2025年3月25日、OpenAIが発表したChatGPTの新機能「4o Image Generator」で世界中が大騒ぎになっています。特に話題になっているのが、写真をアップロードするだけで誰でも簡単に「ジブリ風イラスト」に変換できるという機能です。
ところが、この流行には著作権問題も浮上しています。実際、「スタジオジブリはどのような立場を取っているのか?」「法的に問題はないのか?」といった疑問が多く寄せられています。この記事では、ChatGPTでジブリ風画像を生成する具体的な方法から、著作権問題まで徹底解説します!
- ChatGPTでジブリ風画像を作る方法
- ChatGPTでジブリ風画像が生成できない場合の対処法
- ジブリ風AI画像と著作権問題について
※ChatGPTの「4o Image Generator」の使い方に関しては、下記記事で詳しく解説しています!
ChatGPTでジブリ風画像生成のやり方
初めに触れた「4o Image Generator」という新機能では、「ジブリ風」と簡単に指示するだけで、驚くほど綺麗なジブリスタイルのイラストを生成できるようになりました。
まずは、ChatGPTでどうやってジブリ風のAI画像を作成するのかを解説していきます!
ChatGPTでジブリ風画像を作る方法
では、ChatGPTでジブリ風画像を作る具体的な手順を紹介します!
①ChatGPTにアクセスしてログイン
まず、ChatGPTの公式サイトにアクセスし、アカウントを持っていない場合は新規登録、すでにアカウントを持っている場合はログインします。
※ChatGPTのアカウント登録については、下記記事で詳しく解説しています。
②「…」ボタン→「画像を作成する」をクリック

②画像をアップロード
チャット画面の下部にある「+」ボタンをクリックし、「画像をアップロード」または「パソコンからアップロード」を選択します。ジブリ風に変換したい写真を選択してアップロードしましょう。


③プロンプトを入力
画像がアップロードされたら、以下のようなプロンプトを入力します。
この写真をジブリ風のイラストに変換してください。
さらに具体的なプロンプトを追加すると、より理想に近い結果が得られます。今回は、以下のように指示してみました。
この写真をジブリ風のイラストに変換してください。『となりのトトロ』のような暖かみのある色調で、背景には緑豊かな自然を加えてください。

④生成ボタンをクリック
プロンプトを入力したら、送信ボタン(↑アイコン)をクリックします。数十秒~数分後にジブリ風の画像が生成されます!


いかがでしょうか?ポーズや髪型・表情・服装などすべて忠実に再現されつつ、ジブリ風のイラストをきれいに生成してくれました!
そして実際に試してみた結果、ChatGPTでジブリ風画像を生成するのにかかる時間は、約1分〜2分程度です。
無料でここまで出来るとはSNSで流行る理由も納得できますね…!
ジブリ風画像生成で使えるプロンプト例
ChatGPTでジブリ風の画像を生成する際、使用するプロンプト(指示文)によって出来上がりが大きく変わるんです。
ここでは、効果的なプロンプト例をいくつか紹介します。
①基本的なジブリ風プロンプト
この写真をジブリ風のイラストに変換してください。


②作品を指定するプロンプト
この写真を『千と千尋の神隠し』風のイラストに変換してください。湯屋の雰囲気を出してください。


この写真を『もののけ姫』風のイラストに変換してください。森の精霊が見守るような神秘的な雰囲気を出してください。


③背景や雰囲気を指定するプロンプト
この写真をジブリ風のイラストに変換してください。夕暮れ時の温かいオレンジ色の光に包まれた田園風景を背景に加えてください。


この写真をジブリ風のイラストに変換してください。雨上がりの静かな路地裏で、雨粒が光る情景を描いてください。


④複数人物のプロンプト
この家族写真をジブリ風のイラストに変換してください。全員が同じシーンに収まるように、緑豊かな丘の上でピクニックをしているような雰囲気にしてください。


