会議や講演、インタビューの内容を正確に記録することは重要ですが、時間と労力がかかるものです。しかし、AIの進化により、この作業が劇的に変わろうとしています。
ChatGPTを活用すれば、文字起こしから議事録作成、さらには要約や校正まで、驚くほど簡単かつ効率的に行えるようになりました。
本記事では、ChatGPTを使ってこれらの作業を効果的に進める方法を詳しく解説します。文書作成の負担を軽減し、生産性を大幅に向上させたい方は必見です!
ChatGPTとは
ChatGPTとは、「Open AI」が開発した人工知能チャットボットです。チャット形式で質問を投げかけることで、人間のような自然な言語で回答してくれます。
その回答精度の高さから、2022円の11月に公開されて以降、2ヶ月で利用ユーザーが一億人を突破しています。
- 翻訳・要約
- 文章作成
- プログラミング
- 画像生成
などの機能があり、アップデートのたびに新しい機能が追加されています。
開発元の「Open AI」は、マイクロソフトから1兆円以上の出資を受けており、世界で最も注目されている企業といっても過言ではありません。
※ChatGPTのインストール方法や登録方法については、以下の記事で解説しています。
ChatGPT単体で音声データの文字起こしはできない
2024年8月現在、無料で利用できるウェブ版ChatGPTには、音声を直接テキストに変換する機能は搭載されていません。一方、有料版やスマートフォンアプリでは音声入力が可能です。ただし、これは即時的な変換であり、長時間の会話や会議をリアルタイムで文字に起こすことはできません。
また、現時点では、ChatGPTのどのバージョンにおいても、音声ファイルや動画ファイルをアップロードして自動的に文字起こしを行う機能は提供されていません。しかし、最近のGPT-4の発表では、マルチモーダル機能の拡張が示唆されており、将来的にはこのような機能が追加される可能性があります。
そのため、既存の音声や動画データをChatGPTで活用したい場合は、まず別のツールを使って文字起こしを行い、その結果をChatGPTに入力する必要があります。その上で、要約、校正、議事録作成などの作業を指示することができます。
※2024年5月に発表された「GPT-4o(オムニ)」については、以下の記事で解説しています!
ChatGPT×Whisperでの音声の文字起こしも可能
ChatGPTの親会社であるOpenAIは、音声認識技術の分野でも革新的な取り組みを行っています。その一つが「Whisper」と呼ばれる音声認識エンジンです。このツールを利用すれば、様々な音声ファイルからテキストへの変換が可能になります。
対応しているファイル形式は以下の通りです。
- m4a
- mp3
- mp4
- mpeg
- mpga
- wav
- webm
ここからは、ChatGPTとWhisperを使って音声データを文字起こしする方法を2つの方法で解説していきます!
①NotesGPTを使う方法
まずは、「NotesGPT」というツールを使う方法をご紹介します!
①こちらにアクセスし、「Get Started」をクリック
②アカウントを作成する(お持ちのGoogleアカウントorメールアドレス)
③中央下にある「Record a new voice note」をクリック
すると、録音ボタンが表示されます。
④録音を開始、終了する
録音が完了すると、文字起こしした内容が出てきます!
「Summary」に切り替えると、要約もしてくれますよ。
⑤保存する
文字起こしの最終段階では、生成されたテキストの品質を高めるために人間の目で確認し、必要に応じて調整を行うことが重要です。この過程でChatGPTを活用すると、より効率的に文章の推敲や修正ができるでしょう。
テキストの完成度が満足いくレベルに達したら、適切な形式で保存し、関係者間で共有できるようにします。これにより、会議の内容を正確に記録し、後から参照しやすい形で管理することができます。
この一連のプロセスを踏むことで、追加コストをかけずに、高品質な会議録を作成することが可能です。AIと人間の判断を組み合わせることで、効率性と正確性を両立させた文字起こしが実現できるのです。
②Google Colaboratoryを使う方法
続いてはGoogle Colaboratoryを使う方法です。
⓪音声データを用意する
この際ノイズが少ない方が正確な文字起こしができます!
