最近、話題沸騰中のChatGPTですが、
「利用規制があるの?」
「私の住んでいる国では使えるのかな?」
「そもそも、なんで規制されてるいるのかな?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
今回はChatGPTの各国での規制状況や規制される理由をメインにご紹介します。これを見れば、主要各国のChatGPTに対する対応がまとめてわかりますよ!
ChatGPTとは
ChatGPTは、2021年にOpenAI社によって開発された、先進的なコンピュータープログラムのことで、人工知能を活用して、ユーザーと対話し、質問に答えたり、情報を提供したりすることができます。
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と聞いてみると以下の回答が返ってきました。
とても便利で面白いですよね!このような感じで質問に答えてくれるChatGPTですが、正確性や倫理に関しては注意が必要な部分があるようです。
ChatGPTはなぜ規制されるのか
とても便利なChatGPTですが、利用方法によっては注意が必要になるため、様々な国や企業にて規制がされています。
では、ChatGPTを利用するリスクや危険性はどういったものがあるのでしょうか?
個人情報や機密情報の漏洩リスク
ChatGPTは、入力された情報を学習データとして蓄積し、利用します。
そのため、個人情報や機密情報を入力した場合、第三者への回答データに該当の情報が含まれてしまうことがあります。
企業で保有する顧客の個人情報を入力してしまったり、企業の機密情報を入力してしまった場合、外部に情報が流出することとなり、信頼を失いかねません。
ChatGPTを利用する際は、流出してはいけない情報は含めないよう注意が必要ですね。
※ChatGPTの情報漏えい対策については、以下の記事でも詳しく解説しています!
誤った情報を提供される場合がある
ChatGPTは、おおむね適切で筋の通った答えを返してくる言語処理能力です。
そのため、学習データに基づいて回答してくれますが、正しい情報だけでなく、誤った情報を提供することがあります。
こちらの点については、OpenAI公式サイトでも、誤った回答をすることがあると注意書きがありますので、生成された回答の全てを信じ切るといったことはやめたほうが良いですね。
サイバー攻撃への悪用
優れた言語処理能力があるChatGPTですが、フィッシングメールの作成を依頼したり、プログラミングの攻撃コードを作成するよう依頼したりと悪用利用される可能性があります。
基本的には、ChatGPTにてフィッシングメールや攻撃コードの作成を依頼しても以下のように回答がきて拒否されます。
ただし、ChatGPTにて悪用目的と判断できない場合は、利用されてしまう可能性があるため注意が必要です。
さて、ChatGPTを利用するリスクや危険性を紹介しましたが、企業単位で使う場合も個人単位で使う場合も上記に気をつけて利用することが大事ですね。
ChatGPTの利用を規制する国もある
先述のとおり、ChatGPTの利用には注意が必要になるため、利用を規制している場合があり、近日ニュースなどでも多く取り入れられています。
どこの国でどのような規制がされているかみていきましょう。
イタリアを筆頭にEUでChatGPT規制の動き
ヨーロッパでは、主に個人情報保護の目的として、ChatGPTを含む生成AIへの対策が盛んに見受けられます。
欧州連合(EU)では2021年にAI規制案を提案しており、2023年6月には欧州議会にて承認されたことで、法案成立に向けて大きく前進しました。
具体的な規制の内容は、以下のようなものがあります。
- 顔認証や生体認証テクノロジーを利用した監視活動の禁止
- 顔認証のデータベースを作成することを目的とする、SNSや監視カメラ映像からの情報収集の禁止
- 生成AIを利用する企業には透明性を担保する必要がある(AIを使って作成された画像や文章についてはAIで作られたことを明示することが必要)
定められている規則に反した場合には、罰金対象にもなります。
また、イタリアのデータ保護当局(GPDP)は2023年3月、プライバシー規制が不十分であることや年齢制限がされていないことが原因で、ChatGPTの使用を一時的に禁止しました。
イタリア当局はOpenAIに対して上記に対する改善策を講じるよう条件を出し、OpenAI側が該当の条件を満たしたとして、現在は禁止を解除しております。
イタリアをはじめ、ヨーロッパでは、人々の基本的な権利を保護しつつも、AIによるイノベーションや経済活動を止めないよう、妥協点を探しながら法案を作成しているようですね。
