2023年4月より、OpenAIが自然言語処理モデルの最新版であるGPT-4を発表しました。
ChatGPTはとても便利ですが、無制限に利用できるわけではないようです。
この記事では、ChatGPT4でできることや、制限の内容・理由を紹介していきます。
ChatGPT4とは
ChatGPT4とは、OpenAIによって開発された最新の大規模言語モデルで、GPT(Generative Pre-trained Transformer)シリーズの一部です。
ChatGPT-4は、その前身であるChatGPT-3.5よりも大幅に改善されており、モデルのサイズが大きくなり、より広範囲のデータ(2023年10月までの情報)で学習されています。そのため、理解能力が向上し、より自然で正確な応答を生成できるようになっています。
ChatGPT4は、ChatGPT Plusという月額20ドル(約3,000円)の有料プランに加入することで利用可能となっています。
主な特徴は以下のようなものがあります。
- GPT-3.5よりGPT-4の方が優れている
- マルチモーダルである(GPT-4V)
- 長文のやり取りができる
- GPTsが利用できる(プラグインは2024年4月に廃止されています)
- GPT Storeが利用できる
- Copilot(旧Bing)と連携しているため最新情報が取得できる
- 多言語に対応している
1つ1つ紹介していきます。
特徴①:ChatGPT4の方が優れている
ChatGPT4はGPT-3.5と比べて、出力制度が高まり、複数の指示を含むプロンプトにも対応できるようになりました。
特徴②:マルチモーダルである(GPT-4V)
マルチモーダルとは、複数の形式や手段を表す言葉であり、ChatGPT4はまさにそう呼べる存在です。
なぜなら、文章だけでなく写真や画像にも対応しており、写真や画像からテキストを生成することができるようになったからです。
※ChatGPT4の画像認識機能については、以下の記事で解説しています。
特徴③:長文のやり取りができる
ここでChatGPTが扱えるテキストの長さを比べてみましょう。
ChatGPT-3.5 | ChatGPT-4 |
4097トークン | 32,768トークン |
このようにGPT-3.5と比べて、GPT-4は約7.9倍も長文に対応できるようになりました。
※ChatGPTのトークンの詳しい説明については、以下の記事でまとめていますのでぜひ参考にしてください!
特徴④:GPTsが利用できる
ChatGPT-4はプラグインに似た機能「GPTs」を備えており、特定のAPIに直接アクセスできるようになっています。
GPTsを利用することで、ChatGPT-4は外部情報を取得したり、特定のサービスと連携して動作することが可能になります。
GPTsを通じて、天気の確認、商品の購入、情報の検索など、さまざまな操作をChatGPT内で直接実行できるようになりますのでぜひ活用してみましょう。
※2024年最新のおすすめGPTsは、以下の記事で解説しています。
特徴⑤:GPT Storeが利用できる
ChatGPT4では、「GPT Store(ストア)」を利用することができます。この機能は、2024年1月10日より開設されたものです。
GPT Storeは、GPTという先端AI技術を活用し、ユーザー自身が独自のGPTモデルを作成し、世界中で共有する場を提供しているサービスです。
ユーザーは自分の関心があるテーマや分野に沿った、文章や画像の生成が可能になります。例として、創作物から専門的な記事まで、小説、詩、エッセイ、ニュース記事、レビュー、ブログ投稿、SNSコンテンツなど、多岐にわたるコンテンツの生成が挙げられます。
さらに、GPT Store内でユーザーは自分の作成したGPTモデルを公開し、他のユーザーとの間で共有、評価交換、そして収益化まで行うことができるようになります。
※GPT Storeの詳しい概要や使い方については、以下の記事で解説しています!
特徴⑥:Bingと連携しているため最新情報が取得できる
ChatGPTは2023年5月にMicrosoftが開発した検索エンジン「Bing」と統合することを発表しました。
ChatGPT4であればWebブラウジング「with Bing」として、Bingの検索エンジンを使用したウェブ検索ができるようになっています!
