画像生成AIのトップランナー Midjourney が、ついに 動画生成 機能を正式リリースしました。その名も 「V1 Video Model」。
GoogleのVeo3やOpenAIのSora、KlingAI、Runwayなど、続々と動画生成AIが登場する中、画像生成AIとして有名なMidjourneyはどのような動画生成AIを出したのか、この記事で徹底解説します。
本記事では、V1の概要から具体的な使い方、プロンプト設計術、作例紹介、さらには競合サービスとの比較、将来のロードマップまでを一気に深掘りします。最後までご覧ください。
Midjourney V1とは?
動画生成に踏み出したMidjourneyは、「静止画で培った高いスタイル再現力を動画へ拡大し、最終的にはリアルタイムの『動く世界』を作り出す」というビジョンを掲げています。
まず、V1の誕生背景と提供形態、そして長期的なロードマップの起点となる理由を整理しましょう。
Midjourneyが動画生成へ踏み出した背景
Midjourneyはこれまで静止画AIの代名詞的存在でしたが、CEO David Holz 氏によると、最終目標は「リアルタイムのオープンワールド・シミュレーション」とのこと。
伝わる人には伝わるかもしれないですが、ソードアート・オンライン(SOD)的な世界ですね。
V1は「Image → Video → 3D → Real-time」 という進化ロードマップの起点でいう、2段階目に当たり、時間軸を付与する第一歩だそうです。
Midjourney V1のリリース日・提供形態
Midjourney V1の基本情報を整理すると以下のようになります。
- リリース日:2025年6月18日(β版公開)
- 利用場所:Midjourney公式Web版/Discord(順次展開)
- 料金:月額10米ドル〜。動画生成は静止画の約8倍のGPUコスト
- 有料プランのStandard以上に課金していれば、お試しの生成はストレスなくできる印象
Midjourney V1を無料で使うことはできる?
現在はMidjourneyはFreeプランでは使えないため、無料で使うことはできません。使いたい場合は、有料プランに課金する必要があります。
Midjourney V1の特徴・仕様
続いては、Midjourney V1のスペックを見ていきましょう。
Midjourney V1生成時間と解像度
- 初期生成:5秒/480 p(縦横比は元画像に準拠)
- Extend機能:生成結果が気に入った場合、4秒ずつ最大4回延長可能
- 延長すると計21秒/480 pまで到達
- ExtendのたびにGPUクレジットを追加消費
5秒の生成が基本で、延長すると最大21秒の動画を生成することができます。
縦横比については元画像に準拠するため、もともと縦長の画像を横長の動画にすることはできませんでした。
Motion設定(Low/Medium/High)
Midjourney V1には3段階のMotionプリセットがあり、“動きの激しさ”を制御できます。
設定 | 特徴 | 想定ユースケース |
---|---|---|
Low | ゆったりした被写体の動き。背景ループやBGM付き動画に◎ | アンビエントループ、壁紙動画 |
Medium | 被写体とカメラ双方が程よく動くバランス型 | 一般的なショート動画、商品PR |
High | 被写体・カメラが大きく動き、ダイナミック。ただし破綻リスク増 | アクションシーン、MVのカット素材 |
Midjourney V1の使い方
使い方はシンプルですが、簡単にご紹介します。
Midjourney V1は、画像から動画を生成するタイプの動画生成AIなので、オリジナルの画像を用意するか、Midjourneyで画像を作成する必要があります。2通りのやり方を試してみましょう。
Midjourney上で生成した画像を使用する場合

これはとても簡単で、画像の下にある「Animete Image」でボタンを選択するだけです。「Auto」はプロンプトなしで、「Manual」は自分でプロンプトを指定するモードです。今回は、スノーボードをしている画像をAutoの「High Motion」で動かしてみました。

生成後の動画がこちらです。
どうでしょう。かなりリアルですね。特にプロンプトを渡さずに、この動画ができるのはすごいです。
更に、「Extend」ボタンで伸ばせるみたいなので、動画を延長してみます。
元の画像にはなかった、木まで生成されました。すごいですね。
ただ、もともとのMidjourneyはかなりリアルなことで有名ですが、動画を伸ばすと若干AI感が出るように感じます。このあたりは今後に期待ですね。
基本コマンド&主要オプション
以下の表が動画生成で使えるコマンドです。マニュアルで使いたい方はのコマンドを使ってみてください。
コマンド/オプション | 説明 | 使用例 |
/animate | 画像を動画化 | /animate |
--motion | 動きの強度をLow/Medium/Highで指定 | --motion high |
--extend | 4秒延長(最大4回まで) | /animate --extend 1 |
--seed | 再現性を保つ乱数固定 | /animate --seed 123 |
Midjourney V1のプロンプトのコツ
一通り使ってみた印象ですが、やはり派手な動きをさせると破綻しやすいです。
うまく生成するコツとしては、できるだけAIに伝わりやすそうな動きや表現をさせると良さそうです。
動きを強調するキーワード集
箇条書きで覚えておくと、思いついたアイデアを素早く試せます。
- camera pan left / right / up / down — 横移動・縦移動のパン
- slow zoom in / out — ゆったりとしたズームイン/アウト
- looping motion — シームレスにループする動き
- parallax background — 前景と背景の視差効果
- particle drift — ほこりや花びらが漂う浮遊感
Midjourney V1で試せるプロンプト集
いくつか作ってみたので、そのプロンプトと動画をご紹介します。
水の中を泳ぐ虎
A tiger, swimming underwater in the pool. A full-body portrait with bright colours, clear water ripples and a light blue background. Rich in detail and fine fur texture, and a happy expression. --ar 34:45 --motion low --video 1
元の画像

洋服屋の中を闊歩するアヒル
A goose wearing a yellow bonnet walking in a trendy clothes shop. Person looking at clothes in the background. Realistic photograph. --ar 256:171 --motion high --video 1
元画像

黒いライオンとハンサムな青年
Candid shot, captured with the Canon EOS R5, a hyper-realistic full-body portrait of a A sharply handsome man wearing sleek jet-black BOSS clothing strides forward, full-body, front-facing. the right of him walks a gigantic black lion, at least four times taller than the man. The lion's glossy black fur is intricately patterned with embedded Balenciaga logos, seamlessly woven into the natural texture of its coat. Their matching obsidian-black silhouettes dominate the scene. Hyper-realistic, ultra-high-resolution, intense editorial atmosphere. --ar 256:171 --motion high --video 1
元画像

Veo3など競合サービスとの比較
現状、動画生成AIでトップと言われているGoogleのVeo3との簡単な比較をしてみました。
Midjourney V1 | Veo3 | |
開発会社 | Midjourney | |
生成方法 | img2videoのみ (画像→動画) | img2video、 txt2video(テキスト→動画) |
画質・精度 | 非常に高い | 非常に高い |
音 | なし | 生成可能 リップシンクも可能 |
日本語プロンプト | 不可 | 可能 |
表で見ると、Veo3の圧勝のように感じますが、動画の精度という面では同等レベルのように感じました。
今後の進化に期待ですね。
Midjourney V1の注意点と制限
使用上の注意についても確認しておきましょう。
画質・フレームレート
- 出力は24 fps固定/480 p。細部を拡大する用途より、全体の雰囲気重視のシーンで真価を発揮します。
- High Motionではモーションブラーが発生しやすく、被写体が高速で動く場面ではディテールが失われる可能性があります。
著作権リスク・コンテンツポリシー
- 米ディズニーやユニバーサルによる著作権訴訟が進行中。キャラクターやブランドロゴを含む動画を公開・販売する際は、必ずライセンスを確認してください。
- Midjourneyの規約では、コンテンツが第三者の権利を侵害する場合にクリエイターが責任を負うと明示されています。
- NSFW・著名人の顔利用は静止画と同様に制限。生成前後で自動検出フィルターが入り、違反すると出力がブロックされる場合があります。
- ガイドライン違反が重なるとアカウント停止の事例も報告されているため、試験的な出力もプライベートチャンネルで行うのが安全です。
Midjourneyのロードマップと今後の展望
Midjourney公式ブログやコミュニティQ&Aから判明している、今後のアップデート計画をまとめました。
時期 | 予定 | 内容 |
2025年夏 | 解像度強化 | 480 p → 1080 pのアップスケール機能をベータ公開 |
2025年秋 | リアルタイムプレビュー | Discord上でプログレスバー付きプレビューを実装予定 |
2026年以降 | 3D & リアルタイム生成 | WebGL/Unity統合でインタラクティブ生成を実現 |
現時点でもかなり精度が高いのに、今後の展開が楽しみですね!
まとめ
Midjourney V1は「静止画→動画」への大きな転換点を示すアップデートです。静止画で培った高品質なスタイル統一感をそのまま動画へ持ち込み、誰でも数クリックでシネマティックな映像作品を生み出せます。
- 手軽さ:ボタン一つで生成でき、試行錯誤のサイクルが速い!
- 拡張性:ExtendやMotion設定で尺と演出を自在にコントロール。
- 将来性:解像度強化とリアルタイム化が控えており、制作フローがさらに短縮へ。
まずは5秒動画から気軽に試し、Motion設定とプロンプトを少しずつ調整して“自分だけの動く世界”を探求してみてください。きっと想像以上のクリエイティブ体験が待っています。
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