Stable Diffusion WebUI Forgeは、ControlNetやFooocusを手がけた開発者lllyasviel氏によって開発された、Stable Diffusionモデルを使用するためのGUIツールです。
本記事では、WindowsやMac、Ubuntuなど様々な環境でのStable Diffusion WebUI Forgeのインストール方法を詳しく解説します。初心者から上級者まで、誰でも簡単に導入できるよう、分かりやすく解説し、インストール後のエラーや基本的な使い方についても触れていきますのでぜひ参考にしてください!
- Stable Diffusion WebUI Forgeとは
- Stable Diffusion WebUI Forgeの導入・インストール方法
- Stable Diffusion WebUI Forgeインストール後のセットアップ方法
- よくある質問・エラーとその解決策
※Stable Diffusionの使い方については、下記記事で詳しく解説しています。
Stable Diffusion WebUI Forgeとは

Stable Diffusion WebUI Forgeは、AUTOMATIC1111版をベースに改良された画像生成AIのインターフェースです。主な特徴として以下のメリットがあります。
- VRAM使用量の削減: 少ないGPUメモリでも高品質な画像生成が可能
- 処理速度の向上: 特にVRAMが小さいGPUほど効果が高い
- 高解像度・大バッチサイズの実現: 限られたハードウェアでも高度な処理が可能
- SDXL+ControlNetの処理速度向上: 約30~45%の高速化
- 操作感の維持: AUTOMATIC1111版と同じUIで使いやすい
Forgeの性能向上は、特にVRAM容量によって効果が異なります。
GPU VRAM容量 | 速度向上 | VRAM削減 | 解像度向上 | バッチサイズ向上 |
---|---|---|---|---|
6GB | 約60~75% | 最大1.5GB | 最大3倍 | 最大4倍 |
8GB | 約30~45% | 最大1.3GB | 最大2~3倍 | 最大4~6倍 |
24GB | 約3~6% | 最大1.4GB | 最大1.6倍 | 最大2倍 |
VRAM容量が小さいGPUほど効果が大きいため、特に8GB以下のGPUを使用している方に最適です。
Stable Diffusion WebUI Forgeの推奨動作環境
Stable Diffusion WebUI Forgeを使用するには、以下の環境が推奨されています。
- GPU: NVIDIA GeForce GTX 1060 6GB以上(VRAM最低6GB)
- CPU: マルチコアプロセッサ(8コア以上推奨)
- メモリ(RAM): 16GB以上
- ストレージ: 最低50GB以上の空き容量(モデル等を保存するため)
- OS: Windows 10/11、macOS、Ubuntu 22.04など
- CUDA Toolkit: 最新版
- Python: 3.10.6 (推奨)
詳しくは、下記記事で解説していますので参考にしてみてください!
Stable Diffusion WebUI Forgeの導入・インストール方法
では早速、Stable Diffusion WebUI Forgeの導入方法をご紹介していきます!
Windows PCへのインストール方法
Windowsでは、「ワンクリックインストールパッケージ」を使用する方法と、GitHubからクローンしてインストールする方法があります。まずは最も簡単なワンクリックインストールから説明します。
方法1: ワンクリックでインストールする方法(初心者向け)
こちらは、git、Python、CUDAなどの環境構築が不要で、最も簡単な方法です。
- STEP1事前準備
7-zipをインストールしておく
- STEP2Forgeのダウンロード
①GitHub – lllyasviel/stable-diffusion-webui-forgeにアクセス
②[Installing Forge]セクションの「>>> Click Here to Download One-Click Package<<<」をクリック
③
webui_forge_cu121_torch21.7z
(約1.7GB)がダウンロードされます - STEP3ファイルの展開
①ダウンロードしたファイルを、全角文字や半角スペースが含まれていないフォルダに移動
②ファイルを右クリック→「7-Zip」→「”webui_forge_cu121_torch21″に展開」を選択
- STEP4Forgeの起動
①展開されたフォルダを開く
②
update.bat
をダブルクリックして実行(初回のみ)③
run.bat
をダブルクリックして起動 - STEP5ブラウザでアクセス
①自動的にブラウザが開き、Stable Diffusion WebUI Forgeの画面が表示されます
※表示されない場合は、ブラウザで
http://127.0.0.1:7860
にアクセス
方法2: GitHubからクローンする方法(上級者向け)
Python、gitなどの環境が既にある方向けのインストール方法です。
- STEP1事前準備
①Python 3.10.6をインストール(インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れる)
②gitをインストール
- STEP2Forgeのクローン
①インストールしたいフォルダでコマンドプロンプトを開く
②以下のコマンドを実行
git clone https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git
- STEP3起動
①
stable-diffusion-webui-forge
フォルダに移動②
webui-user.bat
をダブルクリックして実行
Macでのインストール方法
Mac(Apple Silicon/Intel)でのインストール方法も基本的にはWindowsと同様ですが、いくつか違いがありますので簡単にご紹介します!
- STEP1事前準備
①Homebrewをインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
②Python 3.10をインストール
brew install python@3.10
③gitをインストール
brew install git
- STEP2Forgeのクローン
ターミナルで以下のコマンドを実行
git clone https://github.com/lllyasviel/stable-diffusion-webui-forge.git cd stable-diffusion-webui-forge
- STEP3起動設定の編集
webui-user.shファイルを編集
nano webui-user.sh
※Apple Siliconの場合、以下の行を追加しましょう。
export COMMANDLINE_ARGS="--skip-torch-cuda-test --no-half --use-cpu all"
- STEP4Forgeの起動
ターミナルで以下のコマンドを実行
chmod 755 webui-user.sh bash webui.sh
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい

Stable Diffusion WebUI Forgeインストール後のセットアップ方法
Stable Diffusion WebUI Forgeをインストールした後、以下のセットアップを行うと使いやすくなります。
モデルのインストール方法
インストール直後は「You do not have any model!」というメッセージが表示されるため、モデルをダウンロードする必要があります。
①モデルの準備
・CivitaiなどからStable Diffusionモデルをダウンロード

・ダウンロードしたモデルファイル(.safetensorsまたは.ckpt)を以下のフォルダに配置
- Windows:
[Forgeのインストールフォルダ]/models/Stable-diffusion
- Linux/Mac:
stable-diffusion-webui-forge/models/Stable-diffusion/
②モデルの読み込み:WebUIを再起動すると、「Stable Diffusion checkpoint」のドロップダウンメニューからモデルを選択できるようになります
※Civitaiの使い方については、下記記事で詳しく解説しています。
WebUI日本語化の設定方法

WebUIを日本語化したい場合、以下の手順で設定できます。
- 「Extensions」タブを開く
- 「Available」タブを選択
- 「Load from:」ボタンをクリック
- 検索窓に「ja_JP Localization」と入力
- 「Install」ボタンをクリック
- インストール後、「Apply and restart UI」でWebUIを再起動
- 「Settings」→「Bilingual Localization」を選択
- 言語選択ドロップダウンから「ja_JP」を選択
- 「Apply setting」→「Reload UI」でWebUIを再起動
※詳しくは、下記記事で解説しています。
旧バージョンへのダウングレード方法
最新のForgeバージョンで問題が発生した場合、安定版の旧バージョンにダウングレードすることも可能です。
①GitHubから特定バージョンをチェックアウトする
cd stable-diffusion-webui-forge
git checkout f0.0.17v1.8.0rc-latest-277 # 最終安定版
②ワンクリックインストールの場合
公式GitHubページの「Releases」セクションから旧バージョンをダウンロードします。

拡張機能とControlNetの導入方法
Stable Diffusion WebUI Forgeの機能をさらに拡張するための拡張機能とControlNetの導入方法を紹介します。
Stable Diffusion WebUI Forgeで必須の拡張機能
SDXL利用時に役立つ「sd-webui-prevent-artifact」拡張機能のインストール方法は、以下の通りです。
①「Extensions」タブを開く

②「Install from URL」を選択

③「URL for extension’s git repository」に以下を入力
https://github.com/hako-mikan/sd-webui-prevent-artifact