特徴⑦:多言語に対応している
ChatGPT4は多言語での対話が可能であり、従来のチャットボットよりも多くの言語に対応しています。これにより、世界中のユーザーが自分の母国語でサービスを利用できるようになりました。
英語や日本語はもちろん、中国語・韓国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・ポルトガル語・ヒンディー語など約100もの言語に対応しています。
ChatGPT4でできること・活用方法
続いて、ChatGPT4でできることについてまとめます。
今までのChatGPT(GPT-3.5)で可能だった機能はこちらです。
- 文章の生成
- 執筆・校正
- 添削
- 要約
- プログラミング
- 言語の翻訳
ここからGPT-4シリーズの登場により、どのような性能アップを果たしたのかをまとめました。
- 画像から内容を説明することができる→【2024/05/28追記】アップデートにより、日本語の認識にも対応!
- 多言語翻訳ができる
- プログラミングコードを生成することができる
- グラフや図の作成や分析することができる
- 最新情報を使った回答ができる
それぞれ、簡潔に解説していきます。
①画像やファイルから内容の説明することができる
チャット画面に画像やファイルを添付し、「この画像について説明して」というと、画像を認識し説明してくれます。
2024年5月の大型アップデートでは、日本語が書かれた画像やファイルのアップロードや読み込みも可能になりました!かなり便利になっていろいろな活用方法が使えるようになりましたので、こちらの記事を是非チェックしてみてください!
②多言語翻訳ができる
複数の言語を翻訳することができるようになりました。日本語ももちろん対応しています。
- 広範囲の言語対応:英語、スペイン語、中国語、フランス語、ドイツ語など、主要な言語だけでなく、多くのマイナー言語にも対応しています。
- 文脈を考慮した翻訳:ChatGPT-4は文脈を理解する能力が高いため、単語やフレーズの意味が文脈に依存する場合でも、より正確な翻訳を提供できます。
- 柔軟な翻訳スタイル:フォーマルな文書からカジュアルな会話まで、テキストのスタイルに応じた翻訳が可能です。
ただし、訓練データが少ない言語の精度は低い傾向にありますので注意が必要です。
※ChatGPT4の翻訳精度について、以下の記事で解説しています。
③プログラミングコードを生成することができる
ChatGPT4では、HTML・CSS・JavaScript・Python・PHP・Rubyなど、複数のプログラミング言語のコードを生成することができます。
さらに、バグの修正、既存のコードの解析や説明、新しいプロジェクトの設計や開発にも役立ちます。
主に、以下のような機能があります。
- 多言語対応:Python、JavaScript、HTML、CSS、Java、C++など、多くのプログラミング言語に対応しています。
- コードの最適化とリファクタリング:既存のコードをより効率的、または読みやすく改善する提案が可能です。
- デバッグ支援:コード内のエラーやバグを特定し、修正方法を提案します。
- 学習資料としての利用:プログラミングの概念や言語の特定の機能についての質問に答えることができ、学習者をサポートします。
- プロジェクト管理:プロジェクトの要件を理解し、開発計画の策定や構造の設計にアドバイスを提供します。
ただし、生成されたコードは必ずしも最適や完璧ではないことがあり、実際に使用する前にはしっかり確認とテストを行うことが必要です。
④グラフや図の作成や分析することができる
チャット画面でプロンプトを入力すれば、グラフや図を作成することができます。また、そのグラフや図を分析することもできます。
※ChatGPT4でグラフや図を作成するのに使えるプラグイン「Advanced data analysis」について、以下の記事で解説しています。
⑤最新情報を使った回答ができる
GPT-4シリーズでは、最新情報のニュースを聞けたり、最新動画のURLをチャット画面に貼り付けたら、その動画の内容を説明してくれたりします。
先ほども解説しましたが、ChatGPTは「Bing」と提携していますのでMicrosoftの検索エンジンを使用して最新情報を取得することができるようになっています。
※ChatGPTのWebブラウジング機能の使い方については、以下の記事で解説しています!
