2024年8月20日、ソーシャルメディアプラットフォームXが、ブラジルでの事業を突如閉鎖したことが明らかになりました。この決定は、ブラジル最高裁判所のアレクサンドル・デ・モラエス判事との対立が激化したことが原因とされています。
事態の経緯
今回Xがブラジルから撤退した経緯としては、以下の通りです。
- 検閲命令の発行：デ・モラエス判事は、偽情報拡散の疑いがあるアカウントのブロックをXに命じました。
- Xの対応：Xは一部のブロックされたアカウントを再開させました。
- 裁判所の反応：デ・モラエス判事は、Xに対して1日あたり10万レアル（約1万9774ドル）の罰金を科し、さらに法定代理人の逮捕を示唆する「秘密命令」を出したとされています。
- Xの決断：Xは従業員の安全を理由に、ブラジルでの事業を即時閉鎖することを決定しました。
イーロン・マスク氏の反応
Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、この事態に強く反発しています。
- マスク氏はデ・モラエス判事の行動を「民主的な政治とは相容れない」と批判しました。
- 「モラエス氏が退任する必要があることに疑問の余地はない」とXに投稿しました。
- この決定は「困難」だったが、「要求に同意した場合、恥ずかしく思わずに自分たちの行動を説明することは不可能だった」と述べています。
影響と今後の展開
今回の問題による社会的な影響と、今後の展開は以下の通りです。
- ユーザーへの影響：Xは、ブラジルのユーザーは引き続きサービスを利用できると述べていますが、一部で不安定な状況が報告されています。
- 従業員への影響：ブラジルのX事業所で働いていた約30人の従業員が解雇されたと報じられています。
- 法的問題：デ・モラエス判事は、司法妨害などの容疑でマスク氏を捜査対象としています。
- 言論の自由と法規制のバランス：この事態は、ソーシャルメディアプラットフォームにおける言論の自由と、偽情報対策のための法規制のバランスに関する議論を再燃させる可能性があります。
この問題は、グローバル企業と各国の法規制の関係、そしてデジタル時代における言論の自由の在り方について、重要な問いを投げかけています。今後の展開に注目が集まっています。
