【テンプレあり】ChatGPTの精度をあげるプロンプト作成のコツ7選!

ChatGPTの精度を あげるコツ ChatGPT

「ChatGPTを使っているけど期待した答えが返ってこない」
「ChatGPTの出力精度をあげたいけどどうすればいいの?」

このように悩む方は少なくないでしょう。ChatGPTは優秀なAIツールですが、能力を最大限に引き出すには、プロンプト(指示文)の作り方が重要です。

効果的なプロンプトはChatGPTとのコミュニケーションを円滑にし、より的確で質の高い回答を得るための鍵となります。

本記事でわかること
  • ChatGPTの精度をあげる具体的なプロンプト作成のコツ
  • 目的別のプロンプト基本例
  • ChatGPTの精度が落ちたときの対処法

ぜひ最後まで目を通していただき、ご自身のChatGPT活用レベルを一段階アップさせてください。

ChatGPTの精度をあげるコツ7選

ChatGPTの精度を向上させるためには、プロンプトの工夫が不可欠です。特に効果的な7つのコツを紹介します。

  • 明確かつ具体的に指示する
  • AIに明確な役割を指示する
  • 出力形式を指示する
  • 参考情報や例を指示する
  • 文字数などの制約条件を指示する
  • 回答のトーンやスタイルを指示する
  • 前提条件を指示する

一つひとつ見ていきましょう。

1.明確かつ具体的に指示する

ChatGPTへ指示を出す際は曖昧な言葉を避け、具体的なキーワードや数値を盛り込むことが重要です。

出力のイメージを詳細に伝えることでChatGPTは指示の意図をより正確に理解するため、求める情報を出力できるようになるのです。

プロンプトNG例

面白い話をして

たしかにおもしろい話の出力はできていますが、テーマなどはAIがランダムで出してくるので求めていた結果がでにくいです。

プロンプトOK例

小学生向けに面白い話をして

このプロンプトなら「誰に」出力するのか明確なため、求めていた回答がかえってきやすくなります。

精度の高い出力をするためには、5W1Hを意識した指示の出し方が有効。「誰に(ターゲット層)」「何を(製品の特徴)」「どのように(希望するトーンやキーワード)」といった要素を加えることで、より的確な出力をしてくれるようになるでしょう。

2.AIに明確な役割を指示する

ChatGPTに特定の専門家としての役割を与えることで、回答の質を向上させられます。

編集者やプログラマー、歴史学者などさまざまな役割をあらかじめ設定すると、その分野に特化した質の高い情報を引き出せます。

プロンプトNG例

新商品のSNS戦略についてアドバイスをください

アドバイスの出力はできていますが、誰でもできそうな基本的なレベルの出力がでてきています。

プロンプトOK例

あなたは経験豊富なマーケターです。新商品のSNS戦略についてアドバイスをください

『マーケター』と指定したことで、より目的にあった出力がされています。

役割の指示はAIに対して回答のトーンや視点、使用する専門知識の範囲を限定させる効果があるため、基本的にはどのプロンプトにも適用したほうがいいでしょう。

役割設定によって、より人間味や専門性の高い回答を出力しやすくなるので、ぜひ試してください。

3.出力形式を指示する

ChatGPTに対して、回答をどのような形式で出力してほしいかを明確に伝えることは、非常に重要です。

出力形式を指定すると、情報整理が容易になります。ただ文章で説明されるよりも、リスト形式や表形式で整理されている方が、内容の把握や比較がしやすいでしょう。

プロンプトNG例

アンパンマンの特徴を教えてください

一見詳しく解説されているように見えますが、読者がアンパンマンの特徴だけを知りたい場合は、少し読むのが億劫になるかもしれません。

プロンプトOK例

アンパンマンの特徴を箇条書きをつかって簡潔に説明してください

箇条書きに指定したことで、アンパンマンの特徴がシンプルにまとまった出力になっています。

また、マークダウン形式やHTML形式での出力を指示すれば、他のシステムやツールとの連携もスムーズ。明確な出力形式の指定は、作業効率の向上につながります。

4.参考情報や例を指示する

求めている回答の具体的なサンプルを提示することは、ChatGPTがユーザーの意図や出力の傾向を理解するうえで有効な手段です。

特に、新しいタスクや独自のフォーマットを要求する際に効果を発揮します。

プロンプトNG例

朝の習慣について、いい感じで書いて

このプロンプトだと、文章の表現方法や誰にむけてのものなのかもわからず、AIが独断で出力しています。

プロンプトOK例

以下の文体を参考にして、「朝の習慣」について説明してください。
例1.:「朝の静かな時間に、私は一杯のコーヒーを淹れる。香りに包まれながら一日の準備をするのが、何より落ち着くのだ」
例2.:「太陽の光が差し込むリビングで、ヨガマットを広げる。5分のストレッチが、心と体にエネルギーをくれる。」

例があることにより、文章の表現や書き方を統一して出力してくれます。同じ文体やトンマナに沿った出力をしたいときには、例を伝えることで再現性の高い出力が見込めるでしょう。

5.文字数などの制約条件を指示する 

回答の範囲を限定する制約条件を設けることで、より焦点の定まった出力を得られることに加えて、不要な情報や冗長な表現を避けられます。

プロンプトNG例

アンパンマンの生い立ちについて解説してください

制限がないため、AIが把握しているすべての情報を出力しています。

プロンプトOK例

アンパンマンの生い立ちについて200文字以内で説明してください

上記の例は説明を凝縮しているため少し違和感はありますが、文字数を制限することで最低限の情報で簡潔に出力されています。

制約条件は、不要な情報や冗長な表現を避けるためにも役立ちます。しかし、制約条件が厳しすぎると、かえって回答の質が低下したり情報が不足したりする場合があるため注意しましょう。

6.回答のトーンやスタイルを指示する

ChatGPTに回答のトーンやスタイルを指示すると、生成される文章の印象をコントロールできます。

トーンやスタイルを指定することは、ブランドイメージの統一や目的に沿った文章を生成するうえで重要です。

プロンプトNG例

起業のコツについて解説します。かっこいい感じでお願いします

「かっこいい」という指示は抽象度が高く、文章のトーンやサイトのスタイルと異なった結果がかえってきやすくなります。

プロンプトOK例

起業のコツについて解説します。経営者向けに、論理的かつ信頼感のあるトーンで解説してください。難しい言葉も便宜使用して構いませんが、専門性が伝わるよう意識してください

論理的・信頼感のある(丁寧さを強調)指示をすることで、読者が読みやすい文章を出力できています。

他にも読者層や使用目的にあわせて、「小学生にもわかるように、親しみやすい言葉で説明してください」とカジュアルなトーンでの指示も有効です。

7.前提条件を指示する 

タスクに関連する重要な情報や文脈を事前にChatGPTへインプットすることは、回答の精度を大きく左右します。

記事のタイトルやターゲット読者、記事の目的などを最初に伝えることで、ChatGPTはそれらの情報を踏まえたうえで、より適切な内容を生成してくれるため前提条件は必ず指示するようにしましょう。

プロンプトNG例

就活生に向けて就職活動のアドバイスをしてください

前提条件がないと、どのターゲットに対してどのような出力が必要なのかAIが判断できないため、抽象度の高い出力になります。

プロンプトOK例

以下のルールにそって、「就活生へのアドバイス」を出力してください。

<前提条件>
ターゲット:大学3年の女性
希望職種:アパレル系

前提条件があれば、読者に対して具体的な文章を出力できますが、不足しているとAIがユーザーの意図を誤って解釈し、的外れな回答や一般的な情報に終始してしまう恐れがあります。

初心者でもすぐに使える!目的別プロンプトの基本例

ChatGPTの精度をあげるには、具体的な指示が重要です。ここでは、さまざまな目的にあわせたプロンプトの基本例を紹介します。

  • 出力例からプロンプトのテンプレをつくるプロンプト
  • 情報収集・調査を効率化するプロンプト
  • メールなどの挨拶文をつくるプロンプト

詳しく見ていきましょう。

出力例からプロンプトのテンプレをつくるプロンプト

今の精度の出力を一発で出すための具体的で汎用的なプロンプトを作成してください。変数的条件は変更できるように、[]で表示してください。

ChatGPTで期待通りの出力が得られた際、その精度を再現するためのプロンプトを汎用的なテンプレートとして作成しておくと便利です。

テンプレのプロンプトを用意しておくことにより、ChatGPTは現在の会話の文脈やよい結果を生み出したであろう要素を分析し、応用可能な形式でプロンプトを提案してくれます。