ここまで紹介したプロンプトは基本的なテンプレートですので、自分の好みや求める雰囲気に合わせてアレンジしてみてください!
ChatGPTでジブリ風画像が生成できない場合の原因と対処法
ChatGPTでジブリ風画像が世界中で人気を集めた一方で、「最近ジブリ風の画像が生成できなくなった」という声も聞かれるようになりました。
実際、OpenAIは徐々にフィルタリングを強化しているようで、前ほど簡単にジブリ風画像が生成できなくなってきているんです。
ジブリ風画像生成が制限され始めている理由
OpenAIがジブリ風画像の生成にフィルターをかけ始めた背景には、いろいろな要因が考えられます。
①著作権への配慮:最も大きな理由は、著作権問題への懸念です。スタジオジブリの作風を模倣した画像が大量に生成・拡散されることで、法的問題が生じる可能性があります。
特に、OpenAIのサム・アルトマンCEOが自身のプロフィール画像をジブリ風に変更したことで話題となり、著作権に関する議論が活発化しました。
②コンテンツポリシーの変更:OpenAIは、特定のクリエイターやスタジオの作風を真似することに関して、コンテンツポリシーを徐々に厳格化しています。特に、著作権問題が明確に整理されていない現状で、予防的な対応を取っているとみられます。
③批判への対応:宮崎駿監督はAIによる創作に否定的な立場を取っていることが知られており、「生命に対する侮辱を感じる」とコメントしたこともあります。こうした批判に配慮し、OpenAIがフィルタリングを強化した可能性もあります。
ジブリ風画像が生成できない時の対処法
ジブリ風画像の生成が制限されてしまった場合でも、いくつかの対処法があります。
①代替プロンプトを使用する
「ジブリ風」という直接的な表現を避け、代わりに作風を説明するような表現を使うことで、似たような結果を生成できることがあります。
使えるプロンプト例
この写真を、日本のアニメーション映画のような温かみのある手描き風のイラストに変換してください。自然の描写が豊かで、柔らかい光に包まれたような雰囲気にしてください。


この写真を、90年代の日本の伝統的なアニメーション技法で描かれたようなイラストに変換してください。緑豊かな風景と、細部まで丁寧に描かれた背景が特徴的なスタイルで。


②設定の変更や時間帯を試す
サーバーの混雑状況やフィルタリングの強度は時間帯によって変動することがあります。異なる時間帯に試したり、別のChatGPTアカウントで試したりすることで、制限を回避できる場合もあります。
ジブリ風以外にも!ChatGPTで作れるAI画像スタイル
ChatGPTの4o Image Generatorでは、ジブリ風以外にもいろいろなスタイルの画像を生成することができるんです。
ジブリ風が生成できなくなったり、他のスタイルを試してみたい場合に役立つ情報を紹介します。
ChatGPTで試せる人気アニメ風イラスト
ジブリ風がブームになる一方で、以下のようなスタイルも人気を集めています。
①ディズニー風
この写真をディズニーアニメーション風のイラストに変換してください。明るく鮮やかな色彩と、特徴的な大きな目のキャラクターデザインで。


ディズニー風イラストは、鮮やかな色使いと表情豊かなキャラクターが特徴で、特に子供の写真を変換する際に人気があります。
②新海誠風
この写真を新海誠監督作品風のイラストに変換してください。緻密な背景描写と、光の表現を特徴としたスタイルで。


