最先端のAI技術が日常業務やビジネスプロセスに革命をもたらす中、OpenAIの「GPTs」という新しい機能が注目を集めています。
早速、使ってみて実際にGPTを作ってみた人もいるのではないでしょうか?他にもまだ作ってみたくても詳しい使い方が分からない人もいるのではないでしょうか?
この記事では、実際にGPTを作成して実務にも応用している筆者がGPTsの解説からGPTの作り方やどういったことができるのかも徹底解説します。
「GPTs」とは、ChatGPTを目的に合わせてカスタマイズできる機能
GPTsは、OpenAIが提供する新機能であり、ChatGPTを特定の目的に応じてカスタマイズするための機能です。
このシステムは、自然言語処理の最先端技術を活用しており、OpenAIDevDayでの発表で注目を集めました。ユーザーはAPIを通じて、GPTsを自分のニーズに合わせて調整できます。
これにより、さまざまなビジネスシーンや日常生活の中の作業などを効率化することができます。
GPTsはChatGPTPlusの料金のみで利用可能
GPTsを利用するには、ChatGPTPlusのサブスクリプションに加入する必要があります。つまり月々20ドル(約2,900円)で加入者はGPTsの全機能にアクセスすることができます。
サブスクリプションにしてはやや値段がかかりますが、3000円弱でChatGPTのGPT4やプラグインが使えるだけでなく、自分専用のGPTを作成して業務効率化ができるようになるため、コスパはとても良いです。
そのため、業務効率を図りたい方はぜひ加入することをオススメします。
GPTsにできることは大まかに3つ
新機能であるGPTsにできることは大きくて分けて3つです。以下で詳しく解説していきます。
GPTsにできること①:目的に合わせカスタマイズした独自のChatGPTを作成できる
GPTsの主要な機能の一つは、目的別にカスタマイズされた独自のChatGPTを作成することです。
ユーザーはGPTsに搭載されている自然言語処理の技術を利用して、ウェブ検索、画像作成、データ分析などの特定のタスクに特化したChatGPTをデザインし作成することができます。
これにより、ユーザーは個別のニーズに応じた、より効率的で精度の高い応答が可能となるGPTを作成可能になります。
また、使い方も簡単でGPTを作成するにあたってコーディング技術も不要でプログラミングの知識やAI作成に関する技術が無くてもGPTを作成することができます。
それによりビジネスや研究、日常生活での応用が想定され、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズの幅が広がっています。
GPTsにできること②:開発したGPTsを他ユーザーと共有できる
GPTsのもう一つの重要な特徴は、開発したカスタマイズされたChatGPTを他のユーザーと共有できることです。
作成したGPTsを共有することで組織内での業務効率化が促進されるだけでなく、GPTStoreを通じて広く一般公開することも可能になります。
この共有機能により、他のユーザーが利用できるのはもちろん、既存のGPTをより改善しようとする動きが生まれて、より高機能のGPTがユーザー達によって改善される形で生まれてきます。
またGPTs stoerでは作成したGPTsを販売することができ、収入を得ることもできるようになります。
GPTsにできること③:外部APIとの連携ができる
GPTsのもう一つの重要な機能は外部APIとの連携です。
この機能を使えば、ユーザーはカレンダーやメールなどの外部ツールとGPTsを組み合わせて使用することができます。これにより、業務の効率化が大幅に進みます。
例えば、カレンダーとの連携によって、予定の自動管理が可能になり、メールとの連携を通じて、よりスムーズなコミュニケーションが実現します。
また、データの送信可否の選択も行えるため、プライバシーやセキュリティに関する懸念も最小限に抑えることができます。
このように、GPTsは外部ツールとの連携を通じて、より幅広い用途での利用が可能になります。
GPTsの基本的な使い方
GPTsを利用するための基本的なステップは「Create」と「Configure」の2つです。
まず「Create」では、ユーザーは自然言語で入力し、どのような機能を作りたいかを指定します。この作り方だと複雑なコーディングの必要はなく、直感的な操作でカスタマイズが可能です。
次に「Configure」では、ユーザーが必要とする機能を選択します。
これには、WebBrowsing、DALL-E3、CodeInterpreterなどがあり、ウェブ検索、画像作成、データ分析といった多様な機能を組み合わせることができます。
