巷で話題の画像生成AIの利用を考えている方ってたくさんいらっしゃいますよね?
でも、どのサービスを利用すればいいか迷ってしまうほどいろいろなAI画像生成ツールがあります。
今回はそんな方のために、『Stable diffuison』と『Midjourney』の代表的な2つのサービスについて何がどう違うのか、分かりやすくまとめてみました。
この記事があなたの助けになれば幸いです。
Stable Diffusionとは
Stable Diffusionは代表的な画像生成AIの一つで、テキスト(プロンプト)から画像を生成したり、あるいは画像に基づいて新たに画像を生成する事ができます。
※Stable Diffusionについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
Stable Diffusionの料金
Stable Diffusion Web UIは、完全無料で枚数の制限もなく利用することができます!
また、Stable Diffusion公式の画像生成WEBサイト「DreamStudio」「Stable Diffusion Online」については以下の通りです。
料金 | 内容 | |
---|---|---|
DreamStudio | 1000クレジット/10ドル | 1クレジットで1枚生成可能 最初のみ200クレジットを無料でもらえる |
Stable Diffusion Online | 無料 | 無制限 |
※「Stable Diffusion Online」については、以下の記事で詳しく解説しています。
Stable Diffusionのメリット
Stable Diffusionを利用するメリットとして、以下が挙げられます。
- 環境構築さえすれば、無料で制限なく使用する事ができます。
- オープンソース化されている為、追加機能や追加の学習モデルが頻繁に更新され、それらも無料で使う事ができます。
- ユーザー数が多く呪文(プロンプト)の書き方に困っても、比較的簡単に探す事ができます。
- 環境構築なしでもアプリ版として使用可能なサービスがいくつか存在します。
使いこなすことができるようになると、かなり手軽にAI画像を生成できるサービスになります。
Stable Diffusionのデメリット
Stable Diffusionを利用するデメリットとして、以下が挙げられます。
- GitHubでのダウンロード作業、Pythonのインストール作業など利用環境を構築するまでのハードルが高い
- 生成速度は速いが、GPUが高スペックでなければならない
Stable Diffusionはやはり環境構築が大変ですので、画像を生成するという前に挫折してしまう方も多いイメージです…。
Midjourneyとは
MidjourneyとはMidjourney研究所が開発した画像生成AIで、Twitter上でトランプ大統領のフェイク画像が拡散され一気に話題となりました。
こんなの見せられたら信じる人もいますよね。もう現実とAI生成画像との区別はできませんね。
Midjourneyのパソコンでの操作画面はこんな感じです。
個別に設定が必要なパラメーターは無く、全てをプロンプトで書くスタイルです。画像サイズや『誰々風に描く』なども全てプロンプトで記入します。
一度の生成で4枚の画像が生成されます。
さらに、その中から1枚を選んで加工することも可能です。
チャット形式で進む為、自分以外の作品も見る事ができます。また、自分でチャットルームを作成し、他人に公開せずに画像を生成することもできます。
Midjourneyはチャットアプリで上で使用する為、スマホからでもお手軽に画像を生成する事ができます。
Midjourneyの料金
月額10ドル(約1465円)から利用可能です。プランによって高性能なGPUの使用時間が変わります。10ドルのプランでおよそ25回の生成が目安となります。
1年分をまとめて支払うと少しお得になります。
使いきれなかった高性能GPUの時間は、翌月には繰り越しできません。
30ドル以上のプランであれば枚数制限無く画像を生成することができます。
支払いはMastercard、VISA、American Expressなどのサービスによって発行されたクレジットカードまたはデビットカードとなります。
※「Midjourneyの料金プラン」については、以下の記事で詳しく解説しています。
Midjourneyのメリット
チャットアプリを通して利用する為、非常にお手軽に使えます。また、チャットアプリ上で他のユーザーが作成した作品やプロンプトを見る事ができます。
作成した画像をさらにカスタマイズしていくこともできる、非常に便利なサービスです。
高画質のAI画像を生成することができ、定期的にモデルもアップデートされています。現在の最新モデルModel Version 5.2では以下のような画像が生成可能です。
※『Midjourney』については、以下の記事で詳しく解説しています。
Midjourneyのデメリット
Midjourneyのデメリットとしては、以下のことが挙げられます。
- 課金が必要(月8ドル、年間96ドル)
- 呪文(プロンプト)の試行錯誤が必要
- 日本語が利用できない
Stable Diffusionは無料で簡単に画像が生成できるので、やはりコスト面が1番デメリットなのではないでしょうか。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい
【2023年9月】Stable Diffusion・Midjourneyそれぞれの最新動向
画像生成AIツールにおいて2強ともいわれる「Stable Diffusion」と「Midjourney」の最新の動向をチェックしていきましょう。
Stable Diffusionの最新動向
Stable Diffusionを提供しているStability AI社は2023年7月26日、『最先端』と位置付ける「Stable Diffusion XL 1.0」の公開を発表しました。
この最新モデルは、前のモデルに比べてより鮮明で、正確なタッチで画像を生成することが可能になったといいます。
さらに、コントラストやシャドー・ライティングといった部分もパフォーマンスが向上しました。
Stable Diffusionは以下のリンク先(GitHub)で公開されており、無料で利用できます!
