各モデルの概要・特徴
比較項目 | GPT-4o | o3 | o1(廃止) | o3-mini | o3-pro |
リリース時期 | 2024年5月13日 | 2025‑04‑16 | 2024‑12‑05 | 2025‑01‑31 | 2025‑06‑10 |
利用可能プラン | 全ユーザー | Plus以上 | × | 全ユーザー | Pro・Team |
対応モード | テキスト・画像・音声・動画のすべての入出力をネイティブに処理 | 主にテキスト(+画像入力)まで対応。音声・動画には非対応 | テキストのみ。推論強化チェーン思考あり。 | 主にテキスト(+画像入力)まで対応。音声・動画には非対応。 | 主にテキスト(+画像入力)まで対応。音声・動画には非対応 |
強み | 汎用対応+高速コスパ | 論理・技術処理重視 | 深い思考処理 | 速度+コスパ | 高信頼性・高精度 |
速度 | ◎/速い | ○/標準 | △/遅い | ◎/速い | △/遅め |
精度(情報・論理) | ○中 | ○高 | ○高 | ○高 | ◎非常に高 |
対話の自然さ | とても自然でEQが高い。肯定を強くする傾向。 | 論理重視で、対話の自然さは中程度。落ち着いた回答が得意。 | 多少堅さ・人間味不足が見られる傾向 | 論理重視で、対話の自然さは中程度。落ち着いた回答が得意。 | 論理重視で、対話の自然さは中程度。落ち着いた回答が得意。 |
弱み | sycophancy(こびへつらい)が強すぎる | 応答が遅い | ×(廃止済みのため) | モダル交差タスクでは使えない | 応答が遅い |
主な利用シーン | 日常使用・マルチモーダル | 高精度分析・プログラミング | 科学・数学・高度な思考型 | 日常技術用途 | 高度な研究・分析用途 |
①GPT 4o | 日常利用やコスパ重視ならこれでOK
GPT‑4oは、2024年5月13日リリースされました。テキスト・画像・音声・動画のネイティブなマルチモーダル対応が最大の特徴で、音声対話では平均320msで応答するなど、人間に近い自然な会話体験を最も実感できるモデルです。
ただし、上記の表にもあるように、こびへつらいが強いという側面があるため、ここだけ人によってはよく思えない人もいると思います。
チャット・画像解析・音声UIや動画を使った説明など、幅広い日常・実務で高速かつコスパよく使いたい場面に最適です。
②o3 | 精度重視の文章生成・プログラミング・分析系など慎重なタスク向け
o3シリーズは、2025年4月に一般公開され、高度な推論能力・技術・論理処理を重視するタスクに強みがあります。
GPQA Diamond(博士レベル科学問題)という生成AIのモデルの性能評価によく使われる専門的な高度なテストでは83.3%、AIME数学では96.7%というデータが公表されています。また、コードベンチ(Codeforces)というベンチマークでは、上位0.2%に相当するスコアです。
テキスト&画像入力に対応し、複雑な推論・文章生成・コード・データ分析など、慎重な思考を必要とするような領域に最適です。
③o1 | ※現在は廃止済み
o1は2024年12月に正式リリースされ、チェーン思考による深い推論ができる先進モデルでした。
しかし、精度・o1の上位モデルのような位置にあるo3が登場したため、すでにchatGPTアプリ上では廃止となっています。
今後は現役で使う場面はなく、歴史的・比較の参考としてご確認ください。
専門家指標から見る各モデルの性能差

上図は、GPT-4o・o3・o1 の各種ベンチマークスコア比較グラフです。
このデータから見ると各モデルの性能には下記のようなことが主にわかります。
- GPT-4o:言語理解(MMLU)では健闘しているが、数学・論理系は弱め。
- o3:全ベンチマークで安定的に高スコア。特に数学(AIME)とコード(SWE-Bench・Elo)で突出。
- o1:旧世代ながら言語理解((MMLU))では検討しているが、全体的に後継のo3モデルには劣る
【実際に検証】同じ質問をして回答を比較
検証①情報要約力の差(正確性+抽象力+構成力)
まず、「長文を的確に要約できるか?」という観点で、情報の正確性や要点を押さえる力と構成力をみてみました。
プロンプトは下記です。
第2次世界大戦について、できるだけ簡単にわかりやすく説明してください(300文字以内)。
それぞれの回答は下記のようになりそんなに変わらないように思いますが、具体的にみてみると、GPT-o4に対してo3には下記の特徴が見受けられると思います。
- 情報が詰まっていてやや硬い表現
- 戦後の国連創設・冷戦構造まで含めてその後の歴史的影響にも言及
- ホロコーストや被害の種類など若干の具体性が強い
GPT‑4o の回答

