ChatGPTで論文作成は可能?作成のポイントから注意点まで徹底解説!

ChatGPT

卒業論文や修士論文、レポートなどを作成する際、アイデアが出てこなくて困っている、文章を書こうとしてもなかなか手が進まないという人は多いのではないでしょうか。

ChatGPTは、そのような時にも活用可能です。この記事では、ChatGPTで論文作成ができるのかどうかを解説しています。

また、使用するにあたっての注意点や他の生成AIとの比較なども行っているため、ぜひ参考にしてください。

監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

生成AIの進化は速く、日々新しいAIツールが登場しています。「ツールが多すぎて、どれを使えばいいか、わからない」といった悩みもあるでしょう。

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ChatGPTは論文作成に使えるのか?

ChatGPTは、論文作成に活用可能です。具体的には、以下のような作業をする際にChatGPTを使用できます。

  • アイデア出し
  • 論文要約
  • 解説
  • 翻訳
  • 校正
  • 査読

例えば、自分がどういった研究に興味があるのかを伝えると、具体的なテーマを提案してくれます。そこから研究計画書を作成し、実際の研究を行ったうえで論文を執筆するといった形です。

また、論文作成にあたっては、先行研究の確認が必要不可欠ですが、この時にもChatGPTは役立ちます。具体的には、論文をChatGPTにアップロードしたうえで「要約して」と指示を出すことで研究の背景や理論、研究方法、結論などをわかりやすくまとめてくれます。

もし要約してもらった内容が分かりにくい場合は「分かりやすく解説して」と指示を出せば、理解しやすい表現で解説してもらうことも可能です。

論文の多くは日本語ではなく英語で執筆されているため、英語から日本語にして読みたいといった時にもChatGPTで翻訳してもらえます。また、日本語で作成した論文を英語に直してもらうといったことも可能です。

そのほかにも、作成した論文で文法的に間違っている部分や表現がわかりにくい部分などがないかチェックしてもらい、必要に応じて修正案を出してもらうこともできます。

近年では、ChatGPTを査読に活用できるかといった議論も出てきているようで、今後さらに活用範囲が広がることも予想されます。

GPTを使って論文を作成するメリット

ここではChatGPTを使って論文作成を行うメリットを紹介します。なぜChatGPTを使うのか、どういった場面で使えばいいのかといった点を知りたい方はぜひ参考にしてください。

違和感のない英語論文を作成できる

ChatGPTは英語論文の作成に活用可能です。

英語の論文を作成する際に、翻訳機を使って英訳したり和訳したりする人もいるかもしれませんが、ネイティブから見ると違和感のある表現や、論文に適していない語調になることもあります。

一方で、ChatGPTであれば、「論文調で書いて」と指示を出すことで、論文に適した表現で作成してくれます。

また、文法的におかしなところがないか、ネイティブが違和感を持つ表現がないかといったチェックも行えるため、より自然な言い回しの論文を作成できるでしょう。

これによって英文校正作業の負担も軽減されます。

時間がない時などにさっと論文の内容を確認できる

ChatGPTを活用すれば、論文の内容を時間をかけずにさっと確認できます。

論文作成にあたっては、先行研究をしっかりとチェックする必要がありますが、膨大な数の論文を1つずつ読んでいると時間がかかりすぎてしまいます。

そのような時にChatGPTを使って各論文を要約してもらえば、先行研究を一通り把握することが可能です。そのうえで「これは読み込んだ方が良さそうだ」という論文があれば、自分で一から読み込むといったやり方にすることで、時間を効率よく使えます。

特に忙しくて時間がない、扱う先行研究の数が膨大といったときなどに役立つでしょう。

論文作成にChatGPTを活用するポイント

ここでは、ChatGPTを論文作成に使用する際に押さえておきたいポイントを紹介します。実際の使用を検討している方はぜひ参考にしてください。

テーマ・リサーチ段階で使う

論文作成でChatGPTが役立つ場面の1つが、テーマの設定やリサーチを行う段階での使用です。

例えば、論文テーマのブレストや壁打ちにChatGPTを使用することで、ぼんやりとしていたテーマを具体化することができます。

Deep Researcを使って先行研究では何がわかっていて、どういった研究が不足しているのか、といった情報を詳細にまとめてもらうことも可能です。

最終的な論文のテーマや研究内容は自身で決める必要がありますが、アイデアを出してもらうという意味ではChatGPTの活用は効果的だといえます。

なんとなくイメージはあるものの、具体的になっていないといった人は、ぜひChatGPTを活用してみてください。

構成案をChatGPTに考えさせる

論文の構成案をChatGPTに考えてもらうことも可能です。

論文の場合、導入文、研究の背景、目的、先行研究の整理、理論の説明、研究手法、結果、結論と大まかな項目自体はほとんど同じですが、細かい内容は論文によって異なります。

ChatGPTは、各項目にどういった内容を書くのか、項目の順番はどうするのかといった点を整理する際に活用できます。

各項目の内容を箇条書きでまとめてもらい、論理的につながりがあるかどうかを確認できるのはもちろん、自分がどういった情報を収集すればいいのかを把握できるため、書き出しで悩んでいる人にとっては作製の足掛かりといえます。

表現の改善・英文の言い換えに使う

自分で作成した論文の表現を改善する際にも、ChatGPTは活用可能です。

例えば、文章を書いたものの、いまいちしっくりときていないといった場合「この文章を学術的にしてほしい」や「もっとわかりやすく説明したい」と指示を出すことで、文章の改善案を出してくれます。

これは英語論文を作成するときにも活用できる方法です。英語の文章を示したうえで「この表現であっているかチェックしてほしい」「ネイティブにとって違和感がないか知りたい」と指示を出して改善してもらいます。

