Geminiは、Googleが開発したAIアシスタントです。Geminiではテキストのほか、音声や画像などをアップロードしてやり取りができます。PDFファイルも画像と同様に活用でき、ファイル内のテキストやグラフを情報として扱ってくれるのが魅力です。
今回は、GeminiにおけるPDFファイルの活用についてご紹介します。GeminiでPDFを扱う際の注意点や、PDFの内容を理想通りに出力するためのプロンプトなども紹介していきますので、Geminiをより便利に使うための参考にしてくださいね。
GeminiがPDFデータの取り扱いでできること
GeminiがPDFデータの取り扱いでできることは、おもに以下の通りです。
- ドキュメント内のオブジェクトの分析
- 構造化された出力方式に抽出する
- 画像・テキストの内容に関する質問に回答する
それぞれの概要を学びつつ、GeminiでPDFをより便利に活用していきましょう。
ドキュメント内のオブジェクトの分析
Geminiでは、PDF内のオブジェクト(図・グラフ・表など)を分析できます。GeminiではPDFを画像として認識して処理するため、一般的な画像処理としておこなわれている作業はPDFが対象になっても可能です。
たとえばビジネスに関連するPDFデータでは、セグメントごとに大量のグラフが記載されているケースもあるでしょう。GeminiにPDFデータをアップロードすれば、AIがグラフ情報を処理したうえで、ユーザーの求める構造で内容をまとめてくれます。
構造化された出力方式に抽出する
グラフの処理を含め、構造化された出力方式に抽出できるのも、PDF利用におけるGeminiの強みです。Geminiは画像生成もできるため、「円グラフを棒グラフに直す」や「テキストに記載されている数字を表として出力する」などのリクエストにも応えてくれます。
「〇ページのグラフの、△の世代をカットしたうえで再構築して。その際、中学生でも分かりやすいような、視覚的にシンプルなグラフに」のような複雑なリクエストにも対応可能です。
画像・テキストの内容に関する質問に回答する
Geminiは、PDFから画像・テキストを読み取り、質問に回答してくれます。たとえばWeb上の論文を参考にしたいシーンでは、膨大な文字数から必要な情報を探すのに骨が折れますよね。
そこで役立つのがGemini。GeminiにPDFをアップロードしたうえで「〇〇に関連するデータだけをまとめて」「〇から〇ページまでの内容を要約して」「〇章について箇条書きで要点をまとめて」などのプロンプトを入力すれば、必要な情報だけをピックアップできます。
【シーン別】GeminiのPDF活用方法!プロンプトのコツは?
ここでは、GeminiでPDFを活用する際のプロンプトのコツをご紹介します。
GeminiにPDFをアップロードする際は、「要約・文字起こし・翻訳」の用途で使う人が多いのではないでしょうか。シーン別に取り入れたいプロンプトを紹介していきますので、効率的なGeminiの利用にお役立てください。
PDF内のデータを要約する
PDF内のデータを要約したいときには、「このデータの内容を要約して」とシンプルにリクエストしましょう。その際「〇個までの箇条書きにして」「専門用語を使わずに分かりやすい言葉選びを心がけて」などのように伝えると、より理解しやすい要約に近づきます。
ただし長文のPDFを短くまとめすぎると、大事な部分までカットされてしまうリスクがあります。大胆な要約をリクエストする際は、最後には自分の目で内容を確認することが大切です。
PDF内のデータを文字起こしする
GeminiはPDFを画像として扱うため、PDF内に記載されている内容の文字起こしもできます。文字起こしされたデータは読み上げはもちろん、音声概要を生成することでポッドキャストとしての使用もできます。
ただしGeminiはモデルによって出力できる文字数(トークン)に制限があり、文字起こしするテキストの量によっては途中で区切られてしまうことも。大量のPDFを処理する際は、ファイルをわけて一定データごとにリクエストするとよいでしょう。
外国語で書かれたPDFの翻訳をする
Geminiは、外国語で書かれたPDFの内容を翻訳できます。ただしPDFから直接言葉を出力するわけではありません。Geminiで翻訳する際は、一度PDF内のテキストを文字起こししたうえで、「上記のテキストを〇語に翻訳して」とプロンプトを追加する必要があります。
当然ながら、読み込み元のPDFの文字が不明瞭である場合、文字起こしや翻訳結果にも影響が現れます。とくに文字が途中で切れているPDFや、個性的なフォントを使用しているPDFの場合は注意しましょう。
PDFファイルを扱う際のプロンプトのコツ
GeminiでPDFを扱う際は、プロンプトの方向性が重要。PDFを扱う目的やシーンに寄り添ったプロンプトを入力すれば、より有効な利用方法につながります。