この2つのステップを通じて、ユーザーは自分だけのGPTsを簡単に構築することが可能になります。
以下では「Create」「Configure」の使い方をそれぞれ解説していきます。
GPTsの基本的な使い方:CreateでGPTを作る
「Create」ステップでは、ユーザーは自然言語を使用して、必要な機能に関する指示を入力します。
使い方はとても簡単で特別なコーディングスキルは必要なく、テキストを入力するだけで理想のGPTを作成することができます。
ユーザーは、自分の要件を簡単にGPTに落とし込むことができ、どのような機能を作りたいのかについて、GPTsは目的に合った機能を作成してくれます。
GPTsの基本的な使い方:Configure
「Configure」ステップでは、ユーザーはGPTsに追加情報を提供し、必要な機能を選ぶことができます。
この段階では、ウェブ検索、画像作成、データ分析など、特定の用途に合わせた機能を組み合わせることができます。
例えば、WebBrowsing機能を使えば、インターネット上の情報を検索し、DALL-E3を使えば、特定の指示に基づいた画像を生成することが可能で、CodeInterpreterを活用すれば、コードの解釈や修正が簡単に行えます。
このように、「Configure」を通じて、ユーザーは自分のニーズに合わせた多様な機能を組み込むことができ、GPTsを多様なシナリオに適用可能な強力なツールにしています。
この「Configure」を使った作り方により、GPTsはそれぞれのユーザーの独自の要望に合わせてカスタマイズされたGPTを作成することが可能になります。
実際にGPTsを作成してみた
作成におけるプロセスでは、まず「Create」ステージで基本的な構造と目的を定義し、次に「Configure」ステージで具体的な機能を追加していきます。
この手順を踏むことで、個人や組織の具体的なニーズに合わせたカスタマイズされたGPTを作成することが可能になります。
そこで今回は、「ラーメン愛好家のためのGPT」というテーマで作成してみました。
このGPTは、特定の地域や好みに基づいて、ユーザーに最適なラーメン店をフレンドリーに提案してくれます。
例えば、このGPTを使ったユーザーは、「東京都新宿区のラーメン屋」と入力すると、新宿区内のおすすめラーメン屋をいくつか提案してくれます。
これにより、ラーメン愛好家は新しいお店を発見する楽しみを得ることができます。
「GPTs」の5つの特徴やメリットとは
以下ではGPTsの特徴やメリットを解説していきます。
特徴・メリット①:ノーコードで作成できる
GPTsの一番の魅力は、ノーコードでオリジナルのAIを作成できる点です。
GPTBuilderを使用することで、プログラミング知識がなくても、直感的なインターフェースを通じて独自のGPTを設計できます。
これにより、プログラミング技術が無くても自分のアイデアやビジネスニーズに合わせたカスタムGPTを簡単に構築できるようになり、AIの活用範囲が大きく広がります。
ノーコード開発のおかげで、AI技術へのアクセス障壁が低減され、多くのユーザーにとって手軽なツールになります。
特徴・メリット②:開発費や利用料金などのコストを抑えられる
GPTsを利用する際のもう一つの大きなメリットは、利用料金の手頃さです。
GPTBuilderを用いることで、本来かかるはずだったAI開発にかかる費用を約3000円と大幅に節約できます。
特に、月額20ドルという手頃な料金設定は、個人にとってだけで無く企業が導入するにあたってとてもコスパが良い料金設定となっています。
特徴・メリット③:開発に要する時間が短く済む
GPTsの利用において、開発時間の短縮も大きな利点です。GPTBuilderを使用すれば、数十分という短い時間でカスタマイズされたGPTを構築できます。
また開発時間を短縮することは結果的に人件費や時給も節約できるためにコスト削減にも繋がります。
会社にとって開発時間を短縮できることは大きな利点であり、展開しているビジネスの利益最大化やチーム内の業務効率化に大きく貢献してくれます。
特徴・メリット④:公開範囲選べる
GPTsにおける別のメリットは、GPTBuilderで作成したGPTの公開範囲を選択することができる点です。
ユーザーは「Onlyme」、「Onlypeoplewithalink」、または「Public」のいずれかを選択し、自分のGPTをどれだけ広く共有するかを選択できます。
これにより、プライバシーの保護と共有の範囲をバランスよく選択でき、個人や組織にとって最適な公開設定を選ぶことが可能になります。
特徴・メリット⑤:APIによる外部ツールとの連携が可能
