Copilot Premium（旧Pro）と無料版の違いは？導入すべき人やおすすめ活用法を解説！

「Copilot Premiumは無料版とどう違うのだろう？」
「Copilot Premiumを自分は契約すべきだろうか？」

このようにお悩みの方もいるのでは無いでしょうか。Office製品との連携で知られる生成AIのCopilotですが、無料版で良いか、それともPremiumを使うべきかは悩ましいポイントです。

そこで、この記事ではCopilot Premiumの概要や特徴、契約がおすすめな人について紹介していきます。

Premiumを契約するかの判断にぜひお役立てください。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Copilot Premium（旧Pro）とは？

以下ではまず「Copilot Premium」とは何かについて、簡単に確認していきます。

【注意】Copilot Proは現在はMicrosoft 365 Premiumにまとめられている

2025年11月現在、Microsoftの個人向け最上位AIアシスタントプランであった「Copilot Pro」は、単独のサブスクリプションとしての販売を終了しています。

Copilot Proのすべての機能は、新しい統合パッケージである「Microsoft 365 Premium」に組み込まれました。したがって、高度なCopilot機能とOfficeアプリ連携を求める個人ユーザーにとって、この「Microsoft 365 Premium」が実質的な後継プランであり、現行の最上位選択肢となります。

既存のCopilot Proユーザーも、同じ機能を引き続き利用するためにMicrosoft 365 Premiumへの移行が推奨されています。

Microsoft 365 Premiumの概要

Microsoft 365 Premiumは、個人・家族向けのサブスクリプションサービスです。従来のCopilot Proに含まれていた高度なAI機能に加え、さらに充実した内容となっています。

料金は月額3,200円（年学32,000円）で、Copilot Pro単体と同じ価格のまま、機能が大幅に強化されました。Copilot ChatやResearcherといった先進的なAI機能が、Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリと深く統合されており、日々の作業効率を飛躍的に高めることができます。

さらに、このプランにはOfficeアプリケーションの利用権や大容量のクラウドストレージも含まれているため、AI機能と生産性ツールをまとめて利用できるオールインワンのサービスとなっています。

Copilot Premiumの主な特徴｜Personal・無料版と比較

以下ではPremiumプランとPersonal・無料版で機能や特徴の比較を行っていきます。

特徴①：料金と対象ユーザー数

Copilot PremiumとCopilot Personalの大きな違いのひとつが月毎にかかる金額です。

上記のようにPremiumとPersonalでは月単位で約1,000円、年単位で約10,000円の差があり、この金額の差を支払ってでもPremiumを契約したいと思うかがPremium契約にあたっての判断基準となります。

詳細な機能の差については以降で詳細に解説するため、それらを踏まえてご自身に適していると思うプランを契約するようにしましょう。

また、忘れてはいけないポイントとしてPremiumでは、1人分の契約で合計6人がCopilotやOffie製品を使用することができ、それぞれが1TBのクラウドストレージを持つことができる点があります。もしも、6人で使用することが予め決まっている場合は、1人あたり約530/月で契約をすることが可能です。

一方、複数人でPersonalプランを利用する際は無制限のCopilot活用やGPT-5への優先アクセス権はホストユーザーに限られるため注意してください。

特徴②：無制限のCopilot使用と優先アクセス

Premiumプランの最も大きな優位性は、Copilot機能の無制限使用と優先アクセス権です。

Personalプランには月60クレジットというAIタスク数の上限があり、ピーク時には応答の遅延が発生する可能性があるのに対し、Premiumユーザーは最新モデルであるGPT-5などへ優先的にアクセスできるため、タスクの制限を気にせず、常に高速で安定したAIパフォーマンスを享受できます。

さらに、画像生成機能DALL-E 3においても、Premiumは1日100ブーストと利用回数が大幅に強化されており、クリエイティブな業務での利用頻度が高いユーザーにとっては必須の特徴となります。

