【無料】Geminiで文字起こしするやり方!日本語対応や途中で止まるエラーについても解説

Gemini

会議やセミナー、インタビューなどの音声を文字に起こす作業は、時間と労力がかかる大変な作業です。しかし、Googleの生成AI「Gemini」を活用すれば、この作業を驚くほど効率化できるんです!文字起こし専用ツールの多くが有料プランでの利用に限っている中、Geminiなら無料で高精度な文字起こしが可能です

本記事では、Geminiを使った文字起こしの方法から、ビジネス活用術、各バージョンの性能比較まで役立つ情報を徹底解説します。「議事録作成をもっと効率化したい」「音声データを手軽にテキスト化したい」という方は、ぜひ参考にしてください!

今回の記事で分かること
  • Geminiの文字起こし機能とは
  • Geminiでの文字起こしのやり方・コツ
  • Geminiバージョン別の文字起こし性能比較
  • Gemini文字起こしの制限と注意点

※Geminiの基本的な使い方については、下記記事で詳しく解説しています。

Geminiの文字起こし機能とは

Geminiは、Googleが開発した大規模言語モデル(LLM)で、音声データのテキスト化に優れた性能を発揮します。従来の専用ツールに負けない高い精度で文字起こしができるだけでなく、文脈を理解する能力に優れているため、専門用語や複雑な内容の認識も得意としています!

Geminiの文字起こしが注目される最大の理由は、無料で利用できる点です。一般的な文字起こしツールは月額1,000円以上のコストがかかり、使用できる時間や文字数に制限がありますが、Geminiはこのような制約なく利用可能です。

さらに、以下のような特徴から多くのビジネスマンから注目されています。

  • 高精度な文字起こし機能
  • 複数の発言者の識別が可能
  • タイムスタンプの自動付与機能
  • 文字起こしから議事録作成までを一貫して実行

Geminiの文字起こしでできること

Geminiの文字起こし機能では、以下のようなことが可能です!

  • 会議・セミナーの議事録作成:オンライン会議やセミナーの録音データを文字起こしし、議事録として整理できます
  • YouTube動画の文字起こし:YouTubeの動画内容をテキスト化し、内容の要約や記事化に活用できます
  • インタビューデータの分析:取材やインタビューの内容をテキスト化し、データ分析に活用できます
  • 多言語対応:英語や日本語など、様々な言語の音声を認識できます
  • フィラー除去:「えー」「あの」などの無駄な表現を自動的に除去できます

フィラー処理までできるなんて驚きですね!

このように、Geminiは高度な自然言語処理能力を備えているため、人間が話す言葉を正確にテキストに変換できます。これまで専用のソフトウェアや業者に依頼していた文字起こしを、誰でも手軽に、そして迅速に作業できる環境を提供してくれます。

Geminiでの文字起こしのやり方(Google AI Studio)

Geminiで文字起こしをするために、用意するものは次の3つです。

  1. インターネットに接続できる環境
  2. 文字起こしをする音声ファイル(mp3, wav, m4aなど)
  3. Googleの個人アカウント

Geminiはオンライン上で稼働しますので特にハイスペックなパソコンは不要ですが、音声ファイルのアップロードが必要であるため、安定したインターネット接続環境での作業が好ましいです。

また、Geminiの利用にはGoogleの個人アカウントが必要となります。

そしてGeminiは以下のような一般的な音声ファイル形式に対応しています。

  • MP3
  • WAV
  • FLAC
  • M4A
  • AAC
  • OGG Vorbis

高品質な音声ファイルを用意するほど、文字起こしの精度は向上します。環境に注意し、雑音の少ない状態で録音することをおすすめします!

