AI副業詐欺の手口と見分け方！騙されないためのポイントや安心してできるAI副業もご紹介

「AIを使って月収100万円！」「ChatGPTで誰でも簡単に稼げる」といった宣伝文句、SNSで見かけたことはありませんか？

AIブームに便乗した副業詐欺が急増しており、実際に数十万円から100万円以上の被害に遭う方も後を絶ちません。

確かにAIを活用した副業は存在しますが、「何もしなくても稼げる」なんてことは絶対にありえないんです。

この記事では、実際のAI副業詐欺の事例から見分け方、対処法、そして本当に稼げる安全なAI副業まで詳しく解説していきます！「怪しい話に騙されたくない」「安全にAI副業を始めたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

AI副業の実態

「AIを使えば自動で稼げる」「AIが投資を代行してくれる」——このような言葉で勧誘される副業や投資案件が増えています。しかし、その多くは「AI」という先進的なイメージを悪用した詐欺であり、実態はSNSを通じて巧妙に仕組まれた騙しの手口です。

近年、SNSを悪用した投資詐欺や副業詐欺が全国的に急増しており、1件あたりの被害額が1,000万円を超えるケースも多く、非常に高額な被害が発生しています。詐欺師は「AI投資システム」や「AI自動副業ツール」といった最新技術を装い、「短時間で簡単に稼げる」といった甘い言葉で被害者を勧誘します。

こうしたAIの名を借りた詐欺の事例が急増していることを受け、警察庁もSNSを利用した投資詐欺・副業詐欺について注意喚起を呼びかけています。

警察庁のデータによると、SNS型投資詐欺の被害は年々深刻化しています。令和5年1月から令和6年9月までの期間だけで総数6,380人もの人が被害を受けており、幅広い年代の人々がターゲットとなっています。

この膨大な被害の中で、「AI」を謳った詐欺案件の割合は正確に把握されていませんが、AI技術が社会に浸透し続けている現在、詐欺師が「AI投資システム」「AI自動運用」といった言葉を使って信頼性を演出するケースは確実に増加しています。

生成AIの急速な普及により、一般の人々の間でもAIへの関心が高まっている今、詐欺師にとってAIは格好の「看板」となっています。今後、AI技術がさらに発展し社会に定着していくにつれて、AIの名を冠した詐欺が占める割合はさらに高まっていくことが懸念されます。

AI副業の詐欺の代表的な手口

AI副業を装った詐欺には、いくつかの典型的なパターンが存在します。これらの手口を事前に知っておくことで、怪しい勧誘を見抜き、被害を未然に防ぐことができます。代表的な詐欺の手口を確認していきましょう。

AI情報商材詐欺

情報商材詐欺は、TwitterやInstagramなどで「AIで月収100万円達成！」「ChatGPTで自動収益化」といった投稿を大量に拡散し、興味を持った人をLINEに誘導して高額な情報商材を販売する手口です。複数の商材を購入させられるケースもあり、総額で数十万円の被害に発展することも珍しくありません。

実際に、同じテンプレート文章が使い回されており、「最低でも月収500万を自動で得ている」「世界中の最新GPTsが6000近くも紹介されている」といった誇大な表現が特徴です。購入した商材の中身は、インターネット上で無料で入手できる情報ばかりで、さらに高額な追加商材を購入しないと稼げないという仕組みになっています。

AI情報商材詐欺の実際の事例

横浜市に住む40代の女性看護師が「AI副業ほど簡単に収入がアップする方法はない」というX（旧ツイッター）の広告に興味を持ち、アフィリエイト系ビジネスでAIを活用すると説明されました。LINE登録後、「副業説明担当係」を名乗る男から専用アプリのダウンロードを指示され、数千円のテキスト代を請求された後、「200万円を支払えばサポートを受けながら副業を始められる」と提案されました。女性が難色を示すと、男は「借金をすれば簡単に用意できる。確実にもうかるので返済も問題ない」とたたみかけ、女性は複数の業者から計約200万円を借金して指定口座に振り込みましたが、入金後は一切連絡が取れなくなりました。日本貸金業協会によると、令和5年度は189件だった相談件数が、6年度には286件に増加しており、大半は若者からの相談となっています。

（引用：産経新聞）

AI投資・暗号資産詐欺

AI投資詐欺は、「AIが株価を自動予測して投資」「AI自動売買ツールで月利200%達成」「寝ている間もAIが資産運用」という謳い文句で、AI投資システムの購入費用や暗号資産への投資を勧誘する手口です。