④「Install」をクリック

⑤インストール後、WebUIを再起動

詳しい使い方については、公式Githubをご覧ください!
ControlNetの導入方法
ControlNetは画像生成の制御性を高める拡張機能です。

以下が、ControlNetのインストール方法です。
- 「Extensions」タブを開く
- 「Available」タブを選択
- 「Load from:」ボタンをクリック
- 検索窓に「ControlNet」と入力
- 「Install」ボタンをクリック
- インストール後、WebUIを再起動
詳しい使い方については、下記記事で解説していますのでぜひご覧ください!
【FAQ】よくある質問・エラーとその解決策
- QPythonのインストール時にどんな設定をすれば良いですか?
- A
Pythonをインストールする際は、必ず「Add Python to PATH」オプションにチェックを入れてください。これが設定されていないと、コマンドラインからPythonを呼び出せず、インストールに失敗する可能性があります。
もし既にインストールしている場合は、一度アンインストールしてから再インストールするのが確実です。
- QCUDA関連のエラーが表示されました。どうすれば解決できますか?
- A
CUDA関連のエラーは、NVIDIAドライバとCUDA Toolkitが適切にインストールされていない場合に発生します。
最新のNVIDIAドライバをインストールし、お使いのGPUに対応するCUDA Toolkitをインストールしてください。最新ドライバはNVIDIAの公式サイトからダウンロードできます。
- QGitコマンドが見つからないエラーが出ました。どうすれば良いですか?
- A
このエラーはGitがインストールされていないか、PATHに追加されていない場合に発生します。
Gitをインストールし、インストール時に「Git from the command line and also from 3rd-party software」オプションを選択してください。既にインストールしている場合は、環境変数のPATHにGitのbinディレクトリが含まれているか確認してください。
- Q「insightfaceがインストールされていない」という警告が表示されます。対処法は?
- A
この警告は、必要なライブラリが不足している場合に表示されます。以下のコマンドを順に実行して解決してください。
cd stable-diffusion-webui-forge cd venv pip install insightface
その後、WebUIを再起動すると問題が解消されることが多いです。
- Qモデルをダウンロードしましたが、「You do not have any model!」と表示されます。
- A
モデルファイルが正しいディレクトリに配置されていない可能性があります。以下を確認してください。
- モデルファイル(.safetensorsまたは.ckpt)が正しいディレクトリにあるか
- Windows:
[インストールフォルダ]/models/Stable-diffusion/
- Linux/Mac:
stable-diffusion-webui-forge/models/Stable-diffusion/
- Windows:
- WebUIを完全に再起動する
- モデルファイルの拡張子が正しいか(.safetensorsまたは.ckpt)
- モデルファイル(.safetensorsまたは.ckpt)が正しいディレクトリにあるか
- Qインストール中にストレージ容量不足のエラーが出ました。必要な容量はどれくらいですか?
- A
Stable Diffusion WebUI Forgeでは、以下のストレージ容量が推奨されています。
- ベースシステム:約10GB
- モデルファイル:モデルあたり2~7GB程度
- 生成画像の保存:数GB~数十GB(使用頻度による)
最低でも50GB以上の空き容量を確保することをお勧めします。特にモデルを複数導入する場合は、さらに多くの容量が必要になります。
- Qインストール後にWebUIが起動しません。何が問題でしょうか?
- A
その場合は、いくつかの原因が考えられます。
- GPU対応ドライバが正しくインストールされていない
- 他のプロセスが同じポート(7860)を使用している
- インストール中にエラーが発生している
まずは「update.bat」(Windowsの場合)を実行して最新状態にしてから再起動を試みてください。それでも解決しない場合は、ログファイルを確認して具体的なエラーメッセージを特定する必要があります。
- QStable Diffusion Forgeの起動が非常に遅いです。改善方法はありますか?
- A
初回起動時は必要なファイルのダウンロードがあるため、時間がかかるのが通常です。2回目以降も遅い場合は、以下の方法を試してみてください。
- 不要な拡張機能を無効化または削除する
- 使用していないモデルを別の場所に移動する
- スタートアップスクリプト(webui-user.bat/sh)に
--no-half-vae
オプションを追加する - 可能であれば、より高速なSSDにインストールする
以上の方法で多くの問題が解決されるはずですが、それでも解決しない場合は、公式のGitHubリポジトリでIssueを検索してみると解決できますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Stable Diffusion WebUI Forgeは、従来のAUTOMATIC1111版と比較してVRAM使用量を削減しつつ処理速度を向上させた画像生成ツールでした。
今回の記事のポイントをまとめると、以下の通りです。
- VRAMが少ない環境(6-8GB)で特に効果を発揮し、処理速度が30-75%向上
- Windowsではワンクリックパッケージで簡単にインストール可能
- 現在は開発が停止しており、最終安定版「f0.0.17v1.8.0rc-latest-277」の使用が推奨
- モデルのインストールや日本語化などの基本セットアップも簡単
Stable Diffusion WebUI Forgeインストール後には、適切なモデルを導入して拡張機能を追加することで、より高度な画像生成環境を構築できます。
ぜひこの記事を見て、試してみてくださいね!