それでは、Google AI Studioを使った文字起こしのやり方を説明していきます。

Google AI Studioは、Googleが提供するAI開発者向けのプラットフォームです。Geminiの最新AIモデルを試したり、独自のAIアプリケーションを開発でき、誰でも無料で利用できます

このやり方で、スマホでも文字起こしできます!ただし、スマホではファイルサイズの制限があるため、長時間の録音データを扱う場合はPCでの操作がおすすめです。

以下の手順でアクセスしましょう。

①ブラウザで Google AI Studio にアクセス

②Googleアカウントでログイン

Google AI Studioにログインすると、中央部分でChatGPTやGemini Advancedのようなチャット形式のUIで、質問・プロンプトを打ち込み、「Run」をクリックすると、その質問に対するAIの回答が表示されるようになっています。

モデルの選択とGoogleドライブ連携のやり方

右上のモデル選択では、Gemini 1.0 Pro、Gemini 1.5 Pro、Gemini 1.5 Flash、Gemini 2.5 Proなどから選ぶことができます。

最も高性能なモデルを使用したければGemini 2.5 Proを、スピード重視ならばGemini 2.5 Flashを選ぶのが順当でしょう。

Geminiに音声ファイルを読み込ませるには、Google AI Studio上で直接録音するか、Googleドライブにアップロードしたファイルを読み込ませるかの二択です。

議事録を作るような用途の場合は、すでに録音したファイルが他に存在しているケースが殆どだと思うので、Googleドライブへの接続はマストです!

Googleドライブと連携する方法は、以下の通りです。

①Google AI Studioのプロンプト入力欄の左側にある「+」ボタンをクリック

②「Allow Drive Access」を選択

③ポップアップが開くので、アクセス許可を行う→これで、My Driveから自分のGoogleドライブへアクセスできるようになります!

音声ファイルのアップロードと文字起こしのやり方

GoogleドライブとAI Studioの接続が完了すると、Googleドライブ上にすでにあるファイルを指定するか、新たにファイルをアップロードしてGoogleドライブに格納するかを選択することができます。

ファイルをアップロードする手順は、以下の通りです。

①「My Drive」を選択(通常通りPCからのアップロードは、「Uplode File」からでもOKです )

②MP3やWAVなどの音声ファイルをドラッグ&ドロップ

ファイルがアップロードされると、チャットにファイルが添付されます。

③以下のようなプロンプトを入力する

この音声を日本語で文字起こししてください。「えー」「あのー」などの意味のないフィラーは除去してください。適切に段落分けを行ってください。

「Run」ボタンをクリックして実行しましょう!下記のような感じで、文字起こししてくれます。

Geminiで文字起こしを行う際には、タイムスタンプの付与も指示できます。「タイムスタンプを付けて」と指示することで、各発言にタイムスタンプが自動的に付与されます。

「各発言にタイムスタンプを付与し、時間:分:秒の形式で表示してください」とプロンプトに追加すると、より詳しい分析が可能になります!

Geminiによる文字起こしが完了したら、出力された文章の体裁を整えましょう。高精度な文字起こしが行われるとはいえ、100%完璧ではありません。誤字脱字がないか、不自然な言い回しがないかなどを確認し、必要に応じて修正を加えましょう。

プロンプトで指定した形式で出力されているかを確認し、必要であれば段落分けや句読点の修正を行います。文章の体裁を整えれば、より読みやすく、理解しやすい文章にできます!

WordやGoogleドキュメントなどのテキストエディタを利用して、体裁を整える作業を行うと便利です。

Geminiの文字起こし精度を高めるコツ

ここからは、Geminiの文字起こし精度を高めるコツを3つご紹介していきます!

  • 効果的なプロンプトの書き方
  • 発言者の識別と話者分離
  • 文字起こし後の編集とブラッシュアップ

コツ①:効果的なプロンプトの書き方

文字起こし用のプロンプトでは、はっきりとした指示が重要です。以下のようなプロンプトがおすすめです。

この会議の録音音声を、日本語で書き起こしてください。原文は可能な限り変更せず、「えーっと」「え」などの意味のない音声のみ削除してください。

さらに精度を高めるためのプロンプトのポイント!

