近年、AIの進化に伴い、音楽制作分野でも新たな可能性が広がってきています。
ChatGPTを活用して、作曲やメロディ作成が行えるようになれば、趣味で楽しむことはもちろん、新たな仕事に役立つ可能性もあります。
そこで本記事では、ChatGPTを使って作曲する方法や、AIによる作曲の著作権と商用利用について解説していきます。
ChatGPTで作曲(メロディ作成)するプロンプトを紹介
ChatGPTは文章生成AIであるため、実際に音を出すことはできません。
ですが、メロディ作成や歌詞などを生成してもらうことで、作曲を手助けすることが可能です。
ChatGPTで作曲・メロディ作成①:プロンプト紹介
作曲やメロディ生成を行うには、まずChatGPTにメロディやコード進行に関するプロンプトを入力する必要があります。
ChatGPTで作曲・メロディ作成に使えるプロンプトの例を3つご紹介します。
例1.大まかなコード進行を考えてもらいたい時
〇〇の時に聞く、〇〇なコード進行を〇〇スケールで〇小節作ってください。
例えば、以下のようなプロンプトが考えられます。
ドライブの時に聞く、元気のでるコード進行をメジャーペンタトニックスケールで4小節作ってください。
例2.コード進行と歌詞も同時に生成してほしい時
〇〇にインスパイアされた、〇〇のテイストが入っているポップな曲のコード進行と歌詞を考えてください。
例えば、以下のようなプロンプトが考えられます。
ビヨンセにインスパイアされた、ローリングストーンのテイストが入っているポップな曲のコード進行と歌詞を考えてください。
例3.基本構成が決まっていて、しっかりとした曲を作成したいときは、「GPT Prompt Generator for Chords」を用いて、ChatGPT用のプロンプトを作成します。
1.基本キーやスケール、ジャンル、雰囲気、小節数、歌詞アイデアなど細かく設定した後に、オレンジ色のボタン「プロンプト生成」をクリックします。
2.ChatGPT用のプロンプトが自動で出力されますので、緑色のボタン「プロンプトコピー」をクリックして、ChatGPTにそのまま貼り付けます。
3つの例それぞれに違和感はありますが、一瞬でコード進行や歌詞などを生成することができます。
生成されたものを基準にして、独自の要素を追加してオリジナル楽曲を作成してみてはいかがでしょうか?
ChatGPTで作曲・メロディ作成②:実際に作曲してみた結果
実際にChatGPTで作曲・メロディ作成をしてみます。
先ほどご紹介した「GPT Prompt Generator for Chords」を用いて、ChatGPT用のプロンプトを作成します。
ジャンルは「ヒーリング」で、しっとりとしたピアノフレーズの曲です。
プロンプトをコピーして、ChatGPTに貼り付けます。
生成されたメロディーをコピーして、「GPT Melody Player」に貼り付けます。
画面左下の「ListenMelody」をクリックすると、生成された音楽が再生されます。ダウンロードしたい場合は、中央のボタン「Save as MIDI」をクリックしてください。
ゆったりとした、ピアノを使用したメロディが生成されました。歌詞はありませんが、0から作ったとは思えないほど簡単に作ることができました。
さまざまな曲を自分の好みに合わせて生成できる素晴らしいツールです。ぜひ、試してみてください。
作曲で使える効果音をChatGPTで作成する方法!
音楽制作において、効果音は欠かせない要素の一つです。
ChatGPTはテキスト生成AIであるため、音を出すことはできません。ですが、「AudioLDM」という無料AIツールを用いると、テキストから効果音を生成することができます。
AudioLDMに入力するプロンプトは英語となりますので、そのプロンプトをChatGPTに生成してもらい、AldioLDMに入力する流れとなります。
わずか数ステップで、簡単に好みの効果音を作成することが可能です。以下がその手順となります。
STEP1:ChatGPTに、作りたい効果音のプロンプトを英語で生成してもらい、プロンプトをコピーします。
今回は、試しに「森の中の小鳥たちのさえずり」という効果音を作成してもらいます。
STEP2:AudioLDMを開き、「Input text」の欄に先ほどChatGPTでコピーしたプロンプトを貼り付けます。
「Input text」の下の欄には「Negative prompt」(ネガティブプロンプト)という欄があります。
【low quality(低品質), average quality(平均的なクオリティ)】など、生成する際に避けたい項目があれば入力してください。
STEP3:一番下までスクロールすると「送信」ボタンがあるので、クリックします。
STEP4:7秒ほど待つと、効果音が生成されます。
左側の▷マークをクリックすると、音を聞くことができます。
どの効果音も5秒しか生成されませんが、自分の希望する効果音を簡単に作成することができます。
無料で何度でも生成できますので、色々な音を生成して楽しんでみてください。
ChatGPT・AIが作曲・メロディ作成した場合の著作権や商用利用は?
