Stable Diffusionは、簡単にAI画像を生成できる便利なサービスですよね。でも、Stable Diffusionはすべて英語表記となっており、英語が苦手な方にとっては使い方が難しく感じるかもしれません。
本記事では拡張機能を利用してStable Diffusionを日本語化する方法を分かりやすく紹介していきます!以下のような方におすすめの記事です。
Stable Diffusionとは?
Stable Diffusionとは、イギリスのAI企業であるStability AI社が2022年8月に発表した画像生成AIサービスのことです。Stable Diffusionはオープンソースとしてweb上で一般公開されており、誰でも無料で利用することができます。
ユーザーが呪文(プロンプト)を入力するだけで、AIが要望に沿った画像やイラストを簡単に生成してくれるシステムです。
※Stable Diffusionの概要についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
※Stable Diffusionを気軽に利用してみたい方は、「Stable Diffusion Online」の利用もオススメです。
Stable Diffusionのインストール方法
Stable Diffusionの利用方法は大きく分けると2種類あります。
- Google Colabで立ち上げる方法
- ローカル環境で構築する方法
それぞれのメリット・デメリットについて解説しますので、ご自分の環境に合った方でStable Diffusionを立ち上げてみてください!
①Google Colabで立ち上げるメリット・デメリット
Google Colaboratoryは、Google社が提供している、ブラウザから直接Pythonを記述して実行できるサービスです。
メリット | デメリット |
---|---|
低スペックPCでもOK | 課金する必要がある |
環境構築が不要 | PCファイルは扱えない |
生成速度が速い | 一定時間で結果がリセットされる (90分~12時間) |
共有が簡単 | 毎回立ち上げに時間がかかる |
◎Google ColabでStable Diffusionを立ち上げる方法
②ローカル環境で立ち上げるメリット・デメリット
ローカル環境での構築とは、ご自身のPCにそのままStable Diffusionを導入するという作業になります。
メリット | デメリット |
---|---|
完全無料 | 高スペックPCが必要 |
毎回立ち上げる必要がない | 環境構築が難しい |
PCファイルが使える | 生成速度が遅い |
インターネット環境が不要 | 共有ができない |
◎ローカル環境でStable Diffusionを立ち上げる方法
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい
Stable Diffusionを日本語化させる方法
さて、Stable Diffusionの立ち上げができたところで、本題に入っていきましょう。
ここからは、日本語化にする手順を説明していきます。操作自体はとても簡単ですので、みなさんも試してみてください!
1.Stable Diffusionを起動して、日本語の拡張機能をインストールする
2.日本語表記に設定する
それぞれ詳しくみていきましょう!
①Stable Diffusionを起動して日本語の拡張機能をインストールする
まずはStable Diffusionを起動します。
そして「Extensions」のタブを開き、「Available」のタブを開きます。
「Available」では利用可能な拡張機能を表示することができるのですが、「Hide extensions with tags」でチェックの入っている項目は表示されません。
「localization」の項目が言語の拡張機能となっているため、「localization」のチェックを外してから「Load from:」をクリックします。
そうすると拡張機能の一覧が表示されます。
一覧の下の方を探すと、「ja_JP Localization」という拡張機能がありますので、この拡張機能を見つけられたら右側にある「install」をクリックして、インストールします。
「Extensions」のタブを開き、次いで「installed」のタブを開きます。
一覧の中に「stable-diffusion-webui-localization-ja_JP」があれば、正しくインストールできています。
これで日本語の拡張機能のインストールは完了となります。
②Stable Diffusionを日本語化する
次にStable Diffusionを日本語表記に設定します。
「Settings」のタブを開き、左側にある列の項目から「User Interface」を選択します。
「Localization(requires restart)」の右側にある「更新ボタン」をクリックします。
次に「Localization(requires restart)」欄から「ja_JP」を選択します。
「Apply settings」をクリックして設定を保存した後、「Reload UI」をクリックしてStable Diffusion Web UIを再起動します。
下記画像のように日本語表記に変更できていれば、設定は完了です!
Stable Diffusionを2か国語同時に表示する方法
こちらの方法は、「sd-webui-bilingual-localization」という拡張機能をインストールする必要があります。
項目の意味や設定方法を検索する際には、英語で調べたほうが楽なこともありますので、英語・日本語同時に表示させたい方は、これから紹介する方法で導入してみてください!
「sd-webui-bilingual-localization」のインストール方法
こちらの拡張機能のインストール方法は、下記の記事のURLから導入する方法を参考にしてください!