  • 文字起こしする文脈を伝える:「この音声はビジネス会議の録音です」など
  • 出力形式を指定する:「箇条書きで出力してください」など
  • 専門用語があれば先に伝える:「この音声には〇〇という専門用語が含まれています」
  • 発言者の識別を依頼する:「発言者ごとに分けて書き起こしてください」

コツ②:発言者の識別と話者分離をする

複数話者の音声が含まれる動画の文字起こしでは、発言者識別機能が非常に役立ちます。Geminiに「各発言者を識別してください」と指示することで、誰がどの発言をしたのかを自動的に区別できます。

例えば、会議の議事録作成やインタビューデータの分析において、発言者ごとの意見や発言内容を整理する際に便利です。具体的なプロンプトの例として、「発言者の名前を発言者名:の形式で表示してください」と指示することで、より明確な記録を作成できます。

コツ③:文字起こし後の編集とブラッシュアップ

文字起こし後のテキストで特に注意すべきは、専門用語と固有名詞の修正です。Geminiの認識精度が低い場合、これらの用語が誤って変換されることがあります。

例えば、医学研究の動画で「慢性腎不全」が「漫性人前」と認識されることがあります。このような場合、医学用語辞典や関連資料を参照し、正確な用語に修正する必要があります。

また、文字起こし後のテキストを再度Geminiに渡して、以下のような指示を出すと効果的ですよ!

この文字起こし結果を読みやすく整形してください。段落分けを適切に行い、誤字脱字や不自然な表現を修正してください。

Geminiバージョン別の文字起こし性能を比較してみた!

2025年5月現在1番高性能な「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」での性能を比較してみました!

使用した音声が著作権のあるものとなり、結果だけお伝えする形となりますのでご了承ください。

Gemini 2.5 ProとFlashを比較すると、5分ほどの音声ファイルで2.5 Proが約20秒、2.5 Flashが約10秒と、Flashが2倍ほど早いという結果になりました!

このGeminiの文字起こしのバージョン別の比較によって判明したことは、スピードを重視するのであれば圧倒的に「Flash」が好ましいということです。反対に、出力される文字起こしのスタイルについては、「Pro」の方が綺麗な状態になっているため、そのままコピペすることで資料として完成度が高いものとなっています。

用途によって適切なモデルを選択することが重要です!

  • Gemini 2.5 Pro:精度重視、正確性が求められる議事録作成
  • Gemini 2.5 Flash:スピード重視、大量の音声データを短時間で処理

そして文字起こしのクオリティについては、ほぼ全てのバージョンで大差はなく、発言者である選手、通訳、記者を聞き分けており、発言の前に発言者を記載してくれました。

ただし、以下のような差異も見られました。

  • Gemini 2.5 Pro:固有名詞(地名や人名)の認識が正確
  • Gemini 2.5 Flash:固有名詞を誤認識することがある

これらを踏まえて、好みのモデルで文字起こししてみてください!

Geminiを使った文字起こしのビジネス活用法

では、Geminiの文字起こし機能はどんな活用方法があるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

活用法①:会議・セミナーの議事録作成

会議の議事録作成において、文字起こしは有効な手段です。AIを活用した文字起こしツール、例えばGeminiを利用することで、会議内容をリアルタイムでテキスト化し、議事録作成の時間を大幅に短縮できます。

Geminiを活用した文字起こしを活用すれば、会議中に録音した音声ファイルをアップロードするだけで、参加者の発言内容がテキストデータとして生成可能です。発言者ごとの識別や句読点の自動付与も可能なので、議事録としての体裁も整えやすくなります!

実際の活用例
  1. Google Meetで会議を録音
  2. 録音ファイルをMP3形式で保存
  3. Google AI StudioでGemini 2.5 Proを選択し、ファイルをアップロード
  4. 「会議の議事録を作成してください。発言者を識別し、重要なポイントをまとめてください」とプロンプト
  5. 生成された議事録を確認・編集して共有

活用法②:YouTube動画のテキスト化と要約

Geminiによる文字起こしは、YouTube動画の内容を素早く把握したい場合にも最適です。

Gemini 2.0 Flash Experimentalでは、YouTube動画のURLを入力するだけで、動画の内容をテキストに変換できます。研究者は、これまで手作業で行っていた文字起こし作業を大幅に効率化し、貴重な時間を研究活動に集中できます。

YouTube動画の文字起こし手順は、以下の通りです。

  1. YouTube動画のURLをコピー
  2. Google AI Studioのプロンプトに以下のように入力:
以下のYouTube動画の内容を文字起こしして、要点をまとめてください。
[YouTube URL]
  1. 生成されたテキストを確認・活用

活用法③:インタビューデータの分析

インタビューデータの分析においても、文字起こしは重要な役割を果たします。インタビュー音声をテキストデータに変換することで、発言内容を詳しく分析し、傾向やパターンを発見することができます。

特に、市場調査や顧客満足度調査などでは、インタビューデータの文字起こしが不可欠です。Geminiのような高精度な文字起こしツールを使用すれば、インタビュー内容を正確にテキスト化し、タグ付け機能やキーワード検索機能を活用して、効率的に分析を進めることができます!

実際の活用例
  1. インタビュー音声を録音
  2. Geminiで文字起こし
  3. テキスト化されたデータからキーワード分析
  4. 分析結果をもとに製品開発やマーケティング戦略を改善

Geminiでの文字起こしに関する制限と注意点

Geminiで文字起こしをする際には、ちょっとした制限や注意点がありますので最後に確認しておきましょう!

Geminiの無料プランには制限と上限がある

Geminiの無料プランには以下のような制限があります。

  • 1日あたりのリクエスト数上限:1,500 RPD(1日あたりのリクエスト数)
  • 1分あたりのリクエスト数上限:15 RPM(1分あたりのリクエスト数)
  • 1分あたりのトークン数上限:100万 TPM(1分あたりのトークン数)

一般的に、無料プランでは長時間の音声ファイルの文字起こしは難しいと考えられます。特に、10人程度のビジネス会議となると、会話量が多くなり、トークン数も膨大になる可能性があります。

長時間の会議録音を処理する場合は、いくつかの対策があります。

  1. 音声ファイルを複数の小さなファイルに分割して処理
  2. 議論の重要な部分だけを抽出して処理
  3. 有料プランにアップグレード

※Geminiの有料プランについては、下記記事で詳しく解説しています。

セキュリティとプライバシーに関する注意点

Google Geminiを活用した動画の文字起こしはとても便利ですが、利用時にはいくつかの注意点と、起こりやすいトラブルへの対処法を知っておくことが重要です。

特に企業内の機密情報を含む会議の録音データを処理する場合は注意が必要です!

  • 個人情報や機密情報を含む音声は使用を避ける
  • 社内のセキュリティポリシーに準拠しているか確認
  • 必要に応じて、文字起こし後にデータを削除する

データはGoogle AI Studioの学習に使われるため、個人情報や機密情報は入力しないよう注意してください!

文字起こしが途中で止まる問題の対処法

Geminiを使って文字起こしを行っている際に、テキスト化が途中で止まる場合があります。

テキスト化が途中で止まる場合は、プロンプトで「続きをお願いします」などと指示し、続きの文字起こしを実行しましょう。

プロンプトで続きを指示してもうまく動作しない場合は、音声ファイルのサイズを工夫しましょう。分割もしくは圧縮するなどして、ファイルサイズを小さくすると正常に動作する場合があります。

その他の対処法は、以下の通りです。

  • 5〜10分程度の短い音声ファイルに分割して処理
  • MP3形式など、ファイルサイズが小さくなる形式を使用
  • 文字起こし途中で切れた場合は、続きから再開するよう指示

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事では、Geminiを活用した文字起こしの方法から、バージョン別の性能比較、ビジネス活用まで徹底解説しました!

この記事で紹介したことをまとめると次のようになります。

  • Geminiは無料で高精度な文字起こしが可能で、文脈理解に優れている
  • 文字起こしにはGoogle AI Studioを使い、適切なモデル選択とプロンプト設定が重要
  • Gemini 2.5 Proは精度重視、Flashはスピード重視、用途に応じて選択する
  • YouTube動画の文字起こし、会議議事録作成、インタビューデータ分析など様々な用途に活用可能
  • 無料プランでも十分に活用できるが、長時間の音声は分割するなどの工夫が必要

文字起こし作業に時間を取られていた方や、会議の議事録作成を効率化したい方にとって、Geminiの文字起こし機能は手放せないツールになること間違いなしです。無料ながら専用ツールに負けない高品質な文字起こしを実現できるGeminiを、ぜひ皆さんの業務に取り入れてみてください!