①Google Colaboratoryの環境を設定する
「ノートブックを新規作成」を押します。
「接続」をクリックし、RAMディスクになっていることを確認しましょう。
コードの入力欄に、
!pip install git+https://github.com/openai/whisper.git
をコピペし、左の「▶」マークをクリックします。
しばらくすると、実行が完了します。
新しくコード入力欄を追加し、
import whisper
をコピペして再度実行します。
これで環境設定が完了です。
③音声データを読み込ませる
⓪で用意した音声データを、左タブのファイルマーク→「Content」からドラッグで挿入します。
アップロードできたら、コード入力欄を追加して
model = whisper.load_model('base')
result = model.transcribe('ファイル名')
print(result['text'])
をコピペし、実行してください。
これでWhisperが文字起こしをしてくれます!
ChatGPTで文字起こしをするほかの方法5選!
続いて、Whisperを使わないChatGPTでの文字起こし方法を5つほどご紹介していきます!
①GPT-4o/GPT-4V
ChatGPTの機能拡張で、2023年9月に新たに導入された「GPT-4V」モデルにより、音声認識機能が追加されましたね。さらに2024年5月には、新たなLLM「GPT-4o(オムニ)」も登場しています。
この更新により、音声入力を直接テキストに変換できるようになり、議事録作成などの業務効率化に大きく貢献することが期待されています。
GPT-4Vの音声認識エンジンには、先ほどご紹介してOpenAIが開発した「Whisper」が採用されています。Whisperは多言語対応の高性能な音声認識モデルで、日本語はもちろん、強い訛りのある方言までも高い精度で文字起こしが可能です。
さらに、音声認識の結果に不明瞭な部分がある場合でも、ChatGPTの言語モデルを活用して文章を洗練させることができます。これにより、より正確で読みやすい文書を作成できるのです!
ただし、この機能はChatGPTアプリの有料サブスクリプションでのみ利用可能で、月額料金は20ドルとなっています。
※GPT-4oやGPT-4Vを使った音声入力の方法は、以下の記事で解説しています!
②YOMEL
アーニーMLG株式会社が提供する「YOMEL」は、議事録作成を革新的に簡素化するアプリケーションとして注目を集めています。このツールの特筆すべき点は、ChatGPTとの統合により、高度な自然言語処理能力を活用している点です。
YOMELの核心技術は、独自開発の音声認識システムと話者識別機能にあります。会議中の発言を個々の参加者ごとに正確に区別しながらテキスト化することで、構造化された読みやすい議事録を自動生成します。
使用方法は驚くほど簡単で、会議開始時に専用ボタンを押すだけで録音と文字起こしが始まります。さらに、自動要約機能やキーワード検索、重要発言のブックマーク機能など、議事録の作成と管理を効率化する多彩な機能を備えています。
YOMELは、会議の頻度や規模に応じて選択できる複数の料金プランを用意しています。各プランで利用可能な文字起こし時間や機能が異なるため、ユーザーのニーズに合わせて最適なオプションを選べます!まずは無料トライアルから始めてみると良いでしょう。
③議事録革命‼ログミーツ
株式会社テクノロジーズが開発した「議事録革命‼ログミーツ」は、ChatGPTと連携したAIボイスレコーダーとして注目を集めています。このツールは、会話の録音から文字起こし、クラウドでの保存まで一連の作業を自動化し、専用エディタを通じて編集や検索、共有を簡便にします。
ログミーツの主な特長は、その卓越した操作性と柔軟な利用形態にあります。使用方法は極めてシンプルで、録音ボタンを押すだけで機能が起動します。複雑な設定は不要で、誰でも直感的に操作できるのが大きな魅力です。
また、ログミーツはモバイル端末とWindowsアプリの2つの形態で提供されており、ユーザーは状況に応じて適切な方法を選択できます。オンライン会議向けのWindowsアプリ版は、主要なビデオ会議ツールと互換性があり、会議の録音だけでなく、スクリーンショットやファイルの保存も可能です。一方、モバイル端末版は、対面での会議や商談に最適で、高品質な外部マイクにも対応しています。
現在、300社以上の企業や自治体でログミーツが導入されており、その実績は着実に増加しています。具体的な料金プランは非公開ですが、興味のある方はまず資料請求やデモ体験から始めることをお勧めします!
④PLAUD NOTE
Nicebuild LLC社が開発したAIボイスレコーダー「PLAUD NOTE」は、ChatGPTとの連携機能を搭載し、革新的な音声処理ツールとして注目を集めています。この製品は、海外のクラウドファンディングプラットフォームで驚異的な支持を得て、当初の目標額を大きく上回る資金を調達しました。
PLAUD NOTEの特徴は、その携帯性と多機能性にあります。クレジットカードサイズで重量わずか30グラム、厚さ3mm未満という極めてコンパクトな設計により、常時携帯が可能です。さらに、Magsafe対応ケースを使用すればスマートフォンに直接取り付けることもできます。
機能面では、OpenAIのWhisperを採用し、57ヶ国語に対応した高精度な音声認識を実現しています。録音された音声は自動的にテキスト化され、さらに会議の要約、ToDoリストの作成、日記形式での記録、マインドマップの生成など、多様な形式で情報を整理することができます。
使用方法も簡単で、電源ボタンを数秒押すだけで録音が開始されます。64GBモデルでは最大480時間の録音が可能で、1回の充電で30時間の連続使用ができるため、長時間の会議や講演にも対応できます。
PLAUD NOTEの購入はiZYRECの公式サイトで可能で、ストレージ容量に応じて2つのモデルが用意されています。ただし、文字起こし機能を利用するには別途月額サブスクリプションが必要です。
⑤YouTube Summary with ChatGPT & Claude
Google Chrome用の便利な拡張機能として、「YouTube Summary with ChatGPT & Claude」が注目を集めています。この無料ツールは、YouTubeの動画コンテンツを効率的に理解したいユーザーにとって非常に有用です。
この拡張機能の主な特徴は、ChatGPTまたはClaudeという先進的なAI技術を活用して、YouTube動画の内容を自動的にテキスト化する能力です。さらに、単なる文字起こしだけでなく、動画の要点を簡潔にまとめる機能も備えています。
Chrome ウェブストアから簡単にインストールできるこのツールは、忙しい現代人のニーズに応えます。動画を全て視聴する時間がない場合や、特定の情報だけを素早く把握したい場合に特に役立ちます。
インターフェースは英語ベースですが、Google翻訳などの補助ツールを併用することで、非英語話者でも比較的容易に操作できます!
ChatGPTに代わる文字起こし可能なAIツール5選!
続いては、ChatGPTに以外にもたくさん便利な文字起こしAIツールがありますので、ご紹介していきます。
①Google:「Gemini」
Googleが開発したAIプラットフォーム「Gemini」は、以前「Google Bird」として知られていたツールの進化版です。このシステムの特徴的な機能の一つに、Google検索結果を統合した回答生成能力があります。
Geminiの注目すべき点は、無料のウェブ版でも音声入力機能が利用可能なことです。この点では、Microsoftの類似ツールと共通していますが、Geminiには独自の強みがあります。
実際の使用テストによると、Geminiは比較的長時間の連続音声入力に対応できるそうです。この特性を活かすと、例えばスマートフォンで再生している音声コンテンツを、Geminiを起動しているPCで録音し、文字起こしを行うといった創造的な使用方法が可能になります!