『君の名は。』や『天気の子』で知られる新海誠監督風のイラストも人気です!光の描写が美しく、現実的でありながらも幻想的な雰囲気が特徴です。
ジブリ風AI画像と著作権問題について徹底解説
ChatGPTで生成されるジブリ風画像が話題となる一方で、著作権に関する懸念も広がっています。
ここでは、専門家の見解を基に、法的な側面や倫理的な問題について解説します。
「画風」と「キャラクター」の著作権違い
著作権法において、「画風」と「キャラクター」は異なる扱いを受けます。弁護士や知財専門家によると、この区別を理解することが重要であるということです。
①画風(作風・スタイル)と著作権
日本の文化庁によると、作風・画風は「著作物ではないもの」として、著作権法による保護の対象には含まれないとされています。つまり、ジブリ作品の「画風」を模倣すること自体は、著作権侵害には当たらないと考えられています。
②キャラクターと著作権
一方、トトロやカオナシなど、特定の「キャラクター」を再現することは著作権侵害のリスクが高まります。キャラクターは「具体的な表現」として著作権保護の対象となるためです。
著作権侵害となるかどうかの判断基準として重要なのが「類似性」と「依拠性」です。
- 類似性:生成された画像が既存の著作物にどれだけ似ているか
- 依拠性:既存の著作物を参考にして(依拠して)創作したかどうか
③グレーゾーンとなる事例
「ジブリ風」と指示しても、結果として特定のキャラクターにかなり似た画像が生成される場合もあります。このような「意図しない類似」が生じた場合の責任の所在は、現時点では明確になっていません。
スタジオジブリ・宮崎駿氏の見解
ジブリ風AI画像について、肝心のスタジオジブリ自身はどのような立場を取っているのでしょうか?

ハフポスト日本版の取材に対し、スタジオジブリは「現時点ではコメントはありません」と回答しています。現時点で公式な立場表明は行われていないようです。
宮崎駿監督は過去にAIアニメーションのデモを見せられた際、「極めて不愉快ですよね。そんなに気持ち悪いものをやりたいなら勝手にやっていればいいだけで、僕はこれを自分たちの仕事とつなげたいとは全然思いません。極めてなにか生命に対する侮辱を感じます」と語り、AIによる創作に否定的な立場を表明しています。
AIと創作の関係について深い考察を持つ宮崎監督の姿勢からは、AIによる「ジブリ風」の大量生産に対しても、肯定的な見解を持っているとは考えにくいでしょう。
ジブリ風AI画像の利用における注意点
ChatGPTで生成されるジブリ風画像が話題となる一方で、著作権に関する懸念も広がっています。ここでは、専門家の見解を基に、法的な側面や倫理的な問題について解説します!
①個人利用と商用利用の違い
個人的な楽しみとしてジブリ風画像を生成し、私的に楽しむ分には現状ではリスクは低いと考えられています。
一方、商用利用(広告、商品、サービスの提供など営利目的での使用)については、著作権侵害のリスクが高まります。商用利用を検討する場合は、専門家に相談することをお勧めします。
②SNS投稿の注意点
SNSへの投稿は「公開」行為にあたるため、いくつかの点に注意が必要です。
- 「ジブリ作品です」「ジブリが公認」などの誤解を招く表現は避ける
- キャラクターが特定のジブリ作品のものに酷似している場合は投稿を控える
- 批判的・侮辱的な文脈でジブリ風画像を使用しない
- 商業的な目的(フォロワー獲得、広告収入など)のために多数投稿しない
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ChatGPTでジブリ風画像を生成する方法から著作権問題まで徹底解説しました!
この記事で紹介したことをまとめると次のようになります。
- ChatGPTでジブリ風画像が簡単に作れるようになり、「ジブリフィケーション」が世界的ブームに
- 無料版ChatGPTでも1日3枚まで生成可能、手順は「写真アップロード→ジブリ風にしてとリクエスト」というシンプルさ
- 「画風」の模倣は著作権侵害になりにくいが、特定の「キャラクター」の再現はリスクがある
- 商用利用やSNSへの大量投稿は避け、あくまで個人的楽しみに留めるべき
- スタジオジブリからの公式見解はないが、宮崎駿監督はAI創作に否定的な立場
ジブリ風のAIイラストを作るのは楽しいですが、クリエイターの権利や意向を尊重する姿勢も大切です。法的にグレーな部分が残る現状では、節度を持った利用を心がけましょう!