プロンプトエンジニアリングとは?基礎から実践テクニック、資格・学習方法まで徹底解説

AI副業

ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及により、「プロンプトエンジニアリング」への注目が高まっています。プロンプトエンジニアリングとは、AIから求めているアウトプットを得るために、指示や命令を設計・最適化するスキルのことです。

同じAIでも、プロンプトの内容によって出力結果は大きく異なります。ビジネスで高品質なアウトプットを得るには、適切に設計されたプロンプトが必要不可欠です。

本記事では、プロンプトエンジニアリングの基礎知識から具体的な実践手法、効果的な学習方法、取得すべき資格、そしてプロンプトエンジニアとしてのキャリアの始め方まで網羅的に解説します。AI活用スキルを身につけたい方、プロンプトエンジニアを目指す方はぜひ参考にしてください。

📖この記事のポイント

  • プロンプトエンジニアリングとは、AIから望ましいアウトプットを得るために指示を設計・最適化するスキル
  • 実践手法には「指示の明確化」「コンテキストの提供」「ロールプレイング」「出力形式の指定」「Few-shotプロンプティング」「ゼロショットプロンプティング」「Chain-of-Thoughtプロンプティング」「思考ツリープロンプティング」「自己改良プロンプティング」の9つ
  • 学習方法は本・書籍、ブログ・サイト記事、YouTube、講座・セミナーなど
  • 資格を取得することで知識の体系化、業務効率化、転職・キャリアアップに活かせる
  • たった2時間の無料セミナー会社に依存しない働き方&AIスキルを身につけられる!
  • 今すぐ申し込めば、すぐに月収10万円UPを目指すための超有料級の12大特典も無料でもらえる!

\ 累計受講者10万人突破 /

無料特典を今すぐ受け取る
監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

プロンプトエンジニアリングとは?【基礎知識】

プロンプトエンジニアリングとは、AIから求めているアウトプットを得るためにA Iに出す指示や命令を設計し最適化するスキルのことです。

Googleの公式サイトでは、以下のように説明されています。

プロンプト エンジニアリングとは、AI モデル(特に LLM)が望ましい回答を生成するようにプロンプトを設計、最適化するための技術であり、科学的な手法です。プロンプトを慎重に作成することで、コンテキスト、指示、例をモデルに提供し、モデルが意図を理解して有意義な方法で応答できるようにします。

Google:プロンプト エンジニアリング: 概要とガイド

プロンプトの内容によってAIによる出力結果は大きく異なるため、プロンプトエンジニアリングを理解しておくことはAIの利用に大きく影響するものといえます。

高品質なアウトプット、ビジネスレベルでの使用などを求めるのであれば、適切に設計されたプロンプトが必要不可欠です。

例えば、AIを使って画像を生成したい場合「格好いい画像を作って」というだけでは自身がイメージする画像をアウトプットしてもらえない可能性が高いです。

ChatGPTをはじめとした生成AIの普及によって、プロンプトエンジニアリングへの注目が集まっています。

たった2時間の無料セミナーで
会社に依存しない働き方&AIスキル
を身につけられる!

今すぐ申し込めば、すぐに
月収10万円UPを目指すための
超有料級の12大特典も無料!

プロンプトを工夫するとどう変わる?【実際の例】

ここでは、プロンプトエンジニアリングを活用した実例をご紹介します。同じよう質問でも、言い方を変えるだけで答えの内容が大きく変わることがあります。

質問が適切ではない例

画像のように「AIって何が便利なの?」という漠然とした質問でも、AIは一般的な回答を返してくれます。しかし、これでは自分が本当に知りたい情報が得られないかもしれません。

適切な質問に変えた例

一方、「中小企業がマーケティング業務でAIを使うメリットを、初心者向けに3つ教えてください。」という具体的な質問をすると、AIもそれに対する的確な返答をしてくれます。

たった2時間のChatGPT完全入門無料セミナーで ChatGPTをフル活用するためのAIスキルを身につけられる!

今すぐ申し込めば、すぐに
ChatGPTをマスターするための
超有料級の12大特典も無料!

プロンプトエンジニアリングの具体的な手法

ここでは、具体的なプロンプトエンジニアリングの実践方法・種類をご紹介します。プロンプトの例も交えてご説明します。

指示の明確化

AIに何をしてほしいのかを明確に伝えることは、プロンプトエンジニアリングの最も基本的な要素です。曖昧な表現や抽象的な言葉を避け、具体的な動作を示す言葉を使うことで、AIは意図を正確に理解できます。

「要約する」「分析する」「比較する」「翻訳する」「リスト化する」といった明確な動詞を使うことで、AIが実行すべきタスクがはっきりします。

このスマートフォンの主な機能を3つ、それぞれ50字以内で箇条書きで説明してください。初心者にもわかりやすい表現でお願いします

コンテキストの提供

AIが適切な回答を生成するには、背景情報や関連する文脈を与えることが重要です。状況、目的、前提条件などを明示することで、AIはより的確な判断を下せるようになります。

特定のドキュメントを参照させたい場合は「添付した資料に基づいて」と指示したり、業界特有の用語がある場合は事前に定義を与えたりすることで、回答の精度が大きく向上します。また、「この回答は社内プレゼンで使用する」といった目的を伝えることも、適切な回答を得るために効果的です。

当社は地方都市で小規模な書店を経営しており、最近大手チェーン店の出店により売上が20%減少しています。限られた予算の中で、顧客の来店を増やすための具体的な施策を5つ提案してください

ロールプレイング

AIに特定の専門家や役割を演じさせることで、その分野に適した視点や専門用語を使った回答を引き出せます。「あなたは〇〇の専門家です」と冒頭で役割を設定することで、回答の質と一貫性が向上します。

また、「厳しい批評家として」「優しいメンターとして」といった性格の設定も可能で、回答のトーンをコントロールできます。

あなたは10年以上のキャリアコンサルティング経験を持つプロフェッショナルです。30代の会社員が週末に始められる副業について、スキルの活かし方と収入の現実的な見込みを含めてアドバイスしてください

出力形式の指定

どのような形式で回答を得たいかを具体的に指定することで、そのまま活用できる成果物を得られます。文字数、構成、フォーマットを明示することで、後から編集する手間を大幅に削減できます。

「箇条書きで5項目」「表形式で比較」「300字以内で」「見出しと本文に分けて」といった指示により、AIは指定された構造で回答を組み立てます。特にビジネス文書やレポート作成では、この手法が非常に効果的です。

PythonとJavaScriptの違いを以下の形式の比較表で作成してください。

・項目:学習難易度、主な用途、実行環境、人気度
・各項目30字以内で簡潔に記載

Few-shotプロンプティング

AIに期待する出力のイメージを具体的な例で示すことで、同じパターンに従った回答を生成させる手法です。1つ以上の「入力と出力のペア」を例として提示することで、AIは求められているスタイルや詳細度を理解します。

この手法は、特定のフォーマットや独自の表現スタイルが必要な場合に特に有効です。例を2〜3個示すことで、AIは一貫性のある品質で同様のタスクを処理できるようになります。

以下の例のように、商品名から魅力的なキャッチコピーを作成してください。

例1:
商品名:オーガニックコーヒー豆
キャッチコピー:朝の一杯から、あなたの一日が変わる

例2:
商品名:ワイヤレスイヤホン
キャッチコピー:音楽と、もっと自由に

それでは、以下の商品のキャッチコピーを作成してください。
商品名:保温水筒

ゼロショットプロンプティング

例を一切提示せず、指示だけでAIにタスクを実行させる最もシンプルな手法です。現代の高性能なAIは、多くの一般的なタスクであれば例がなくても適切に対応できます。

迅速に回答が必要な場合や、タスクが明確で一般的な知識で対応可能な場合に適しています。ただし、複雑なタスクや特殊なフォーマットが必要な場合は、Few-shotプロンプティングや他の手法を組み合わせた方が良い結果を得られます。

次の英文を日本語に翻訳してください。
"Artificial intelligence is transforming the way we work and live."

