEP2
    公式サイトにアクセス

    NotebookLMの公式サイトにアクセスして「NotebookLMを試す」をクリックすると、Googleアカウントで自動ログインされます。

    (アプリ版は画面の右上にある「アプリをダウンロード」からダウンロードできます。)

  • STEP3
    ノートブックを作成する

    「+ 新しいノートブックを新規作成」をクリックして、最初のプロジェクト(ノートブック)を作成します。すると以下のような画面に遷移するので、ソースを追加してチャット画面の対話で指示を出せばすぐに使い始められます。

NotebookLMの基本的な使い方

ここからはファイルの要約とファイル内容に関する質問を例に、NotebookLMの基本的な使い方を解説していこうと思います。

NotebookLMの基本的な使い方
  • STEP1
    ノートブックを作成し、ソース(資料)をアップロードする

    まず、新規のノートブックを作成します。すると以下のような画面に遷移するので、ファイルをドラッグ&ドロップするか、アップロードボタンからファイルを選択しましょう。

    アップロードするファイルは複数でも大丈夫です。

    また、手元にソースがなくても「ウェブで新しいソースを検索」からソースを追加することができます。

    今回は、イグノーベル賞を受賞した白黒模様の「シマウシ」に関する論文とニュースをアップロードしてみます。

  • STEP2
    要約結果を確認する

    アップロードするとすぐに以下のようにファイルの内容を読み込んで要約を表示してくれました。要約の結果はコピーしたり共有することができます

  • STEP3
    質問で内容を深堀り

    チャット下部の入力欄からテキストを入力することで、ファイルの内容を対話を通して理解することができます。

    また、生成された内容を右下の「メモを追加」から保存するとチャットを遡る必要がなくなります。

  • STEP4
    「Studio」から出力を設定する

    チャットの内容は右の「Studio」から音声解説などの出力を選択できます。
    今回は動画解説を作成してもらいました。

    実際に人が話しているような感じで、画像も理解を助ける効果的なものに仕上がっています。「中に人入ってるんじゃない?」って思わず口にしてしまうほどの高性能でびっくりしました。

【シーン別】NotebookLMの具体的な活用事例

ここからは、NotebookLMを効率的に業務・学習に活かす具体的な活用事例をいくつか紹介していきます。

音声ファイルから議事録作成

NotebookLMでは、文字ファイルだけでなく音声ファイルもアップロードできます。「チャットで議事録を作成して」と入力すれば、以下のような音声ファイルに基づく議事録をすぐに作成してくれます。

資料に基づいた動画解説作成

基本的な使い方の章で、イグノーベル賞を受賞した「シマウシ」に関する研究を動画で解説してもらいました。今回は、中堅食品メーカーのWeb広告戦略分析リサーチ資料(Perolexityで自作)を読み込ませてどのような解説動画を作ってくれるのかを見ていきたいと思います。

もともとのテキストのリサーチ資料より動画で音声や画像がある方が分かりやすいですね。

プレゼン用のスライド作成

NotebookLMでは、読み込ませた資料をもとにプレゼンのスライドをたった10分で生成することができます。実際に、NotebookLMの業務活用法に関するプレゼンスライドを作成してもらいました。

スライドの編集はできませんが、簡単なプレゼン用のスライドとしては十分なクオリティです。アップロードする資料を詳細なものにすれば、もっと実務で使えるような図や表、数値データを挿入してくれます。

※NotebookLMのスライド・インフォグラフィック生成に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

論文のマインドマップ化・インフォグラフィック化

論文って内容が硬くて読みにくかったり理解できないときがありますよね。そういう時は、ファイルをアップロードして「Studio」から「マインドマップ」を選択するとわかりやすいマインドマップを作成してくれます。

マインドマップの中の項目はトグル形式(折り畳み式)になっていて、見やすさとか知りたい情報の粒度によって展開や縮小ができるのがいいなって思いました!

また、インフォグラフィック機能を使うと資料の要点をまとめた1枚の画像を生成してくれます。

論文の内容理解だけでなく、勉強のときの見やすいまとめシートとして使うのもおすすめです。

【学生必見】フラッシュカードやテスト機能で学習の効率化

スタジオ機能の「フラッシュカード」や「テスト」を使うことで、学習を効率化することができます。また、以下のようにカスタマイズ機能を使うことも可能です。

まずは大学の確率分野の授業資料を読み込ませて、一問一答のフラッシュカードを作ってみました。

カードをクリックするとカードが反転し答えが見れるようになる仕様でした。

次は同じ資料をもとに「テスト」機能でテストを作成してもらいました。詳細なカスタマイズは以下の通りです。

実際に作ってもらったテストがこちらです。

AIが苦手な数学に関するテスト作成でしたが、ギリシャ文字や関数の表記もそのまま表示してくれました。また、左の画面の下の方にある「解説」の部分をクリックするとなぜ間違えたのかをチャットの方で解説してくれます。

短時間でフラッシュカードとテスト問題が作れて、間違いの原因もわかるので正直これは学生みんなが使うべきツールだなって感じました!

