AIグラビアは儲かる⁉収益化の落とし穴と問題点とは | romptn Magazine

AIグラビアは儲かる⁉収益化の落とし穴と問題点とは

AI活用

AIの進化により、グラビア業界にも新たな波が押し寄せています。AIを使って生成された魅力的なグラビア画像が話題を呼び、一攫千金を夢見る人々を惹きつけています。

しかし、この新興ビジネスには光と影があります。AIグラビアは本当に儲かるのでしょうか?その収益化の実態と、隠れた落とし穴、さらには避けては通れない問題点について、徹底的に解説していきます。AIグラビアビジネスの真実に迫り、その可能性と限界を明らかにしていきましょう!

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AIグラビアとは?

AIグラビアとは、AI技術(Stable Diffusionなど)を用いて生成された仮想のモデルによるグラビア作品のことです。

具体的には以下のような特徴があります。

  • 実在しない人物:AIが創り出した架空のモデルが主役となります。
  • 高度な画像生成:深層学習を用いた画像生成AI技術により、リアルで魅力的な画像が作成されます。
  • カスタマイズ性:理想的な外見や衣装を自由にデザインできます。
  • 低コスト生産:実際のモデルや撮影が不要なため、制作コストを抑えられます。
  • 倫理的配慮:実在の人物を使用しないため、プライバシーや権利の問題が軽減されます。
  • 多様性:様々な体型、年齢、人種などを表現できます。

AIグラビアは、従来のグラビア業界に新たな可能性を開く一方で、著作権や倫理面での新たな課題も発生しています。

AIグラビアの作り方と販売方法

AIグラビアの制作は、一見すると簡単に思えるかもしれません。しかし、魅力的な作品を生み出すには、技術と工夫が必要なんです。

AIグラビアの作り方

まず、AIグラビアの基本的な作り方を見ていきましょう。

主に使用されるのは、Stable DiffusionやMidjourney等の画像生成AIです。これらのツールに適切なプロンプト(指示文)を入力することで、理想のグラビア画像を生成します。例えば、「美しい日本人女性、ビーチ、水着、夕暮れ」といったプロンプトを組み合わせることで、魅力的なAIグラビア画像が生成できます。

しかし、ここで注意が必要です。AIの出力はあくまでも機械的なものであり、人間らしい自然な表情や姿勢を生み出すには、何度も試行錯誤が必要になります。また、著作権や肖像権の問題を避けるため、既存の人物や作品に酷似した画像は避けなければなりません

※AIグラビアの詳しい作り方については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてチェックしてみてください!

AIグラビアの販売サイトの実例(Kindleなど)

次に、作成したAIグラビアの販売方法を見ていきましょう。主な販路として、以下が挙げられます。

  • 専門の販売サイト:AIアート専門の販売プラットフォームでの出品
  • Kindle:電子書籍としてAmazon Kindleで販売
  • 自社サイト:独自のウェブサイトを開設して直接販売
  • NFTマーケットプレイス:デジタルアートとしてNFT化して販売

これらの販路はそれぞれ特徴があって、例えばKindleでは幅広い読者層にアプローチできる一方、専門サイトではAIアート愛好家を狙いやすいといった具合です。

AIグラビアの商用利用・著作権

ただし、先ほども少しお話ししましたが、販売にあたっては商用利用の可否を十分に確認する必要があります。多くのAI画像生成ツールには、商用利用に関する制限があります。例えば、一定額以上の売り上げがある場合は追加ライセンスが必要になったり、そもそも商用利用が禁止されているケースもあります。

また、販売価格の設定も難しい問題です。AIによる大量生産が可能なため、価格競争が激化しやすく、収益性を維持するのが困難になっています。

結論として、AIグラビアの制作と販売は、技術的には比較的容易ですが、法的・倫理的な問題や市場の飽和により、安定した収益を上げるのは簡単ではありません。

AIグラビアでの収益化とは?