o3 の回答

検証②論理思考力(推論・数学)
次に、「条件に基づいて筋道の通った答えを出せるか?」という観点で「考える力」を比較してみます。
⚪︎プロンプト
問題:
太郎・花子・次郎の3人がレースに出ました。順位はすべて異なります。
太郎は花子よりも早くゴールしましたが、次郎よりは遅くゴールしました。
このとき、1位・2位・3位は誰か?理由もあわせて説明してください。
もちろんこのレベルの問題であればどちらも正解しますが、GPT-4oは自然で簡潔な表現、o3は構造化された論理の丁寧さがあることが見受けられます。
GPT‑4o の回答

o3 の回答

検証③ 自然対話力(文章のトーン・共感性)
次に、自然な言葉づかい、やさしさ、共感表現の豊かさを検証・比較してみます。
⚪︎プロンプト
最近仕事で失敗して落ち込んでいます。気持ちを前向きにできるような励ましの言葉をください。
GPT‑4oの方が肯定しながら柔らかく感情に寄り添うような表現で、o3は前向きな指針を論理的に示すような励ましでした。もちろんこの質問については、GPT‑4oにプロンプトを追加すればo3のような回答が生成されることも十分に可能だと思います。
イメージとしては感情を和らげたいなら4o、論理的に安心したいならo3と言う感じで使い分けてもいいかもしれません。
GPT‑4o の回答

o3 の回答

実際に筆者が使ってみて感じる性能差と使い分け方
実際にGPT‑4oとo3の両方を普段から使い比べてみて、はっきりとした性能の違いは複雑かつ高度なタスクで顕著だと感じます。
個人的な使い分け型として、GPT-4oはスピード感と自然な会話力が抜群。雑談、要約、ライトな創造タスクでは迷わずこちらを選びます。
また、共感性のある文章や人間らしい励ましが必要なときはGPT-4oの出力が心に刺さることが多く、感情を動かす表現力でも差を感じました。
一方で、o3は明らかに論理的な構成や情報の正確さに強く、難解な推論やコード生成には安心して任せられる印象です。
【参考】GPT各モデルの進化年表(GPT-3 → GPT-4 → o1 → o3)
モデル名 | リリース日 | 特徴(一言コメント) |
---|---|---|
GPT‑3 | 2020年5月29日(API β版:6/11) | パラメータ1750億、2020年にAI革命の火種となった大規模モデル。幅広い自然言語生成に対応。 |
GPT‑3.5 | 2022年3月15日(davinci)/11月30日(turbo) | GPT‑3の対話最適化版。「chat‑turbo」登場でコスパと応答性が大幅向上。 |
GPT‑4 | 2023年3月(Plus提供開始) | わかりやすく正確な出力が可能。GPT‑3.5に比べて深い理解力と多様性に優れる。 |
GPT‑4o | 2024年5月13日(+mini版7/18) | テキスト/画像/音声/動画をネイティブ処理。高速・安価な万能モデル。 |
o1 | プレビュー:2024年9月12日/正式版:2024年12月5日 | チェーン思考で深い推論。科学・数学・コード処理に特化。現行o3に置き換えられ廃止済。 |
o3-mini | 2025年1月31日 | o1を軽量化したバージョン。性能重視ながら速度・コスパを意識したモデル。 |
o3 | 2025年4月16日 | o1の後継。複雑な思考・推論・コード解析に強く、現時点の最高思考モデル。 |
o3‑pro | 2025年6月10日 | o3の上位版。信頼性・思考力をとことん高めたモデル(ただし速度は抑え気味)。 |
【注意】性能が高い = 情報の正しさの精度が上がるわけではない
ChatGPTのモデルは年々進化しており、GPT-4oやo3などは文章生成の自然さや論理構成の精度が非常に高くなっています。
しかしここで注意しておきたいのは、「モデルの性能が上がったからといって、出力される情報の正しさが保証されるわけではない」という点です。
たとえば、もっとも高性能なモデルであっても、
- 誤った前提で答えを生成することがある
- 実在しない事実(いわゆる“ハルシネーション”)を自信たっぷりに話すことがある
- 古い情報や一般化しすぎた説明をしてしまうことがある
といったケースは、今でも完全には防げません。
つまり、説得力のある文章 ≠ 正しい情報 です。
ChatGPTは「正しい答えを出す機械」ではなく、「それらしく答える言葉のプロ」。
使いこなすには、“信用しすぎず、でも上手に頼る”距離感がとても重要です。
まとめ:とりあえず4oを使えばOK!複雑なタスクはo3に!
GPT-4oは無料でも使える上に、文章生成の自然さ・スピード・マルチモーダル対応まで揃った“万能型”。日常的な利用やちょっとした調べ物には、これだけで十分すぎる性能です。
ただし、複雑な推論が必要な課題やコード・データ分析などの精度が求められるタスクでは、やはりo3に軍配が上がります。
とくに「間違えたくない仕事」や「深い構造を考える作業」では、思考の深さと安定感のあるo3が頼りになります。
情報を知るだけではなく、実際に使ってみることがいちばんの近道です。ぜひ今すぐ自分自身で使ってモデルごとの差を体験してみてください。
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