情報漏洩は大丈夫?データの取り扱いとプライバシー

機密情報や社内文書をAIに読み込ませる際、最も懸念されるのが「情報漏洩」や「データの二次利用」です。

NotebookLMに関して、Googleは以下の点を明確にしています。

AIのトレーニングには使用されない

Googleは、ユーザーがNotebookLMにアップロードした個人データ(ソースやノート)を、AIモデルのトレーニングに使用しないことを保証しています。アップロードした資料が、他人のAI回答に使われることはありません。

強力な暗号化

データは、通信時(TLSなど)とサーバー保存時(AES-256など)の両方で強力に暗号化されており、高いセキュリティ水準が保たれています。

厳格なアクセス管理

ノートブックやソースへのアクセスは、あなたのGoogleアカウントに紐づいています。明示的に共有設定をしない限り、第三者(Googleの従業員含む)がアクセスすることはできません。多要素認証(2段階認証)を設定することで、セキュリティをさらに高められます。

ただし、NotebookLMの「共有」機能を使う際は注意が必要です。ノートブックを他者と共有する場合は、相手のアクセス権限(閲覧のみ、チャットのみ、など)を適切に管理し、意図しない範囲に機密情報が漏れないよう、共有範囲の制限を徹底することが重要です。

トラブルシューティング

NotebookLMを使用していて発生しがちな問題と、その対処法を表にまとめました。

トラブル内容主な原因/状況対応策・チェックポイント
ファイルがアップロードできない対応形式・ファイルサイズ・権限設定対応形式・サイズ・権限を確認、ブラウザのキャッシュ・Cookieクリア、再ログイン
ログインできない/認証エラーGoogle認証状態/キャッシュ異常Google認証状況、キャッシュ削除、別ブラウザやシークレットモードで再ログイン
文字起こし/動画生成が途中失敗音声品質(ノイズ等)/サーバー混雑音声品質改善、通信安定化、一時的サーバー負荷低減まで待機、動画生成は完了まで待機
画面固まり/応答なしネット接続/PCリソースインターネット接続改善、有線推奨、ブラウザアップデート・不要プロセス終了、ページ再読込
ノート・データ反映が遅い/消えるサーバー遅延/同期エラー時間をおいて確認、共有設定・アクセス権限を再確認
アクセス権限/共有設定問題共有相手権限ミス/企業ポリシーファイル共有時は相手の権限確認必須、企業利用は管理者による設定変更推奨
2025年11月現在

NotebookLMに関するよくある質問(FAQ)

Q
スマホアプリ版はありますか?
A

はい、iOSおよびAndroid向けのモバイルアプリが提供されています。

Q
APIは提供されていますか?
A

一般ユーザー向けのAPIは提供されていません。ただし、企業向けの「NotebookLM Enterprise」(Google Cloud)では、APIを通じた操作が可能です。

Q
 音声ファイルやスプレッドシートは直接読み込めますか?
A

音声ファイル(MP3, WAVなど)スプレッドシート(ExcelやGoogleスプレッドシートなど)はどちらも直接アクセスし読み込むことができます。。

Q
Geminiとの使い分けは?
A

資料の分析ならNotebookLMが使いやすいです。Geminiは、一般的な質問への回答、アイデア出し、文章作成、ブレインストーミングなど、創造的で幅広いタスクを処理する場合に使うのがおすすめです。

まとめ:NotebookLMは資料専門のAI

この記事では「NotebookLM」の基本的情報から実際の活用例まで幅広く紹介しました。
最後にこの記事のポイントを整理します。

この記事のポイント
  • Geminiとは違い、NotebookLMはWebや学習データではなく、ソースに基づいて回答する資料専門のAI
  • Googleアカウントさえあれば、日本語で無料で利用可能。
  • NotebookLMの機能は資料の要約や音声文字起こし、動画解説の生成、スライド生成など。
  • 特に動画解説とスライド生成は高品質でおすすめ。
  • 学生には、テスト機能やフラッシュカード機能がおすすめ。
  • 無料版には制限が設けられているが、有料版(Pro:2,900円/月、Ultra:36,400円/月)への切り替えで、ノートブックの数やチャット回数などの上限が拡張される。
  • アップロードした資料はAIのトレーニングに使われずアクセス管理も厳重。

大量の論文を読む学生、複雑な仕様書を扱うエンジニア、会議の議事録を作成するビジネスパーソン、過去の事例を分析するマーケターなど、あらゆる資料を扱うすべての人にとって、NotebookLMは業務を効率化して助けてくれる存在です。

まずは無料プランで、あなたの持っている資料をいくつか読み込ませて、その実力を試してみることをおすすめします。絶対に「こんなことができるの!?」ってびっくりするはずです!

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