ChatGPTって何だろう?突如として大きな話題を呼んだChatGPT。名前は知っていても、何が出来るのかわからない、まだ使ったことがない。この記事にたどり着いた方は、そんな疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。
この記事では、ChatGPTをまだ使ったことがない、1,2回は使ったことはあるけれど十分に使いこなせていないと感じている方向けに、メリットとデメリットや使用上の注意点をご紹介します。
さらに、記事の後半では学生の方向けに、課題やレポート・卒論などにChatGPTを利用するメリットやデメリットについてまとめています。
※2024年5月13日に、ChatGPTの新しいLLM「GPT-4o(オムニ)」が登場しました!以下の記事で詳しい概要や使い方について解説していますので、合わせてチェックしてみてください。
Chat(チャット)GPTとは?
ChatGPTとは、OpenAIによって開発された最新のチャットボットです。2022年11月末に一般向けに公開されて以来、加速的にユーザー数を伸ばし続けています。
ChatGPTは人間の質問に対し、人工知能(AI)がテキスト形式で返答することが可能です。
これまでにも同じようなツールは存在していたのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし、ChatGPTが注目された理由は、これまでのチャットボットとは一線を画す応答精度にあります。
その能力は米国MBAの最終試験に合格できる程です。この情報からでも、ChatGPTが非常に高性能なツールであることが伺えることでしょう。
ChatGPTは公開からわずか2か月間で、利用者数は驚異の1億人に上りました。今後は個人利用だけでなく、ビジネスへの展開も大いに期待されています。
※ChatGPTのインストール・登録方法については、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するメリットと活用例
今後も更に利用が拡大していくことが期待されるchatGPT。ChatGPTには以下のようなメリットがあります。
それでは、1つ1つ見ていきましょう。
ChatGPTを使用するメリット①:自然な会話から調べものができる
ChatGPTではまるで誰かに尋ねているかのように、自然な会話の中で知りたい情報を得ることが可能であることが大きなメリットです。会話の内容は記憶されるため、更に掘り下げた質問が出来る点も、従来の検索とは大きく異なるところです。
ChatGPTの基本言語は英語ですが、日本語で尋ねるとツールの中で翻訳して尋ねた言語で回答を返してくれます。そのため、日本語でも自然な会話が出来るのです。
●活用例
- カスタマーサポート:ユーザーからの問い合わせに答える
- 個人的な仮想アシスタントとして活用する
ChatGPTを使用するメリット②:膨大なデータから情報収集が可能
ChatGPTは数千万語の単語(GPT-4oモデル時点)を学習しています。この膨大な単語の中から後に続く可能性が一番高いものをかき集めて、文章を作っているのがChatGPTです。
これにより、自分が知らなかった領域の回答や新しい視点での情報を与えてくれます。
例えば「この内容に関連するアイディアを10個教えて」というような、発散的な問いかけに対しても豊富にアイデアを提供してくれるのです。
思いもかけなかった方向から提案が得られることは大きなメリットであると言えるでしょう。日々のビジネスの企画やクリエイティブなプロジェクトなど、あらゆるシチュエーションで役立てることができそうですね。
●活用例
- リサーチ:学術研究やビジネスのリサーチ
- トレンドの分析:マーケティング戦略や製品開発に活かせる
ChatGPTを使用するメリット③:教育に活用できる
ChatGPTは教育への活用も大いに期待されています。
例えば文章の添削や構成など論理構造の改善を行うことも可能となるため、生徒からの質疑に対しても適切な回答がもらえます。
ChatGPTの能力を最大限に発揮するために必要なのは、役割を与えること。例えば、「あなたは国語の教師です」と指示したとしましょう。
すると、ChatGPTは作文の添削や文法の質問に対して、まるで国語の教師かのような視点で専門的なアドバイスをしてくれます。「あなたは数学の先生です」と指示すれば、算数や数学の問題解答や解説を行うこともできます。
これにより、オンライン教育の課題である個別の学生へのきめ細やかな対応が大きく改善へつながることが期待できます。