詐欺師は「最先端のAI技術を使った投資システム」と称して30万円〜100万円のツール購入を迫り、さらに「運用資金」として追加で数百万円を要求するケースが典型的です。

「AIの自動売買ツールで月利200%」「AI副業で毎月100万円GET！」といった甘い言葉で誘われるのが特徴で、実際にはAIシステムは存在せず、最初だけ少額の利益を出金させて信用させた後、大口投資を促して資金を持ち逃げするという手口です。

AI投資詐欺の実際の事例

長野県飯田市に住む50代男性が、SNSで株式投資グループに招待され、AIを使った株式投資を勧められる詐欺に遭いました。男性は2025年9月から10月にかけて、指定された口座に合計923万円を振り込み、さらにコンビニで関係者を装う男に現金600万円を手渡し、被害総額は1523万円に上りました。AIを使った投資を謳うことで信頼性を演出した典型的な事例です。

（引用：Yahoo！ニュース）

AI暗号資産詐欺の実際の事例

富山県警は、架空の暗号資産「Genio」への投資詐欺容疑で会社役員など男6人を逮捕しました。容疑者らはAIを利用して「勝つものだけ投資する」「2〜7％の利益が出る」と謳い、2023年12月から2024年7月までに40代から70代の8人から1600万円あまりをだまし取った疑いが持たれています。全国で数百人、被害総額は数千万円に上るとみられています。

（引用：Yahoo！ニュース）

AI副業スクール詐欺

AI副業スクール詐欺は、「ChatGPTで月100万円稼げる！」「3ヶ月でプロンプトエンジニアリングをマスター！」という謳い文句で高額なスクールやコンサルティングサービスを販売する手口です。

スクールの内容は、無料で公開されているYouTube動画やChatGPTの基本的な使い方程度で、実際に副業で稼げるレベルのスキルは身につきません。

セミナー後に「個別面談」や「Zoom相談」に誘導され、対面や通話という閉じた空間で、期間限定であることを強調し、心理的プレッシャーをかけてその場で契約を迫る という悪質な販売手法が使われています。

AIツール販売詐欺

AIツール販売詐欺は、「月収100万円稼げる特別なAIツール」「世界最新のGPTs6000個が使える」といった謳い文句で、実際には無料ツールと同等か全く機能しない高額なツールやライセンスを販売する手口です。

「世界最新のGPTs6000個」といった大げさな謳い文句に騙されやすく、AI技術について詳しくない人が多いため、情報の非対称性を悪用されています。購入後に「このツールだけでは稼げない」と追加ツールを勧誘されたり、サポートが全く受けられなかったりするのが特徴です。

実際の内容は、ChatGPTやMidjourneyなどの無料で使える基本機能のみで、高額なライセンス料に見合う価値はありません。「高額教材を買わされた」「サブスクだけが課金されていた」などの被害が後を絶たず、特に注意が必要です。

AI副業の詐欺の流れ

この一連の流れで注目すべきは、詐欺師が段階的に心理的なハードルを下げていく巧妙な戦略です。最初のステップでは金銭を要求せず、むしろ「無料の情報提供」という形で接触します。これにより警戒心を解き、「この人は私に利益をもたらしてくれる存在だ」という認識を植え付けます。

しかし、投資額が大きくなった段階で初めて問題が発生します。ここまで来ると「ここで諦めたら今までの投資が無駄になる」というサンクコスト効果が働き、冷静な判断ができなくなります。「あと少し払えば利益を引き出せる」という期待にすがり、さらなる支払いに応じてしまうのです。

どの段階でも「おかしい」と感じた時点で支払いを止め、家族や警察に相談することが被害拡大を防ぐために重要です。

騙される前に！AI副業詐欺の特徴と見分け方

AI副業詐欺には共通する特徴があります。以下のポイントを知っておくことで、怪しい案件を見抜き、被害を未然に防ぐことができます。

特徴①：「簡単」「自動」「すぐに稼げる」を過度に強調

「AIが全部自動でやってくれる！」「知識ゼロでも月100万円！」「1日30分の作業でOK！」

こうした極端な謳い文句を見かけたら、まず疑ってかかりましょう。確かにAIは作業を効率化してくれますが、完全に「何もしなくても稼げる」なんてことは絶対にありません。

dodaの転職サービスによる調査データを見ると、副業の実態が明確に分かります。副業で月収1万円未満の人が全体の約半数（48.1%）を占めており、月収10万円以上稼いでいる人はわずか13.8%に過ぎません。つまり、副業で大きく稼いでいる人は全体の1割程度しかいないのが現実です。