最後の重要な特徴は、GPTsを通じて外部ツールとの連携が可能なことです。
GPTBuilderでは「CustomActions」機能を使用して、様々なAPIとGPTsを統合することができ、この機能により、ユーザーは外部のデータを活用し、より複雑で多機能なカスタマイズを実現することが可能です。
例えば、企業の内部データベースやクラウドサービスとの連携により、業務プロセスの自動化やデータ分析がさらに強化されます。
このように、APIの統合によって、GPTsの応用範囲は大幅に広がり、個人から大企業まで幅広いユーザーにとって価値のあるツールとなります。
GPTsでできることや活用事例5選
以下ではGPTsで実際にできることやGPTsの活用事例を紹介していきます。
GPTs活用事例①:3D animation creator
GPTsの革新的な応用例として、「3Danimationcreator」が注目されています。
このツールは、写真をアップロードするだけで、その写真を3Dイラストに変換し、短編ストーリーを作成することができます。
特に、Runwaygen-2との組み合わせにより、ユーザーは自分のペットを主人公にした動画を簡単に作成できるようになります。
この技術は、アニメーション制作の障壁を下げることに貢献しています。
GPTs活用事例②:取説GPT
「取説GPT」は、家電製品の取扱説明書を読み込ませることで、取扱説明書を元にその製品に関する質問に答えることができるGPTsの応用例です。
ユーザーはPDF形式の取扱説明書をアップロードするだけで、製品の操作方法や故障した際のアドバイスなどを受けることができます。
この技術は、日常生活における利便性を高め、新しいAI活用となっています
GPTs活用事例③:プラポリチェッカー
「プラポリチェッカー」は、プライバシーポリシーのテキストをアップロードするだけで、個人情報保護法に基づく記載事項の有無や、推奨される記載事項のチェックを行うGPTsの応用例です。
このツールは、プライバシーポリシーの法的な正当性を迅速に分析することができるため、ウェブサイト運営者や法務担当者にとって貴重なリソースとなります。
サクサクと動作し、ユーザーが使いやすいGPTを提供することで、法的コンプライアンスの遵守を容易にします。
GPTs活用事例④:データサイエンティスト検定の問題を出題してくれるGPTs
データサイエンスの分野での資格取得を目指す人々にとって、実践的な問題を提供してくれる「データサイエンティスト検定問題出題GPTs」は大きなサポートとなります。
このツールは、実際の検定試験に類似した問題を出題し、受験者が試験準備を効率的に進めることを可能にします。
ズラたーんを利用することで、学生は試験勉強や資格の勉強をより効率的にすることができ、結果も保証されるでしょう。
GPTs活用事例⑤:Zapierとの連携によるスケジュールの設定
GPTsは、Zapierとの連携を通じて、Googleカレンダーへのスケジュール設定やダブルブッキングの防止、メールの自動送信など、日常業務の自動化に大きく貢献してくれます。
このAPI統合により、ユーザーは手間のかかるスケジュール管理やコミュニケーション業務を効率化し、より重要な業務に集中することが可能になります。
GPTsとZapierの連携は、業務の自動化と効率化を兼ね備えたツールになることでしょう。
作成されたGPTsは「GPTStore」上で公開される
OpenAIが提供する「GPTStore」は、ユーザーが開発したGPTsを公開し、共有するプラットフォームです。
ここでは、多様なGPTsが展示され、利用者数に基づいて開発者に報酬が支払われるシステムが採用されています。
GPTStoreを通じて、開発者や企業は作成したGPTを共有し、他のユーザーからのフィードバックや収益を得ることができます。
しかし、現在はOpenAIのCEO解任などの騒動により11月にリリースされる予定でしたが、1月に延期されています。
まとめ:新機能「GPTs」を使いこなして業務効率化を進めよう
新機能「GPTs」は、ビジネスや日常生活における業務効率化の強力なツールです。
ノーコードでの作成、低コスト、開発時間の短縮、公開範囲の選択、外部APIとの連携など、多様な特徴とメリットを持ち合わせています。
これにより、ユーザーは特定のニーズに合わせてカスタマイズされたChatGPTを簡単に作成し、他のユーザーと共有することが可能になります。
また、外部APIとの連携により、既存のツールやプラットフォームとの統合が容易になり、業務プロセスの自動化や効率化が一層進むことになるでしょう。
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