中国、ロシアもChatGPTの利用規制をしている
政府の中央集権的な力が強い中国やロシアですが、両国共にChatGPTの規制が行われています。
中国ではChatGPTの利用規制に加え、「中国で違法となるコンテンツが含まれている」としてChatGPTに類似のアプリについてはアップルストアから削除されており、ダウンロードができないよう規制されております。
中国共産党や政府に批判的な情報が国民に提供されることや、国外に中国の情報が流出するのを阻止する意図が見受けられます。
ただ、自国での生成AIの開発には活発となっており、アリババの「通義千問(トンギーチェンウェン)や中国の大手検索エンジン・Baiduの「ERNIE Bot」がすでに開発されています。
ロシアでもChatGPTの利用は全面的に規制されていますが、ハッカーたちにてAPI制限の回避を試みていることが確認されています。
ChatGPTがサイバー犯罪に利用される可能性が高まっていると考えると恐ろしいですね。
アメリカでは規制当局がChatGPTを調査
さて、ChatGPTを提供するOpenAIはアメリカの企業ですが、自国の規制当局にて、虚偽情報の拡散有無や個人情報の取扱が法に違反していないかなどについて、2023年7月に調査が開始されました。
また、ChatGPTでは、ユーザーの一部利用者の情報が漏えいしたり、第三者のチャット内容が閲覧できたりするといった事象が発生したため、こちらについても報告が求められています。
ChatGPT開発国のアメリカでも生成AIに関する法規制は整っていないので、現時点では取り締まりが難しいようですね。
日本はChatGPT利用を規制している?
各国がChatGPT利用を規制する中、日本はどうなのでしょうか。
日本ではChatGPTへのアクセス制限はされておりませんが、他国と同様に法整備は整っていません。
G7では初の面会を岸田首相と行う
岸田首相は2023年4月、G7首相としては初めて、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏と面会しました。面会ではChatGPTの活用法や今後の法整備などについて意見交換がされ、アルトマンCEOは東京に事業拠点を新たに設ける考えも岸田首相に伝えています。
日本では規制や法整備が他国に比べ遅れている状態ですが、国としては生成AIの利用に積極的であるようです。
企業や大学でもChatGPTの規制が行われている
国単位では規制が行われていない場合でも、企業や大学にて規制される場合があります。
例として、以下企業では利用禁止となっています。
- Apple
- Amazon
- Samsung
- Accenture
やはり大手企業となると情報漏洩のリスクや情報の正確性から利用を規制することが多いようです。
大学の対応はどうでしょうか。大学生になると、論文やレポートを作成する機会が増えますよね。その際のChatGPTの利用可否について様々な議論がされています。
例えば東京大学ではChatGPTの回答には嘘の情報が含まれる可能性があること、情報流出の可能性があることから慎重に利用するよう生徒たちに指導しており、基本的には学生自身で文章を作成するとの認識を示しています。
また、秋田大学では生成AIについて「教員の許可なくリポート課題や試験の解答に使用することは禁止する」として、許可のない利用は禁止されているようです。
教員側もChatGPTで文章が作成されたかどうかなどを見分けるのが困難のため方針も難しいと考えられます。
まとめ
ChatGPTの各国の規制状況や企業・大学での対応について紹介しましたがいかがだったでしょうか?
こちらの記事をまとめると、
- ChatGPTは対話型のプログラミングで文章の作成に便利!
- ただし情報の正確性に欠ける点や情報流出の可能性があるので注意が必要。
- 中国やロシアではChatGPTの利用規制がされ、EUでは生成AIに関する法案成立に向けて進行中となるなど、各国で対策が行われている。
- ChatGPTは、国だけでなく企業や大学単位でも規制されている場合がある。
でした。
ChatGPTは国や企業でも規制が様々な規制がされているように、利用にあたりリスクや危険性もあるので、皆さん注意して利用することが大切ですね。
今後、日本でも生成AIに関する法律や方針が決まっていくかもしれません。各国、各企業の動きがますます気になりますね。
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