近年では、AI技術の急速な進歩に伴い、さまざまな分野でAIの活躍を目にすることも増えました。
チェスや将棋などでAIが勝利するニュースは、衝撃を受けた人もいるのではないでしょうか。
私たちが日常的に使っているスマートフォンの中にも、AI技術を使用しているものが数多く存在します。中でもAIによる動画編集の技術は、簡単な作業であれば人の手を介さず行うことも可能なレベルです。
「AIで動画編集ってどうやるの?」「何が便利になるの?」と気になる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、AIを使った動画編集のメリットやデメリット、実際に使えるツールなどをご紹介します。
AI✖️動画編集 とは?現状も踏まえて解説!
AIを使った動画編集に活用されているのは、昨今注目を集めているChatGPTのような「生成(ジェネレーティブ)AI」の技術です。
スマートフォンアプリなどで、簡単に画像や動画を加工するときにもこの技術が使われています。
生成AIの技術は、スポーツの試合の撮影などプロフェッショナルな現場においても活用が可能です。
ドコモが運営するインターネットプロバイダ「NTTぷらら」では、卓球「Tリーグ」のダイジェスト番組制作にAIが役立っています。
引用:SONY
NTTぷららでは、AIを使って試合の生配信映像からダイジェスト動画の制作に成功しました。
ダイジェスト動画の編集作業は、「ソニービジネスソリューション」開発の音響解析システムが可能にしています。
このシステムでは、音声解析AIがボールの音や歓声から自動で構成に必要なシーンを抽出し、ダイジェスト番組の制作をサポートしてくれます。
そのため、試合をすべて見直しながら編集する必要がなく、時間短縮と編集作業の効率的が可能です。
このように、すでにAI技術は簡単な映像の加工だけでなく、人間が苦労する分野にも活用されています。
最新のAIによる映像編集技術は、既に実用段階ということです。
しかしまだまだ完全ではなく、人の手が必要な部分も多いのが課題です。
AIに任せられる部分と人間が手を入れる部分を分けることで、今までよりも効率的な映像制作が可能になるでしょう。
AI×動画編集のメリットとは?
AIを活用した動画編集は、以下のようなメリットがあります。
最新技術によって、専門的なイメージのあった動画制作のハードルは大きく下がりました。
下記ではAIによる動画制作のメリットを詳しく見ていきます。
AI×動画編集のメリットとは?:編集コストを削減できる
AIを活用した編集サービスは、素材やテキストを入れるだけで簡単に制作可能なものが多くあります。
初心者の方でも扱いやすいツールを活用することで、動画制作会社に依頼する場合と比べ、編集にかかるコストを大きく削減できます。
また、定額プランで制作数に上限がない動画編集サービスでは、大量の動画を低コストで素早く製作できるのが魅力です。
先程のNTTぷららのように、従来より人的コストを削減した例もあります。
動画編集にAIを活用することで、時間とコストを大幅削減できるのです。
現在動画制作を外注していて、なるべくコストを下げたい場合にもAIを使った動画編集はおすすめできます。
AI×動画編集のメリットとは?:誰でも簡単に動画を制作できる
AIを活用することで、自動的に動画制作が可能になります。
そのため、専門的な知識や技術がなくても、誰でも簡単に動画を制作できるのです。
さらに、ユーザーが素材やテキストを入れるだけで、書き出しまで10分以内に動画が完成するツールも便利です。高い技術を必要としないシンプルな動画の場合は、動画編集初心者の方でも手順に従うだけで制作できます。
ただし、AIによる動画編集は、動画の切り替えやテロップの挿入など、単純な編集のみです。
視聴者の感情を揺さぶるような動画は、やはり人間の手が必要になります。
それでも、簡単な編集作業で仕上げられる動画は、誰でも気軽に制作できるメリットが大きいでしょう。
AI×動画編集のメリットとは?:動画の分析ができる
これまでの動画分析は人の手による事前処理が必要でしたが、AIの発達により自動処理が可能になりました。
現在では実際に工場やオフィス、事務所などの作業効率化や、スポーツのフォームの動作解析などに活用されています。
AIによる動画分析は、映像を分析・処理し、すべての物や人を認識することで、必要な情報の抽出が可能です。
従来は人の手でさまざまな処理をする必要があり、時間や手間などの課題が多くありました。
しかしAIを導入することで、リアルタイムでの動画分析を実現し、スピードや精度の向上を図ることができます。
このように、AIを活用することで、これまでと比べ高度な分析を可能にします。
分析した内容をさらに動画に盛り込むことで、クオリティの高い動画制作もできるでしょう。
AI×動画編集のメリットとは?:クオリティ向上の可能性がある
これまでのメリットを踏まえると、AIを使った動画編集は「コストを抑え」「誰でも簡単に」「動画分析を活用して」制作が可能ということがわかります。
今までは、時間と技術が必要で手間がかかることが多いと考えられていた動画編集ですが、AIを活用することでその課題をクリアできるでしょう。
色調や明暗の調整、ノイズの除去、映像の手ぶれ補正、フレームレートの変換など、こだわることでクオリティに差が出る部分にも、AIを使用することで簡単に技術の向上が期待できます。
さらに、AIの音声認識や言語処理の技術は、音声品質を上げることも可能です。
AIが音声を解析してくれるため、ボタンひとつでノイズの除去や音声の均一化ができます。
また、音声からテキストへの変換や言語処理を活用して、正確な字幕を自動生成することも可能です。最初から音声を聞いて覚え、入力する手間が省けるので、編集の時間短縮も期待できます。
AIを活用し高度な音声処理や言語処理で、動画のクオリティを向上できるのです。
AI×動画編集のデメリットとは?