これらのデータから分かるのは、「楽して大金を稼ぐ」ことは現実的にほぼ不可能だということです。「AIを使えば簡単に月収100万円」などと謳う案件は、この現実とあまりにもかけ離れています。「簡単」「自動」「すぐに稼げる」という言葉を過度に強調する案件は、詐欺の可能性が極めて高いと判断すべきでしょう。

特徴②：具体的な作業内容や実績が不明確

「AIツールを使うだけ」「指示に従うだけ」といった曖昧な説明しかされず、具体的な作業内容を理解させずに「指示通りにするだけ」などの言葉でだまそうとします。

正規のビジネスや副業であれば、どのような作業をするのか、どのようなスキルが必要なのか、どのように収益が発生するのかが明確に説明されます。しかし、詐欺案件では技術的な説明がなく「AIを使うだけで稼げる」と主張するだけであることが多いです。

また、「月収○○万円達成！」といった実績画像は簡単に捏造できます。具体的なデータや第三者による確認がない実績は、信用すべきではありません。

特徴③：運営元の情報が不透明で信頼性が確認できない

信頼できるビジネスは、運営元の情報を明確に公開しています。会社名、代表者名、住所、連絡先、特定商取引法に基づく表記などが確認できるはずです。

しかし、詐欺案件では、個人名や住所、メールアドレスが公開されていなかったり、曖昧な情報しか記載されていません。特定商取引法の表記がないケース、または表記はあっても内容が曖昧で実在する住所でない場合もあります。「匿名で安全に稼げる」といった言葉で情報開示の欠如を正当化しようとしますが、これは運営元を隠すための常套手段です。

特徴④：「LINEで詳しく教えます」とDMや個別連絡に誘導する

SNSで接触した後、「詳しい話はLINEで」などと言われ、LINEのグループチャットや個別チャットへ誘導されます。

公開されたSNSプラットフォームから、LINEという閉じられた空間に移動させることで、外部からの監視を避け、被害者を孤立させようとします。LINE登録後は、「限定情報」「無料コンサル」などと称して信頼関係を構築し、最終的には高額商材やオンラインサロン、講座への誘導が待っています。

正規のビジネスであれば、公式サイトやメールなど、透明性のある連絡手段を用います。個別のLINEへの誘導は、詐欺の危険信号と考えるべきです。

特徴⑤：成功体験や口コミが不自然に多く、サクラの可能性

グループ内では、サクラたちが「AIのおかげで利益が出た！」「先生の指示通りにしたら稼げた！」といった成功体験を次々と投稿し、雰囲気を盛り上げます。

本物のコミュニティであれば、成功だけでなく失敗や苦労の話も共有されますし、建設的な議論や質問も活発に行われます。あまりにも「完璧すぎる」成功談には、警戒が必要です。

さらに、「成果保証」「返金保証」を強調して安心させながら、実際には返金条件が実質不可能な仕様（証拠提出義務付け、全てのステップを完了させる必要があるなど）になっている場合もあります。

特徴⑥：稼ぐ前に高額な前払い費用を請求してくる

「AI投資システムの利用料」「専用ツールの購入費」「サポート費用」など、稼ぐ前に数万円から数十万円の前払いを要求されるケースは、詐欺の可能性が非常に高いと言えます。

騙された時の対処法！返金・相談・通報の手順

もし詐欺に遭ってしまった、または遭っている可能性があると気づいた場合でも、諦める必要はありません。

迅速かつ適切な対処を行うことで、被害を最小限に抑えたり、お金を取り戻せる可能性があります。以下の手順に従って、冷静に対応しましょう。

①証拠の保存

詐欺に気づいた瞬間から、証拠の保全が最優先です。証拠がなければ、警察への相談や返金請求が困難になります。

②支払停止

さらなる被害を防ぐため、以下の対応を直ちに行ってください。

③相談窓口や警察への連絡

証拠を保存したら、できるだけ早く専門機関に相談しましょう。一人で抱え込まず、専門家の助けを借りることが重要です。

④返金請求

詐欺被害に遭った場合、お金を取り戻すことは簡単ではありませんが、以下のようにいくつかの方法があります。

安心して始められる！おすすめのAI副業5選

ここまで詐欺の実態について解説してきましたが、一方で本物のAI副業も確実に存在します。詐欺と本物の違いは、「自分のスキルと労働を提供して対価を得る」という健全なビジネスモデルかどうかです。