特徴③：Officeアプリへの深いAI統合

Copilot Premium（旧Pro）は、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteといったMicrosoft 365の主要なOfficeアプリケーションにCopilot機能が深く統合されている点が特徴です。

これにより、Wordでの文書ドラフトの自動作成、Excelでの自然言語によるデータ分析やグラフ生成、PowerPointでの企画書の一括自動生成など、従来のOfficeアプリの機能を超えた業務の効率化を実現することができます。

無料版のCopilotではこれらのOfficeアプリ統合機能は提供されず、Copilot Personalでも統合はされますが、Premiumほどのスムーズな動作や高度な推論機能は期待できません。

例えば、Premium版ではAIクレジット無制限・優先アクセスにより、リアルタイムでの複数ファイル参照や大規模データセットの即時処理、複雑な条件付きフォーマット生成などを繰り返すことが可能ですが、Personal版では月60クレジットの上限により処理速度の遅延や試行回数の制限が発生し、同等の結果を得られないケースがあります。

特徴④：大規模なクラウドストレージ

Premiumプランは、Officeアプリ利用権と高度なAI機能に加えて、1ユーザーあたり1TBのOneDriveクラウドストレージを提供しています。

特に、最大数の6ユーザーと共同で使用した際には1人につき1TBのクラウドストレージが与えられ、計6TBのクラウドストレージを獲得することができます。

これはPersonalプランと同容量ですが、無料版の5GBと比較すると、膨大なAI生成コンテンツや高解像度の画像、業務文書を扱うユーザーにとって極めて大きな利点となります。

大容量のクラウドストレージは、単なる保存場所ではなく、CopilotのAI機能と連携したデータ管理・データ分析の「基盤」として機能するため、Copilotを有効活用したい際には非常にありがたい付属オプションとなります。

特徴⑤：推論エージェントの活用

PremiumとPersonal・無料版の大きな違いに「推論エージェント活用の可否」があります。

具体的にはPremiumでは元々ビジネス用プランのみで活用ができた「Researcher」と「Analyst」という専門的なAI推論エージェントの使用ができます。

Researcherでは、複雑で多段階にわたるリサーチ作業を自動で実行することができます。例えば、ウェブ上の公開データや、社内データ（メール、会議、ファイルなど）を統合的に参照し、実務に使用可能なレポートや考察をアウトプットさせることができます。

特に、出力されるレポートは、明確な構成、図表・グラフを含み、引用付きデータで信頼性を担保してくれるため、意思決定に直結する情報取得を大幅に効率化することができます。また、SalesforceやConfluenceといった外部サービスとの連携が可能である点もポイントです。

Analystでは、まるでデータサイエンティストのような高度なデータ分析を自動化で実施することができます。OpenAIのo3-miniモデルを採用しており、生データからインサイト抽出、ビジュアライゼーション（視覚化）、さらには予測までを一気通貫で実行できます。

特に、Pythonコードの実行に対応しているため、高度なデータ加工や異常検出、パターン分析が可能となり、ExcelやPower BIとの統合により、業務の自動化を強力に進めることができます。

PremiumとCopilot Businessは違う？

機能面や名称で似ている「Microsoft 365 Premium」と「Microsoft 365 Copilot」ですが、この2つは明確に異なるプランです。

「Microsoft 365 Premium」が個人向けであり「Microsoft 365 Copilot」が法人向けプランであることや、それぞれの料金が異なるという点はもちろんですが、それ以外にも使用にあたって大きく違う点があります。
以下では特にビジネス（会社）で使うという前提で知っておくべき3つのポイントを紹介します。

商用利用と知的財産権（IP Indemnity）保護の可否

個人向けのCopilot Premiumは、業務利用自体が禁止されているわけではありませんが、生成されたコンテンツの商用利用に関して、明確な法的保証が提供されていません。

そのため、著作権や知的財産権の侵害リスクは、原則としてユーザー自身が負うことになります。

これに対し、企業向けのMicrosoft 365 Copilot（Businessプラン）は、「IP Indemnity（知的財産権侵害に対する補償）」が付帯しています。これは、AIが生成したコンテンツが第三者の著作権を侵害したとして訴訟問題に発展した場合、Microsoft社が法的責任と費用を負担するという保証です。