【表あり】ChatGPT-3.5とChatGPT-4の違いとは?
では、以上のChatGPT4の機能を踏まえて、無料版のChatGPT-3.5とはどのような違いがあるのか表で確認しておきましょう。
特徴 | ChatGPT-3.5 | ChatGPT-4 |
---|---|---|
モデルのサイズ | 1750億パラメータ | 数千億パラメータ |
学習データ | 2021年までのデータ | 2023年10月までのデータ |
理解能力 | 高い | 非常に高い |
応答の自然さ | 自然 | より自然 |
GPTs/GPT Store | なし(利用のみ〇) | あり |
多言語対応 | サポート | より広範なサポート |
カスタマイズ | 限定的に可能 | 可能 |
1度の質問の文字数 | 2,048文字 | 25,000文字 |
応答の最大文字数 | 1,024単語 | 2,048単語 |
利用回数の制限 | 無制限 | 3時間おきに40回まで |
画像対応 | なし | あり |
API | なし | あり |
優先度 | 低い | 高い |
応答の速さ | 遅い | 速い |
料金 | 無料 | 月額20ドル(約3000円) |
このように、ChatGPT-3.5とChatGPT-4の主な違いは、ChatGPT-4がより大きなモデルサイズを持ち、2023年10月までのより新しいデータで学習されている点です。
さらに、ChatGPT-4はGPTsやGPT Store機能をサポートしており、外部のAPIやサービスと連携することが可能になっています。(無料版では、GPTsやGPT Storeの利用のみできるようになっています。)
また、多言語対応が拡張され、より多くの言語での使用が可能になっています。そのため、ChatGPT-4はより実用的で幅広い用途に対応できるようになっています。
ChatGPT4に利用制限はある?
2024年5月現在、ChatGPT4には利用制限があります。
制限の内容は以下の2つです。
- 入力回数
- 文字数
それぞれ紹介していきます。
ChatGPT4の制限①:ChatGPT4は入力に回数制限がある
現在、ChatGPT4は入力に回数制限があります。
「1日に〇回」という制限ではなく、「●時間に〇回まで」という制限になっています。
実際にどれだけやれば制限がかかるまで試しました。
23時55分にやったところ、25回まで利用することができました。
26回目を利用しようとすると、2時36分まで使えないという警告文が表示されました。
結論、2024年5月時点で「2時間半に25回まで」という制限になっています。
ChatGPT4の制限②:ChatGPT4は文字数の制限がある
ChatGPTに入力する最大文字数は4,096トークンと言われています。
ひらがなの場合は、4,096文字。漢字混じりの文章だと2,000~4,000文字の範囲で文字数の制限がくると想定されます。
それが本当なのか、実際に試してみました。
①:すべてひらがなで入力した場合の文字数制限
まずは、すべてひらがなの「あ」で試してみます。
制限されない場合、上の画像のようにコメントで返してくれます。
しかし、文字数の上限を超えると、
このようにエラーが表示されます。
文字数制限のメッセージ内容を翻訳してみます。
送信したメッセージが長すぎます。会話をリロードして短いメッセージを送ってください。
文字数制限が表示されるのは以下のとおりです。
文字数 | 文字数制限 |
2500文字 | エラーは出ない |
2600文字 | エラーは出ない |
2700文字 | エラーは出ない |
2720文字 | エラーは出ない |
2730文字 | エラー(文字数制限) |
2750文字 | エラー(文字数制限) |
2800文字 | エラー(文字数制限) |
3000文字 | エラー(文字数制限) |
4096トークンが最大といわれていますが、実際は2720文字~2730文字の間に上限があるようです。
②:すべて漢字で入力した場合の文字数制限
次は、すべて漢字の「亜」で試してみます。
こちらも上限を超えると、エラーが表示されます。
文字数制限が表示されるのは以下のとおりです。
文字数 | 文字数制限 |