※詳しくは、以下の記事で解説しています。
②Google:「Googleドキュメント」
Googleが提供する人気のオンラインワープロソフト「Googleドキュメント」には、あまり知られていない機能があります。それは、内蔵の音声認識技術を活用した文字起こし機能です。
この機能は、デバイスによって使用方法が異なります。モバイルアプリ版では、内蔵マイクを使用して直接音声を文字に変換できます。一方、デスクトップ版では、マイクからのライブ入力に加え、コンピューター上で再生中の音声ファイルも認識し、テキスト化することが可能です。
この機能の大きな利点は、音声がリアルタイムでドキュメントに直接変換されることです。これにより、文書作成の効率が飛躍的に向上し、特に長文の作成や会議の記録などで威力を発揮します。
ただし、注意すべき点もあります。Googleドキュメントは音声をテキストに変換するだけで、元の音声データは保存しません。そのため、音声自体を保存する必要がある場合は、別の録音ツールを併用する必要があります!
※詳しくは、以下の記事で解説しています!
③Microsoft:「Copilot」
Microsoftが提供するAIチャットボット「Microsoft Copilot」は、ChatGPTの技術を活用しながら、Bing検索機能を統合した革新的なツールです。このプラットフォームの特筆すべき機能の一つに、無料版でも利用可能な音声入力機能があります。
ユーザーの発言をリアルタイムでテキスト化する能力は、Copilotの強みの一つです。しかし、使用デバイスによって若干の違いがあるそうです。ウェブ版では、入力された音声を短い間隔で自動的に送信する傾向がありますが、スマートフォンアプリ版ではより長時間の連続した音声入力が可能です。
この特性を活かし、PCで再生する音声コンテンツをスマートフォンのCopilotアプリで録音するというオリジナリティーのある使用方法が可能です。この方法を用いれば、より長い音声データの文字起こしを効率的に行うことができます。
※詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
④Rimo Voice
AIを活用した革新的な議事録作成ツール「Rimo Voice」は、音声データを効率的にテキスト化し、さらに要約する機能を提供しています。このツールの特筆すべき点は、リアルタイムでの音声認識だけでなく、既存の音声ファイルや動画ファイルからも文字起こしと要約が可能な点です。
処理速度も驚異的で、1時間分の音声データをわずか5分程度で文字起こしと要約に変換できます。ビジネス環境に適した機能も充実しており、口癖や間投詞の除去、事前登録した専門用語の正確な認識など、高品質な議事録作成をサポートします。
主要なオンライン会議プラットフォーム(Zoom、Microsoft Teams、Google Meet)との連携機能も備えており、遠隔会議の記録作成も容易です。さらに、ISO27017認証を取得しているため、データのセキュリティも確保されています。
料金プランは、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
個人利用料 | 音声:22円/30秒 動画:33円/30秒 |
法人利用料 | 月額:3万円〜 |
ファイル時間制限 | 5時間未満 |
ファイル容量制限 | 音声:1GB以下 動画:3GB以下 |
テキスト編集機能 | あり(要約、ケバ取り、専門用語認識など) |
共有機能 | あり |
※詳しくは、以下の記事で解説しています!
⑤tl;dv
tl;dv(公式サイト:https://tldv.io/ja/)は、「too long; didn’t view」という意味の略称で、長いビデオやオーディオの内容を短く、要点を抑えて要約してくれるツールです。
特に、zoomやGoogle Meetなどのビジネスミーティングの記録、学術的な講義、長時間のプレゼンテーションなどの長いコンテンツを対象にしています。
※詳しくは、以下の記事で解説しています!
ChatGPTで文字起こしを行う際のコツ!
ChatGPTを使って効果的に文字起こしを行うためのコツを3つ紹介します。これらの方法を活用することで、より正確で効率的な文字起こしが可能になります。
コツ①:プロンプトエンジニアリングを活用する
ChatGPTに適切な指示を与えることで、より精度の高い文字起こしが可能になります。以下のようなプロンプトを使用してみましょう!