この保証により、コンプライアンスを注視する企業でも安心してCopilotを導入することができる点がMicrosoft 365 Copilotの特徴です。

組織全体のセキュリティとガバナンス機能の比較

Copilot Premiumは、あくまで個人の生産性向上に主眼を置いたサービスであるため、組織全体の管理機能は備えていません。提供されるセキュリティ機能は、個人向けのDefenderなど、デバイスレベルの保護が中心です。

一方、Microsoft 365 Copilot（Businessプラン）は、企業での利用を前提としており、以下のエンタープライズ機能を提供します。

1. 集中管理機能： IT管理者が全ユーザーのアクセス権限や利用ポリシーを一元的に設定・管理できます。
2. 監査ログ： 誰が、いつ、どのようなAIタスクを実行したかの詳細なログを取得・監査できます
3. 情報漏洩防止（DLP）： 企業の機密情報がAIを通じて外部に漏洩することを防ぐための高度なデータ保護機能が組み込まれています。

これらのガバナンス機能は、機密情報を扱う企業がAIを導入する際のセキュリティ障壁（リスク）を解消するために不可欠であり、Microsoft 365 Copilotを企業が導入する大きなメリットとなります。

データアクセス権とMicrosoft Graph連携の適用範囲

両プランの機能的な違いは、AIがアクセスできるデータ範囲によって決まります。

Copilot Premiumでは、AIが参照できるデータは、主にインターネット上の公開データと、ユーザー個人のOneDrive、Outlook、Microsoft 365アプリ内のデータに限定されます。これはあくまで個人ワークフローの効率化に留まります。

Microsoft 365 Copilot (Business)では、企業の「集合知」であるMicrosoft Graph（Exchange、SharePoint、Teams、Dynamics 365などの企業データが集約されたプラットフォーム）と連携してAIがデータを参照することが可能です。

これにより、AIは組織内の膨大な過去の会議録、全社の文書、チャット履歴を参照し、個人の質問に対して企業内部の情報に基づいた回答や提案を行うことができます。

この点からもビジネスでCopilotを活用するなら「Microsoft 365 Copilot 」がおすすめであり、Copilot Premiumは個人での利用に適していると言えます。

Copilot Premiumのおすすめの使い方3選

Copilot Premiumは、Microsoft 365アプリとの深い連携を前提としています。ここでは、最新のAI機能とアプリ連携を組み合わせ、個人の生産性を劇的に向上させる、具体的な活用シーンを3つ紹介します。

長文メールの要約とビジネス文書の自動下書き

Copilot PremiumとOutlookの連携により、Copilotで受信した長文のスレッド全体を瞬時に要約し、対応すべきポイントや次のアクションを抽出することができます。

さらに、簡単な指示やキーワードを入力するだけで、返信メールのドラフトを自動で作成し、文面のトーン調整や言い換えも提案してくれるため、手間のかかるメール業務の負担を削減することができます。

また、Wordとの連携では、テーマと骨子を指示するだけで、AIがインターネット上の情報やユーザーの既存文書を参照し、精度の高いビジネス文書の叩き台を自動生成するため、ゼロから書き始める工数をほぼゼロにすることが可能です。

Excelでの自然言語によるデータ分析と図表作成

次に、Copilot Premiumが大きく力を発揮するのが、Excelでのデータ分析です。データサイエンスの知識がないユーザーでも、高度な分析を実施することができます。

具体的には、自然言語で質問するだけでAIがデータを処理し、AIはデータ内の異常値や重要なパターンを自動で検出し、適切な計算式やピボットテーブルを提案してくれます。

