AI画像生成ツール『Stable Diffusion』では、多様なモデルを利用することでいろいろな画像を描く事ができます。
今回は、画像生成を行うツールとして注目されている「Stable Diffusion」の大人気モデル『ChilloutMix』についてご紹介していきます。
『ChilloutMix』のダウンロード方法や使い方、商用利用やスマホでの使い方まで詳しく解説していますので、是非参考にしてください!
Stable Diffusionのモデル『ChilloutMix』とは?
可愛いアジア人の女の子を描きたい!
『ChilloutMix』はそんな男子の欲望を叶えられるモデルとして、Hugging Faceに登場するや否や瞬く間に大人気となりました。
本もの人間のような画像が生成でき、特にアジア人女性を描写することが得意なモデルです。
現在はHuggingFaceではなく、CIVITAIに権利が譲渡される形で『ChilloutMix』は公開されており、今では派生のモデルやLoRAがどんどん開発されています。どれをダウンロードするか迷いますね。
こちらは『ChilloutMix』の親となるモデル:basilmix の製作者 ぬいぐるみさんのページです。
”basilmix ”を使ってみたい方はこちらからダウンロードができます。(モデルのダウンロード方法は後ほどご紹介します!)
以前『ChilloutMix』が突然非公開になった経緯
2023年2月ごろ、突然Hugging Faceから『ChilloutMix』がダウンロードができなくなるという事案がありました。
それは、『ChilloutMix』製作者TASUKU2023さんがを公開を止める判断をした為です。
これには多くのユーザーから「今までお疲れ様でした」という労いの声や、「これから何を使えばいいの?」などと困惑する声も上がりました。
また、ネットニュースなどでも取り上げられこの界隈の中心的な話題となりました。
TASUKU2023さんがこのような判断をした背景にはモデルに関わるライセンスの問題や、訴訟リスクなど様々な要因が関わっていると考えられます。
そもそも『ChilloutMix』は発表された時点では商用利用が可能なモデルとされていました。
それがまず商用利用禁止に変更されます。
この変更にはライセンス上にある(NG:Have different permissions when sharing merges)という文言が大きく関係しています。
日本語訳すると『マージを共有するときに異なる権限を持つことはできません』となります。
???ってなりますよね。
実は『ChilloutMix』は”既存のモデル”にTASUKU2023さんがオリジナルのアレンジを加えて制作したマージモデルだったのです。
元となる”既存のモデル”の中に商用利用不可の物があり、そのために規約上”既存のモデル”のライセンスを引き継がなければいけないとの事で、商用利用の判断の変更につながりました。
ちなみに2023年2月の時点ではライセンスの事を理解してStable Diffusionを使っている人は、ごく一部の優秀な人を除いては存在していませんでしたので、しょうがない事だとは思います。
当時ライセンスの問題以外にも、肖像権の問題や、AI画伯への批判、アメリカではMidJourneyに対する訴訟などもあって結局『ChilloutMix』を非公開とせざるを得なかったのであろうと推測します。
※『マージモデル』とは?となった方は、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
『ChilloutMix』のダウンロード方法・導入方法
ここからは、『ChilloutMix』のダウンロード方法・導入方法について解説していきます!
『ChilloutMix』のダウンロード方法
『ChilloutMix』のダウンロードする方法は、以下の手順になります。
①「Civitai」にアクセスし、『ChilloutMix』を検索する
②『ChilloutMix』のファイルをダウンロードする
③Googleドライブ(Colabを使う場合)orPCファイル(ローカル環境の場合)に貼り付ける
詳しいダウンロード方法は、以下の記事で詳しく解説しています!
『ChilloutMix』の導入方法
『ChilloutMix』がダウンロードできたら、Stable Diffusion上で使えるように導入しましょう!
『ChilloutMix』の導入方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください!
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい
『ChilloutMix』の使い方
『ChilloutMix』がダウンロード・導入できたら、Stable Diffusionを立ち上げましょう。
赤枠の欄に『ChilloutMix』が入っていれば使うことができます!
※Stable Diffusionの立ち上げ方法や画像を生成する方法については、以下の記事で詳しく解説しています!
この記事では、Google Colab・ローカル環境での構築どちらも説明しています。
実際に『ChilloutMix』を使って画像を生成してみた!
ここからは『ChilloutMix』を使っていくつか生成した画像を呪文(プロンプト)と一緒にご紹介します!