以下の音声データの文字起こしを行ってください。話者が複数いる場合は、各話者を区別して表記してください。専門用語や固有名詞がある場合は、可能な限り正確に書き起こしてください。また、[不明]というマークを使用して、聞き取れない部分や不確かな部分を示してください。
このようなプロンプトを使用することで、ChatGPTは文字起こしの際に注意を払うべき点を理解し、より詳細で正確な結果を提供できます。
コツ②:音声データを小分けにして処理する
長時間の音声データを一度に処理しようとすると、ChatGPTの性能限界に達する可能性があります。そこで、音声データを5〜10分程度の小さなセグメントに分割し、それぞれを個別に処理することをお勧めします。
この方法により、ChatGPTの処理能力を最大限に活用し、より正確な文字起こしが可能になります。また、作業の進捗も把握しやすくなります。
コツ③:後処理と校正にChatGPTを活用する
文字起こしの初期段階が完了したら、ChatGPTを使って後処理と校正を行うことで、品質をさらに向上させることができます。以下のような手順を試してみてください!
①初期の文字起こし結果をChatGPTに入力し、以下のようなプロンプトを使用します。
この文字起こしを校正し、以下の点を改善してください。
・文法や句読点の誤りを修正する
・話し言葉を適切な書き言葉に変換する
・重複した表現や冗長な部分を整理する
・専門用語や固有名詞の綴りを確認し、必要に応じて修正する"
②ChatGPTが提案した修正を確認し、必要に応じて手動で調整します。
③最後に、修正された文字起こしを再度ChatGPTに入力し、最終チェックを依頼します。
この文字起こしの最終チェックを行い、読みやすさと正確性を確認してください。改善点があれば指摘してください。
この手順を踏むことで、人間の目で見落としがちな細かい誤りも修正でき、プロ品質の文字起こしが完成します。
これらのコツを組み合わせることで、ChatGPTを使った文字起こしの精度と効率を大幅に向上させることができます。ただし、最終的な確認は人間が行うことが重要です。ChatGPTは便利なツールですが、コンテキストや専門知識が必要な場合もあるため、人間の判断と組み合わせることで最良の結果が得られます。
ChatGPTで文字起こしを行う際のプロンプト例
ChatGPTを使って文字起こしを行う際の効果的なプロンプト例を5つ紹介します。各プロンプトの目的と使用方法を詳しく説明します。
例1:基本的な文字起こしプロンプト
以下の音声データの文字起こしを行ってください。
話者が複数いる場合は、各話者を'話者A:'、'話者B:'のように区別して表記してください。
専門用語や固有名詞は可能な限り正確に書き起こし、聞き取れない部分は[不明]と記してください。
このプロンプトは、基本的な文字起こしのニーズに対応します。複数の話者を区別し、専門用語や固有名詞の正確な表記を促します。
また、聞き取れない部分を明確に示すことで、後の確認や編集作業を容易にします。
例2:要約付き文字起こしプロンプト
次の音声の文字起こしを行い、その後に100単語程度の要約を追加してください。
文字起こしでは口語表現をそのまま書き起こし、要約では主要なポイントを簡潔な文章でまとめてください。
このプロンプトは、文字起こしと同時に内容の要約も求めます。長時間の音声データを扱う際に特に有用で、詳細な書き起こしと簡潔な要約の両方を得ることができます。これにより、内容の全体像を素早く把握することが可能になります。
例3:フォーマット指定付き文字起こしプロンプト
以下の音声を文字起こしし、次のフォーマットで整理してください:
①日時:[会議や録音の日時]
②参加者:[話者の名前またはRole]
③議題:[主な議題をリストアップ]
④議事内容:[詳細な文字起こし]
⑤決定事項:[会議で決定された重要事項]
⑥次回のアクション項目:[次回までに行うべきタスク]
このプロンプトは、会議の議事録作成に特化しています。単なる文字起こしだけでなく、構造化された形式で情報を整理することを求めています。これにより、後で参照しやすい、整理された文書を作成することができます。
例4:感情や口調を含む詳細な文字起こしプロンプト
