ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)ベースのチャットボットです。2022年の登場以来、その自然な会話能力と高い創造性で世界中の注目を集めています。
しかし、AIチャットボットはChatGPTだけではありません。様々な種類のものが開発されています。
この記事では、そんなChatGPTに対抗する、4つの対抗馬をご紹介します。
※2024年5月13日に、ChatGPTの新しいLLM「GPT-4o(オムニ)」が登場しました!以下の記事で詳しい概要や使い方について解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
ChatGPTの対抗馬①:Gemini(旧Bard)
Googleが開発した「Gemini(旧Bard)」は、ChatGPTと並んでAIチャットボットの代表的な存在となってきています。Googleの膨大なテキストデータとコードの学習データに基づいて開発されており、自然で人間らしい会話が可能です。
Gemini(旧Bard)の特徴は、回答の正確性や多様性に優れているという点です。Web検索を介して現実世界の情報にアクセスして回答できるため、より幅広い質問に対応することができます。
ChatGPTの学習データは2023年10月まで(無料版GPT-4の場合)です。最新情報を教えてもらおうと思っても、以下のように「提供できません」と返答が返ってきます。
そのため、最新の情報を知りたい場合は、ChatGPTよりもGemini(旧Bard)を使用する方が賢明です。
Gemini(旧Bard)は、約180カ国で利用可能であり、40以上の言語にも対応しています。今後も性能の向上が期待されており、日本語の自然言語処理の分野に大きな進歩をもたらすと期待されています。
ChatGPTの対抗馬②:Claude 3
Claide(クロード)とは、2023年7月11日に公開されたAnthropicのAIチャットボットです。開発元のAnthropicはOpenAIの元社員が設立し、Googleから出資を受けています。
Claideは、「フレンドリーで熱心な同僚」という位置付けで、より人間に近く、自然な会話能力が評価されています。
Claudeの特徴は、有害な出力やウソの情報が少ないことです。
また、ChatGPTの3倍の量の単語を理解しており、人が5時間かけて読み解く文書を、1分ほどで分析することが可能です。
専門的な文書や、書籍一冊を読むのにどれくらい時間がかかりますか?Claudeは、複数の論文を同時に読んだり、書籍一冊を一瞬で要約したりすることができます。
そして、今回ご紹介するClaude3は、2024年3月にリリースされた、より高性能にした新モデルとなります。
・従来のClaudeに比べてパフォーマンスが向上
・より長い回答を生成できる
・攻撃的で危険な出力をしにくくなり、安全性は約2倍に向上
※「Claude」は現在アプリ版も配信されています。以下の記事で解説していますので合わせてチェックしてみてください!
ChatGPTの対抗馬③:Japanese StableLM Alpha
「Japanese StableLM Alpha」は、2023年8月に一般公開されたばかりのAIチャットボットです。Stability AI Japanという会社が開発をして提供しています。
「Japanese StableLM Alpha」の特徴としては、日本語のテキスト生成や理解に優れており、一般公開されている日本語向けモデルの中で最高の性能を誇ります。
ChatGPTなどのAIチャットボットは、圧倒的に英語が多く、日本語データは多くありません。日本語のテキストを生成すると、日本語特有の表現やニュアンスが伝わらないなどの問題点があります。
一方で「Japanese StableLM Alpha」の学習データには、日本語と英語のテキストが含まれています。
さらに、開発会社が作成した独自のデータセットや、EleutherAI Polyglot project の日本語チーム及び Stable Community Japan のメンバーの協力のもとで作成したデータが含まれています。
「Japanese StableLM Alpha」 は、日本語言語理解ベンチマーク (JGLUE) の複数のタスクで、一般公開されている日本語向けモデルの平均スコアを大きく上回るスコアを達成しています。
「Japanese StableLM Alpha」 には、次の2種類のモデルが提供されています。
・日本語向けの汎用言語モデル「Japanese StableLM Base Alpha 7B」