AIグラビアで収益を上げようとする人々は、様々な方法を模索しています。ここでは、主なマネタイズ手法と副業としての可能性について探ってみます。

マネタイズの手法(アフェリエイトなど)

最も一般的なのは、生成したAIグラビア画像や画集を直接販売する方法です。専門のマーケットプレイスやKindleなどの電子書籍プラットフォームを利用することが多いですが、競争が激しく、価格設定に苦心する人も少なくありません。

より安定した収入を目指す人たちは、定期的にAIグラビアコンテンツを提供する有料会員制サイトの運営に挑戦しています。この方法は継続的な収入が見込める反面、魅力的なコンテンツを定期的に制作し続ける必要があり、会員の獲得・維持にも相当な労力を要します。

他にはアフィリエイトや広告収入や受注型ビジネスで収益化を目指している人も多いです。しかし、AIグラビアがアダルトコンテンツと見なされる可能性があり、広告掲載が制限されるケースもあったりと収益を得るのはやはり難しいのが現状です。

AIグラビアで副業は可能?

AIグラビア制作を副業として始める人も増えています。初期投資が比較的低く、柔軟な作業時間で取り組めることが魅力となっています。また、AI技術やデジタルマーケティングのスキルが身につくという副次的なメリットもあります。

しかし、副業として成功するには多くの課題があります。著作権や肖像権の問題に常に注意を払う必要があり、法的リスクは無視できません。また、AIグラビア市場自体が新しく、将来の動向が不透明なため、安定した収入を得るまでに時間がかかる可能性が高いです。さらに、AIグラビアの制作・販売に対する社会的な批判も存在し、倫理的な問題と向き合う必要もあります。

結論として、AIグラビアでの収益化は可能ですが、安定した大きな収入を得るのは現状では難しいと言わざるを得ません。副業として始めるのであれば、これらのリスクを十分に理解し、長期的な視点で取り組む必要があるでしょう。

AIグラビアビジネスの問題点

ここまでAIグラビアの収益化に関する問題をまばらにお伝えしてきましたが、いったん整理してみましょう。

大きく以下の2つの問題点があると言えます。

  • 著作権・肖像権などの法的問題
  • 倫理的問題

問題点①:著作権・肖像権

まず、法的問題について考えてみましょう。AIグラビアの制作と販売には、著作権と肖像権に関する複雑な課題があります。AIが生成した画像の著作権がどこに帰属するのかという問題は、現在も法的にグレーな部分が多く残されています。AIツール自体の利用規約によっては、生成された画像の商用利用が制限されているケースもあります。

さらに、AIが学習データとして使用した元の画像の著作権も問題になります。AIが既存の画像を参考にして類似の画像を生成した場合、元の画像の著作権者から訴訟を起こされるリスクがあります。実際に、一部のアーティストがAI企業を著作権侵害で訴える事例も発生しています。

肖像権の問題も深刻です。AIが実在の人物に酷似した画像を生成した場合、その人物の肖像権を侵害する可能性があります。特に、有名人やモデルの特徴を持つAIグラビア画像は、法的トラブルのリスクが高いと言えるでしょう。

問題点②:倫理的問題

次に、倫理的問題についても触れておく必要があります。AIグラビアの制作と販売は、女性の身体を商品化しているという批判を受けることがあります。実在の女性ではないとはいえ、理想化された女性像を大量生産し、それを商品として扱うことに対する倫理的な疑問が提起されています。

また、AIグラビアの存在が、実在のモデルや写真家の仕事を脅かすという懸念もあります。人間の労働がAIに置き換えられることで、グラビア業界全体に与える影響を危惧する声も少なくありません。

これらの問題点は、AIグラビアビジネスの展開を難しくする大きな要因となっています。法的リスクを避けようとすれば表現の幅が狭まり、倫理的な批判に配慮すれば商品としての魅力が失われかねません。

結局のところ、AIグラビアビジネスは法的にも倫理的にも綱渡りの状態にあると言えるでしょう。これらの問題を解決しないまま事業を進めることは、大きなリスクを伴います。

