AIによる動画生成技術が急速に進化し、テキストから高品質な映像を作り出すことが現実のものとなりました。
特にGoogleのGeminiに動画生成AIモデルVeoが搭載されたことで注目が集まっています。しかし、「Veoとは?」「ライバルのSoraと何が違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んでいるあなたは、以下のような疑問をお持ちかもしれません。
- Geminiの動画生成機能って具体的に何ができる?
- 日本語のセリフや字幕はちゃんと使えるの? 失敗例も知りたい。
- 結局、OpenAIのSoraとどっちが優れている?
- 有料だけど、どうやって使えばいい? プロンプトのコツは?
この記事では、Gemini(Veo)の動画生成機能について、以下の点を実例を交えて徹底解説します。
- Gemini動画生成機能の仕組みと特徴
- 日本語の弱点(欠点例)と対処法
- Soraとの機能比較(日本語会話、動画品質)
- Geminiでの具体的な使い方とプロンプトのコツ
- プロ向けツール「Flow」とは
読み終わる頃には、Veoの強みと弱点を正確に理解し、あなたがSoraとどう使い分けるべきか、その答えが明確になっているはずです。
📖この記事のポイント
- 「Gemini」は窓口、「Veo」が動画生成の実行役
- 日本語音声はまだ実用的なレベルではない
- より高度な動画生成をしたい場合はGeminiではなくFlowを使おう
- Geminiで動画生成を行い、様々な業務を効率化し収入を得よう
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まず知っておくべきは、「Geminiが直接動画を生成している」わけではないという点です。
Geminiのチャット画面(窓口)から「動画を作って」と指示を出すと、その指示をGoogleの最新の動画生成AIモデル「Veo」が実行し、動画を作り出しています。
「Gemini」は窓口、「Veo」が動画生成の実行役
Geminiはユーザーとの対話(チャット)を担当する「頭脳」であり「窓口」の役割です。ユーザーの複雑な指示や曖昧なイメージを正確に理解します。
一方、VeoはGeminiが受け取った指示に基づき、実際に高品質な動画を生成する「実行役(職人)」といった役割になっています。
「Geminiに動画生成をお願いする」と、裏側でVeoが動いて動画を作ってくれる、というイメージです。Veoは、単に映像を作るだけでなく、SE(効果音)、BGM(背景音楽)、会話(リップシンク)といった音声も同時に生成できる、非常に高度なAIモデルです。
Gemini(Veo)の動画生成機能の特徴は?
Google DeepMindが開発した動画生成AIモデルVeoを使ったGeminiの動画生成機能の主な特徴は以下の通りです。
- 映像と音声の同時生成:最大の特長は、映像だけでなく、それに合わせた効果音、BGM、さらにはセリフ(リップシンクを含む)まで自動で生成し、同期させることができる点です。
- 高品質・高解像度:最大1080p(フルHD)の高品質な動画生成に対応しており、今後は4K解像度にも対応予定です。プロの映像制作や広告利用にも耐えうる品質を実現しています。
- リアルな物理表現:現実世界の物理法則(光の反射、影の動き、流体の動きなど)を正確にシミュレートした、自然でリアルな映像を生成できます。
- 詳細な制御:プロンプト(テキストや画像)から動画を生成する際、カメラアングル、ライティング、トーンなどのシーンレベルの詳細な演出や制御が可能です。
- 高速生成と柔軟な入力:テキストや静止画からの動画生成に対応し、迅速なコンテンツ制作を可能にします。
これらの特徴により、Gemini(Veo)は映画制作、広告、教育、エンターテイメントなど、幅広い分野での活用が期待されています。
Gemini(Veo)の動画生成は日本語に弱い?欠点を解説
Gemini(Veo)は非常に優秀な動画生成AIですが、現時点では日本語に弱いという欠点があります。
具体的には、日本語の音声やナレーションではイントネーションが少し変になったり、指定したセリフの語尾に「ね」「ですね」をつけてしまうといった欠点があります。ただし、音声に関しては不自然ではありますが、十分聞き取れるため決して使えないわけではないです。
また、字幕に関しては日本語の場合は文字化けが多く実用的には使えない印象でした。英語字幕は問題ないため、字幕を生成する際には英語指定するか、字幕を生成しないように指示をだすのがおすすめです。
以下では具体的な欠点例をご紹介します!