①制服の美少女
呪文(プロンプト)
8k, RAW photo, ultra high res, best quality,(realistic photo:1.5),1 beautiful girl,japanese girl, school uniform, autumn, outdoor,Maple, wavy hair,(medium hair), head tilt,<lora:japanesedolllikenessV1_v15:0.5>
ネガティブプロンプト
bad-picture-chill-32v, EasyNegative,
「EasyNegative」に関しては、拡張機能になるので気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
②着物の美少女
呪文(プロンプト)
(best quality), (high quality), (masterpiece:1.3), HD 8k, raw photo, (a professional photo of japanese girl), (bokeh), detailed facial features, detailed clothes features, depth of field, physically-based rendering, professional lighting, backlighting,
BREAK
cute, girly, 1girl, 15-years-old, slim, slender, small breasts, short hair, blunt bangs, black hair, shiny hair,
BREAK
(glasses), (catchlight:1.81), five fingers, (detail fingers), bright eyes,
BREAK
red kimono, kimono with pattern, hair ornament,
BREAK
looking at viewer:1.61, ((shoot from below:1.61)), smile, closed mouth,
BREAK
(lawn:1.41), flower, blue sky, light clouds,
<lora:japanesedolllikenessV1_v15:0.5>
ネガティブプロンプト
ng_deepnegative_v1_75t, EasyNegativeV2, bad-hands-5:0.6, bad_prompt_version2:0.8, verybadimagenegative_v1.3, negative_hand-neg,
BREAK
(worst quality:2.0, low quality:2.0, normal quality:2.0, polar lowres, lowres, paintings), sketches, monochrome, grayscale, jpeg artifacts, blurry,
BREAK
((deformed mutated disfigured:2.0)), ((bad anatomy:2.0, mutation:2.0, long body, long_body, bad body:2.0, bad proportions:2.0)),
BREAK
((extra arms, mutated hands, missing arms, bad hands, poorly drawn hands, fused fingers, too many fingers, missing fingers, extra fingers)),
BREAK
cropped, poorly drawn face, tilted head, long neck, cross-eyed, bad feet, missing legs, extra limbs, malformed limbs, extra legs,
BREAK
extra digit, fewer digits, watermark, signature, username, text, error, title,
BREAK
facing away, looking away,
③チャイナドレスの美少女
呪文(プロンプト)
(HDR,8k, RAW portrait of a beautiful girl, best quality, masterpiece:1.2),
(super fine illustration:1.3),(realistic), (highly detailed skin:1.2), ultra-high resolution,(lenz 28mm),
1 girl,(23 yo),(japanese girl),beautiful face,medium breasts,medium hair,(updo:1.4),
(chinese restaurant),(smile:1.2),(golden china dress:1.2),他
ネガティブプロンプト
EasyNegative, paintings, sketches, bad_prompt_version2, badhandv4,bad-hands-5,
NG_DeepNegative_V1_75T,negative_hand-neg,cloned face,
bad anatomy,jpeg_artifacts,signature,watermark,username,blurry,ugly, (worst quality:2),(low quality:2)
どれもかわいい女の子が生成できましたね!『ChilloutMix』はアジア系美少女の生成が得意なので、日本人にはぴったりのモデルですね。
※クオリティの高い画像を生成するための呪文(プロンプト)の入力方法もありますので、以下の記事を参考にしてください!
モデルが非公開になるリスクに備えよう!
先程ご紹介したように、『ChilloutMix』は1度非公開になったことがあります。
ライセンスの問題で一悶着あったのですが、今後も同様の事態は他のモデルでも起こりうるでしょう。
それはそもそも法律が技術の進歩に追い付いていない事が大きな要因として挙げられます。
文化庁著作権課が『AIと著作権』とのタイトルで、資料を公開しています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
これを読んでも大まかな雰囲気が感じられるだけ。なんとなくの方向性が書いてあるだけです。
具体的な事例はあまり出てきません。
しかも、著作権云々よりも基本的人権に絡んで問題視されている部分(児童OOOなど)などもあり、この先どうなるのかは正直誰にも分かりません。
また「Civitai」というモデル共有サイトを探索してみると分かる事ですが、ライセンスについてきちんと記載が無い物があります。そしてそれを誰もがダウンロードできる環境にあります。
マージモデルは元のライセンスを引き継ぐとの規約がありますが、利用するだけの人は元のモデルのことは気にしません。そんな人がある日思い立ってモデルを制作し公開してしまったら、元のライセンスとは?ってなりますよね。
とはいえ、思い立ったら誰でもできるのがStable Diffusionの魅力の一つだと思いますので、自衛の策を施すしか無さそうです。
モデルはファイルで保存しておく
ローカル環境でご利用の方はすでに所定のファイルに保管されていますので問題ないです。
Google colaboで使っている方はGoogle ドライブにモデルファイルを格納していると思いますが、容量に制限がありますので、保管用にファイルを作成しておくのが無難でしょう。
もしもStable Diffusionを商用利用することを考えているならそれに加えて、マージされたモデルの系譜についても記録をとっておいた方が良いかもしれません。
最近のリリースされているモデルについてはマージ関連の記載のある物も増えていますが、全てではありません。
突然の配信停止に備えて気になるモデルを見つけたら、無くなる前にダウンロードした方がいいでしょう(ライセンスに関する記載は見ておいた方が良いでしょう)。
参考にしたい呪文(プロンプト)は保存しておく
制作する中で、”このプロンプトは2度と手放したくないっ!”と思うような秀作に出会う事がありませんか?
あるいは、他の製作者のプロンプト参考にしていて、これは絶対忘れたくないと思うことってありませんか?
その際に使えるのが、1度画像として出力して保存する方法です。
Stable Diffusionで出力された画像にはメタ情報が含まれています。画像をPNG Infoにドロップするだけで、それらが読み取りされ、さらに行き先を指定すると、プロンプトだけに止まらず、Sampling methodやシード値までセットしてくれます。
つまりはテキストで保存する必要は基本的には無く、ただ気に入った画像をちゃんと保管しておけば良いのです。
『ChilloutMix』の著作権や商用利用について
先程も少しお話しましたが、『ChilloutMix』は商用利用が禁止されています。
似たようなモデルに「chilled_remix」というものがありますが、こちらは商用利用が可能となっていますので、アジア系美少女を生成して商用利用したい!という方は「chilled_remix」をオススメします!
詳しくは以下の記事で解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
『ChilloutMix』のダウンロード方法や使い方、1度非公開になった経緯などについて解説してきました!
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 大人気モデル『ChilloutMix』は現在Civitaiでダウンロード可能
- 1度非公開になった背景には、ライセンスの問題やAI画像生成を取り巻く環境が影響していた
- モデルが非公開になるリスクに備えておく必要がある
法律が追いついていない状況で、ライセンスってどれほどの根拠があるのかがそもそも疑問です。
ビデ倫の自主規制と同じ位ですか?
なんてジョーダンはさておき、ルールを守って楽しくStable Diffusionを使用しましょう。
- Stable Diffusionのプロンプトの見本が知りたい
- 画像生成が思ったようにできない
- 色々なプロンプトを探したい