2500文字 | エラーは出ない |
2600文字 | エラーは出ない |
2700文字 | エラーは出ない |
2720文字 | エラーは出ない |
2730文字 | エラー(文字数制限) |
2750文字 | エラー(文字数制限) |
2800文字 | エラー(文字数制限) |
3000文字 | エラー(文字数制限) |
漢字の場合も、2,720文字~2,730文字の間に上限があるようです。
実際に試した結果から、トークン数ではなく、文字数で制限がかかることが分かりました。
ChatGPT4に利用制限がある理由
ChatGPT4は精度の高い回答ができるようになったものの、サーバーへの負荷が大きくなります。全世界で利用するユーザーが一気に増えたことで、サーバーの負荷を軽減するために制限がかけられています。
また、ChatGPT-4の制限には、安全性の問題が大きく関わっています。ChatGPT4というモデルは非常に強力であり、幅広いテキスト生成タスクに対応できますが、不適切な内容の生成や誤情報の拡散、個人のプライバシー侵害、バイアスの強化など、様々なリスクを含んでいます。
これらを防ぐために、ChatGPT4の制限がかけられています。
ChatGPT4の利用制限を解除する方法はない
今のところ、ChatGPT4の利用制限を解除する方法はありません。
制限がかかってしまったら、制限解除まで待つしかありません。
でも、どうしてもChatGPTを使いたい場合は、精度は落ちてしまいますが、ChatGPT3.5を使うことができます。
ChatGPT4を利用する際の注意点
では最後に、ChatGPT4を利用する際の注意点について解説しておきます。利用制限のほかにもいろいろ注意点があるので、チェック必須です!
注意点①:有料版に入る必要があるかどうか要検討する
ChatGPT Plusは上記で解説してきたように、さまざまな機能が用意されていますが、無料版でも十分活用できることがたくさんあります。
以下にChatGPT Plusに加入するべき方・加入する必要がない方の特徴を記載しますので、加入するか迷っている方は参考にしてみてください。
※ChatGPT Plusの概要や加入方法については、以下の記事で解説しています!
注意点②:少し前の情報である
ChatGPT4は、学習済みのデータが2023年10月までのため、最新情報について知りたい場合はWebブラウジング機能を利用する必要があります!
こちらの記事でやり方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
注意点③:ChatGPT4利用には料金がかかる
ChatGPT4を利用するためには、ChatGPT Plus(月額20ドル)に加入しなければなりません。
ChatGPT4に加入する方法はこちら。
ChatGPT4にログインし、左下のメニューから「Upgrade to Plus」をクリックします。
個人情報を入力し、「申し込む」をクリックします。
「Continue」をクリックすれば、ChatGPT4が使えるようになります。
※ChatGPT Plusのより詳しい概要・機能については、以下の記事で解説しています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事をまとめると、
- ChatGPT4はChatGPT3.5の上位版である
- ChatGPT4には、回数制限と文字数制限の2つの利用制限がある
- ChatGPT4はおおよそ「2時間半~3時間で25回~40回まで」の回数制限がある
- ChatGPT4は2720字~2730字に文字数に上限がある
- 利用制限にかかると解除されるまで使えなくなる
- どうしても使いたい場合は、ChatGPT4で制限がかかってもChatGPT3.5なら使える
- ChatGPT4の利用制限を解除する方法はない
でした。
ChatGPT4は高精度で便利な一方で、利用制限があるため、制限がかからない程度に上手に活用していきたいですね!
- ChatGPTで〇〇を効率化したい
- スライドを作るならどのAIツールがおすすめ?
- おすすめのGPTsが知りたい
同じ悩みを解決した人がいるかもしれません。ぜひ質問してみてください!