リンクを下記のものに書き換えてインストールしてください。
https://github.com/journey-ad/sd-webui-bilingual-localization
インストールできたら、必ず「Apply and restart UI」を押してStable Diffusionを再起動して下さいね。
2か国語を同時に表示する設定方法
「sd-webui-bilingual-localization」がインストール完了し、Stable Diffusionを再起動できたら、「Setting」タブをクリックし「Bilingual Localization」を開きます。
そして、「Localization file」から「jp_JP」を選択します。
設定が完了したら、「Apply settings」をクリックして保存し、「Reload UI」でStable Diffusionを再起動します。
設定が完了したら、このようなトップ画面になります。
Stable Diffusionを日本語化する時によくあるエラーと対処法
ここからは、Stable Diffusionを日本語化する時によくあるエラーと対処法を解説していきます!
①エラー:CP932
拡張機能の「Install」ボタンをクリックすると、下記のようなエラーが表示される場合があります。
UnicodeDecodeError: 'cp932' codec can't decode byte 0x87 in position 34: illegal multibyte sequence
これは、「CP932」というエンコーディングが使われているため、エラーが発生してインストールできないという状況です。
現状として、このエラーの対処法は分かっていません…。もう1度やり直すというしか方法はなさそうです。
②エラー:raise GitCommandError:exit code(128)
URLから拡張機能をインストールすると、下記のようなエラーが発生する場合があります。
raise GitCommandError(remove_password_if_present(self.args), status, errstr)
git.exc.GitCommandError: Cmd('git') failed due to: exit code(128)
こちらのエラーはgitを実行する際に「– git clone -v –」という不要な引数があるために発生しているようです。
現状として、このエラーの対処法も分かっていません…。こちらもやはりもう1度やり直すというしか方法はなさそうです。
エラーが起きたら『git cloneでフォルダに直接インストールする』しかない
git cloneコマンドで、拡張機能「stable-diffusion-webui-localization-ja_JP」を直接インストールするという解決方法があるそうです。
まず、PC内フォルダ「stable-diffusion-webui\extensions」を開き、右クリックして「Git Bash Here」を開きます。
そうしたら、Git Bashのウィンドウが開きますので、下記のコードを入力して実行してください。
git clone https://github.com/Katsuyuki-Karasawa/stable-diffusion-webui-localization-ja_JP.git
これで日本語化できる拡張機能のインストールが完了です。Stable Diffusionを再起動して「Install」タブに拡張機能が表示されていればインストールできています!
Stable Diffusionを日本語で使ってみると?
それでは早速、日本語表記に設定した状態で画像生成をしてみましょう。
①実写系モデル
今回使用する呪文(プロンプト)とネガティブプロンプトは以下になります。
呪文(プロンプト)
8k photo, masterpiece, cowboy shot, 1girl, face focus, bikini, smiling, on the beach<lora:JapaneseDollLikeness_v15:1>
ネガティブプロンプト
EasyNegative,(worst quality, low quality:1.4),paintings,sketches,skin spots,acnes,age spot,text,error,blurry,cross-eyed,bad anatomy,back light
パラメータ設定
- Model : yayoi_mix
- Clip Skip : 1
- VAE : vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors
- Sampling method : DPM++ SDE Karras
- Sampling Step : 25
- CFG Scale : 7
生成された画像がこちらです。
※参考になる記事はコチラ
②アニメ系モデル
先程と呪文(プロンプト)は同じで生成してみましょう。
呪文(プロンプト)
8k photo, masterpiece, cowboy shot, 1girl, face focus, bikini, smiling, on the beach<lora:cateye_v100:1>
ネガティブプロンプト
EasyNegativeV2, bad-hands-5, verybadimagenegative_v1.3, (monochrome), (low quality:1.2, worst quality:1.2), (bad anatomy), (extra fingers, Arm Joints), out of focus, ugly, error, jpeg artifacts, lowers,
break, blurry, bokeh, (extra arm:1.2, extra navel, extra hand:1.2), (logo, symbol, character string:1.4), ((extra arms, joint arm))
パラメータ設定
- Model : MeinaMix
- Clip Skip : 2
- VAE : vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors
- Sampling method : DPM++ 2M Karras
- Sampling Step : 30
- CFG Scale : 7
生成された画像はこちらです。
どうでしょうか?問題なく画像が生成できましたね。
英語表記版と同じく、日本語化しても同様の呪文(プロンプト)を使用すれば、もちろん今まで通り画像を生成することができます!
※参考になる記事はコチラ
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Stable Diffusionを日本語に設定する方法をご紹介についてご紹介してきました。
今回のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 日本語拡張機能をインストールすることで、簡単にStable Diffusionを日本語に設定することができる
- 英語・日本語同時に表示させることも可能
英語表記だと苦手な方にとっては思わず敬遠してしまいますが、拡張機能を活用することで簡単に日本語表記にすることができました。
操作がより分かりやすくなりますので、是非日本語化して自分好みの画像をどんどん生成しましょう。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい