AIによって生まれる仕事9選!未来に誕生する職業の特徴を学ぼう

AI副業

AIは、私たちの生活にとって身近な存在となりました。教育・ビジネス・娯楽・コミュニケーション・インフラ……幅広い領域にAI技術が導入されるようになり、AIに関連する新しい雇用も生まれ続けています。

今回は、AIによって生まれる仕事や、AI時代で生き残るために必要な能力などをご紹介します。今後の社会では、AI技術はますます発展していく見通しです。自身のキャリアアップやキャリアチェンジのためにも、AI技術が雇用に与える影響を学んでいきましょう。

監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

AIによって生まれる仕事9選

ここでは、AIによって生まれる仕事を9種類ご紹介します。ご紹介する仕事のなかには、すでにさまざまな形で雇用が生まれ始めているものも。今後新しく生まれるであろう仕事を知り、自身のキャリアパスについても考えてみましょう。

①AIを活用したゲノムの研究

AIの躍進によって、AIを活用したゲノムの研究に関連する職業が生まれる可能性があります。ゲノム解析とは、生物の遺伝子情報の解析です。AIを導入することで、よりスピード感のある研究がかなえられるほか、疾患リスクの予測の実現も期待できるでしょう。

ゲノム研究では、新しい薬の開発のターゲットとなる遺伝子の研究がおこなわれます。治療対象が発見されることで、一部の疾患を防止でき、より健康に長生きできる社会につながります。医療・AI・バイオなど異なる分野が横断的に研究されることで、医学がさらに進歩していくのです。

②AIパーソナリティデザイナー

AIパーソナリティデザイナーも、AIによって生まれるであろう職業の一つです。AIパーソナリティデザイナーは、AIのキャラクターや対応スタイルを設計する仕事。企業や目的、ブランドに合わせ、AIの動作をコーディネートします。

たとえばチャットボットやAIアシスタントの作成では「大人の知的な男性」や「活発で少しドジな女性」などのように、あらかじめキャラクターを設定します。AIのユーザーとの会話スタイルを定めることは、企業のブランディングにも影響を与えるでしょう。

③AI監査官

AI監査官とは、AIの受け答えをチェックする仕事です。AIが先入観に捉われていないかどうかや、差別をしていないかどうかなどを確認します。「AIは人間を傷つけてはいけない」という前提のもとに、人工知能の正しい動作を点検する仕事ともいえるでしょう。

AIが公平性や倫理観などを放棄すると、AIと対話するユーザーの思想にもネガティブな影響を与えます。またAIが加虐性を持った場合、SF映画のような「人間 vs AI」という構図にもなりかねません。AI監査官は、人間とAIの平和的な関係性を守る仕事なのです。

④散歩や会話の相手をする仕事

AIが生活に導入され続けるほど、人間としてのリアルなコミュニケーションの価値が高まっていきます。とくに少子高齢化が進む日本では、高齢者の話し相手や散歩の相手などの雇用が広まっていくでしょう。

もちろん高齢者だけではなく、小さなお子さんを持つご家庭や孤独に悩む人、精神的に不安定な人、「話し相手が欲しい」と思っている人など、幅広い層での需要が予想される仕事です。人間ならではの対話力や思いやりの価値は、今後ますます増加していくでしょう。

⑤AI医療ナビゲーター

AIが躍進する昨今では、AI医療ナビゲーターの仕事も生まれるといわれています。AI医療ナビゲーターとは、簡単に言うと「AIの出力結果を医師向けに通訳する仕事」です。

現在は、医療AIが出した結果を医師が患者に説明しています。しかし将来的には「AIと医師をつなぐ仕事」としてAI医療ナビゲーターが求められるでしょう。当然AI医療ナビゲーターには豊富な医学知識が必要です。またAI医療ナビゲーターは、医師の代わりに患者にわかりやすく説明する役割も担います。

⑥AI共同クリエイター

昨今の芸術業界では、AIとクリエイターの共存が課題となっています。現在は「人の手で作品を作る作家」と「AIで作品を作る作家」、そして「人力とAI技術を組み合わせた作品を作る作家」に大別されていますよね。

将来的には「作者がAIと一緒に創作活動をする際の橋渡し」をする職業が生まれるかもしれません。たとえば「人力作品をAIでどのように装飾するか」や「AIが出力した作品を人間がどのように編集するか」などのアドバイスをおこないます。人とAIを芸術でつなぐ仕事は、AI共同クリエイターと呼ばれるでしょう。

⑦AIコンテンツの演出家

AIコンテンツの演出家は、すでに台頭し始めている仕事の一つです。テキスト・画像・映像など、AIはさまざまなコンテンツを生み出します。AIが生成したコンテンツをより「人の心に届く作品」にするために、ディレクションをおこなう仕事がAI演出家です。

AIコンテンツの演出家にはセンスだけではなく、AIやプロンプトに関する深い理解や、トレンドをキャッチする能力などが求められます。とくに、AIに理想通りの結果を出力させるスキルは欠かせません。

⑧AI特化型の教育者・教育カリキュラムの開発者

デジタル化が進む現代社会では、小学生の年齢からIT教育が始まっています。現在は「ITリテラシー」という大きな領域に「AIリテラシー」が含まれていますが、将来的にIT・AIの分野は独立し、AIに特化した教育も増えていくでしょう。

そこで求められるのが、AI特化型の教育者や、AI教育におけるカリキュラムの開発者です。おもに小・中学生を中心に、AIリテラシー・AIスキル・AIの知識を学べる教材を制作します。たとえば生成AIの適切な使い方を教えることで、子どもたちの作業効率は大幅に向上するでしょう。

⑨人間とAIの協働責任者

現在の企業では、人間のチームのなかでAIを利用しています。しかし今後AIがより幅広い分野で活躍するようになると、社内でのAIの価値が向上していくでしょう。その結果、「人間とAIの利点をそれぞれ組み合わせる」ことを仕事とする職業が生まれます。

つまり「人間+AI」の仕事をコーディネーターする役割の仕事です。彼らは「人間とAIの共同責任者」として扱われ、お互いがどのように協働すればより業務が効率化されるのかを考えます。

AIによって生まれる仕事の特徴は?

ここでは、AIによって生まれる仕事の特徴をご紹介します。AIによって生まれる仕事は、「AIを使いこなす力が必要」とは限りません。もちろんAIに関する知識やリテラシーは求められますが、AIと人間それぞれの特徴を理解したうえで共存する姿勢も大切です。

特徴①AIの不得意分野を補う役割が強い

AIによって生まれる仕事は、AIの不得意分野を補う役割が強いと考えられます。基本的には、人間×AIの「共創」が大前提です。そのうえで人間は、共感・想像・創造・論理的思考力などを担い、データ処理や推論などの役割はAIが担っていくでしょう。

特徴②AIの出力内容を評価・調整する能力が必要

AIによって生まれる仕事では、AIが出力する内容を評価・調整する能力が必要です。AIがビジネスに欠かせない存在になるほど、人間の目で「AIの判断は本当に正しいのか」を監査する重要性が上がるでしょう。

AIの回答をそのまま利用するわけではなく、モラルや真偽を含めてチェックし、実用につなげていくことが大切です。AIが収集するデータ量は膨大であるため、今以上に人間の情報収集能力や語学力が試される可能性もあるでしょう。

特徴③AIの仕組みやプロンプトへの理解が求められる

生活・ビジネスにおいてAIが身近になるにつれて、AI自体の利用ハードルが下がっていきます。だからこそAIを仕事で活用するためには、AIの仕組みやプロンプトに関連する知識・スキルが必要です。

たとえばプログラミングや自然言語処理に関する知識が深いほど、AIによる良質な成果物を生み出せたり、利用者にアドバイスができるようになったりするでしょう。AIによって生まれる仕事でも、AI知識を適切に言語化して説明できる人材が活躍します。

特徴④分野横断的な知識やスキルが重視される

AIによって生まれる仕事では、分野横断的な知識やスキルが重視されます。なぜなら新しく生まれる仕事は、医療×AI、芸術×AI、教育×AIなどのように、異なる分野とAIを掛け合わせる可能性が高いからです。

もちろんAIに特化した仕事のニーズもありますが、幅広い知識を持つことでキャリアの選択肢はさらに増えていきます。一つの分野のスペシャリストでありながら、AIに関しても専門的な知識を持つことで、新たなAIの可能性が広がっていくでしょう。AIは使い方によって無限の用途があるので、幅広い領域の見識があるほど、より深い使い方ができるのです。

特徴⑤トレンド察知能力が重要

トレンド察知能力が求められることも、AIによって生まれる仕事の特徴です。AIのトレンドは、1年や半年などの非常に早いスパンで変化していきます。AIの拡大によって情報化社会はさらに進み、トレンドの変化はよりスピーディーになっていくでしょう。

社会の変容に合わせて、AIツールの種類やモデルもどんどん変わっていきます。一度学んだ領域をすぐに学び直さなくてならないシーンも多いでしょう。

AI時代で生き残るために…必要なスキルや能力は?

ここでは、AI時代に生き残るために必要なスキルや能力をご紹介します。すでに触れたように、AI時代では「人間ならではの能力」が重視される傾向に。社会からのニーズが高い人材になるために、今から学習するべき要素について学んでいきましょう。

AI時代で求められる非認知能力

AI時代で生き残るためには、数々の非認知能力が求められます。非認知能力とは、テストや点数で数値化できない能力のこと。コミュニケーション能力・リーダーシップ・想像力・創造力などが代表的です。

非認知能力の多くはAIの再現が難しく、人間ならではの強みとして認識されます。今後の社会ではAIとの共存や役割分担が重視されるため、非認知能力を磨くことでAIとの住み分けが実現できるでしょう。

現在のタスクをAIで自動化してみよう

AI時代を生き抜くためには、AIに関する実践力や実績も大切。まずは、現在のタスクをAIで自動化させてみましょう。たとえば事務やバックオフィス業務を自動化させることで、業務効率が改善されると同時に、自身にとってもAI技術をより身近に感じられます。

AIに対して嫌悪感や苦手意識を持ったままでは、AI時代を生き抜けません。まずは生成AIによる「資料の要約」や「簡単なブログ記事作成」のような手頃な方法で、AIの技術を日常に取り入れていきましょう。

AIはトレンドが命!情報のキャッチアップを習慣化しよう

AIではトレンドがすぐに移り変わるため、情報のキャッチアップを習慣化することが大切です。とくに書籍やWebサイトで情報収集する際は、出版・公開された日付に注目しましょう。

半年程度情報が遅いだけでも、AIモデルの仕様が変わっていたり、より上位モデルのAIがリリースされていたりすることも。学び続けることを楽しいと思える人であるほど、AI時代に活躍できる人材といえるでしょう。

AIが拡大してもなくならない仕事は?

昨今ではさまざまな職業がAIに代わられつつありますが、AIが拡大してもなくならない仕事も多いものです。AIに代わられにくい仕事の特徴としては、以下の要素が挙げられます。

  • 人の気持ちに寄り添う仕事……カウンセラーや介護士など
  • 人間の手を使って対応する仕事……美容師・大工・調理師など
  • 教育関連の仕事……学校の教員・習い事の先生など
  • 創造性が求められる仕事……デザイナー・プロデューサーなど
  • 人間同士をつなぐ仕事・コミュニケーション力が必要な仕事……営業・接客など

どの仕事も「人間ならではの能力」が重視されていることがわかります。キャリアの幅を広げるためには、AIに関する専門知識を身につけるだけではなく、人間の手や心を使う技術・能力を学び続けることも大切です。

AIがさらに拡大する未来。AIと共生する仕事が増えていく!

今回は、AIによって生まれる仕事や、新しく生まれる仕事に求められる能力などをご紹介しました。すでにさまざまな形で私たちの生活に導入されているAI技術。AIは生活や仕事の利便性を大きく向上させ、生産性や効率も上げてくれます。

AIの拡大は止められないものだからこそ、今後の社会ではAIを否定せず、受け入れる姿勢が求められます。AIの得意領域を学び、最新トレンドをキャッチしながら、人と機械が共生する働き方について考えていきましょう。