[]で示された変数部分を都度変更すると、さまざまな要約タスクに効率的に対応できるようになります。

情報収集・調査を効率化するプロンプト

AIの特徴について、主なポイントを3つ教えてください。また、信頼できる情報源も提示してください

情報収集や調査の初期段階で、特定のトピックに関する概要を素早く把握したい場合に、有効なプロンプトです。

このプロンプトはChatGPTに対して、指定されたトピックの核心となる情報を簡潔にまとめ、さらに情報の裏付けとなるソースを要求するもの。ユーザーは短時間で効率的に対象分野の全体像を掴めます。

メールなどの挨拶文をつくるプロンプト

A社様への製品導入のお礼メールを作成してください。丁寧かつ感謝の気持ちが伝わるように。納期遅延のお詫びも軽く触れてください。

ビジネスシーンやプライベートでメールやメッセージを作成する際、状況に応じた適切な挨拶文を考えるのは意外と手間がかかるものです。

このプロンプトでは宛名、メールの目的(製品導入のお礼)、求めるトーン(丁寧かつ感謝が伝わる)、そして含めるべき追加情報(納期遅延のお詫び)を明確に指定しています。

ChatGPTは明確な指示の要素を盛り込んだ、状況に適したメール文案を生成してくれますので、取引先や上司など相手にあわせたプロンプトを用意して使いわけましょう。

精度をあげたいならChatGPTの仕組みを理解する

ChatGPTの精度を向上させたいなら、基本的な仕組みを理解する必要があります。

ChatGPTは大量のテキストデータとソースコードを学習することで、人間が書いたような自然な文章を生成する能力をもった大規模言語モデル(LLM)の一つです。

その核となるのは、入力された文章に続く可能性が最も高い単語やフレーズを予測していくという仕組み。

ChatGPTは質問や指示が与えられると文脈や意図を解釈しようと試み、学習データに基づいて最も適切と思われる回答を組み立てます。

しかし、ChatGPTは人間のように言葉や文章を「理解」しているわけではありません。

あくまで統計的なパターンに基づいて言葉を繋げているため、ときには文法的に正しくても意味が通じない、あるいは事実と異なる情報を生成する場合があるので注意しましょう。

ChatGPTの精度が落ちたと感じたときの対処法

ChatGPTを利用しているなかで、以前より回答の精度が落ちたと感じることがあるかもしれません。そのような場合に試せる対処法をいくつか紹介します。

  • 精度が落ちた原因がモデルかプロンプトかをきりわける
  • プロンプトの改善をする
  • ChatGPTをほめる・感謝の言葉を伝える

詳しく見ていきましょう。

精度が落ちた原因がモデルかプロンプトかをきりわける

ChatGPTの回答精度が低下したと感じた場合、まず原因がAIモデル自体にあるのか、それとも入力したプロンプトにあるのかをきりわけることが重要です。

最初に試すべきはプロンプトの見直です。指示が曖昧になっていないか、必要な情報が不足していないか、誤解を招く表現はないかなどを確認します。

次に、同じプロンプトを何度か試行し、回答に再現性があるかを確認しましょう。もし毎回異なる質の低い回答が返ってくるようであれば、モデル側の問題や一時的なシステム負荷も考えられます。

あまり多くないケースですが、アップデート直後などサーバー負荷が集中的に増加した際に精度が下がるケースはあります。

出力精度が低いときは特定のモデルに起因する問題なのか、プロンプト自体の改善が必要なのかを判断し改善に努めましょう。

以下の記事でも別の症状について解説していますので、参考にしてください。

プロンプトを改善する

ChatGPTの出力精度が低いと感じる場合、最も直接的で効果的な対処法の一つがプロンプトの改善です。

まずは、指示内容を再度練り直してみましょう。指示は具体的であるか、曖昧な表現はないか、必要な情報はすべて盛り込まれているかを確認します。

たとえば、「もっと詳しく教えて」という抽象的な指示ではなく、「〇〇のメリットを、3つの観点から説明してください」と、より具体的に指示を出すことでAIの出力が向上します。