ここでは、初心者でも安心して始められる、実績のある5つのAI副業を紹介します。これらはすべて自分で作業を行い、正当な報酬を得る副業です。

①AIライティング

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを活用して、ブログ記事、SNS投稿、商品説明文、メールマガジンなどの文章を作成します。AIが生成した文章をそのまま使うのではなく、人間が編集・校正・ファクトチェックを行い、クオリティの高いコンテンツに仕上げることが重要です。

クラウドソーシングサイト（クラウドワークス、ランサーズなど）で案件を受注し、納品した記事数や文字数に応じて報酬を得ます。初心者は1文字1円程度からスタートし、実績を積めば1文字3〜5円以上も可能です。

AIが生成した文章には誤情報が含まれる可能性があるため、必ず事実確認を行いましょう。また、AIの出力をそのまま納品することは禁止されている案件も多いため、必ず人間の手で編集・改善することが必須です。

②AI画像生成・イラスト作成

Midjourney、Stable Diffusion、DALL-E、Adobe Fireflyなどの画像生成AIを使って、ブログのアイキャッチ画像、SNS用のビジュアル、商品パッケージデザイン、キャラクターイラストなどを作成します。プロンプト（AIへの指示文）を工夫することで、クライアントの要望に合った画像を生成します。

ザイン案件を受注したり、作成した画像素材を販売サイト（Adobe Stock、PIXTAなど）で販売したりして収益を得ます。1件あたり数千円〜数万円が相場です。

AI生成画像の商用利用については、各ツールの利用規約を必ず確認しましょう。また、著作権や肖像権に配慮し、実在の人物や著名キャラクターに似た画像は避ける必要があります。

③AI動画編集

Runway、Descript、Adobe Premiere Pro（AI機能付き）などのAIツールを使って、YouTube動画の編集、字幕生成、自動カット、ノイズ除去などを効率的に行います。AIが自動で不要な部分をカットしたり、字幕を生成したりする機能により、作業時間を大幅に短縮できます。

YouTuberや企業から動画編集の依頼を受け、1本あたり5,000円〜30,000円程度の報酬を得ます。編集スキルが高く、複雑な編集ができるようになれば、さらに高単価の案件も獲得できます。

動画編集は需要が高い分野ですが、納期が短い案件も多いため、時間管理が重要です。また、クライアントの要望を正確に理解し、コミュニケーションを密に取ることが成功のカギとなります。

④AI翻訳

DeepL、Google翻訳、ChatGPTなどのAI翻訳ツールを活用して、ビジネス文書、ウェブサイト、製品マニュアル、論文などを翻訳します。AIが初訳を行い、人間が文脈やニュアンスを修正する「ポストエディット」という手法が主流です。

翻訳案件を受注し、文字数や分量に応じて報酬を得ます。英語→日本語の翻訳で1文字5〜20円程度が相場で、専門分野（医療、法律、技術など）の翻訳はさらに高単価です。

AIの翻訳精度は向上していますが、文化的背景や専門用語の理解はまだ不完全な場合があります。特にビジネス文書や契約書などの重要な文書では、人間による丁寧なチェックが不可欠です。語学力がある程度必要な副業です。

⑤AI文字起こし

Otter.ai、Notta、Googleドキュメント音声入力などのAI文字起こしツールを使って、会議の音声、インタビュー、YouTube動画、セミナーなどを文字に起こします。AIが自動で文字起こしを行い、人間が誤字脱字や聞き取りミスを修正します。

文字起こし案件を受注し、音声の長さや難易度に応じて報酬を得ます。1時間の音声で5,000円〜15,000円程度が相場です。専門用語が多い内容や複数人の会話は高単価になります。

AIの自動文字起こしは便利ですが、音質が悪い場合や方言、専門用語が多い場合は精度が落ちます。必ず人間が最終チェックを行い、正確な文字起こしを納品することが求められます。

【FAQ】AI副業詐欺に関するよくある質問

最後にAI副業詐欺について、よくある質問に答えていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

この記事では、AI副業詐欺の実態や最新事例、詐欺を見分けるポイント、対策法、そして本当に稼げるAI副業について解説してきました！

ポイントをまとめると以下のようになります。

AI技術は確かに私たちの仕事を効率化してくれる素晴らしいツールですが、「AIだけで自動的に稼げる」という甘い言葉には要注意です。AI副業で成功するには、自分の知識やスキルとAIを上手く組み合わせることが重要です。

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