Chain-of-Thoughtプロンプティング

複雑な問題を解決する際、AIに段階的な思考プロセスを示させることで、論理的で正確な回答を引き出す手法です。「ステップバイステップで考えてください」といった指示を加えることで、AIは中間的な推論過程を明示しながら最終的な答えに到達します。

この手法は、数学の問題、論理的推論、複雑な意思決定など、単純な回答では不十分なタスクに特に有効です。思考プロセスが可視化されるため、AIの判断根拠を確認でき、信頼性も向上します。

問題:ある店で、定価1,200円の商品が20%オフで販売されています。さらに会員割引で10%オフになります。最終的な支払額はいくらですか?ステップバイステップで計算過程を示してください。

思考ツリープロンプティング

一つの問題に対して複数の解決ルートを探索させ、それぞれの道筋を検討してから最適な答えを選ぶ手法です。Chain-of-Thoughtをさらに発展させたもので、AIに「考えられる選択肢をすべて列挙してから、それぞれを評価する」よう指示します。

複数の解決策が考えられる問題や、意思決定に複数の要素が関わる場合に効果的です。全体像を俯瞰してから判断を下すため、より洗練された回答が得られます。

顧客からのクレームメールにどう対応すべきか、考えられる対応方法をすべて列挙し、それぞれのメリット・デメリットを評価してから、最適な対応を提案してください。

クレーム内容:「注文した商品が3日遅れて届き、しかも一部破損していた」

自己改良プロンプティング

AIに回答を生成させた後、その回答を自分で評価・批評させ、改善版を作成させる手法です。「先ほどの回答の問題点を指摘し、改善してください」といった指示により、出力の質を段階的に高めていきます。

初回の回答が不十分だった場合や、より洗練された成果物が必要な場合に有効です。人間が介入せずとも、AI自身が品質向上のプロセスを実行できるため、効率的です。

先ほどの回答を読み直し、以下の観点で改善してください:
1. より具体的なデータや事例を含める
2. 企業側と従業員側の両方の視点を盛り込む
3. それぞれのメリットについて50字程度に拡充する

プロンプトエンジニアリングの学習方法は?

ここでは、プロンプトエンジニアリングを効果的に学べる方法をそれぞれのメリットとともに紹介します。

本・書籍

プロンプトエンジニアリングに関する書籍は、体系的に知識を習得したい方に最適です。基礎から応用まで段階的に学べる構成になっており、手元に置いておくことで必要なときに何度でも参照できます。特に、実例が豊富に掲載されている書籍を選ぶと、実践的なスキルが身につきやすくなります。

初心者向けの入門書から、特定の業務に特化した専門書まで幅広く出版されているため、自分のレベルや目的に合った一冊を見つけることが重要です。

項目内容
習得にかかる時間1冊あたり5〜10時間程度(読破+実践)
メリット・体系的に学べる
・繰り返し参照できる
・信頼性の高い情報が得られる
・通勤時間などオフラインでも学習できる

プロンプトエンジニアリングを学ぶのにおすすめの本については記事の後半で解説しています。

ブログ・サイト記事

インターネット上には、プロンプトエンジニアリングに関する無料の記事が数多く公開されています。最新のテクニックやトレンドをいち早くキャッチできるのが最大の利点です。特に、実際にAIを活用している実務者が書いた記事は、現場で使えるノウハウが詰まっています。

検索エンジンで「プロンプトエンジニアリング 手法」「ChatGPT 使い方」などのキーワードで検索すれば、自分の知りたい情報をピンポイントで見つけられます。ただし、情報の質にばらつきがあるため、複数の記事を読み比べて信頼性を確認することをおすすめします。公式ドキュメントや企業の技術ブログは特に信頼性が高い情報源です。

項目内容
習得にかかる時間1記事あたり10〜30分程度
メリット・無料で学べる
・最新情報がすぐに得られる
・必要な情報だけをピンポイントで学習できる
・豊富な実例やテンプレートが手に入る

実際に筆者が参考になると思ったおすすめのサイトは以下のようなものです。

Prompt Engineering Guide: The Ultimate Guide to Generative AI
Learn Prompting offers a comprehensive, free guide on Generative AI and Prompt Engineering, perfect for beginners and ad...
Prompt Engineering Guide
A Comprehensive Overview of Prompt Engineering

YouTube

動画で学ぶことで、実際の操作画面を見ながらプロンプトエンジニアリングを習得できます。文字だけでは理解しにくい細かな操作手順やニュアンスも、動画なら視覚的に把握できるため、初心者にとって非常にわかりやすい学習方法です。

「プロンプトエンジニアリング 入門」「ChatGPT 実践」などで検索すれば、多くの解説動画が見つかります。

項目内容
習得にかかる時間1動画あたり10〜60分程度
メリット・視覚的に理解しやすい
・実際の操作を見ながら学べる
・無料コンテンツが豊富
・再生速度を調整できる

プロンプトエンジニアリングを学ぶ際におすすめのYouTubeはこちらです。

講座・セミナー

プロンプトエンジニアリングの講座やセミナーでは、専門家から直接指導を受けることができます。オンライン講座やウェビナー形式のものが増えており、自宅にいながら参加可能です。質問できる機会があるため、自分の疑問点をその場で解消できるのが大きな強みです。

有料の講座では、体系的なカリキュラムに沿って段階的にスキルを身につけられます。また、受講者同士で情報交換できるコミュニティが用意されていることも多く、学習のモチベーション維持にもつながります。企業研修として導入されているケースもあり、チーム全体でプロンプトエンジニアリングのスキルを底上げしたい場合に効果的です。

項目内容
習得にかかる時間数時間〜数日(講座の内容による)
メリット・専門家から直接学べる
・質問して疑問を解消できる
・実践的な演習がある
・修了証が発行される場合がある
・同じ目標を持つ仲間と出会える

プロンプトエンジニアの具体的な仕事内容

ここからは、プロンプトエンジニアリングを実際に仕事とするプロンプトエンジニアについて解説していきます。

プロンプトエンジニアの主要な業務は、主に3つに分けられます。それぞれ具体的に見ていきましょう。

プロンプトの設計

プロンプトエンジニアのメイン業務は、AIに与える指示文のテンプレートを作成することです。企業や利用者が求める成果物を生成できるよう、AIが正確に理解できる形式で指示を設計します。

例えば、ECサイトで商品説明文を自動生成したい場合を考えてみましょう。単に「商品説明を書いて」と指示するだけでは、AIは何をどう書けばいいか判断できません。そこでプロンプトエンジニアは、次のような構造化されたテンプレートを作成します。

あなたはマーケティングの専門家です。
以下の情報から、ターゲット顧客に響く魅力的な商品紹介文を作成してください。
・文字数:300字程度
・トーン:親しみやすく、専門的すぎない表現
・必須要素:商品名、主な特徴3点、想定される使用シーン