また最初から完璧なプロンプトをつくろうとせず、短いシンプルなプロンプトから始めて、少しずつ要素を追加したり表現を調整したりしながら、望ましい出力に近づけていく改善方法も有効です。

ChatGPTをほめる・感謝の言葉を伝える

ChatGPTの回答が期待通りでない場合、あるいは逆に非常によい回答が得られた場合、フィードバックをAIに伝えることは、回答品質向上につながる場合があります。

ChatGPTは回答した内容が「正しいのかどうか」を判断できません。「正」「誤」を伝えることで、その後の出力精度が向上するケースも。

「よい回答です」と伝えるだけでなく、具体的にどの部分がよかったのか、あるいはどのように改善してほしいのかを具体的にフィードバックすることで、AIはユーザーが何を求めているのかをより深く理解します。

感謝の言葉を伝えることも、ポジティブなフィードバックの一環です。直接的な効果はすぐになくとも長期的な視点で見れば、AIとのよりよいコミュニケーションを築く一助となるでしょう。

ただし、感謝の言葉を伝えたりほめたりしても出力結果に影響がない場合もあるため、精度をあげる1つの手段として覚えておきましょう。

ChatGPTを活用するうえで注意すべきこと

ChatGPTは便利なツールですが、活用するうえで注意すべき点があります。

  • 個人情報や企業の機密情報などセンシティブな情報をプロンプトに含めない
  • ChatGPTが生成する回答は必ずしも正確であるとは限らない
  • 著作権や肖像権などの法的な権利を侵害しない

生成物をそのまま公開したり商業利用したりする際には、オリジナリティや引用元などを十分に確認し、法的な問題が生じないように注意してください。

AIは便利なものの、情報ソースの確認をしなければ大きなトラブルにもなりかねないため、ファクトチェックは必ずしましょう。

ChatGPTの精度をあげる際のよくある質問 

ChatGPTの精度でよくある質問をまとめました。

Q
ChatGPTのプロンプトで使える呪文集や神プロンプトは本当に効果がありますか? 
A

部分的な活用であれば効果のあるプロンプトも存在しますが、あらゆる状況で万能に機能する魔法のようなプロンプトはないと考えるのが妥当です。

AIのモデルやバージョン、そして何よりもユーザーが達成したい具体的な目的によって、最適なプロンプトは異なるためです。

Q
ChatGPTの無料版と有料版で回答の精度に違いはありますか?
A

ChatGPTには無料版と有料版が存在しており、一般的に有料版のほうがより高性能な大規模言語モデルにアクセスできるため、回答の精度が高い傾向にあります。

有料版で利用できるモデルは無料版のモデルと比較して、より新しいデータで学習されている場合が多く、複雑な指示への理解力や自然で質の高い文章を生成する能力に優れている場合があります。

Q
プロンプトに入力する文字数に制限はありますか
A

ChatGPTのプロンプトに入力できる文字数には、厳密な上限が明示されていない場合が多いですが、実質的にはいくつかの制約が存在します。

モデルが一度に処理できる情報量には限りがあるため、あまりにも長すぎるプロンプトを入力すると処理に時間がかかったり、指示の後半部分が無視されたりする可能性があります。

逆に情報が少なすぎる短いプロンプトでは、AIが文脈を十分に理解できず期待する回答が得られないこともあるため、モデルにあったバランス調整が重要といえるでしょう。

ChatGPTの精度をあげるためには仕組みとプロンプトを理解しよう

ChatGPTの回答精度を向上させるためにはAIの基本的な仕組みを理解し、効果的なプロンプトを作成する技術を習得することが不可欠です。

  • 出力形式や制約条件を指定し求める形に近づける
  • 参考例や前提条件を提供しAIの理解度をあげる
  • フィードバックを通じてAIとのコミュニケーションを向上する

上記のポイントを押さえることで、ChatGPTを単なるチャットボットから強力なアシスタントへと変化させられるでしょう。

思い通りの回答が得られないと諦める前に、ぜひ本記事で紹介したプロンプト作成のコツを試し、効果を実感してください。