・指示応答言語モデル「Japanese StableLM Instruct Alpha 7B」
2つのモデルには以下の違いがあります。
「Japanese StableLM Base Alpha 7B」は、日本語のテキストとコードの膨大なデータセットで学習されています。そのため、日本語のテキスト生成や理解に優れており、さまざまなタスクに適用することができます。
「Japanese StableLM Instruct Alpha 7B」は、「Japanese StableLM Base Alpha 7B」に加えて、指示応答に関するデータセットで学習されています。そのため、ユーザーからの指示を理解して、それに応じた回答を生成することができます。
「Japanese StableLM Alpha」は、日本語の生成 AI の技術基盤となるモデルとして、今後、さまざまな分野で活用されることが期待されています。
日本語の自然言語処理の分野に大きな影響をもたらし、日本語のコミュニケーションをより円滑に、より自然なものにする可能性を秘めています。
ChatGPTの対抗馬④:サイバーエージェントの日本語LLM
サイバーエージェントの日本語LLMとは、株式会社サイバーエージェントが公開した、最大68億パラメータの日本語LLMのことです。
サイバーエージェントの日本語LLMの特徴は、以下の3点です。
・日本語に特化した学習データで学習されているため、自然な日本語の生成が可能
・日本語の文化や慣習を理解しているため、誤った表現を生成することが少ない
・商用利用可能なライセンスで提供されているため、企業などでも自由に活用できる
サイバーエージェントの日本語LLMは、ChatGPTの対抗馬として今後ますます注目を集めていくことが予想されます。
今後のさらなる進化によって、日本語のコミュニケーションやビジネスを大きく変えていく可能性があります。
現在ChatGPTが本命である理由
近年、ChatGPTの対抗馬となるAIチャットボットが続々とでてきています。
しかし、なぜ現在はChatGPTが本命といえるのか、その理由は3つあります。
理由①:早期のリリースと幅広い活用
ChatGPTは、2022年にリリースされた当初から、無料で使用できるため、多くのユーザーが利用しています。これにより、ChatGPTの生成能力について、多くのフィードバックが集まります。
その結果、ChatGPTはさまざまなタスクに活用できる汎用性の高いモデルへと進化し続けることができます。
ChatGPTの対抗馬の多くは、2023年以降にリリースされたものであり、まだ開発途上です。そのため、ChatGPTほどの幅広い活用には至っていません。
理由②:コミュニティの存在
ChatGPTは、リリース当初から、ユーザーや開発者による活発なコミュニティが形成されています。
このコミュニティには、ChatGPTの使い方や活用方法に関する情報や、バグ報告などの情報が集められており、ChatGPTの改善に役立てられています。
ChatGPTの対抗馬の多くは、まだコミュニティが十分に形成されていません。
そのため、ChatGPTほどの改善スピードが期待できないと考えられます。
理由③:実績
ChatGPTは、国内外において、さまざまな企業や団体で活用されている実績があります。
ChatGPTの対抗馬の多くは、まだChatGPTほどの実績を有していません。
もちろん、ChatGPTの対抗馬は今後も開発が進められてChatGPTに追いつく可能性はあります。
しかし、現時点では、ChatGPTが本命であると考えられます。
まとめ
今後、ChatGPTの対抗馬はさらに性能が向上し、さまざまな分野で活用されていくことが期待されます。
この記事をまとめると
- Gemini(旧Bard)は、最新の情報に常にアップデートされている
- Claude3は、有害な出力やウソの情報が少ない。複数の論文を同時に読んだり、書籍一冊を一瞬で要約したりすることが可能
- Japanese StableLM Alphaは、一般公開されている日本語向けモデルの中で最高の性能
- サイバーエージェントの日本語LLMは、自然な日本語の生成が可能。誤った表現を生成することが少なく、商用利用可能なライセンスで提供されている
- ChatGPTの早期リリース、広範な活用、コミュニティの存在、そして確立された実績などから、現在はChatGPTが本命といえる
でした!
ChatGPTの対抗馬とされるAIチャットボットたちも、用途に応じて活用してみてはいかがでしょうか。
- ChatGPTで〇〇を効率化したい
- スライドを作るならどのAIツールがおすすめ?
- おすすめのGPTsが知りたい
同じ悩みを解決した人がいるかもしれません。ぜひ質問してみてください!