商品名:[ ]
特徴:[ ]
ターゲット:[ ]

このようなフォーマットを用意することで、誰でも一定品質の文章を効率的に生成できるようになります。プロンプトエンジニアになるには、このような設計スキルを身につけることが第一歩です。

AIモデルの分析

使用するAIツールの癖や特性を見極めることも、プロンプトエンジニアの重要な仕事です。同じ質問でも、ChatGPT、Claude、Geminiなど、モデルによって回答の傾向は大きく異なります

実際の業務では、様々なパターンの指示を投げかけながら、「どんな質問に強いか」「どのような表現で指示すると精度が上がるか」といった傾向を分析していきます。こうした検証を通じて、業務目的に最適なAIツールを選定したり、そのモデルに合わせた最良の指示方法を見つけ出したりします。

プロンプトの最適化・改善

一度プロンプトを作成して終わりではありません。実際に使ってみると「もう少し砕けた表現にしたい」「想定と違う回答が返ってくる」といった課題が見つかります。

プロンプトエンジニアは、利用者からのフィードバックを受けて、継続的に指示文を改善していきます。

また、AIツール自体が頻繁にアップデートされるため、新バージョンに合わせてプロンプトを調整する作業も発生します。このPDCAサイクルを回し続けることで、AIの出力品質を高めていくのです。

プロンプトエンジニアになるために必要な能力やスキル

プロンプトエンジニアになるには、どのような能力・知識が必要なのでしょうか。ここでは、プロンプトエンジニアとして活躍するために身につけるべきスキルをご紹介します。

AIに関する知識はもちろん、ITに関連するさまざまなリテラシーが求められます。プロンプトエンジニアになるには、以下のような能力を段階的に習得していくことが重要です。

自然言語処理(NLP)の基礎知識

プロンプトエンジニアにもっとも必要なスキルといえるのが、自然言語処理の基礎知識です。

自然言語処理(NLP)は、コンピュータが人間の言葉を理解し、意味を読み取る技術です。生成AIが質問に答えたり文章を作成したりできるのは、この技術によって私たちの言葉を解釈しているためです。

AIは人間のように「なんとなく」文章を理解しているわけではありません。実は、私たちが入力した文章を細かく分解し、数値データに変換してから処理しています。自然言語処理の仕組みを理解していないと、「なぜこの指示ではうまくいかないのか」が見えてこないのです。

以下、自然言語処理についての例を具体的に見ていきましょう。

【例1:トークン化の理解】

私たちが「プロンプトエンジニアになりたい」と入力すると、AIは以下のように文章を分解します:

「プロンプト」「エンジニア」「に」「なり」「たい」

この分解された単位を「トークン」と呼びます。AIは文章を一度トークンに分解してから意味を理解するため、長すぎるプロンプトを入力すると処理しきれなくなることがあります。これを知っていれば、「プロンプトは簡潔にまとめる」という原則の理由が理解できます。

【例2:言語モデル(LM)の仕組み】

言語モデルは、「次にどんな言葉が来るか」を予測する仕組みです。

「今日の天気は__」という文章があった場合、言語モデルは過去に学習した膨大なデータから:

  • 「晴れ」(確率:40%)
  • 「曇り」(確率:30%)
  • 「雨」(確率:20%)
  • 「良い」(確率:10%)

といった確率で次の言葉を予測し、最も自然な単語を選んで出力します。

ChatGPTなどの生成AIは、この予測を何千回も繰り返すことで、長い文章や複雑な回答を生成しているのです。つまり、AIは「意味を理解している」のではなく、「統計的に最も自然な言葉の並び」を作り出しているといえます。

この仕組みを知っていると、「なぜAIは時々不自然な回答をするのか」「どうすればより正確な回答を引き出せるのか」が理解できるようになります。

プログラミングの基礎スキル

プログラミングの基礎スキルを学ぶことで、プロンプトエンジニアの仕事の幅は大きく広がります。

すべての生成AIはプログラミングによって動いているため、「なぜAIがこの指示でこう動くのか」の仕組みを理解することが重要です。主な活用場面は以下のようになります。

  • コード生成プロンプトの作成
  • API連携の理解
  • 生成されたコードの品質チェック

プロンプトエンジニアになるには、プロフェッショナルレベルのプログラミングスキルは必須ではありません。求められるのは「読める・理解できる」レベルです。

プロンプトエンジニアが扱う主要な言語は以下の通りです。

言語重要度主な使用場面なぜ必要か学ぶべき内容
Python★★★AI・機械学習
データ処理
自動化
AIツールのAPI連携、データ分析、スクリプト作成に最も使われる基本構文、ライブラリ(pandas、numpy)、API呼び出し
JavaScript★★☆Web上のAI機能
チャットボット開発
ブラウザ上で動くAIアプリケーションの構築に必要基本構文、API呼び出し、非同期処理
SQL★★☆データベース操作
データ抽出
AIに学習させるデータの取得・整理に使用基本的なクエリ(SELECT、WHERE、JOIN)
JSON★★★API通信
データ交換
AIとのデータ送受信の標準形式構造の読み方、基本的な書き方

またプロンプトエンジニアにはツールだけではなく、自然言語処理に関連するライブラリやフレームワークの知識も求められます。AI関連の知識を深めるほど、生産性の向上や開発コストの削減、高度な自然言語処理タスクの実行が可能になるでしょう。

自然言語処理に関連するライブラリやフレームワークとは?
プログラミングにおける「便利な道具セット」のことです。料理に例えると、自分で包丁を一から作らなくても、既製品の包丁を使えば料理ができますよね。それと同じように、ライブラリやフレームワークは「すでに誰かが作ってくれた便利な機能」を簡単に使えるようにしたものです。
具体的には、LangChainHugging Faceといったプラットフォームを指します。

幅広い領域におけるAIツールの知識

プロンプトエンジニアになるには、多様なAIツールへの理解が欠かせません。

AIツールは種類やモデルごとに特性が異なり、適材適所での選択が求められます。企業が求める成果物を生み出すためには、各ツールの強みを理解し、組み合わせるプロセスが重要です。

カテゴリ代表的なツール得意分野プロンプトエンジニアの実務での活用例
テキスト生成ChatGPT
Claude
Gemini
文章作成
要約
翻訳
・各モデルの文章スタイルの違いを理解し、用途別に使い分け
・ChatGPTは汎用的、Claudeは長文処理に強い、などの特性を活かしたプロンプト設計
画像生成Midjourney
Stable Diffusion
DALL-E
イラスト
写真
デザイン
・画像の表現スタイルに応じてツールを選択
・Midjourneyは芸術的、DALL-Eは写実的、といった特徴を理解したプロンプト作成
コード生成GitHub Copilot
Cursor
Replit AI
プログラミング
デバッグ
コードレビュー
・開発環境に応じたツール選定
・各ツールのコード生成パターンを理解し、最適な指示方法を提案
音声生成ElevenLabs
Voicevox
音声合成
ナレーション
・自然な音声を生成するためのプロンプト設計
・感情表現やイントネーションの指定方法を理解
動画生成Runway Gen-2
Pika Labs
動画編集
映像生成
・動画コンテンツの要件に応じたツール選択
・シーンごとの適切なプロンプト設定

語彙力・言語化力・表現力

プロンプトエンジニアには、語彙力・言語化力・表現力などの非認知能力も必要です。AIの種類やモデルに合わせ、的確な言葉や文章構造を入力することで、より高品質の生成物を引き出せます。

たとえば「リンゴを書いて」と入力するよりも、「秋の陽光を浴びて艶めく、熟しきった真紅のリンゴを描写してください。表面はわずかに光を反射し、果皮には自然な斑点が浮かび、摘みたての生命感と甘やかな香気を感じさせるように」と表現したほうが、よりニーズに合った画像を出力してくれます。

「リンゴを書いて」とChatGPTに指示した場合
詳細に指示をした場合

プロンプトエンジニアは、仕事と並行しながら自身の感性を磨き、語彙力を増やしていく習慣が大切なのです。

創造性・発想力

創造性や発想力も、プロンプトエンジニアになるには欠かせない能力です。目的に沿った成果物をAIから引き出すためには、シンプルなプロンプトだけでは不十分な場面があります。独自性のある視点や、意外な角度からのアプローチが、AIの潜在能力を最大限に引き出すきっかけになります。

【具体例:視点を変えたアプローチ】

シンプルなプロンプト:「新しいカフェのキャッチコピーを考えて」

創造的なプロンプト:「あなたは詩人です。このカフェを「時間が止まる場所」として表現してください。五感に訴えかける言葉を使い、20文字以内で印象的なキャッチコピーを3つ提案してください。」

自分ならではのニュアンスを込めた指示文を生み出せるプロンプトエンジニアは、数値では測れない価値を持つ存在といえます。

プロンプトエンジニアになるには、技術的なスキルだけでなく、この創造性・発想力を日々磨いていくことが重要です。

プロンプトエンジニアになるには?手順を解説

ここでは、プロンプトエンジニアになるためのルートをご紹介します。

キャリアのルートに正解はないため、自身の経歴やライフスタイルに合わせた学習方法の選択が重要です。「プロンプトエンジニアになるには何から始めればいい?」と考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

STEP1:必要な基礎知識を習得

プロンプトエンジニアになるには、まず基礎知識をしっかりと身につけることが重要です。主に以下の4つの分野の基礎知識を習得しましょう。

  • AIツールの基本操作
  • 自然言語処理(NLP)の知識
  • プログラミングスキル
  • プロンプトスキル

STEP2:資格取得(必須ではないがあると便利)

ここでは、プロンプトエンジニアになるために取得が推奨される資格をご紹介します。

プロンプトエンジニアは無資格でも仕事を始められますが、企業やメーカーに属する場合は、資格の所持が大きな自己アピールになります。AI・ITに関連する資格を取得し、自身のキャリアの幅をさらに広げていきましょう。

具体的な資格については、記事の後半で解説していますのでそちらをご覧ください。

STEP3:ポートフォリオ作成

プロンプトエンジニアになるには、実際に「何ができるか」を示すことが重要です。ポートフォリオは、あなたのスキルと実績を視覚的に伝えるためのものです。

ポートフォリオには、自己紹介やプロフィール、これまで作成したプロンプト作品を3〜10個程度掲載しましょう。各作品には、解決したい課題、実際に使用したプロンプトの全文、AIが生成した成果物、工夫した点、そして数字で示せる効果を含めます。

作成にはNotionやnote、Googleサイトなどの無料ツールを活用しましょう。

STEP4:求人・副業案件に応募

ここでは正社員として企業に就職する方法と、フリーランス・副業として案件を獲得する方法をご紹介します。自分のキャリアプランに合わせて、最適な道を選びましょう。

就職(正社員・契約社員)を目指す場合

サイト名おすすめ度特徴主な求人こんな人におすすめ
Green★★★★★・IT/Web業界特化
・スタートアップ〜大手まで幅広い
・企業の雰囲気が写真で見られる
・カジュアル面談が多い
・プロンプトエンジニア
・AIコンサルタント
・生成AI導入支援
・ChatGPT活用エンジニア
・IT業界で働きたい
・スタートアップやベンチャーに興味がある
・企業の雰囲気を重視したい
・まずは話を聞いてみたい
doda★★★★☆・国内最大級の求人数
・大手企業の求人が豊富
・転職エージェントのサポートあり
・未経験可の求人も多い
・AI活用推進担当
・ITコンサルタント
・システムエンジニア
・AIプロダクトマネージャー
・大手企業で働きたい
・転職活動のサポートが欲しい
・幅広い選択肢から選びたい
・未経験から挑戦したい
レバテック★★★★☆・IT/Web業界特化
・エンジニア向け
・技術力重視の求人
・年収アップ率高い
・プロンプトエンジニア
・AIエンジニア
・機械学習エンジニア
・技術力を活かしたい
・高年収を目指したい
・エンジニアとして専門性を高めたい
Wantedly★★★☆☆・ベンチャー・スタートアップ中心
・カジュアル面談が主流
・企業のビジョンや雰囲気重視
・副業OKも多い
・AIプロダクト開発
・生成AI活用
・プロンプト設計
・ベンチャーで働きたい
・企業の理念に共感したい
・カジュアルに話したい

「プロンプトエンジニア」という職種名で募集している企業はまだ多くないため、関連する職種名でも探してみましょう。AIコンサルタント、AI活用推進担当、生成AI導入支援、ChatGPT活用エンジニア、LLMエンジニアといった職種でも、実質的にプロンプトエンジニアの仕事をしている場合があります。キーワード検索で「生成AI」「ChatGPT」「LLM」「プロンプト」などを入力して探すと効果的です。

副業・フリーランスで案件を獲得する場合

サイト名おすすめ度特徴費用こんな人におすすめ
クラウドワークス★★★★★・国内最大級の案件数
・初心者向け案件が豊富
・AI活用案件が増加中
・実績が評価に直結
無料
(手数料5〜20%)
・副業から始めたい
・まずは小さな案件で実績を作りたい
・在宅で働きたい
・様々な業界を経験したい
ランサーズ★★★★☆・クラウドワークスと並ぶ大手
・継続案件が多い
・認定ランサー制度あり
・企業案件の割合が高い
無料
(手数料5〜20%)
・継続的な案件が欲しい
・企業との長期契約を目指したい
・より高単価の案件を狙いたい
・認定制度で実力を証明したい
ココナラ★★★☆☆・スキルを商品として出品
・価格設定が自由
・個人向け案件が多い
・受注待ちスタイル
無料
(手数料22%)
・自分で価格を決めたい
・商品として販売したい
・営業が苦手
・個人向けサービスを提供したい

クラウドソーシングで最初の案件を獲得するには、単価よりも実績を優先することが重要です。最初の数件は多少単価が低くても、高評価を獲得することを目指しましょう。

また、可能であれば単発案件よりも継続案件を狙いましょう。月額契約や定期的な業務委託契約は、安定した収入につながります。

プロンプトエンジニアの資格をとるメリット3選

プロンプトエンジニアになるには資格は必ずしも必須のものではありません。

しかし、プロンプトエンジニアリングのスキルを証明する資格の取得は、実務能力の向上からキャリアアップまで多くのメリットがあります。

  • 知識の体系化
  • 業務効率化と社内評価
  • 転職・キャリアアップへの活用

それぞれ解説します。

1.知識が体系化されプロンプト精度があがる

資格取得に向けた学習はこれまで断片的だったプロンプトに関する知識を整理し、体系的な理解ができるようになります。

何となく感覚で作成していたプロンプトから、一貫性のある質の高いプロンプトを安定して作れるようになります。

生成AIから得られるアウトプットの精度が格段に向上し、より的確で創造的な回答を引き出す実践力が身につくでしょう。

2.作業効率があがり社内評価につながる

プロンプトエンジニアリングのスキルを習得すると文章作成や情報収集、アイデア出しといった日常業務でAIを効率よく使いこなせるようになります。

AIを活用した業務改善や自動化のアイデアを具体的に提案できるようになるため、組織全体の生産性向上に貢献できます。

資格という客観的なスキルの証明はあなたの能力を周囲に示せるだけでなく、社内での評価や信頼、さらにはキャリアアップにも繋がる強力な武器となるでしょう。

3.履歴書でアピールできる

プロンプトエンジニアの資格は、あなたのAIスキルを客観的に証明する公的な証となります。そのため、履歴書や職務経歴書の資格欄に明記することで、採用担当者に対してスキルレベルを効果的にアピール可能です。

特に近年、多くの企業がAI活用の専門知識を持つ人材を求めており、資格は転職やキャリアアップにおいて大きなアドバンテージとなります。

同じような経歴を持つ候補者がいる中で、AI関連資格の有無が採用の決め手になることも少なくないと言えますので、他者との差別化としてあなたの市場価値を高めましょう。

プロンプトエンジニアの資格でおすすめなもの

プロンプトエンジニアの資格は複数存在します。特徴や難易度、目的が異なるため、自分のキャリアプランや学習目標に合った検定を選びましょう。

資格名難易度受験料勉強時間目安おすすめの人
PEP検定★★☆☆☆
(普通)
11,000円40〜120時間プロンプト設計を学びたいビジネスパーソン
生成AIパスポート★☆☆☆☆
(易しい)
11,000円(学生5,500円)10〜30時間生成AI初心者、入門者
Generative AI Test★★☆☆☆
(やや易しい)
2,200円10〜30時間低コストで手軽に受験したい人
G検定★★★☆☆
(普通)
13,200円(学生5,500円)30〜50時間AI/DXを事業に活かしたいビジネスパーソン
E資格★★★★★
(難しい)
33,000円+認定プログラム費用100〜300時間AIエンジニア・データサイエンティスト志望者
AI実装検定B級★☆☆☆☆
(易しい)
9,900円(学生5,500円)5〜15時間AI完全初心者
AI実装検定A級★★★☆☆
(普通〜やや難しい)
14,850円(学生8,250円)30〜60時間プログラミング経験者、E資格準備
AI実装検定S級★★★★★
(難しい)
33,000円100時間以上現役AIエンジニア

それぞれ詳しく見ていきましょう。

PEP検定(Prompt Engineering Professional)

PEP検定

PEP検定は、ChatGPTなどの生成AIを業務で効果的に活用するための「プロンプト設計力」を証明する資格です。2025年4月に開始された比較的新しい検定で、LLM(大規模言語モデル)を活用した業務効率化やDX推進に必要なスキルを評価します。

プロンプト設計の基礎から応用まで体系的に学びたい方、企業でAI活用を推進するリーダー候補、生成AIを使いこなすスキルを客観的に証明したいビジネスパーソンに最適です。試験範囲は生成AIの仕組み、プロンプトエンジニアリング技術、リスク管理、業務応用など多岐にわたります。公式の学習資料が無料で提供されているため、独学でも対策可能です。

項目内容
主催団体一般社団法人日本プロンプトエンジニアリング協会
受験料11,000円(税込)
試験形式CBT形式/100問/60分
合格基準正答率70%以上
試験開始2025年4月〜

生成AIパスポート

生成AIパスポート

生成AIパスポートは、生成AIの基礎知識とリテラシーを証明する入門資格です。AI初心者でも取り組みやすい内容で、著作権や個人情報保護などの法的リスク、プロンプト作成の基礎まで幅広く学べます。

生成AIを初めて学ぶ方、業務でChatGPTなどを使い始めた方、AIリテラシーを身につけたい全てのビジネスパーソンにおすすめです。合格率は約75〜77%と高く、10〜20時間程度の学習で合格を目指せます。公式テキストと問題集が販売されており、効率的に対策できます。取得した資格は無期限で有効で、オープンバッジも発行されます。

項目内容
主催団体一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)
受験料一般:11,000円/学生:5,500円(税込)
試験形式オンライン(IBT)/60問/60分
合格基準正答率約80%
開催頻度年3回(2月・6月・10月)

Generative AI Test

Generative AI Test

Generative AI Testは、生成AIの知識やリテラシーを確認する「ミニテスト」形式の検定です。G検定・E資格で知られるJDLAが主催しており、わずか2,200円という低価格で手軽に受験できるのが特徴です。

生成AIの基礎知識を短時間で確認したい方、G検定やE資格を既に取得していて生成AI分野の知識を補完したい方に最適です。20分で20問というコンパクトな試験で、合格率は60〜71%程度です。出題範囲はLLMの技術的特徴、生成AIの利活用方法、リスク管理(著作権・プライバシー等)など。公式サイトで学習参考動画が公開されています。

項目内容
主催団体日本ディープラーニング協会(JDLA)
受験料2,200円(税込)
試験形式オンライン(IBT)/20問/20分
合格基準非公開
開催頻度年2回(6月・12月)※リニューアル検討中

G検定(ジェネラリスト検定)

G検定

G検定は、ディープラーニングを事業に活かすための知識を検定する資格で、AI関連資格の中でも高い知名度と信頼性を誇ります。累計受験者数は14万人を超え、多くの企業がDX人材育成の指標として採用しています。

AI・ディープラーニングを体系的に学びたいビジネスパーソン、AI導入プロジェクトに関わる管理職、就職・転職でAI知識をアピールしたい方におすすめです。合格率は65〜76%で、30〜50時間程度の学習が目安です。出題範囲はAIの歴史から最新技術、法律・倫理まで幅広く、公式テキストでの対策が効果的です。ITパスポート・DS検定との組み合わせで「DX推進パスポート」も取得可能です。

項目内容
主催団体日本ディープラーニング協会(JDLA)
受験料一般:13,200円/学生:5,500円(税込)
試験形式オンライン(自宅受験)/約160問/120分
合格基準非公開(得点調整あり)
開催頻度年6回程度

E資格(エンジニア資格)

E資格

E資格は、ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定する上級資格です。受験には過去2年以内にJDLA認定プログラムの修了が必須で、数式レベルでの理論理解とPythonによる実装力が求められます。

AIエンジニアやデータサイエンティストを目指す方、機械学習・深層学習の実装スキルを証明したい技術者に最適です。合格率は66〜73%ですが、受験者は認定プログラム修了者のみで既に高いスキルを持つため、実質的な難易度は非常に高いです。勉強時間は認定プログラム受講を含めて100〜300時間が目安。応用数学、機械学習、深層学習、開発環境の4分野から出題されます。

項目内容
主催団体日本ディープラーニング協会(JDLA)
受験料一般:33,000円/学生:22,000円/会員:27,500円(税込)
認定プログラム費用約5万〜70万円(事業者により異なる)
試験形式CBT形式(会場試験)/約100問/120分
開催頻度年2回(2月・8月)

AI実装検定 B級

AI実装検定

AI実装検定は、B級・A級・S級の3段階で構成され、初心者からプロフェッショナルまで段階的にスキルアップできる資格体系です。

AI実装検定B級は、AIに興味はあるが知識がない入門者向けの資格です。AIの概要を「学習と推論」「データとタスク」「パターン認識」「歴史」など7つの側面から問います。G検定の前段階として位置づけられています。

AIを初めて学ぶ方、G検定に挑戦する前の腕試しをしたい方におすすめです。公式の学習動画がYouTubeで無料公開されており、約1時間で基礎を学べます。合格率は約70%で、5〜15時間程度の学習で合格を目指せます。合格すると「ディープラーニング実装師B級」の称号が付与されます。

項目内容
主催団体AI実装検定実行委員会(AIEO)
受験料一般:9,900円/学生:5,500円(税込)
試験形式CBT形式/30問/40分
合格基準正答率70%以上
開催頻度随時(全国のテストセンター)

AI実装検定 A級

AI実装検定A級は、ディープラーニングの実装について数学・プログラミングの基本知識を認定する中級資格です。E資格の認定プログラムに挑戦できるレベルを想定しており、理系大学卒業程度の知識が目安です。

プログラミング経験があり、ディープラーニングの実装基礎を学びたい方、E資格取得の準備として活用したい方に最適です。出題はディープラーニング・機械学習の基礎各20問、数学(行列・微分)20問で構成されます。公式テキスト「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」での学習が推奨されています。

項目内容
主催団体AI実装検定実行委員会(AIEO)
受験料一般:14,850円/学生:8,250円(税込)
試験形式CBT形式/60問/60分
合格基準正答率70%以上
開催頻度随時(全国のテストセンター)

AI実装検定 S級

AI実装検定S級は、AIの実装力と画像処理・自然言語処理などの応用的な実装力を認定する最上位資格です。E資格と同等以上の実装スキルが求められ、PyTorchやKerasを用いた実践的なコーディング問題が出題されます。

現役AIエンジニアで高度な実装スキルを証明したい方、E資格取得者でさらなるスキルアップを目指す方に最適です。出題は全てコードを読み解く形式で、NLP(20問)、有名モデルの実装(30問)から構成されます。論文著者の実装例やフレームワーク公式ドキュメントでの学習が推奨されています。

項目内容
主催団体AI実装検定実行委員会(AIEO)
受験料33,000円(税込)※学割なし
試験形式CBT形式/50問/60分
合格基準正答率70%以上
開催頻度随時(全国のテストセンター)

AI関連資格は、自身のキャリア目標や現在のスキルレベルに合わせて選択することが重要です。資格選びのポイントは以下の表を参考にしてみてください。

目的おすすめ資格
生成AIの基礎を学びたい生成AIパスポート、Generative AI Test
プロンプト設計を極めたいPEP検定
AI全般の知識を体系的に学びたいG検定
AIエンジニアを目指したいAI実装検定A級 → E資格
低コストで手軽に受験したいGenerative AI Test
完全初心者で最初の一歩を踏み出したいAI実装検定B級

プロンプトエンジニアリング初心者におすすめの本8選

ここからは、プロンプトエンジニアを学べる具体的な書籍をご紹介します。

まずはプロンプトエンジニアリングに初心者が、プロンプトエンジニアリングの基本や概要を理解する際におすすめの本を紹介します。何から勉強すればいいのかわからないといった人は、ぜひ参考にしてください。

1.プロンプトエンジニア1年目が学ぶこと

こちらの本は、プロンプトエンジニアリングの基礎から応用までを学べる入門書という位置付けの一冊です。生成AIの活用方法を詳しく解説し、どうすればAIのアウトプットの質を高められるのかヒントを提供してくれます。

プロンプトエンジニアリングと聞くと難しそうなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、この本では難しい概念はできるだけ取り除いたうえで初心者でも理解できるような内容となっています。

例えば、プロンプト設計における基本ポイントや、大規模言語モデル(LLM)がどのようにプロンプトを理解し、回答を生成するのかといった仕組みなどについても解説されています。

本のタイトルにもなっているように、プロンプトエンジニアリング1年目の人に必要なスキルや知識をテーマとしているため、初心者の方はぜひチェックしてみてください。

著者ChatGPTプロンプトエンジニアナツキ
清水昴
価格99円
出版年2023年9月

2.図解 すぐに使えるChatGPTプロンプト集

この本は、ChatGPTで使用できる便利なプロンプトを数多く取り上げている実用的な一冊です。ビジネスシーンや日常生活において、効率的にChatGPTを使いたい人向けに、図解を用いながらプロンプトの活用方法を解説しています。

ChatGPTの基本的な機能や操作方法といった基礎を踏まえたうえでプロントをどのように使えばいいのかを学べる仕組みとなっているため、初心者の方でも読み進めやすいでしょう。

メールを自動作成する、レポートを作成する、データ分析を行うなど、具体的なシーンを想定したプロンプト例も多数紹介されており、コピペしてすぐに実践することも可能です。

著者ChatGPTサポーターもぐ
Kawaii出版
価格990円
出版年2023年8月

3.プログラミング知識ゼロでもわかる プロンプトエンジニアリング入門

プロンプトエンジニアリングの基本から実践的なテクニックまで取り上げている入門書的な位置付けの一冊です。

本のタイトルにもあるように、プログラミングの知識がない人でも理解できるような内容となっているため、AIに興味があるものの技術的なバックグラウンドがなくて不安に感じている人にもおすすめです。

本では、そもそもプロンプトとはなんなのか、LLMがどのようにしてアウトプットを生成するのか、プロンプトがAIのアウトプットにどのように影響するのかといった基本的な内容をしっかりと解説してくれています。

また、具体的なプロンプトの設計方法やさまざまなシナリオを想定したプロンプトなど実践的な内容も幅広く取り扱っている点が特徴です。

中でも、文章の生成やアイデア発想などを行う際に役立つプロンプトが豊富であるため、そういった目的でAIを使用する方はぜひチェックしてみてください。

著者掌田 津耶乃
価格2,750円
出版年2023年11月

4.エンジニアのためのChatGPT活用入門 AIで作業負担を減らすためのアイデア集

こちらは、エンジニアがChatGPTを使用して作業負担を軽減し、業務効率化を実現するための具体的なアイデアを取り上げている実用的なアイデア集です。

自動ドキュメント生成やリサーチ、分析など、エンジニアが日々の業務の中で取り組むタスクを簡単に解決できる方法が示されており、エンジニアの作業効率を高める方法を学べる一冊となっています。

また、システムやアプリの開発にあたってどのようなプロンプトを作成すればChatGPTから適切なアウトプットを引き出せるのか、実際にWebアプリを作りながら、プロンプトの実例を紹介しているため、実践を想定しながら読み進めることができます。

開発業務にChatGPTを使用したい方が最初に読むべき一冊だといえるでしょう。

著者大澤 文孝
価格2,750円
出版年2023年12月

5.ChatGPT はじめてのプロンプトエンジニアリング

こちらの本は、読者をプロンプトエンジニアリングの世界に導き、AIに慣れ親しんでもらうことを目的とした入門書です。

難しい専門用語は使われておらず、一般的な言葉を使っていかにしてA Iを動かすか、という点を体系的に解説してくれています。

プロンプトを構成要素ごとに分解したうえで、それぞれについてわかりやすく説明し、少しずつ各要素を組み合わせて実践的なスキルを身に付けていく仕組みとなっているためプロンプトを初めて学ぶ人でも理解しやすいでしょう。

仕事や学習、創作などあらゆるシーンを想定した豊富な事例と演習も用意されているため、本で学んだことをそのまま実戦で試すといったことも可能です。プロンプトエンジニアリングの基礎を学び、ChatGPTを自由に使いこなしたい人におすすめの一冊です。

著者本郷 喜千
価格2,200円
出版年2025年3月

6.ChatGPT日本語プロンプトパッケージ150

日本語プロンプトでChatGPTをすぐに活用したい方におすすめの実践的なガイドブックです。

こちらの本では、ライティング、Webマーケティング、ソーシャルメディア、教育・学習、料理など、10以上のカテゴリから厳選された150種類の日本語プロンプトが収録されており、英語が苦手な方でも安心して使えます。さらに、読者限定特典として追加で200種類のプロンプトが用意されており、合計350種類もの日本語プロンプトを活用できます。

何度もテストを繰り返して最適化されたプロンプトは、今すぐコピー&ペーストで使えるため、初心者でも迷わず実践できます。すべてのプロンプトの実例をGPT-4モデルで生成しているため、有料版ChatGPTの契約を検討している方にとっても、GPT-4の回答品質を確認できる判断材料となります。

アメリカで働くエンジニアである著者が、実務経験をもとに厳選したプロンプトが詰まった一冊です。プロンプトの基礎から実践的な活用まで、すぐに役立つ内容が満載で、ChatGPT初心者がプロンプトエンジニアリングのスキルを身につけるための最適な入門書といえます。

著者Mamoru 著
価格250円
出版年2023年03月

7.ChatGPTで始めるAI執筆の旅:プロンプトエンジニアリング入門書

ChatGPTを活用してAI執筆の実践的なスキルを身につけたい方におすすめの入門書です。

こちらの本では、約29,000文字のプロンプト例と、約4万8000文字にも及ぶAIとの実際の対話を収録しており、プロンプトエンジニアリングの実践的な流れを体験しながら学べます。難易度の低い順にプロンプト例を紹介しているため、初心者でも無理なく段階的にスキルアップできる構成となっています。

内容は、AIへの基本的な指示の出し方から、仕事や創作への活用、AIとの効果的な共同執筆、プロンプト設計の技術、さらにはAIを使ったプログラミングやゲーム開発まで、幅広いトピックを網羅しています。また、ChatGPTのプラグインや他のAIサービス(BardやBingAI)の活用方法も紹介されており、実用的な知識が満載です。

著者は旅本作家として活動しながらゲーム制作やDTM作曲など多彩な創作活動を行っており、その実践経験に基づいた具体的なノウハウが詰まった一冊です。ChatGPTを使った執筆や創作活動に興味がある方、AIを活用して作業効率を高めたい方に最適な実践ガイドといえます。

著者kuro 著
価格Kindle版(価格は要確認)
出版年2023年04月

8.AI時代の質問力 プロンプトリテラシー

AIとのコミュニケーション能力を高めたい方におすすめの、プロンプトリテラシーに特化した一冊です。

こちらの本では、大規模言語モデルの仕組みとプロンプトエンジニアリングの基本を理解するところから始まり、AIに適切な質問をし、AIとより効果的な対話をするためのプロンプトパターンやトリガープロンプトなど、実践的なテクニックを体系的に学べます。さらに、発展的な技術や最先端のAIエージェントまで、AIとのやりとりを最適化するための知識とノウハウが網羅されています。

具体的な例を挙げながらわかりやすく解説しているため、学生から一般のビジネスパーソンまで幅広く読むことができます。著者は筑波大学と会津大学の准教授として人工生命やウェブサイエンス、計算社会科学を専門とする研究者であり、学術的な裏付けのある確かな内容となっています。

本書を読むことで、AIと効果的に対話するためのスキルや知識が身につき、すぐに日常生活や業務に活かすことができます。ChatGPTなどの生成AIを使いこなし、その可能性を最大限に引き出したい方に最適な実践ガイドといえます。

著者岡 瑞起、橋本 康弘 著
価格1,870円
出版年2024年07月

プロンプトエンジニアリング中・上級者におすすめの本7選

続いてはプロンプトエンジニアリングについての基本は理解しており、さらに詳しく勉強したいといった中・上級者におすすめの本を紹介します。

1.ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本

こちらの本は、ChatGPTを最大限に使いこなすためのプロンプト設計方法を体系的に解説している点が特徴です。

著者は、生成AI活用の第一人者である深津貴之氏考案の「深津式プロンプト」をベースに、ビジネスシナリオを交えながらわかりやすくプロンプトの設計方法を説明しています。

カスタマーサポート、コンテンツ生成、リサーチなど、各種ビジネスシーンで役立つプロンプト例が豊富に紹介されているほか、ChatGPTを活用した作業の自動化やなども取り上げています。

普段の業務でChatGPTをもっと効果的に活用したい方、プロンプトエンジニアリングに興味を持つエンジニアなどにおすすめの一冊です。

著者深津 貴之
岩元 直久
価格2,640円
出版年2024年8月

2.大規模言語モデルを使いこなすためのプロンプトエンジニアリングの教科書

こちらは、ChatGPTをはじめとしたLLMにおけるプロンプトエンジニアリングを網羅的にまとめた一冊です。

LLMにおける応答能力の改善方法や向上テクニックなどは、すでに研究よって明らかにされていますが、この本ではそういった方法やテクニックを詳しく解説しています。

また、プロンプトの構造や言語モデルがどのように動くのかといった動作原理、プロンプト設計における基礎理論といった基本的な部分も取り上げているため、基礎を振り返りつつ、応用を学んでいきたい人にぴったりです。

一般的な業務でAIを使用する方はもちろん、アプリ開発などで使用するエンジニアの方にも役立つ内容となっています。

著者クジラ飛行机
価格3,828円
出版年2024年3月

3.思考で差をつけるプロンプトエンジニアリング

こちらの本では、プロンプトエンジニアリングの基本から応用まで詳しく解説しており、ビジネスシーンや日常生活でAIをどのように役立たせるかを具体的に紹介しています。

「思考で差をつける」というように、ただ単にプロンプトを設計するのではなく、効果的な結果を導くためにどのように施行する必要があるのか、プロンプトを工夫する必要があるのか、どういった論理的アプローチが効果的なのかといった点が解説されています。

思考法や論理的アプローチを理解することで、通常のプロンプトでは出せないような、質の高いアウトプットを得ることもできるでしょう。

より高いレベルでAIを活用したい人や、ビジネスシーンでの応用を目指している方におすすめの一冊です。

著者新銅将拡
価格498円
出版年2024年9月

4.生成AIのプロンプトエンジニアリング

生成AIから信頼できる出力を引き出したい方におすすめの包括的な一冊です。

こちらの本では、GPT-3以降の知見をもとに、LLMや画像生成モデルに共通する原則と実践手法を体系化しています。プロンプトの基本原則から、ハルシネーション対策、出力の安定化、評価手法まで、実務で役立つ実践的な内容を幅広くカバーしています。

Jupyter NotebookやGoogle Colabでサンプルコードを実際に動かしながら学べる構成となっており、理論と実践を並行して習得できます。最終章では、それまで学んだ知識を活用して、実際に生成AIアプリケーションを構築する流れまで解説されています。

モデルが進化しても通用する普遍的アプローチが身につく設計となっており、長期的に活用できる知識を得られる点も魅力です。プロンプトエンジニアリングの全体像を体系的に理解したい初心者から、より高度な活用を目指す中級者まで幅広くおすすめできる一冊です。

著者James Phoenix、Mike Taylor 著
田村 広平、大野 真一朗 監訳
砂長谷 健、土井 健、大貫 峻平、石山 将成 訳
価格4,840円
出版年2025年07月

5.LLMのプロンプトエンジニアリング

LLMを使って期待通りかつ質の高いアウトプットを引き出したい方におすすめの一冊です。

こちらの本では、LLMの特性を理解するところからスタートしており、そのうえでプロンプトにはどういった要素を組み込むべきなのか、どういった構造にするべきなのかといったプロンプトエンジニアリングのコツを解説しています。

GitHub Copilotの開発者でもあるこちらの本の著者は、開発過程での知見や、評価手法、設計上の判断など、開発の裏側も詳しく解説されており、読み物としても読み応えがあります。

AIアプリの開発の実際を知りたい方や生成AIの可能性・限界を知りたい方に特におすすめです。

著者John Berryman、Albert Ziegler 著
服部 佑樹、佐藤 直生 訳
価格4,180円
出版年2025年05月

6.2冊目に学ぶ ChatGPTプロンプト攻略術 実務で使える職種別実践ノウハウ大全

ChatGPTの基礎を理解し、実務での具体的な活用法を知りたい方におすすめの実践的なプロンプト集です。

こちらの本では、ChatGPTを利用した実践的なテクニックを逆引き形式で数多く掲載しており、実務を想定した具体的な事例として紹介しています。職種別に最適化されたプロンプトが収録されているため、自分の業務にすぐに応用できる内容が見つかります。

プロンプトのコツも詳しく解説されており、単なるプロンプト例の羅列ではなく、なぜそのプロンプトが効果的なのかを理解しながら学べる構成となっています。ビジネスシーンでChatGPTをどのように活用できるかのヒントが豊富に含まれており、よく使うプロンプトを型として保存して活用できる実用的なアイデアも満載です。

Amazon限定特典として購入者にはPDFプレゼントもあり、ChatGPTをより使いこなして業務効率化を図りたい方、職種に特化したプロンプト活用法を知りたい方に最適な一冊といえます。

著者岡田徹、秋月宏介 著
価格4,202円(3,820円+税)
出版年2023年12月

7.ChatGPT超活用術 仕事で役立つプロンプトの極意 -より深く正しい回答を得る方法-

ChatGPTを業務で最大限に活用したいビジネスパーソンにおすすめの実践的な一冊です。

こちらの本では、対話型生成AIを業務で活用したいが活用方法がわからない方を対象に、会社で実際に使われているリアルな質問事例を目的別に紹介しています。類書でよく見る抽象的な説明ではなく、現実のビジネスシーンで役立つ実践的な情報が満載で、すぐに使える質問事例を豊富に掲載しています。

著者は大手メーカーで製品の研究開発、社内の管理業務、業務効率化に携わり、RPA、Python、生成AIを活用した実務経験を持つ実践家です。その経験に基づいた現場で本当に必要とされるプロンプトのノウハウが詰まっており、読者からは「この本に書いてあることを使って、かなり生産性が向上した」との声も寄せられています。

本書を読めば、生成AIを使いこなすための知識やノウハウが自然と身につき、業務でのAI利用が一段と効率的で効果的になります。ChatGPTをより深く正しく活用して業務効率を大幅に向上させたい方に最適な実践ガイドといえます。

著者江坂和明 著
価格1,980円(1,800円+税)
出版年2024年09月

プロンプトエンジニアはオワコンか?

ここまでプロンプトエンジニアリング・プロンプトエンジニアの仕事について解説してきましたが、「プロンプトエンジニアはもういらないって本当?」「AIがさらに進化したら仕事がなくなるんじゃないか」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

結論として、AIの進化によってプロンプトエンジニアの役割は変化していますが、AIを最大限に活用するためには依然として重要な職種です。単純な作業はAIに代替される一方で、より高度で専門的なスキルを持つ人材の価値は高まっています。

ここでは、プロンプトエンジニアが依然として必要とされる3つの理由を解説します。

1. 製品やシステムに組み込むプロンプト設計には高い専門性が求められる

プロンプトには大きく分けて2つの種類があります。

1つ目は「日常利用型」のプロンプトで、ChatGPTやGeminiなどのチャットボットと日常的にやり取りする際に使うものです。思った通りの回答が返ってこなくても、何度かやり取りを繰り返すことで望む結果にたどり着けます。

2つ目は「システム組み込み型」のプロンプトで、業務システムやアプリケーションの裏側で自動的に動作するものです。こちらは1日に数千回、数万回と繰り返し実行されることを前提に設計する必要があり、常に安定した精度の出力が求められます。

確かに「日常利用型」では、AIの進化によって細かいプロンプト設計は不要になりつつあります。しかし、企業のシステムに組み込む「システム組み込み型」では話が全く異なります

「システム組み込み型」のプロンプトは、会話のように修正を重ねることができません。一度設計したプロンプトを何度も検証・改善し、プログラムのように正確で最適化された状態に仕上げる必要があります。

つまり、企業が本格的にAIを業務に組み込む際には、高い専門性を持ったプロンプトエンジニアの存在が不可欠なのです。

2. 企業のAI本格導入はまだこれから

「プロンプトエンジニアはいらない」という声がある一方で、企業における生成AIの本格導入はまだ始まったばかりです。

MM総研が実施した調査によると、企業における言語系の生成AI導入率は2割程度にとどまっています。

MM総研

企業がAIを本格導入する際、このノウハウ不足を解消し、適切なプロンプト設計や運用を支援できる専門人材の需要は、今後急速に高まっていくと予想されます。

3. 実際に市場価値が高まっている

プロンプトエンジニアの必要性は、市場価値や年収の面からも明らかです。

正社員の場合、求人サイトでは年収600万円から700万円程度の求人が多く見られます。フリーランスの場合は平均年収900万円程度であり、年収1,000万円から1,500万円に達する人もいるとされています。

まとめ

本記事では、プロンプトエンジニアリングについて基礎から実践、キャリアまで幅広く解説しました。最後に、押さえておきたいポイントを整理します。

  • プロンプトエンジニアリングとは、AIから望ましいアウトプットを得るために指示を設計・最適化するスキルであり、プロンプトの質によって出力結果は大きく変わるため、ビジネスでのAI活用には必須のスキル
  • 実践手法には「指示の明確化」「コンテキストの提供」「ロールプレイング」「出力形式の指定」「Few-shotプロンプティング」「ゼロショットプロンプティング」「Chain-of-Thoughtプロンプティング」「思考ツリープロンプティング」「自己改良プロンプティング」の9つがあり、目的に応じて使い分けることでAIの出力精度を高められる
  • 学習方法は本・書籍、ブログ・サイト記事、YouTube、講座・セミナーなど多様な選択肢
  • 資格は初心者向けの「生成AIパスポート」「Generative AI Test」から、中級者向けの「PEP検定」「G検定」、上級者向けの「E資格」「AI実装検定S級」まで段階的に用意されている
  • プロンプトエンジニアの将来性は高い

今回の内容を参考に、ぜひプロンプトエンジニアリングについての学びを深めてください。