次の音声の文字起こしを行ってください。話者の言葉だけでなく、感情や口調も()内に記述してください。例えば、(笑いながら)、(苛立った様子で)、(小声で)などです。
また、長い沈黙や背景音なども[休止10秒]、[電話の着信音]のように記してください。
このプロンプトは、より豊かで詳細な文字起こしを目指しています。話者の感情や場の雰囲気まで含めた文字起こしは、インタビューやドラマのスクリプト作成などに特に有用です。非言語的な情報も含めることで、音声の内容をより正確に再現することができます。
例5:多言語対応の文字起こしプロンプト
以下の音声には日本語と英語が混在しています。両言語の文字起こしを行い、以下のフォーマットで表示してください。
[原語]: (オリジナルの言葉を文字起こし)
[翻訳]: (他の言語への翻訳)
英語の部分は日本語に、日本語の部分は英語に翻訳してください。専門用語はそのまま残し、[ ]内に簡単な説明を加えてください。
このプロンプトは、複数の言語が使用されている音声データの文字起こしに適しています。原語と翻訳を並べて表示することで、バイリンガルな内容を正確に捉えることができます。
また、専門用語の扱いについても指示を含めることで、正確さと理解のしやすさの両立を図っています。
ChatGPTで文字起こしを活用する方法
ChatGPTを使用して文字起こしを活用する方法について、4つの重要な応用例を詳しく説明します。
①文章の要約
ChatGPTを使用して文字起こしされたテキストを要約することで、長文の内容を簡潔に把握することができます。
要約する際は、以下の注意点を確認しましょう。
- 要約の長さや焦点を当てるべき点を明確に指示することが重要です。
- 自動要約の結果は常に人間がチェックし、重要な情報が欠落していないか確認する必要があります。
②文章の校正
ChatGPTは文字起こしされたテキストの校正にも活用できます。文法ミスの修正から、より自然な表現への改善まで幅広く対応できます。
校正する際は、以下の注意点を確認しましょう。
- ChatGPTの提案をそのまま採用するのではなく、文脈や意図に沿っているか確認することが重要です。
- 専門用語や固有名詞については、人間による最終確認が必須です。
③議事録作成
文字起こしされた会議の内容をもとに、ChatGPTを使って構造化された議事録を作成することができます。
議事録を作成する際は、以下の注意点を確認しましょう。
- 機密情報や個人情報の取り扱いには十分注意が必要です。
- ChatGPTが提案した議事録は、必ず参加者によって確認され、必要に応じて修正されるべきです。
④インタビューの作成
文字起こしされたインタビュー音声をもとに、ChatGPTを使って読みやすいインタビュー記事を作成することができます。
インタビューを作成する際は、以下の注意点を確認しましょう。
- インタビュアーの言葉の真意を歪めないよう、慎重に編集する必要があります。
- 特に重要な引用部分は、原文のニュアンスを保持することが重要です。
- 編集された記事は、可能であればインタビュアーに確認を取るべきです。
AIツールで文字起こしを行うメリット・デメリット
最後に、AIツールで文字起こしを行うメリットやデメリットをご紹介します。
メリット
AIツールを用いて文字起こしを行うことには、多くのメリットがあります。以下に主要な利点を詳しく説明します。
- 時間と労力の大幅な削減:AIによる文字起こしは、人間が手作業で行う場合と比べて圧倒的に速いです。長時間の音声データでも、AIは数分で処理を完了することができます。これにより、作業者は文字起こし以外の重要なタスクに時間を割くことができます。
- 高い精度と一貫性:最新のAI文字起こしツールは、高い認識精度を誇ります。特に、背景ノイズや複数の話者が存在する状況でも、正確に文字起こしを行うことができます。また、AIは疲労することなく一定の品質を維持できるため、長時間の作業でも精度が落ちることがありません。
- 多言語対応:多くのAI文字起こしツールは複数の言語に対応しています。これにより、異なる言語の音声データも効率的に処理することができ、グローバルなビジネス環境での活用が可能です。
