2025年6月10日、OpenAIが最新モデル「o3-pro」の提供を開始しました。このモデルは、従来のo1-proやo3を上回る性能を実現しながら、API利用料金を大幅に引き下げることで、より多くのユーザーにとってアクセスしやすいものとなっています。
本記事では、o3-proの特徴と性能、利用可能な機能、そして気になる料金体系について詳しく解説します。
「o3–pro」についてOpenAIの一次情報を見たい方はこちら
o3-proの利用可能ユーザー
o3-proは、以下のスケジュールで順次提供されます。
- 即日利用可能:ChatGPT Pro(月額200ドル)、Teamユーザー、API経由での利用
- 翌週から利用可能:EnterpriseおよびEduユーザー
月額200ドルのChatGPT Proに課金していなくても、API経由であれば早速利用することが可能です!
o3-proの性能と特徴

①長考型AIの真価
o3-proの最大の特徴は、「より長く思考し、信頼性の高い回答を生成する」という設計思想にあります。応答時間は従来モデルより長くなる傾向がありますが、その分、o3-proは、複雑な問題に対しても、かなり深い分析をしてくれるようです。
特に以下の分野で顕著な性能向上が見られます:
- 数学・科学分野:複雑な計算や理論的な問題解決
- コーディング:高度なアルゴリズムの実装やバグの特定
- 教育支援:段階的な説明と深い理解の促進
- ビジネス分析:多角的な視点からの戦略立案
- 執筆支援:論理的で説得力のある文章構成
②専門家による評価結果でo3、o1-proを上回る
o3-proは、専門家による厳密な評価において、全カテゴリーでo3およびo1-proを上回る結果を示しました。特に注目すべきは以下の評価項目です:
- 明確性:複雑な概念をわかりやすく説明する能力
- 包括性:問題の全体像を捉えた回答の提供
- 指示追従:ユーザーの要求を正確に理解し実行する能力
- 正確性:事実関係や計算結果の信頼性
さらに、下記のデータから、4回連続正答テストという厳しい基準においても優秀な成績を収めてることがわかり、一貫性のある高品質な出力が期待できます。

o3-pro・o1-pro・Gemini 2.5 Pro・claude opus4を比較
簡単にそれぞれのモデルを比較すると下記のようになります。
モデル | 公開日 | 最大コンテキスト長 | 主な強み |
Gemini 2.5 Pro | 2025‑03‑25(初版) | 1M tokens | 長文推論、音声出力・マルチモーダル入力、Deep Think強化推論モードなど |
o3-pro | 2025‑06‑11 | 200k tokens | o1-proを上回る高精度な推論、100 k 出力上限、Teams/Pro 向け高スループット |
p1-pro | 2024‑12‑05 | 200k tokens | 4 回連続正解基準で GPQA‑Diamond 79%*7、計算・科学・コード課題に強い「長考」モデル |
Cluade Opus 4 | 2025‑05‑14 | 200k tokens | Claude 3 系比で推論 20 % 向上、画像入力対応、RAG 最適化 API、廉価バッチ課金 |
また、下記の比較はo3-proでリサーチからグラフの作成をしてもらいました。
UC Berkeley/CMU 共同プロジェクト LMSYS Chatbot Arena(人間投票 300 万件超)テキスト部門の最新 Elo スコア(2025 年 6 月 5 日スナップショット)をバーグラフにしたものです。
グラフからわかるように、Gemini 2.5 Pro が頭一つ抜けており、o3‑pro は僅差で 2 位となりました。
どれも、それぞれの値は高性能帯に当たりますが、Elo 100 点差は約 64 % の “勝率” に相当するため、実務タスクでも可視的な差になる可能性があります。

o3-proの搭載機能と制限要素
o3-proで利用可能な機能
o3-proは単なるテキスト生成モデルではなく、以下の多様な機能を統合的に活用できます:
- Web検索機能:最新情報を取得し、回答に反映
- ファイル分析:アップロードされた文書の内容を理解・分析
- 画像入力による推論:視覚情報を含む複合的な問題解決
- Python実行環境:実際にコードを実行し、結果を確認
- 記憶機能:過去の会話を参照した、パーソナライズされた応答
これらの機能により、研究開発、データ分析、教育など、幅広い分野での活用が可能となっています。
o3-proの現時点での制限機能
一方で、以下の機能については現在利用できません:
- 一時的なチャット機能
- 画像生成機能
- Canvas機能
これらの機能は今後のアップデートで追加される可能性はあります。
API料金体系:コストパフォーマンスの大幅改善
o3-proはAPIでも提供が開始されています。大幅な価格引き下げにより、これまで高額な料金がネックとなっていた研究機関や中小企業でも、最先端のAI技術を活用できるようになりました。
o3-proのAPI利用料金
o3-proのAPI利用料金は以下の通りです(1ドル=145円で換算):
- 入力:100万トークンあたり20ドル(約2,900円)
- 出力:100万トークンあたり80ドル(約11,600円)
従来モデルとの価格比較
- o1-pro入力:150ドル(約21,750円)→ o3-pro:20ドル
- o1-pro出力:600ドル(約87,000円)→ o3-pro:80ドル
まとめ:o3-proは精度重視のタスクに最適な選択肢
o3-proは、応答速度よりも信頼性と精度を重視するタスクに最適なモデルです。数学的な証明、科学的な分析、複雑なコーディング課題など、「正確さ」が何より重要な場面でその真価を発揮します。
料金面でも大幅な改善が図られており、より多くのユーザーが高性能AIの恩恵を受けられるようになりました。今後、教育機関での活用や、企業の研究開発部門での導入が加速することが予想されます。
o3-proの登場は、AIを活用した問題解決の可能性がさらに広がりを期待させてくれると思います。皆様この新しいツールがどのように活用できるか、ぜひ検討してみてください。
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