論文の場合、意味はあっていても、アカデミックに適した表現になっていないと不自然に感じられるケースもあるため、そういった細かいニュアンスの部分をChatGPTに確認してもらってください。

文献チェックは必ず人間が行う

ChatGPTを使えば、研究に関連する文献を提示してもらうことも可能ですが、提示された文献は必ず自分の目で確認してください。

これは、ChatGPTでは、ハルシネーション(事実と異なる情報を生成すること)によって存在しない文献を回答として提示するケースがあるためです。

それらしいタイトルの文献を提示していても、実際に調べてみるとそのような論文は存在していない、DOIも間違っているといったケースは少なくありません。

ChatGPTに先行研究を洗い出してもらうこと自体は悪いことではありませんが、提示された論文が本当に存在しているのか、といった点は必ず確認してください。 

最終的なアウトプットは必ず自分の言葉で

論文作成にChatGPTを活用すること自体は可能ですが、最終的なアウトプットは必ず自分の言葉で書くようにしてください。

全てをChatGPTに作成してもらうと、自分自身の理解が不十分なままで論文を作成することになりかねません。そうなると、その後の学会発表や論文投稿の際にうまく説明できなくなるなど、困ってしまう恐れがあります。

ChatGPTはあくまでも補助ツールであるという認識を持ち、表現や構成を考える際に活用する程度にとどめておくことをおすすめします。

論文作成で使えるChatGPTプロンプト例

ここでは論文作成の際に活用できるChatGPTのプロンプトの例を紹介します。論文作成の各作業で役立つものであるため、ぜひ活用してみてください。各プロンプトは以下のとおりです。

テーマ選定・アイデア出し

○○学の観点から、××をテーマに論文を書く場合、独自性のある研究課題を3つ提案してください

論文構成作成

『○○』というテーマで論文を書くとき、序論・本論・結論の章構成案を論理的な流れで提示してください

校正

以下の文章で、冗長な言い回しや意味が曖昧な部分があれば教えてください。読み手に誤解を与えないように、より明確で簡潔な表現に直してください。
以下の文章について、論理の飛躍がないか、主張が明確かをチェックしてください。

プロンプトの例はこれだけではなく、さまざまな形があるため、自分でも試行錯誤しながらどういった指示を出すとどういったアウトプットになるのか確認しながら取り組んでみてください。

ポイントは、「経済学の観点で〜」「社会学の観点で〜」「○○をテーマとして〜」など具体性を持たせて、ChatGPTが検討する範囲を絞ることです。

ChatGPTで論文を作成する際の注意点

ここではChatGPTを論文作成に使用するにあたって注意するべき点を紹介します。ChatGPTは便利なものですが、頼りすぎてしまうと後々のトラブルにもつながりかねないため、ぜひ参考にしてください。

論文を丸ごと書かせることはしない

先ほども説明しているように、論文のアウトプットは自分で行う、つまり論文を全てChatGPTに書かせることはしないでください。

これは、ハルシネーションによって誤った情報等が含まれる可能性があるためです。ChatGPTが作成した文章は一見するとそれっぽく見えるかもしれませんが、実際に細かい部分をチェックすると、矛盾している部分があったり、定義が間違っていたりすることが少なくありません。

また、自分の主張や根拠が不明確なまま、ChatGPTに論文を作成してもらうと、自分でも何が言いたいのかわからないものになってしまいます。

AIの使用が禁止されているかどうか確認する

大学や学会によって、ChatGPTをはじめとしたAIの論文作成使用に対するルールが定められているケースもあるため、必ず事前に確認しておきましょう。

一切使えないケースもあれば、明記したうえで利用できるケースもあるなど、ルールはそれぞれ異なります。AIが禁止されているにもかかわらず使用してしまうと、剽窃とみなされる可能性もあるため注意してください。

基本的には補助役として活用する

ChatGPTを論文作成に活用したい場合、あくまでも補助役であると認識して使用することをおすすめします。このように認識することで、ここで挙げたような注意点を回避できるためです。

将来AIだけで論文が作成できるようになるかもしれませんが、少なくとも現時点(2025年6月)では、本質的な思考や判断、論証は人間の手で行うべきだといえます。

【Gemini vs ChatGPT】論文作成に向いているのは?

論文作成に使用できる生成AIはChatGPTだけではありません。例えば、Googleが展開するGeminiも活用可能です。ここではそれぞれのAIに論文をPDFで読み込ませて、どちらが論文作成に向いているのか検討してみます。

それぞれのAIで同じ論文を同じプロンプトで要約してもらいました。

それぞれのアウトプットは以下の通りです。

ChatGPT

Gemini

画像には載っていませんが、ChatGPTは大まかな内容を説明したうえで「必要であれば、各章の要点をさらに詳しく分解して整理することも可能です。希望があればお知らせください。」としています。そのため、全文処理をするにあたっては、章ごとに分割して対応する必要があります。

一方のGeminiは、目的・背景から、研究における重要な要素の定義、主要な発見、結論などがコンパクトにまとめられています。

どちらが優れていて、どちらが悪いというものではなく、使用する個人の好みによる部分もあるため、一概には言えませんが、Geminiの方が論文を説明してもらうという意味では使いやすいと考えられます。

まとめ

今回は、ChatGPTを論文作成に使用できるのかどうかについて解説しました。この記事のポイントは以下の通りです。

  • ChatGPTは論文のアイデア出しや構成作成、校正、要約、論文翻訳、解説などさまざまな形で使用できる
  • ただし、ハルシネーションの影響で情報が不正確なこともあるため、作成を丸投げすることはしない
  • あくまでも補助役として活用するのがおすすめ

今回の内容を参考に、ChatGPTを論文作成に活用してみてください。

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