- 「ですます調」に書き換えて
- ビジネス上で使えるような文体にして
- 結論を最初に持ってきて、分かりやすい文章にして
- 専門用語の注釈を入れて など
上記は、PDF利用で取り入れたいプロンプトの一例です。TPOに応じたプロンプトをリクエストし、PDFを理想的な形で出力していきましょう。
GeminiでPDFを扱う際のポイント・注意点

ここでは、GeminiでPDFを扱う際のポイントや注意点をご紹介します。
PDFデータの入出力ができるのは、Googleアカウントが18歳以上のユーザーのみ。つまり一定以上のITリテラシーを持つ人物のみが対象といえます。PDFデータ使用における知識を身につけたうえで、賢く安全にGeminiを使っていきましょう。
各PDFは1つ「258トークン分の画像」として読み込みされる
Geminiは最大1,000ページのドキュメントをサポートしており、1つのドキュメントページは「258個トークン分の画像」として処理されます。つまりPDFデータを1つ入力するごとに、200文字の日本語程度のトークンを消費しているといえるでしょう。
Geminiではモデルごとにトークン(文字数)の上限があり、上限値を超えると一時的に入出力ができなくなります。とくに文字起こしや翻訳など大量の文字数を扱う予定の人は、入出力トークンの量を予測したうえで計画的に使う必要があります。
適切なプロンプト入力でさらに使いやすくなる!
GeminiでPDFを使いこなすためには、適切なプロンプトを入力しましょう。よりユーザーニーズに合った内容を生成するためには、ターゲットや目的の指定などが求められます。
PDFの処理を依頼する前に「何のために」「誰を対象に」といった背景も伝えましょう。PDF関する情報が明確であるほど、GeminiはTPOに沿った出力を心がけてくれます。もちろん、出力後にプロンプトを追加して微調整することも可能です。
固有名詞を事前に指定すると表記が揺れにくい
GeminiのPDF利用では、固有名詞を事前に指定しておくと表記が揺れにくくなります。たとえば日本では「すずき」の名を使った会社だけでも、『鈴木株式会社』『株式会社鈴木』『スズキ株式会社』『株式会社すずき』などがそれぞれ存在しています。
例として、事前に「PDF内に出てくる会社名は、すべて『株式会社鈴木』に統一して」というプロンプトを入力しておけば、出力される文章や固有名詞が乱れにくくなるでしょう。人物名や商品名、駅名などでも有用な方法です。
不鮮明なページは避け、適切な方向でアップロードする
PDF内のデータが正しく読み込めない場合、Geminiの出力にも弊害が生じます。PDFを効果的に活用するために、不鮮明なページのアップロードは避けましょう。
またGeminiにとってPDFは画像データであるため、適切な方向でアップロードすることも大切です。上下左右や角度を揃え、人間でも正しく読めるような状態で入力しましょう。
利用回数に応じて制限がかかる場合がある
Geminiの利用では、利用回数に応じて制限がかかる場合があります。とくに複数のPDFを繰り返し入力している場合は、利用制限に該当するリスクがあるでしょう。
利用制限は一定時間が経過した後にリセットされますが、この「一定期間」が何分か、何時間かなどについては、公式からの明言がありません。定期的に大量のデータをやり取りする予定がある場合は、制限の上限を引き上げるために有料プランへのアップグレードも検討しましょう。
ファイルが大きすぎると回答が不安定になる
GeminiでPDFデータを出力する場合、どうしても目的通りの結果を得られない場合があります。「プロンプトを入力しても無視される」と感じる場合は、サイズが大きすぎるPDFをアップロードしている可能性があります。
Geminiでは、一定以上のサイズのファイルをアップロードした際に、詳細情報が欠落した回答を返すケースがあるのです。より適切な結果を得るためには、サイズが小さく内容量が少ないファイルをアップロードし直すのが効果的です。
Geminiを活用して、PDFデータをさらに分かりやすく!
今回は、GeminiにおけるPDF利用についてご紹介しました。
Geminiの活用方法は、アイデアの数だけ無限大。たとえば歌詞やポエムのPDFを入力して、「この詞の世界観に合った画像を作成して!」なんてリクエストにも応えてくれます。
読み取り機能・テキスト生成・画像生成・音声生成・翻訳など、Geminiの多様な機能と合わせて使うことで、PDFの可能性ももっと広がっていきます。ぜひこの機会にGeminiに触れ、PDFデータをさらに自分のために役立ててくださいね。
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