- コスト削減:長期的に見ると、AIツールの導入は人件費の削減につながります。特に大量の文字起こし作業が必要な組織にとって、AIの活用は大きなコスト削減効果をもたらします。
- リアルタイム処理:一部のAIツールでは、リアルタイムでの文字起こしが可能です。これは、ライブイベントや会議のサブタイトル作成などに特に有用です。
- データの整理と分析の容易さ:AIによる文字起こしは、音声データをテキストデータに変換することで、内容の検索や分析を容易にします。これにより、大量の音声データから必要な情報を素早く抽出することが可能になります。
これらのメリットにより、AI文字起こしツールは様々な産業や場面で活用されています。ただし、100%の精度を求める場合や、極めて専門的な内容を扱う場合には、AI処理後の人間による確認作業が依然として重要です。
デメリット
AIツールを用いた文字起こしには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの重要なデメリットも存在します。以下に主な課題点を詳しく説明します。
- 精度の限界:最新のAIツールでも、100%の精度を達成することは難しいです。特に以下の状況で誤認識が発生しやすくなります。これらの状況下では、人間による確認と修正が必要になることが多く、完全な自動化は困難です。
- 背景ノイズが多い環境
- 話者の発音が不明筭な場合
- 方言や独特なアクセントの使用
- 複数の話者が同時に話す場合
- コンテキストの理解不足:AIは文脈や状況に応じた微妙なニュアンスの理解が苦手です。例えば、皮肉や冗談、文化的な参照などを正確に解釈できないことがあります。これにより、テキストの意味が歪められる可能性があります。
- 専門用語や固有名詞の誤認識:特定の分野の専門用語や固有名詞、特に新しい単語や珍しい名前は、AIが正確に認識できないことがあります。これは特に技術的な内容や学術的な討論の文字起こしで問題になる可能性があります。
- 個人情報とデータセキュリティの懸念:多くのAI文字起こしツールはクラウドベースで動作します。これは、機密性の高い情報や個人情報を含む音声データをオンラインで処理することを意味し、データ漏洩のリスクが生じます。
- 音質依存性:AI文字起こしツールの性能は、入力される音声の質に大きく依存します。低品質の録音や特殊な音響環境下での録音では、精度が著しく低下する可能性があります。
- 言語や方言の制限:くのAIツールは主要言語では高い精度を示しますが、マイナーな言語や方言に対しては十分な対応ができないことがあります。
これらのデメリットを考慮すると、AI文字起こしツールは非常に有用ですが、完全に人間の介入を排除することは現時点では難しいと言えます。多くの場合、AIと人間のスキルを組み合わせたハイブリッドアプローチが最も効果的です。重要なのは、これらのツールの限界を理解し、適切な用途と場面で活用することです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ChatGPTでの文字起こし・議事録作成のやり方などについて詳しく解説してきました。
今回のポイントは、以下の通りです。
- ChatGPT単体で音声データの文字起こしはできない
- ChatGPT×Whisperでの音声の文字起こしも可能
- ChatGPTで文字起こしをするほかの方法5選!
- ①GPT-4o/GPT-4V
- ②YOMEL
- ③議事録革命‼ログミーツ
- ④PLAUD NOTE
- ⑤YouTube Summary with ChatGPT & Claude
- ChatGPTで文字起こしを活用する方法
- ①文章の要約
- ②文章の校正
- ③議事録作成
- ④インタビューの作成
ChatGPTを含むAIツールは、文字起こしや議事録作成、要約、校正など、多様な文書処理タスクを効率化する強力な助手となります。
高速処理、多言語対応、コスト削減などの大きなメリットがある一方で、精度の限界やデータセキュリティの懸念など、いくつかの課題も存在します。これらのツールを最大限に活用するには、AIの特性を理解し、適切な使用方法を選択することが重要です!
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