Geminiの学習モードとは？できること・具体的な活用方法

AIを使った効率的な学習方法が注目を集めるなか、GoogleのGeminiに搭載された学習モードが話題になっています。従来のAIチャットとは一線を画すこの機能は、単なる質問応答ではなく、段階的に理解を促し自力で答えを出すことをサポートする革新的な学習支援ツールです。

本記事では、Gemini学習モードの基本機能から具体的な活用法、ChatGPTとの違いまで詳しく解説します。この機能を使いこなせば、これまでとはまた違ったAIの使い方が見つかるでしょう。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Geminiの学習モードとは？通常モードとの違い

Geminiの学習モード（ガイド付き学習）は、単に答えを提供するのではなく、理解のプロセスを重視した教育特化型のAI機能です。

2025年8月にGoogleが発表したこの機能は、LearnLMモデルファミリーをベースに、AI研究者、認知科学者、教育学者との連携により誕生しました。問題を段階的に分解し、学習者のニーズに合わせて説明を調整することで、概念の背後にある「なぜ」を明らかにできます。

通常モードと学習モードで出力を比較してみた

では実際に返答がどのように変わるのかをみていきましょう。

◼️通常モードの場合

通常モードでプログラミングについて質問した場合、すぐに正確な答えを教えてくれました。

◼️学習モードの場合

一方、学習モードでは「何か知っていることはあるかな？」といった確認を通じて徐々に結論へと導いてくれます。

すぐに答えを教えてくれる通常モードと、まるで先生のように一緒に進めてくれる学習モード。目的に応じて使い分けられると、AIの活用の幅もグッと広がりそうです。

18歳以上の大学生は12カ月無料！

Gemini学習モードは無料版でも活用できますが、より高度な機能を試したい方はGoogle AI Proプランがおすすめ。18歳以上の大学生なら、Google AI Proプランを12ヶ月間無料で利用可能です。通常月額2,900円のプランが、2025年10月6日までの申し込みで無料になります。

このプランには学習モードに加え、Gemini 2.5 Proへのアクセス、Deep Research機能、NotebookLM、2TBのストレージが含まれます。興味のある方は公式サイトで詳細を確認してみてくださいね。

Gemini学習モードでできること

続いて、具体的にGemini学習モードでできることをご紹介します。

答えを導き出すためのサポート

学習モードは答えを直接提示するのではなく、思考プロセスを段階的に導くことに重点を置いています。

例えば、数学の二次関数について質問した場合、「答えは x=2 です」ではなく、質問からスタート。学習者の回答に応じて、平方完成の方法や頂点の求め方を段階的に説明し、最終的に自力で答えに到達できるよう支援します。

このアプローチにより単なる暗記ではなく、本質的な理解が可能になります。

練習問題の作成

学習者のレベルに合わせた練習問題を自動生成し、理解度を確認しながら学習を進められます。

対話型クイズ機能に加え、授業資料などから瞬時にフラッシュカードや学習ガイドを作成する機能も搭載。重要なポイントを効率よく復習できます。

プログラミングなら実際のコード作成、語学なら会話練習といった実践的で質の高い内容も魅力的です。

画像や動画による視覚的な解説

高品質な画像、図、YouTube動画を回答に直接組み込み、直感的な理解をサポートします。

光合成のプロセスや細胞の構成要素といった複雑なトピックについて質問すると、Geminiが自動的にビジュアル要素を織り交ぜて説明します。特に理系科目や視覚的理解が重要な分野で力が発揮されるでしょう。

テキストの説明では理解が難しかったことも、動画や図解により直感的に把握できるようになります。

Geminiの学習モードおすすめの活用法

Geminiの学習モードは具体的にどんな場面に有効なのでしょうか。学生のほか、社会人でも使えるおすすめの活用法を5つご紹介します。

試験対策の効率化

暗記だけに頼らない、内容を理解したうえでの試験勉強ができます。

例えば、「化学の反応式が全然覚えられない！」とお悩みの場合。普通なら暗記カードで丸暗記するところですが、学習モードなら「なぜこの反応が起こるのか」を身近な例（料理の焼き色がつく理由など）で説明してくれます。

理解できたら、フラッシュカード機能で重要ポイントを復習し、「じゃあこの問題はどう？」と段階的に難しい問題へ。丸暗記では太刀打ちできない応用問題も、仕組みを理解することで自然と解けるようになるのです。

難しい数学問題の解決

「なんでこの公式を使うの？」が分かる数学学習ができます。

例えば、微分の問題で困っているとき、「微分って何？」から優しく教えてくれます。「車のスピードメーターを想像してみて。今この瞬間の速さを知りたいとき…」といった例を出して説明してくれるので、しっかりと納得して解決できるでしょう。

計算のやり方だけでなく、「この公式はいつ使うの？」「実生活のどこで役立つの？」まで教えてくれるため、テストが終わっても忘れない本物の理解に繋がります。

語学のスキルアップ

教科書の例文じゃない、実際に使える英語が身につきます。

「留学の志望理由書を英語で書きたいけど、Google翻訳みたいな変な文章になっちゃう…」そんなときに大活躍。文法の間違いを直してくれるだけでなく、「この表現だとより説得力が出ますよ」「ネイティブならこう言います」といった生きた英語を教えてくれます。

海外旅行で使える会話練習もできるので、「空港で困ったとき」「レストランで注文するとき」など、実際のシーンを想定した実践的な英語力を鍛えられます。

プログラミング学習

「なんでこのコードが動くの？」が分かるプログラミング学習ができます。

プログラミング初心者なら「おみくじアプリを作ってみよう！」といった簡単なテーマから始まります。コードをコピペするだけでなく、「なぜこの命令が必要なの？」「この部分を変えるとどうなる？」と一つ一つ丁寧に説明してくれるのが嬉しい！

エラーが出ても怖くありません。「このエラーメッセージは『○○が足りないよ』って教えてくれているんです」と、エラーの読み方から優しく教えてくれるので、自分で問題を解決できる力も身につくでしょう。

小説・脚本執筆のサポート

「面白い話が思い浮かばない…」を解決する創作のお手伝いをしてくれます。

「SFの短編小説を書きたいけど、キャラクターが薄っぺらい」という悩みがあったとします。学習モードなら「主人公はどんな人？なぜその行動を取るの？」と質問を重ねながら、魅力的なキャラクター作りをサポート。

「読者がページをめくりたくなる」ストーリーの組み立て方や、「この場面では読者にどう感じてほしい？」といった感情の演出まで、小説の書き方を段階的に学べます。創作初心者でも、読み応えのある作品が書けるようになりますよ。

ChatGPTの学習モードとの違い

ChatGPTの学習モードは2025年7月にリリースされ、Free、Plus、Pro、Teamプランで利用可能です。一方、Gemini学習モードは教育特化型のLearnLMモデルを基盤とし、より学習理論に基づいた設計となっています。

機能については、ChatGPTの学習モードと大きな違いはありません。GeminiはGoogleとの連携により、高品質な画像、図、YouTube動画などマルチモーダル対応の充実度が強みといえます。

Geminiの学習モードに関するよくある質問

まとめ

本記事では、Geminiの学習モードについて解説しました。ポイントは以下の通りです。

ぜひGeminiの新機能学習モードを試してみてください。いつもの学習方法と組み合わせることで、学習効果の向上が見込めます。