AIを活用した動画編集には、以下のようなデメリットがあります。
・造像性のない動画になる
・細かい条件が指定できない
これまで紹介したように、動画編集には必要不可欠とも言えるAI技術ですが、そんなAIならではのデメリットがあります。
デメリットを理解し、より便利に活用するためにも、詳しく見ていきましょう。
AI×動画編集のデメリット:創造性のない動画になる
AIが制作した動画は、良くも悪くもシンプルで単調になってしまうことが多いのが課題です。
元になる映像やテキストで多少の変化はつけられますが、視聴者の感情を揺さぶるような映像を作り上げるのは難しいでしょう。
ユーザーの心に響く作品は、人間だからこそ作ることが可能なのです。
まだ完全でないAIは、人の手が必要な部分も多いのが現状です。
AIと人間が手を入れる部分を分け、単純作業はAIに、創造性が必要な部分はAIを頼らず人間が行うことで、動画編集の効率化を図りつつ、オリジナル作品として仕上げることが可能になります。
AI×動画編集のデメリット:細かい条件ができない
AIを活用した編集作業では、動画の雰囲気を細かく指定したり、特定の加工が難しいという課題があります。なぜなら、AIはまだ人間のように細かいニュアンスを理解できないのが現状だからです。
AIを使った自動音声も、抑揚を指定できないので単調な印象になりがち。
しかしルールに則ったAIの判断が効率化につながるため、単調な説明動画などは問題なく制作できます。
作りたい動画によって、賢く使い分けましょう。
AIで動画編集ができるツールを一気に紹介!
AIを使った動画制作のメリットやデメリットを紹介してきましたが、実際に活用していくにはツールが必要ですよね。現在ではさまざまなツールが流通しているため、必要な場面に合わせて、最適なものを選ぶことが大切です。
ここでは以下の6つをご紹介します。
AIで動画編集ができるツール:Filmora
引用:Filmora
「Filmora」はWondershare 社が提供する動画編集ソフトです。
「ビギナーも、上級者も、オールインワン動画編集ソフト」という謳い文句の通り、わかり易い操作画面やシンプルな機能で簡単に編集作業ができます。
機能が最小限に絞られているため、これから動画編集を始める人にはかなり扱いやすいソフトです。
素材内の人物の検出にAIが活用され、背景を消去して別の動画に重ねることを可能にしています。
そのため、クロマキーなどの専門的な知識がなくても、簡単に動画を合成できるのです。
また、Filmoraでは無料版の提供があり、機能面は有料版と変わりません。
ただしロゴの透かしが入ったり、動画の最後にFilmoraの広告が入る制限があります。
よりクオリティの高い動画を制作したくなったら、有料版をお使いください。
【個人向け料金プラン】
・1年間プラン:9,979円(税込)
・マルチプラット1年間プラン:10,979円(税込)
・永続ライセンス:11,979円(税込)
【法人・商用向け料金プラン】
・3ヶ月プラン:3,480円(税込)
・永続ライセンス:14,900円(税込)
Filmoraは有料版の全ての機能が搭載された無料版を提供しています(ロゴ透かしなどの制限あり)
AIで動画編集ができるツール:Video Brain
引用:Video Brain
Video Brainは、株式会社オープンエイトが提供する月額定額制の動画制作ソフトです。
使いたい機能やアカウント数に応じて、以下の3つのプランが利用できます。
・エントリープラン
・スタンダードプラン
・オプション
AIによる動画編集が可能で、法人No.1シェアの実力の実力を持つVideo Brainは、
顧客満足度も98.2%と高く、業種・業界を問わず導入されています。
直感的にわかる操作画面で、動画制作未経験の方にもおすすめのツールです。
また、3,500以上の動画テンプレートがあり、テキストや素材だけで高品質な動画作成ができます。
わずか3ステップで動画が完成する簡潔さも魅力です。
初心者からプロまで幅広く活用できるツールと言えるでしょう。
AIで動画編集ができるツール:Adobe Premiere Pro
引用:Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere ProはYouTuberからハリウッドの映画製作者まで、映像に関わる多くのユーザーから選ばれている動画編集ソフトです。
映像制作の業界をリードし、さまざまな分野のプロに愛用されています。
買い切りではなく月額料金のシステムですが、常に最新バージョンを使用できるのが魅力です。
また、無料の動画編集ソフトにはない表現の豊富さで、クオリティの高い動画を制作できます。