欠点例①:日本語字幕がおかしい
〇プロンプト
起業セミナーの告知動画を作りたいです。説明として含めてほしい内容は以下です。
・日時は2025年12月1日17時から
・場所は麻布台ヒルズ
・様々な起業家と交流可能
動画の雰囲気はフォーマルでスマートな感じにしてください。
また、日本語のナレーションで1人の男性が以下のセリフを話してください。この際に、以下の文章に書いてあること以外は話さないこと、また一語一句正確に発音すること。
「起業家セミナーを12月1日におこないます。企業に興味のある方はぜひ来てください。」〇生成結果
このようにナレーションのイントネーションは少し変ですが十分に聞き取れます。ただ、プロンプトで指示した文章を読む際に語尾に「ね」が勝手についてしまっています。また、字幕は文字化けが多くほとんど読むことができなくなっています。
欠点例②:日本語音声がおかしい
〇プロンプト
二人の探偵がカフェで深刻な顔で会話している。一人が"証拠を見つけたな"と言う〇生成結果
今回は一見自然な日本語のような言語を話しているように聞こえますが、実際にはよく分からない言語を話しています。また、「証拠を見つけたな」の部分は「しょうけを見つけたな」のように漢字の読み方がおかしくなってしまっています。
日本語の漢字の読みでこのようなミスが発生するようでしたら、セリフは全てひらがなで書くか漢字の読み方を明確に伝えることによって多少改善されることがあります。
【徹底比較】Gemini (Veo) vs OpenAI(Sora)
動画生成AIの二大巨頭である「Veo」と「Sora」。どちらが優れているのか、検索意図に応じて明確に比較します。今回はFlowではなく主にGeminiに搭載されている動画生成機能(Veo)で比較を行います。
Soraについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください!
以下はVeoとSoraの簡単な比較表です。
| 比較軸 | Gemini (Veo) | OpenAI (Sora) |
| 動画品質 | 高い(最大1080fps,24fps対応) | 高い(1080p,30fps) |
| 日本語字幕 | よく崩れる | 時々崩れる |
| 生成可能時間 | 最長8秒 | 最長25秒 |
| 音声生成 | 対応 (SE, BGM, リップシンク) | 対応 (SE, BGM, リップシンク) |
| 日本語会話 | 対応 (発音・イントネーションに課題あり) | 対応 (自然な日本語の会話が可能) |
| 独自機能 | 別サービスFlowでは高機能な映像制作が可能 | カメオ機能(自分の顔を動画に登場させる) |
| 利用方法 | 有料 | 無料でも利用可能 |
①音声生成(リップシンク)
どちらも「映像+音声(セリフ、BGM、効果音)」の同時生成に対応しています。
最大の分岐点は「日本語会話の自然さ」です。
- Gemini(Veo): 英語では自然な音声が生成されます。日本語の会話生成自体には対応していますが、発音やイントネーションが不自然で、機械的になってしまうケースが多く、まだ実用的なレベルとはいえません。
- Sora: 非常に自然な日本語のセリフを生成可能で、口の動き(リップシンク)も違和感なく同期します。
高品質な「日本語の会話」を含む動画を生成したい場合は、現時点ではSoraが圧倒的に優位です。Geminiは英語での会話生成、またはBGMや効果音の付加に強みがあります。
以下では同じプロンプトを使用して実際にVeoとSoraでの生成例を比較してみましょう!
〇プロンプト
東京・渋谷で撮影された、日本のテレビの街頭インタビューシーン。 20代の日本人女性が通りに立ち、「News Japan」と書かれたマイクを手に日本語で自然に話している。 唇の動きと表情が完全に同期し、肌の質感や目、髪の揺れまでリアルに再現されている。 背景には通行人や車の動き、看板の光の反射があり、午後の自然光がビルに反射している。 カメラは手持ちで、浅い被写界深度とわずかなフォーカスの呼吸(ピントの揺れ)があり、実際のテレビカメラのよう。 環境音として街のノイズが入り、音楽はなし。 映像の色調はNHKやフジテレビのニュース映像のように自然で現実的。 実際に撮影されたようなリアリティを持つ。 セリフは以下です。
リポーター:「こんにちは、今日は渋谷でインタビューをしています。 最近、物価の上昇を感じることはありますか?」 女性(インタビューされる人): 「そうですね、やっぱり食料品とか日用品は高くなった気がします。 前よりも少し節約を意識するようになりましたね。」 (少し笑いながら) 〇Gemini(Veo)の生成結果
Geminiでは話している日本語が不自然であったり、インタビューされているほうの女性が質問をしたりと、おかしな会話の流れになってしまいました。
〇Soraの生成結果
Soraでは非常に自然な日本語を生成しており、音声だけ聞けば実際の人物かAIか見分けがつかないレベルまで質が高いものとなっています。
また、インタビューの流れも指示通りで、2人の登場人物で問題なく自然な会話ができています。
②動画品質
ここでは生成された動画のリアルさで比較をしてみました。現時点では、両者ともにさほど大きな差は無い印象でしたが、ぱっと見でAIで生成されたと分かりづらい映像はSoraが多いと感じました。
また、動画データとしての質はどちらも最大1080pなので、画質面も差はないといえます。以下では同じプロンプトを使用してGemini(Veo)とSoraでの生成例を比較してみましょう!
〇プロンプト
日本の道路を走っている車の中から撮影したスマホ映像。時間は昼間、天気は曇り、多少の手振れも再現して。〇Gemini(Veo)の生成結果
Veoの映像では車内のライティングも非常にリアルに生成されました。ただし、画質が良いせいかAI映像と分かってしまうポイントもいくつかあります。(道路に書かれた文字、車の動き、信号機など)
〇Soraの生成結果
Soraでも実際に撮影されたようなリアルな映像が生成されました。また、Soraのほうがプロンプトにある「スマホ映像」という指示のイメージ通りに動画生成を行ってくれたせいか、ぱっと見ではAI生成かわからない映像となっています。
③生成時間と長さ
- Gemini(Veo): 一度に最大8秒までの動画を生成できます。
- Sora: 最大25秒の動画を生成可能です。
ただし、Veoを使ったプロ向けのサービスFlowでは複数の動画を組み合わせて最長8分の動画を生成することができます。現時点でSoraにはそのような機能がないので、長編動画を生成したい場合にはGeminiやChatGPTではなくFlowを利用するようにしましょう。Flowについては後ほど詳しく解説します!
④独自機能と方向性
ここでは動画生成AIモデルのVeoとSora、両者の目指す方向性について簡単に解説します!
まず、VeoはFlowでの高度な動画制作やAPIを通じた外部ツールとの連携を重視しており、プロの映像クリエイターが制作フローに組み込む「専門ツール」としての側面が強いです。
また、Soraはカメオ機能(自分の顔や声を登録し、動画の登場人物になれる)を搭載し、共有用の専用アプリも提供しており、SNSのように誰もが楽しむ「クリエイティブツール」としての側面が強いです。
手軽にハイクオリティな動画を生成したい方はSoraを使用し、自分の思い通りの動画を生成し、高度な動画制作を行いたい方にはVeoがおすすめです。
Gemini で動画を生成する具体的な方法・使い方
Gemini (Veo) を使って動画を生成する手順は非常にシンプルです。ただし、有料プランへの加入が必須となります。
また、Google AI Proプランでは1日3回まで生成可能で、Google AI Ultraプランでは1日5回まで動画を生成可能となっています。
- Step1Gemini (有料プラン)に登録する
Veoを利用するには、Googleの有料サブスクリプション「Google AI Pro」以上のプランに登録する必要があります。
- プラン: Google AI Pro
- 料金: 月額2,900円(税込)
- 特典: Veoの利用のほか、Gemini 2.5 Pro(最新AIモデル)の利用、GoogleドキュメントなどでのAI機能(Gemini in Google Workspace)、2TB のクラウドストレージなどが含まれます。
- Step2「ツール」で「Veoで動画生成」を選択
有料版Geminiに登録後、Geminiのチャット画面を開きます。
画面下部にある「ツール」選択メニューから「Veoで動画生成」を選択します。

- Step3プロンプトを入力し動画を生成する
モデルをVeoに切り替えたら、チャット入力欄にどのような動画を作りたいかをテキストで指示します。
〇プロンプト
旅行先紹介動画を作りたいです。具体的には ・天気の良いハワイのビーチで数人がフラダンスを踊っている状況です。 ・カメラワークはドローンショットでダンスを正面から撮り、徐々にダンスをしている人々の上を飛んでいき、最後は画面いっぱいにオーシャンビューを映すようにしてください ・ナレーションは日本語で「アロハ~、ここは美しいハワイのビーチです。フラダンスをお楽しみください。」 - Step4生成された動画を確認・ダウンロードする
指示を出すと、Veoが動画の生成を開始します。数十秒~数分待つと、チャット欄に動画が表示されます。
〇生成結果
内容を確認し、問題なければダウンロードボタンから動画ファイル(MP4形式など)を保存して完了です。
Geminiの動画生成機能を使いこなすプロンプトのコツ
動画生成を行う際に自分の思い通りの動画が生成さえないこともあると思います。ここでは、Geminiの動画生成性能を最大限に引き出すためのプロンプト(指示文)のコツを解説していきます!