AIグラビアビジネスの失敗例

AIグラビアビジネスは多くのチャンスを秘めているように見えますが、実際には様々な障壁に直面し、失敗に終わるケースが少なくありません。

ここでは具体的な失敗例と、収益が上がらない理由について見ていきましょう。

失敗例①:集英社のAIグラビア写真集「生まれたて。」の販売中止

引用:ITmedia

まず、発売・販売中止の事例として、2023年に起きた「AIグラビアアイドル写真集」の騒動を挙げることができます。集英社が、AIで生成したグラビアアイドルの写真集をAmazonで販売しようとしましたが、発売直後に大きな批判を浴びました。

批判の主な理由は、AIが生成した画像が既存のアイドルや女優に酷似しており、肖像権侵害の疑いがあったことです。結果として、出版社は販売を急遽中止し、謝罪声明を出すことになりました。この事例は、AIグラビアビジネスが直面する法的リスクを如実に示しています。

失敗例②:KindleでAIグラビア写真集で埋め尽くされ閲覧性が低下

引用:Kindle Unlimited

Amazonが展開する定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」において、実写系AI画像を使用したグラビア写真集が大量に登録される事態が発生しました。これにより、プラットフォームの閲覧性が大きく低下するという結果となりました。

この現象が起きた背景には、Kindle Unlimitedの収益構造があります。このサービスでは、コンテンツの閲覧数に応じて収入が発生するシステムを採用しています。そのため、商材販売業者や副業として収入を得たい個人らが、容易に作成できるAIグラビア写真集を大量に投入したのです。

しかし、この行為は結果的に、プラットフォーム全体の質の低下を招き、ユーザーからの信頼を失うことにつながりました。Amazonは対策を余儀なくされ、AIコンテンツに対する審査基準の厳格化や、場合によっては削除などの措置を講じることになりました。

【結論】AIグラビアはなぜ儲からない?

これらの失敗例から分かるように、AIグラビアビジネスが直面する最大の障壁は法的問題です。しかし、収益が上がらない理由はそれだけではありません。

収益が上がらない主な理由として、以下の点が挙げられます。

  1. 市場の飽和:AIグラビアの制作が容易になったことで、類似コンテンツが溢れかえっています。結果として、個々の作品の価値が下がり、価格競争に陥りやすくなっています。
  2. 品質の問題:AIが生成する画像は、技術の進歩により確かに向上していますが、プロのカメラマンやモデルが作り出す作品には及びません。特に、細部の自然さや表情の豊かさにおいて、人間の作品に太刀打ちできないのが現状です。
  3. 信頼性の欠如:AIグラビアに対する消費者の信頼がまだ低いのが実情です。「本物」のグラビアに価値を見出す層にとって、AIグラビアは代替品以上の魅力を持ち得ていません。
  4. プラットフォームの制限:多くの販売プラットフォームが、AIで生成されたコンテンツに対して厳しい規制を設けています。これにより、販路が限られ、大きな収益を上げることが困難になっています。
  5. 継続的な需要の不足:AIグラビアは新奇性があるため、一時的な話題にはなりますが、長期的なファン層の獲得には至っていません。実在のアイドルやモデルのように、ファンとの継続的な関係性を構築することが難しいのです。

これらの要因が複合的に作用し、AIグラビアビジネスは当初期待されたほどの収益を上げられず、多くの場合、儲からないビジネスモデルとなっているのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

AIグラビアでの収益化・マネタイズに潜む問題点を、失敗例をもとに解説してきました!

当初は簡単に儲かるように見えたこの分野ですが、実際には多くの課題に直面していることが落とし穴でしたね。

現実のギャップが大きいこの分野に参入を考えている方々は、これらのリスクと課題を十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。AIグラビアは確かに新しい可能性を秘めていますが、現時点では「儲かるビジネス」とは言い難い状況にあるのです。