AI機能を活用し、動画制作をサポートしてくれる機能も多く搭載。
文字起こしなどSNSに便利な機能も備わっています。
無料のソフトに限界を感じたら、Adobe Premiere Proをお勧めします。
【個人向け料金プラン】
・Adobe Premiere Pro:2,728円/月(税込)
【法人向け料金プラン】
・Creative Cloudコンプリートプラン:9,280円/月(税込)
・Creative Cloud 単体プラン:4,380円/月(税込)
・Adobe Substance 3D Collection:12,188円/月(税込)
AIで動画編集ができるツール:Runway
引用:Runway
RunwayはAIによる動画素材の生成で、編集の効率化を可能にします。
動画はもちろん、画像の生成・編集機能も多く提供されているのが特徴です。
さらに以下のような機能も搭載されています。
・背景の削除
・グリーンバックの作成
・クロマキー合成
・モーショントラッキング
そのほかにもさまざまな機能が豊富で、初心者でもプロのような動画制作ができます。
無料でも使用可能なので、動画を編集する方はぜひ利用して欲しいソフトです。
【料金プラン】
・基本プラン:永年無料
・標準プラン:12ドル/月
・プロプラン:28ドル/月
・無制限プラン:76ドル/月
Runwayは無料版を提供しています。
AIで動画編集ができるツール:PowerDirector
引用:PowerDirector
PowerDirectorは、CyberLinkが提供する動画編集ソフトです。
Google Playからインストール可能で、AI技術を活用した動画編集を簡単に行えます。
初心者から上級者まで幅広く利用でき、素材やテンプレートも豊富です。
さらに、初めて使用する際は、それぞれの機能の手順にチュートリアルが無料で用意されています。
また、以下のような機能も充実しており、簡単にクオリティの高い動画制作が可能です。
・500 以上のビデオエフェクト、タイトル、トランジション
・幅広い動画形式に出力可能、YouTubeにもシェア可能
・SNS 向けの縦向き動画や正方形動画の作成
・AIモーショントラッキング搭載
・クロマキー合成
さらに、AIが音声を解析し自動的に字幕をつける機能も搭載。
字幕を入力する時間を短縮できるので、Youtubeの動画編集には必要不可欠です。
【料金プラン】
・通常版:16,980円(動画編集)
・12ヶ月プラン:8,980円(動画編集)
・12ヶ月プラン:16,480(動画・写真・音楽・色編集)
PowerDirector は無料版を提供しています(ロゴ透かしや書き出しファイル形式の制限あり)
AIで動画編集ができるツール:Magisto
引用:Magisto
Magistoは、iPhone、Androidで使用できる動画編集アプリです。
有料版は、プロフェッショナルとプレミアムの2つのプラン。
また、トライアル期間が設けられており、7日間無料で動画編集に必須の基本機能が利用できます。
「クオリティの高い動画を作るには、有料のソフトを使用しなければいけない。」という固定概念を覆す作品が制作可能です。
トライアル期間を過ぎると自動的に有料プランに移行するので注意してください。
さらに最大の特徴は、テーマを選ぶと自動で動画制作してくれる点です。
従来は構成を考えるのにかなりの時間を使っていた人も、面倒な部分はAIに任せてクリエイティブな時間を増やせます。
動画の長さの調整も、自分の作りたいように編集が可能です。
操作がシンプルなので、動画編集に慣れていない方も簡単に扱えます。
手軽に動画編集をしたい方にはぴったりと言えるでしょう。
【料金プラン】
・プレミアム:800円/月
・プロフェッショナル:3400円/月
Magistoは7日間の無料トライアルを提供しています(ロゴや一部機能の制限あり)
AI 動画編集 まとめ
この記事では、AIを使った動画編集のメリットやデメリット、実際に使えるツールなどをご紹介しました。AIを動画編集に活用することで、「コストを抑え」「誰でも簡単に」「動画分析を活用して」制作ができます。
さらに高度な音声処理や言語処理で、動画のクオリティの向上が可能ということがわかりました。
しかし依然人の手が必要な場面は、多いのが現状です。
AIの特性を理解し賢く使用することで、効率的にクリエイティブな作品を制作できます。
さっそくAI技術を活用し、動画制作に取り掛かりましょう。
- ChatGPTで〇〇を効率化したい
- スライドを作るならどのAIツールがおすすめ?
- おすすめのGPTsが知りたい
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