コツ①:状況、効果音などを明確に指定する
希望の状況がある場合や、効果音やナレーションを入れたい場合にはなるべく細かく明確に要件を伝えるようにしましょう。また、プロンプトの書き方は文章よりは箇条書きのほうがAIに伝わりやすいです。セリフ部分は「」や””で囲むようにしましょう。
〇プロンプト例
アンビエントノイズ:暖炉の薪が燃える音、紙の擦れる音。午後の自然光が窓から差し込み、背景には観葉植物と木のテーブル。映像は非常にリアルで、暖かいトーン。一人の男が深刻そうに"We found the evidence."というコツ②:カメラワークや専門用語を使う
Geminiは専門用語に強いです。曖昧な指示よりも、具体的な指示が品質を上げます。とくに自分の理想のカメラワークがある際には専門用語を使うことによってより的確な指示が可能になります!
〇プロンプト例
顔のクローズアップショット、猫がゆっくりとまばたきする。背景はぼかすドローンショットで下から上へゆっくりと動かすカメラはややローアングルで彼女の足元から顔にパンして使える用語: ドローンショット、パンフォーカス、ズームイン、手ブレ風、タイムラプス、クローズアップ、ローアングル
コツ③:画像から動画を生成する
テキストだけでなく、画像をアップロードして「この画像を動かして」と指示することも可能です。なかなか希望の物や人物を生成してくれない場合にはこの方法がおすすめです。また、商品紹介の動画を作りたい際にも使用できます。
やり方は非常に簡単で、Geminiに画像を添付して、プロンプトでどのように動かしてほしいかを伝えれば大丈夫です!
〇プロンプト例
この画像の猫が、しっぽを振りながらこちらを向く動画を生成して添付画像のペンを360°回転させる動画を生成して。Gemini動画生成機能の活用例
Geminの動画生成機能はその性能から、様々な用途での活用が期待されています。ここでは生成例をもとに具体的な活用例を解説していきます!
事例1: 映画・広告・PR動画用の映像素材
Gemini(Veo)の最も得意とする分野です。正確なライティング(光の当たり方)表現、詳細な指示の反映能力により、プロが制作したようなクオリティの映像を数分で作成できます。広告や映像制作、PR動画制作に使用できます!
〇プロンプト
暖炉の光が照らす、木造の書斎。ゴールデンアワー(夕焼け時)の柔らかな光が窓から差し込んでいる様子。中央にあるコップにクローズアップしていくカメラワークで撮影して。
アンビエントノイズ:暖炉の薪が燃える音、紙の擦れる音。〇生成結果
事例2: 授業用動画
学校の授業動画などを製作する際の素材としての映像が欲しい際にも、Geminiで生成することが可能です。
日本語のナレーションでも生成可能ですが、少しイントネーションが変になってしまうことがあるので、気になる方は英語での生成をおすすめします。どうしても自然な日本語のナレーションが良い方は後から別のナレーションソフトを使用して後付けする形が一番確実でおすすめです。
〇プロンプト
学生向けに水は酸素と水素からできていることを説明する動画を生成して。また、英語のナレーションを入れること。〇生成結果
事例3: イベント告知動画
セミナーやイベントの告知動画作成に使用することも可能です。その際は、入れてほしい具体的な情報をなるべく簡潔にプロンプトで伝えるようにしましょう。
〇プロンプト
留学生向けイベントの告知動画を生成してください。内容は以下の通りです。
・日時:10月10日13時から開催
・場所:Community Center
・内容:様々な国の留学生が交流できるイベント
字幕は英語表記し、ナレーションは英語で「You can interact with international students from various countries. Broaden your international perspective.」と話してください。このように告知動画を作成することができます。字幕に関しては日本語はまだ文字化けが多発してしまうので、現時点では英語のみ使用するのが賢明です。英語字幕に関しては十分に実用的なレベルになっています!
事例5:商品紹介動画
ある商品を紹介するための動画を製作している際に使える商品回転動画を生成することも可能です。具体的には、紹介したい商品の画像を添付することで可能です。
ただし、Geminiで動画生成時に添付できる画像は現在1枚までとなっています。Flowでは複数の画像を添付できるのでより正確な紹介動画を生成したい場合はFlowを使用しましょう。
〇プロンプト
商品回転動画を作りたいです。添付画像の三菱鉛筆をゆっくりと回転させた商品回転映像を生成してください。
〇生成結果
このように添付画像の回転動画を生成することができます。ただし、注意点としては商品の背面などは実際のものと異なってしまうことがよくあるのであくまでイメージ用としてしようするようにしましょう。
また、Geminiがリサーチしやすいように既製品ならなるべく商品名をいれるようにしましょう。
Geminiの動画生成に関するよくある質問
- Q料金はいくら?無料で使えない?
- A
現在、無料では使えません。
Veoを使った動画生成は、「Google AI Pro」(月額2,900円)以上の有料プランへの加入が必要です。
- QFlowとは違う?
- A
Flowは、映画制作者やコンテンツクリエイター向けの本格的なAI動画制作ツールです。
どちらもGoogleの最新AI動画生成モデル「Veo」を基盤技術として使用していますが、Flowは高度な動画編集と制作に特化し、Geminiは汎用AIアシスタントとして手軽に使えることを目指しています。
- QGemini Proの「動画理解」機能との違いは?
- A
これは動画生成とは全く異なる機能です。具体的には以下のような違いがあります。
- 動画生成機能 :ゼロから新しい動画を「作る」機能です。(入力:テキスト、画像 → 出力:動画)
- 動画理解機能:既存の動画を「分析・要約する」機能です。(入力:動画ファイル → 出力:テキスト)(例:1時間の講義動画をアップして「要約して」と頼む)
- Q商用利用は可能?
- A
GoogleのAI有料プランで生成したコンテンツの商用利用は、Googleの利用規約に従う限り原則として可能です。ただし、生成された内容が既存の著作権を侵害しないかなど、最終的な確認責任は利用者にあります。
プロ向け専用ツール「Flow」とは?(旧VideoFX)
Geminiの動画生成には、チャット画面から手軽に生成する方法のほかに、プロの映像制作者向けに設計された「Flow」という専用ツールが存在します。これは、以前「VideoFX」としてテストされていたものが正式に進化した、AI映像制作のためのツールです。
また、現在Google AI ProプランのGeminiではVeo Fastという高速版が使用されているのに対し、Flowでは通常のVeoが使用されているという違いがあります!ただし、高速版だからといってGeminiで生成された動画とFlowで生成された動画の質に大きな差が出るといったことは今のところありません。
特徴1:Geminiとの決定的な違い
まず、先ほども少し解説した通り、Geminiでの動画生成と「Flow」は目的が全く異なります。
Geminiは「手軽な短尺動画(クリップ)の生成」が目的で、チャットでVeoを呼び出し、アイデアを素早く形にします。
一方、Flowは「高度な映像制作と編集」が目的です。Veo(動画)、Imagen(画像)、Lyria(音楽)、Gemini(プロンプト理解)といったGoogleのAI技術をすべて統合し、一つの作品を作り上げるための動画生成専用ツールです。複数の動画を繋げて長編動画を生成可能です。
自分の作りたい動画の具体的な内容が決まっている場合にはFlowを利用すると、より思い通りの動画を生成することができます。
特徴2:高度な編集機能
Flowの最大の強みは、単に動画を「生成する」だけでなく、「編集・制御する」機能にあります。
- シーンビルダー機能: チャットでは1つのシーン(クリップ)しか作れませんが、Flowでは「シーン1:朝日」「シーン2:通勤風景」「シーン3:オフィスのデスク」といった複数のシーンを組み合わせて、一つのストーリー(長尺動画)を構築できます。
1つの動画生成の最長は8秒ですがこの機能により最大8分の長編動画の生成が可能になっています! - 高度なカメラコントロール: 生成された動画に対し、「もっと右からパンして」「この部分をスローモーションに」といった後からの微調整やカメラワークの変更を、プロンプトや視覚的な操作で行えます。
- インペインティング(部分修正): 生成した動画の「この人物だけ消したい」「背景の車を別のものに変えたい」といった部分的な修正も可能です。
- 複数の画像から動画を生成可能:Geminiでは動画生成時に添付できる画像は1枚まででしたが、Flowでは最大3枚までの画像を添付可能です。より正確な商品紹介動画を作成したい方などにおすすめです。
Flowのアクセス方法と対象者
現在、Flowは「Google AI Pro」や「Google AI Ultra」といった、AIサブスクリプションプランに含まれる機能として提供が開始されています。アクセス方法はFlow公式サイトにてGoogleアカウントで登録すればすぐに利用開始できます。
Geminiの動画生成では満足できない、より専門的な利用を想定したプロフェッショナル向けのサービスとなっています。手軽にAI動画生成を試したい人はGeminiのチャット画面から、AIを使って本格的な映像作品をゼロから作り込みたいプロは「Flow」を選ぶ、という明確な棲み分けがされています。
Flowの基本的な使い方手順
- Step1新規プロジェクト作成
- Step2プロンプト入力
すると以下のようなプロンプト入力画面が出てくるので、どんな動画を生成したいのか要望を入力します。

今回はプロンプト入力モードで生成しますが、他にも以下のようなモードがあります。
- フレームから動画:指定した静止画を開始フレームまたは終了フレームとして使用し、その間を繋ぐ動画をAIで生成する機能です。
- 動画の素材:キストプロンプトだけでなく、複数の画像を入力として活用することで、生成される動画のスタイル、外観、などに一貫性を持たせるためのモードです。
〇プロンプト
高層ビルの屋上から、夜明け前の街を見下ろすドローンショット。タイムラプスで雲が高速で流れる。シネマティックライティング。 アンビエントノイズ:都会の静かなざわめき。BGM:力強いシンセサイザーのエレクトロニックミュージック。また、Flowには1度に複数のパターンを生成し、その中から気に入ったものを選べる機能があります。今回は1度のプロンプト入力で2パターンが生成されるようにしました。

- step3生成された動画を確認する
動画が生成されると以下のように2つのパターンが表示されます。

以下は今回生成された2つの動画です。
〇生成結果
どちらも要望通りの風景とカメラワークで、BGMも非常に質が高いものとなっています。
- Step4シーンに追加または保存する
最後に生成された動画で満足できたらシーンに追加または保存します。
シーンビルダー機能を使うには左上の「シーンに追加」をクリックします。

保存する場合には、保存したい動画にカーソルを合わせ、右上に表示された「保存ボタン」をクリックします。

まとめ|Gemini (Veo) はこんな人におすすめ
ここまで紹介してきたように、Gemini(Veo)は「手軽さ」と「プロ品質」を両立した次世代の動画生成AIです。ただし、その特性を理解して使い分けることで、より効果的に活用できます。
以下に、どんな人にGemini(Veo)が向いているのかを整理します。
こんな人におすすめ
- 映像制作のクオリティを重視する人:Gemini(Veo)は光の反射やカメラワークなど、実写に近いリアルな物理表現が得意です。広告映像・PR動画・映画の素材づくりなど、“本物感”のある映像を短時間で作りたい人に最適です。
- BGMや効果音も含めて一括生成したい人:Gemini(Veo)はSE・BGM・セリフ(リップシンク)まで同時生成が可能。生成後の編集の手間を省きたい人には非常に便利です。
- 英語中心の動画を作りたい人:日本語音声にはまだ課題がありますが、英語での発音・ナレーションは自然で完成度が高いです。グローバル向けの映像制作や英語学習・海外プレゼン用素材としての利用に向いています。
- AI動画を制作ワークフローに組み込みたい映像クリエイター:Veoは高度な映像制作やAPI連携も可能。映像制作現場での効率化ツールとしても強力です。
- 長編動画を作成したい人:複数の動画を繋げて動画を生成可能なため、Flowを使い、一貫性のある長編動画を生成することができます。
ただし、自然な日本語会話や日本語字幕を重視したい人や、無料で動画生成を試したい人には現時点ではあまりおすすめできません。
Geminiの動画生成機能は、英語主体の動画や広告映像、プロジェクトの素材づくりには抜群の性能を発揮します。一方で、日本語で自然な会話や1回である程度の長さの動画を作りたい場合は、Soraなどがベストです。
Gemini(Veo)を「AI映像制作の職人」として映像素材制作等でうまく活用できれば、動画制作の効率が非常に高くなります。
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