※「Stable Diffusion XL」については、以下の記事で詳しく解説しています。
Midjourneyの最新動向
Midjourneyは、2023年7月に最新バージョン「V5.2」をリリースしました。
公開当初の「V1」から定期的にバージョンアップを繰り返しており、「V5」へのアップデート以降特に、かなり自然なクオリティの高い画像を生成できるようになっています。
※「Midjourney V5.2」については、以下の記事で詳しく解説しています。
【比較検証!】生成された画像の違い
では「Stable Diffusion」と「Midjourney」、実際2つの画像生成AIに画像を生成させて見比べてみましょう。
Stable Diffusionで画像を生成した場合
①人物の画像
②アニメ系イラストの画像
③風景の画像
Midjourneyで画像を生成した場合
①人物の画像
②アニメ系イラストの画像
③風景の画像
Stable DiffusionとMidjourneyの生成結果の比較
スタイルに特徴はありますが、どちらもとても高品質な画像が生成できていますね。どちらが良いかは好みが分かれそうです。
やはりAIサービスの違いよりも、モデルやパラメータ設定などの要素が大きくかかわっているといえそうです。
ではその他にはどんな違いがあるでしょうか?比べてみましょう。
Stable DiffusionとMidjourneyの比較表
Stable Diffusion | Midjourney | |
---|---|---|
料金 | 無料(注1) | $10~ |
1度の生成枚数 | パソコンの性能による 100枚以上も可能 | 4枚 |
生成時間 | パソコンの性能による 1秒〜数分 | およそ1分 |
利用方法 | 1,ローカル環境に構築 2,Google Colaboに構築 3,アプリで使用(注2) | Discord 上で使用 |
操作性 | やや難しい パラメーターが多い | 比較的お手軽だが 英語力は試される |
商用利用 | 使用するモデルによる | 有料プラン加入すれば可 |
呪文(プロンプト)を 参考にできる媒体 | 多くある | 英語圏には多くある |
その他 | オープンソースの為 学習モデルの自作も可能 | Stable Diffusionで使える モデルckpt/midjourney-v4-diffusionを公開 |
※注1・Google Colaboで使用した場合Google Colabo使用料として月額1179円かかります。
※注2・アプリで使用の際は有料の場合があります。
それぞれ特徴はありますが、Stable Diffusionは無料で使えるのが大きな魅力です。
Discordを普段からチャットアプリとして使っているのであれば、Midjourneyを使ったAI画像生成はそれほど難しくはありません。
ただ、Discordの日本での利用者数が、同じチャットアプリのLINE(9500万人)の1/20程度と少なく、Midjourneyを使う上で必要な情報が日本語では少ないです。
Stable Diffusionでの画像生成速度はパソコンの性能に大きく依存します。そのため高性能なGPUが無いと生成に時間がかかります。
結論、ご自身の生成スタイルや使いやすいもので選んでいくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
Stable DiffusionとMidjourneyの違いを分かりやすく解説してきました。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 単に画像を生成するだけであればオープンソース化されていて、ユーザー数が多いStable Diffusionが第一選択となるでしょう。
- パソコンの性能的にローカル環境での構築が難しい時は、Google Colaboを利用するか、Midjourneyの利用を考えるのが良いでしょう。
- スマホでの利用がメインであれば、Midjourneyは良い選択肢の一つとなるでしょう。
Stable Diffusionは新しいモデルや追加機能がたくさんあります。目的の作風に合わせてそれらを探し出すこともまた、楽しみの一つです。
Midjourneyは素晴らしい画像を生成するだけにとどまらず、チャットアプリ上で、世界中の人々と交流できる点も魅力です。
DiscordのユーザーであればMidjourneyはとても使いやすくできています。チャットアプリなのでスマートフォンで利用でき、また他の人の作品もたくさん見る事ができるのも良い点です。
ご興味のある方はぜひお試しください!
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい