ChatGPTは、単純な受け答えや短文の生成は可能ですが、長文の生成はできないという印象が一般的です。ChatGPTのシステム的に長文生成は難しいですが、コツや注意点を押さえておけば、ChatGPTを使って理想的な文章を生成できます。
ここでは、ChatGPTが文章を生成する仕組みを踏まえたうえで、長文を作るための具体的な方法をわかりやすく解説しています。ChatGPTに長文を書かせたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
※2024年5月13日に、ChatGPTの新しいLLM「GPT-4o(オムニ)」が登場しました！以下の記事で詳しい概要や使い方について解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
ChatGPTが文章を生成する仕組み
ChatGPTは入力された文章を細かく分けて、AIがその言葉の意味を理解して文章を生成する仕組みです。例を挙げると「これはパソコンですか？」という文章を入力すると、「これ」「は」「パソコン」「ですか」「？」といった具合に、かなり細かく分けます。
この細かく分けられた文章は「トークン」と呼ばれ、ChatGPTが文章を理解する上で欠かせない重要な要素になるのです。
ChatGPTのAIは、入力された文章に続くトークンを生成し、その後に続く文章をAIが予想します。そしてAIによって作られた文章を、回答として出力するのです。
なぜChatGPTでは長文を生成するのが難しい？
ChatGPTで長文を生成するのが難しいのは、いくつかの理由が考えられます。
ChatGPTに使われているAIは、先述のように細かく分けた単語ごとに処理をおこない、その言葉の意味を理解しようと働きます。しかし長文の場合、短い単語だけでは文全体の意味を把握するのが難しく、思ったような長文の生成が難しくなるのです。
また、長文を入力すると返事がなくなる場合もあります。これは、先述の理由でAIが長文を理解できず、文章の生成自体が止まってしまうためです。コンテキストの維持が難しいのは、ChatGPTのデメリットと言えるでしょう。
そもそも、ChatGPTは長文生成に制限がかけられています。システム上、約2,000字程度で文章の生成が止まるように作られているのです。ChatGPTで長文を生成するには、現在より多くの計算資源が求められます。
ChatGPTで長文を書かせるをコツ5選！
ChatGPTで長文を生成するのは難しいですが、コツを押さえれば長文を書かせられます。
ここでは、今すぐ使える5つの方法を紹介しているので、ChatGPTに長文を書かせたい人はぜひ参考にしてみてください。
コツ①：文の構造を明確にする
ChatGPTは難しい長文を正確に理解して返答するのが難しいので、まずは文章の構造を明確にしましょう。AIが理解しやすいように、簡潔かつ分かりやすい文章の構造にするのがポイントです。
また、文章の基本的な構造も意識しましょう。文章は「主語」「述語」といったように、文章を構成する要素がいくつかあります。この要素を正しく使えているか、指示文をよく確認してみてください。
話し言葉のような形では、AIが文章の意味や言葉の意味を正しく理解できず、思ったような回答を出力してくれません。指示文は正しい文章を使い入力しましょう。
また、短い文章や、子供でも分かるようなフレーズを使い指示を出すと、長文生成がしやすくなります。
コツ②：冗長性のある表現を避ける
長文を上手く理解できないChatGPTは、冗長性のある表現が苦手です。長文生成を指示する際は、冗長な表現は避けて、簡潔な文章で指示を出しましょう。誰でもすぐに理解できるような、シンプルな文章を意識してください。
冗長性のある文章は、前置きが長く、余分なつなぎ言葉が多いのが特徴です。指示文を入力する前に一度確認してみて、これらの特徴に当てはまらないか確認してみましょう。
前置きが長い場合は、まず結論から述べて、その後に簡潔な説明を付け加えると文章をカットできます。余分なつなぎ言葉は「さらに」「そして」「したがって」といった単語が当てはまるので、これらの単語が何度も使われていないか確認してみましょう。
また、繰り返しの表現はChatGPTが苦手とする部分です。繰り返しの多い文章はAIの理解が難しくなり、長文生成を阻害します。同じ表現はなるべくカットして、コンパクトな文章を作りましょう。
コツ③：適切な用語を選ぶ
ChatGPTに長文を書かせるには、適切な用語で指示を出すのがポイントとなります。ChatGPTが長文を生成しない場合、指示に使っている言葉や文章の意味は合っているか、今一度確認してみましょう。
辞書で調べたり、類語辞典や言い換え辞書を使うのも効果的です。インターネット辞書ですぐに調べられるので、指示文を作成するときは参考にしてみましょう。
複数の意味を持つ言葉を使い、ChatGPTが前後の文脈から判断しやすくするのも、長文生成のポイントです。正しい言葉や文章で指示を出しつつ、ChatGPTが長文を書きやすくするように、入力する内容を工夫してみてください。
コツ④：具体例を提示する
思ったような文章を作り出すためには、長文作成の前に、ChatGPTに具体例を提示するといいでしょう。回答としてどういうタイプの文章を望んでいるか、最初に指示を出すのです。
既存の文章を提示することで、ChatGPTに搭載されいるAIが学習し、こちらの望みに近い文章を自動的に生成してくれます。
例えば「東京について教えてください」では抽象的ですが、「東京の素晴らしい景色について教えてください」と入力すれば、ChatGPTはそれに応じた回答をしてくれます。
より具体的な指示が出せれば、ChatGPTも提示した内容に沿った文章を作ってくれるでしょう。思ったような長文が作れない場合は、指示の出し方が抽象的ではないかチェックしてください。
コツ⑤：複数の小問題に分けて質問する
ChatGPTは長文の生成でエラーが出る場合があります。もし文章が長すぎてエラーが出る場合は、複数の小問題に分けて質問をして、その回答をつなげて長文を作成しましょう。
ChatGPTに搭載されているAIは、文章を細分化して処理します。このため、小問題にすればより正確な処理ができるのです。出来上がった文章をこちらでつなげる必要がありますが、短い文章にすればエラーが出にくくなりますし、整合性のとれた自然な文章が作りやすくなります。
ChatGPTは2,000文字以上でエラーが出やすくのあるので、小問題に分ける場合は、2,000文字以下を基準にして作成するのがポイントです。それぞれの文章を何度かに分けて、ChatGPTに回答してもらいましょう。
長文生成をする場合は、指示文を作成する時点で、複数の小問題に分けておくことをおすすめします。
ChatGPTに長文を書かせる際の注意点
ChatGPTに長文をかかせる場合、コツだけでなく、以下の3つの注意点も把握しておく必要があります。
この注意点を念頭に置いておけば、より理想的な長文生成ができるでしょう。
注意点①：ChatGPTの対象データとその背景を把握する
ChatGPTは、さまざまなデータを対象にして、出された指示をもとに文章を生成します。長文を書いてもらうためには、何に関する文脈なのか、その文脈を作り出すためにはどういったデータが必要なのか、きちんと定めておく必要があるのです。
対象データとその背景を正確に把握しておくことで、ChatGPTに搭載されているAIは、どんな出力が適切なのかを判断しやすくなり、より理想に近い長文を生成してくれます。
注意点②：細かい情報を含む回答を引き出せるようにする
大雑把な指示の入力では、ChatGPTも大雑把な回答しかできません。こちらの提示する情報が細かければ細かいほど、ChatGPTはより多くのことを理解し、その分長文生成能力がアップするのです。
いつ、どこで、誰が、といった細かい情報を正確に入力して、理想的な長文を生成できるようサポートしましょう。
また、詳細な情報が出力できれば、読み応えのある文章が作れたり、説得力のある文章が作れます。魅力的な長文を生成するためにも、細かい情報の入力は必要不可欠です。指示を入力する間に、細かい情報をピックアップしておくといいでしょう。
注意点③：入力されるテキストの量が出力の長さに及ぼす
ChatGPTは入力した文章が長いと、その分回答の文章も長くなります。長文を生成してもらいたい場合は、こちら側も長文で指示を出すといいでしょう。
ただし、ただ長い文章を入力するのでは意味がありません。望むような長文を作ってくれなかったり、整合性の取れない変な文章になってしまう可能性があります。また、不確実な情報は文章のクオリティを大きく左右します。
入力するテキストは長めにするように意識しながら、できるだけ多くの情報を、細かく正確に盛り込むようにしましょう。
まとめ
ChatGPTは文章作成に大いに役立つツールです。上手く使いこなせれば、文章作成に必要な手間と時間を大幅にカットできるでしょう。AIが進化すればさらに便利に使えますが、現時点の機能では、コツを抑えた使い方をする必要があります。
ChatGPTに長文を書かせるには、今回紹介したような、ポイントを押さえた指示文の作成が必要です。指示文はより多くの正確な情報を盛り込みながら、具体例の提示や適切な用語の選択を意識しましょう。
思ったような長文が作れない場合は、まずは自分の入力した指示文を見直してみてください。ここで紹介したコツを押さえながら、ChatGPTが上手く回答できるような指示文を作成し、理想的な長文作成に挑戦してみましょう。
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