また、分析結果に基づき、最適なグラフや図表を自動で生成してくれるため、手動でのデータ可視化作業が不要になり、大幅に資料作成の時間を削減することができます。

PowerPointでの企画書・プレゼン資料の一括自動生成

長文の議事録などの既存文書や、任意のプロンプトをCopilotに共有するだけで、その内容を読み込み、デザインと構成を整えたPowerPointのスライド群を自動で一括生成できます。

作成された資料に対し、AIがテーマに合わせたデザイン要素や画像を提案・挿入し、各スライドの内容に基づいたプレゼン原稿の下書きまで作成できるため、資料作成にかかる時間を大幅に削減し、質の高いアウトプットを実現します。

Copilot Premiumの購入がおすすめな人

以下では結論として、どのような方がCopilotを購入すべきかを個人と法人でそれぞれ解説します。

個人でCopilot Premiumを購入する場合

個人でCopilot Premiumを契約する場合は、以下のような方におすすめです。

Copilot Premiumの魅力は何といっても「Office製品と連携したCopilotの無制限利用」です。

そのため、Copilot Premiumだけでなく、Office製品一式がセットで利用できるMicrosoft 365 PremiumはOffice製品を常用する方にとっては非常にお得でおすすめなプランと言えます。

また、家族の中に複数人Office製品を利用している方がいる場合にも、1TBのクラウドストレージの全員での利用やPersonalレベルのCopilotの使用が複数人で可能であるという点で、Premiumの契約がお得でありおすすめです。

法人でCopilot Premiumを購入する場合

法人でCopilot Premiumを契約する場合は、以下のような方におすすめです。

大前提として、法人でCopilotを活用したい場合はMicrosoft 365 Copilotの方が安全性や商用の観点から優れておりおすすめです。

しかし一方で、法人用プランはOfficeとCopilotの契約を別々に行う必要があるため費用が嵩んでしまいます。そこで、もしも少人数でかつ個々人が別々の業務を実施する場合（共通のデータベース基盤を必要としない場合）はCopilot Premiumの活用が適していると言えます。

Copilot Premiumの導入前に確認すべき3つの注意点

以下ではCopilot Premiumを導入する前に知っておくべき注意点について解説します。

Copilotの無制限利用・優先利用はメインユーザーのみ

Microsoft 365 Premiumではそのプランの機能を、最大6名までの家族の間で共有が可能です。しかし、高度なCopilot AI機能（GPT-5への無制限アクセス、優先推論など）をフルで利用できるのは主アカウントのみであるという点には注意が必要です。

その他の共有ユーザーは、基本的なOfficeアプリの利用や1TBのOneDriveストレージは享受できますが、AI機能についてはPersonalプランと同等となります。

年間/月間契約のコスト効率と解約時の注意点

Premiumプランの契約にあたっては月単位での契約よりも年単位での契約の方が割安であるという点も事前に抑えておくべきです。具体的には月単位の場合は3,200円/月、年単位の場合は32,000円/年が契約金額となっており、年単位の契約では2ヶ月分費用がお得になります。

また、サービスを解約した場合は即座に高度なCopilot機能の利用等は制限されるためその点は注意が必要です。特に、1TBのクラウドストレージも撤廃されてしまうため、必要なデータに関しては移行を済ませてから解約をする必要があるということを覚えておきましょう。

Office永続ライセンス版での機能制限とモバイルアプリの互換性

Microsoft WordやExcelの永続ライセンス版（例：Office 2021など買い切り版）では、Copilotの高度機能の利用ができないという点も注意が必要です。

これらのAI機能は、クラウド接続された最新のMicrosoft 365アプリでのみ動作します。スマートフォンやタブレットのモバイルアプリでもCopilot機能の一部は利用できますが、PCのデスクトップ版と比較すると、機能に制限がある場合があります。

例えば、Excelでの高度なデータ分析やPythonコード実行（Analyst機能）などは、デスクトップ環境での利用が推奨されます。利用環境における機能の差異を事前に確認しておくことで、「期待した機能が使えない」といった問題を回避することができるため覚えておくと良いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

ここまでCopilot Premium（旧Pro）の詳細な機能や特有の強みについて解説してきました。