GPT-4 Turbo with Visionは、OPENAIにより2024年4月に発表された自然言語、画像、動画を処理できるマルチモーダルと呼ばれる最新のAIモデルです。
APIに関する料金も従来より安くなるなど、関係者を驚かせました。
また、GPT-4Vにより画像認識機能が、2023年9月25日からChatGPTにて、GPT-4 Turbo with visionというAPIでも使えるようになったことでも世間を賑わせました。
本記事では、このGPT-4 Turbo with Visionに関する仕組み、料金、使い方、注意点を中心に解説していたします。
GPT-4 Turbo with Visionとは
GPT-4 Turbo with Visionは、前述の通り、マルチモーダルと呼ばれるAIモデルであり、企業や研究機関等において、マーケティング、カスタマーサポート、製品品質管理、医療診断など多様な分野での活用が期待されています。
GPT-4 TurboとGPT-4 Turbo with visionは違うもの
結論からお伝えすると、GPT-4 TurboとGPT-4 Turbo with Visionは違うものであることに注意が必要です。
現時点における違いについて説明いたします。
まず、GPT-4 Turboは、自然言語処理(NLP)に特化したモデルです。
テキストデータを入力として受け取り、言語理解、文章生成等を中心に処理できるモデルです。
一方、GPT-4 Turbo with Visionは、テキストだけでなく、画像やビデオなどの視覚情報も処理できるように設計されています。
本内容の違いが明確になっているのがAPIの違いです。
GPT-4 Turbo with visionのAPIには画像を与えることができます。
このAPIにより、例えば、画像キャプションの生成やビデオ要約、視覚情報を活用した文章生成等に活用できます。
GPT-4 Turbo with Visionの仕組み
ここでは、GPT-4 Turbo with Visionの仕組みについて説明いたします。
GPT-4 Turbo with Visionの仕組みを説明するにあたり、自然言語処理(以下、「NLP」)と画像処理(コンピュータビジョン、以下「CV」)の技術を理解することが重要です。
まず、自然言語処理は、コンピュータが人間の言語を理解し、処理するための技術です。
これにより、文章を解釈し、言語の意味や構造の理解をして文章の処理をすることが可能になります。
一般的なNLPタスクには、文章の生成、要約、翻訳、質問応答などがあります。
一方、CVは、コンピュータが画像や動画を理解するための技術です。
この技術により、画像や動画等の視覚情報を解析し、物体や場面を認識し、パターンを抽出することが可能になります。
一般的なCVタスクには、画像の分類、物体検出、セグメンテーション、キャプション生成などがあります。
GPT-4 Turbo with Visionは、これらのNLPとCVの技術を統合し、テキストと視覚情報の両方を処理することができるように設計されています。
また、このモデルの内部構造は、多層のニューラルネットワークで構成されており、複雑な特徴やパターンを抽出する能力を有するように設計されています。
GPT-4 Turbo with Visionの内部構造は、具体的に、主に以下の3つにより構成されています。
- 言語モデル:テキストデータを処理し、言語のパターンや意味を理解する役割を果たします。
- ビジョンモデル:画像データを処理し、視覚的な特徴やパターンを抽出する役割を果たします。
- マルチモーダル統合レイヤー:言語とビジョンの情報を統合して豊かなコンテキストを生成する役割を果たします。
このように、GPT-4 Turbo with Visionは、NLPとCVの技術を統合したモデルであり、テキストと視覚情報の両方を処理することが有用なモデルです。
GPT-4 Turbo with Visionの使い方
ここでは、GPT-4 Turbo with Visionの使い方について説明します。
GPT-4 Turbo with visionを使用するにあたり、API キーとOpenAIのライブラリを用意することが必要になります。
APIキーは、GPT-4 Turbo with Visionを利用するための認証情報として活用します。
環境が整ったら、テキストデータの場合は、単純なテキスト形式を入力すれば良いですが、画像や動画の場合は、適切なフォーマットに変換してPython等にて必要情報を入力する必要があります。
たとえば、画像の場合はJPEGやPNG形式などを指定します。
上記により、ユーザーのニーズや要件に合わせて適切にテキストや画像を生成することができます。
総括すると、GPT-4 Turbo with Visionを効果的に使用するためには、適切なAPIキーの取得、適切なデータを入力することが必要です。
これらのステップを適切に実行することで、ユーザーはGPT-4 Turbo with Visionの機能を最大限に活用することができます。
GPT-4 Turbo with VisionAPIと料金設定
ここでは、GPT-4 Turbo with VisionのAPIと料金について説明いたします。
基本料金は、APIの利用料金はリクエストする入力情報の回数や処理される出力データ量に基づいて計算されます。
GPT-4 Turbo with Vision の基本価格は次のとおりです。
- 入力: 1000 トークンあたり $0.01
- 出力: 1000 トークンあたり $0.03
また、拡張機能を活用した場合、GPT-4 Turbo with Visionを使用する場合に追加の使用が適用されます。
以下が具体的なケース別の料金です。
デル | 価格 |
---|---|
+ OCR 用の拡張アドオン機能 | 1.5 ドル/1,000 トランザクション |
+ 物体検出用の拡張アドオン機能 | 1.5 ドル/1,000 トランザクション |
+ “Add your Image” イメージ埋め込み用の拡張アドオン機能 | 1.5 ドル/1,000 トランザクション |
+ “Video Retrieval” 統合 1 のための拡張アドオン機能 | インジェスト: ビデオの 1 分あたり $0.05 トランザクション: ビデオ検索インデックスの 1,000 クエリあたり $0.25 |
上記のように企業や使用者は、料金設定や利用規約に関する詳細な情報を参照し、最適なプランを選択することが重要です。
GPT-4 Turbo with Visionの活用方法
GPT-4 Turbo with Visionは、ビジネスや生活シーンにおいて、様々な場面で活用できます。
以下では、具体的な活用シーンを事例として挙げながら、GPT-4 Turbo with Visionの活用方法について説明します。
活用方法①:マーケティング戦略の立案
マーケティング戦略の立案において、GPT-4 Turbo with Visionは有用なツールとなります。
例えば、競合他社の広告やプロモーション活動に関する画像や動画を解析して、競合の戦略やトレンドを把握することができます。
また、顧客の投稿や画像から、商品やブランドに関する意見や感情を抽出し、市場動向を予測することも可能です。
さらに、自社商品のパッケージデザインやキャンペーンの効果を評価するために、画像解析やキャプション生成を行うことも可能です。
これにより、マーケティング戦略をより効果的に立案し、顧客ニーズに即したプロモーション活動を展開することが可能となります。
活用方法②:カスタマーサポートの向上
カスタマーサポートの向上にも、GPT-4 Turbo with Visionが役立ちます。
顧客からの問い合わせ時に、画像やビデオを解析して自動応答を生成することができます。
また、顧客からの問題や要望を画像やビデオで送信する場合に、その内容を自動で解釈し、適切な対応を文章で出力するも可能です。
これによりカスタマーサポートの品質向上を狙うことができます。
活用方法③:品質管理と異常検出
製品の品質管理や商品における異常検出においても、GPT-4 Turbo with Visionは有用なツールとなります。
例えば、製造工程中や検品作業中に画像やビデオを解析し、製品の品質や欠陥を検出することができます。
製品の最終検査や出荷前の検査においても、GPT-4 Turbo with Visionを使用して製品の品質を確認し、不良品を特定します。
これにより、製品の品質向上や不良品の削減に貢献します。
活用方法④:個人毎にカスタマイズできる教育チューターとしての利用
GPT-4 Turbo with Visionを活用し、個々の学習者のニーズやレベルに合わせてカスタマイズされた教育チューターとしても活用できます。
具体的に、学習者の興味や学習スタイルに応じて、適切な教材や問題を提供し、学習の効率化や成果の最大化を支援します。
例えば、学習者が質問を投げかけると、適切な解答や詳細な解説を文章と適切なイメージと双方で提供することができます。
GPT-4 Turbo with Visionによって、学習者の疑問や不明点に丁寧に対応し、学習の障壁を取り除きます。
また、学習者の進捗状況をリアルタイムで追跡・可視化し、学習分析を行うことができます。
これにより、学習者の弱点や傾向を把握し、適切なサポートや補助教材を提供することで、学習成果の最大化を支援します。
活用方法⑤:栄養管理への適用
GPT-4 Turbo with Visionはさらに、食事の写真や動画を解析して栄養情報についても分析して適切なアドバイスを行うことも可能です。
具体的に、食事の画像から食材や料理の種類、量、栄養成分、カロリーなどを自動的に識別し、ユーザーにわかりやすく表示することが可能です。
これにより、健康的な食習慣をサポートするツールとしても活用できます。
以上説明してきたように、GPT-4 Turbo with Visionはさまざまなビジネスや生活環境の中で活用できます。
これにより、企業は業務効率の向上や顧客満足度の向上、個人としてもさまざまな生活の質の向上を狙うことができます。
GPT-4 Turbo with Visionを利用する際の注意点
GPT-4 Turbo with Visionを利用する際には、いくつかの重要な注意点を押さえておくことが重要です。
・1つ目に、GPT-4 Turbo with VisionのAPIでは、PNG、JPEG、WEBP、GIFの形式のファイルしか使用できません。
ChatGPTでは対応可能であったPDFのファイル形式は使用できません。
・2つ目に、function-callingやJSONモードは使えません。
具体的に、OCR機能を用いて、テキストを抽出し、ChatGPTでJSON化し、SQL等で活用することができないということです。
その他、GPT-4 Turbo with visionの注意点として、以下のような事項があります。
- イメージは生成できない、生成する場合、DALLE-3の機能を使用する必要がある
- アップロードできる画像の容量は20MBが上限
- メタデータを画像に付与できない
上記は、OpenAIから公表されている公式ドキュメントに掲載されておりますので、適切に参照の上、GPT-4 Turbo with Visionを活用することが必要です。
以上のように、GPT-4 Turbo with Visionを利用する際には、利用にあたり、ChatGPTで使用することが可能であったPDFやJSON等の機能が使用できません。
GPT-4 Turbo with Visionを安全かつ効果的に活用するためには、こうした利用規約や公式ドキュメントを正しく参照し、注意点を考慮して使用する必要があります。
まとめ
これまで見てきたように、GPT-4 Turbo with Visionは、文章と画像・動画等の視覚情報を基にビジネスや生活環境において、様々な活用ができる優れたChatGPTの新しいモデルです。
ただし、現段階では、使用にあたり留意すべき点があるため、そもそもの仕組みや使い方、料金内容、活用方法、注意点をOpenAIが提供する情報を適宜参照・理解した上で、上手に使いこなすことが必要です。
上手に使いこなすことができれば、ビジネスや日常生活における生産性が向上する素晴らしいツールとあると言えるでしょう。
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