ChatGPT・AIが作曲・メロディ作成した楽曲の著作権は誰に帰属し、商用利用は可能なのかについてご説明します。
結論から言うと、著作権は入力者のものであり、商用利用は可能です。しかし注意すべき点もあります。
まず、著作物とは以下のように定義されています。
著作権法:著作物は、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、音楽又は舞踊の範囲に属するものをいうもの
そして、OpenAIの規約では、権利について以下のような内容が記載されています。
入力と出力は共に「コンテンツ」として扱われます。当事者間および適用法に許される範囲で、入力に関してはあなたが全ての権利を所有しています。これらの条件を遵守する限り、OpenAIはここに出力に関する全ての権利、権利証書、および利益をあなたに譲渡します。つまり、これらの条件を遵守すれば、コンテンツを商業利用(販売や出版など)を含む任意の目的で使用できます。OpenAIはサービスの提供と維持、適用法の遵守、およびポリシーの施行のためにコンテンツを使用することができます。コンテンツについては、適用法やこれらの条件に違反しないことを含め、あなたが責任を持っています。
(OpneAI利用規約 一部抜粋)※実際は英語です。日本語に翻訳したものを記載しています。
上記を簡潔にまとめます。
- 入力したものに関する権利は、入力者のものとなる
- 出力に関する権利、権利証書、利益は、入力者のものとなる
- ChatGPTが出力したものは商用利用可能
出力されたメロディなどは商用利用できるということですが、既存のメロディーに似ていないかなどの点に注意してください。
著作権の責任を負うのは、入力者となります。そのため、著作権に関する問題が生じた場合は、入力者が責任を取らなければなりません。
ChatGPTが生成したメロディや歌詞が既存のものと似通っていないか、既存の楽曲などを元にしてメロディや歌詞を生成していないかなど、必ず確認するようにしましょう。
AIのフリー作曲ツールを紹介!
ChatGPT以外にも、AIを用いた作曲ツールが公開されています。
無料で使えるうえに、操作はとても簡単です。プロンプトも不要となっています。
①「自動作曲ちゃん」
「自動作曲ちゃん」とは、曲名を入力するだけで曲を作ってくれる、AIを活用した無料の作曲ツールです。このツールを使えば、誰でも簡単に楽曲制作を楽しむことができます。
操作はとても簡単です。自分の好きなタイトル(好きな言葉)を入力して、「生成する」をクリックするだけです。
すると、数秒から数十秒の楽曲が自動で生成されます。試しに「楽しい日々」というタイトルの曲をつくってもらいます。
6秒ほどの曲が自動生成されます。
次に、誰もが知っている曲「ねこふんじゃった」というタイトルでは、どんな曲ができるのかも試してみます。
知っているメロディーではありませんでしたが、軽快な雰囲気のメロディーが生成されました。タイトルが同じ場合、何度でも同じ曲が生成されます。
気に入った曲があれば、ダウンロード可能です。WAVかMIDIかを選ぶことができます。動画で保存することも可能で、WebMやMP4から選べます。
SNSへの投稿も、クリック1つで簡単に行えるようになっています。
生成された音楽に関しては、シェアしたり保存したりして自由に楽しむことが許可されています。その場合は、「どこか1カ所(説明文内や動画内など)にサイトのURLを記載」することが条件となります。
プロンプトを入力することなく、手軽に楽曲を生成してくれるAIツール「自動作曲ちゃん」。一度触ってみるだけでも楽しめるのではないでしょうか。
②「Suno AI」
「Suno AI」(読み方:スノエーアイ)は、歌詞や曲調を文章で指示するだけで音楽を自動生成する自動作曲AIサービスで、PCやスマートフォンなどのインターネットブラウザから使うことができます。
開発者の中には、MetaやTikTokを運営する中国の会社ByteDanceなどに所属していた人たちもいるそうで、かなり優秀な人材によって開発されているということが分かります。
「Suno AI」は、Google、Discord、Microsoftのアカウントと連携して使用でき、現在β版が公開されています。このβ版では、1日に最大5曲まで無料で音楽を生成することができます。
また、さまざまな有料プランも提供されており、月額10ドルのプランでは月に500曲、30ドルのプランでは月に2,000曲の生成が可能です。
こんな感じの歌ができるので、気になる方はぜひ試してみてください!
※詳しい使い方については、以下の記事で解説しています!
③「Udio」
音楽生成AIの「Udio」がパブリックベータ版として一般公開され、大きな注目を集めています。Udioは以前からSuno AIの強力なライバルとして知られており、Google DeepMindの研究者やエンジニアが開発に携わっていることから、その音楽生成能力は「AIかどうか判別できないクオリティ」と評されるほどです。
2024年5月現在はベータ版のため有料プランは設定されておらず、無料で1か月に1200曲まで生成ができるようになっています!
こんな感じの音楽が生成できるので、気になる方はぜひ試してみてください!
※詳しい使い方については、以下の記事で解説しています!
まとめ
AI技術の進化により、音楽制作が非常に簡単にできるようになりました。
ChatGPTなどを活用して、ぜひ作曲作りに挑戦してみてください。
- ChatGPTは文章生成AIであるため、音を出すことはできない。
- 基本構成が決まっている場合は、「GPT Prompt Generator for Chords」を用いて、無料でChatGPT用のプロンプトを作成できる
- ChatGPTで生成されたメロディーを「GPT Melody Player」で無料で再生・ダウンロードできる
- 「AudioLDM」を使うと、無料でテキストから効果音を生成することができる
- 著作権は入力者のもの、商用利用は可能
- AIを活用した無料の作曲ツールもある
- 自動作曲ちゃん
- Suno AI
- Udio
ただし、AIが作曲・メロディ作成した場合の著作権や商用利用については、十分にご注意ください。
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