もしChatGPTが生徒一人ひとりに寄り添った教育を実現できれば、教育界が直面する問題、例えば教師不足や業務負担の増大といった現代が抱える問題の解決に一役買ってくれることでしょう。
また、それぞれの生徒が抱える学習上の問題を解決する手助けをするだけでなく、新たな学びの可能性を拓くことも期待できるのです。
●活用例
- 学習の補助ツール
- 模擬試験の作成
※ChatGPTの教育現場への活用事例は、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するメリット④:ビジネスの効率化が見込める
ChatGPTはビジネスの効率化も期待されています。
例えばカスタマーサポートなど、マニュアルに従った回答が求められる場面では大きな効力を発揮することでしょう。マニュアルの内容を学習させることで、質問に対して一定の回答を行うことができます。
これによって、人が対応している部分の人件費削減を行えることは大きなメリットではないでしょうか。
更に365日24時間の稼働が可能となるため、現在では時間外としていいた時間帯でも対応が出来るようになることはとても魅力的ですね。
●活用例
- ドキュメント作成:要約やドラフトの依頼など
- ビジネスメールの作成
※ChatGPTを使ったビジネスアイデアについて、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するメリット⑤:アプリ版でさらに手軽に使える
これまで日本国内ではWebブラウザでのサポートしかされていなかったChatGPTですが、iOSアプリ版/Androidアプリ版も提供されるようになりました。
アプリ版の大きな特徴は入力が格段に容易になったことです。音声入力に対応しており、音声をそのまま質問文にすることが可能になりました。また、カメラで読み取った文字を質問文として入力できるなどのメリットもあります。
ChatGPT Plusが有償版として提供されていることはアプリでも変わりありません。ただし、金額は19.99$とわずか0.01$ですが安価となっています。
●活用例
- ポケットサイズのアシスタントとして活用
ChatGPTを使用するメリット⑥:無料で利用できる
ChatGPT‐4まで無料で利用が可能です。OpenAIへアカウントの登録を行うことで、誰でも使えるようになります。回答もスピーディであり、日常的に調べものや文章の生成をするには特に不満なく使えるでしょう。
ただし、更に多くの学習データを取り込んだGPT-4oを利用したい場合には、ChatGPT Plusを契約する必要があります。
●活用例
- スタートアップや小規模ビジネス:初期費用を抑えられる
- 教育での導入:予算が削減できる
※ChatGPTがいつまで無料で利用できるのかについて、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するデメリットや問題点
メリットがたくさんあるように見えるChatGPTですが、デメリットも存在しています。出来ることと注意すべきことを正しく理解して使用することが大切です。
ChatGPTには以下のようなデメリットがあります。
それでは1つ1つ見ていきましょう。
ChatGPTを使用するデメリット①:回答内容が不確実な時がある
ChatGPTが学習しているのは2023年4月まで(無料版GPT-4)のデータです。そのため、それ以降の最新情報は回答内容には反映されません。最新の情報を反映したい場合は自分で調査する必要があります。
また、誤った情報も回答してくる事例が多く見受けられます。これはChatGPTの基本言語が英語であることから、翻訳した際に齟齬が発生してしまうことも大きく起因しているようです。
このようなデメリットがありますので、回答内容は鵜吞みにせず、必ず自分で正誤判定をしましょう。
※ChatGPTはなぜ間違った情報を回答してしまうのか、以下の記事で詳しく解説しています。
ChatGPTを使用するデメリット②:専門性の高いデータが苦手
ChatGPTはネット上に拡散されているデータを集めて文章を作成しています。そのため、特定の領域の専門家しか知らない内容については正確な回答として出力ができません。
過去には裁判の場でchatGPTにより出力された判例を提出したが、それらの判例が事例がなく嘘の判例であることが公となりました。これは大きな課題として扱われており、専門分野は自分の手で十分な正誤判定を行うことが必要となっています。
ChatGPTを使用するデメリット③:悪用される可能性がある
ChatGPTは非常に高精度な文章を生成することが出来るため、その利便性を間違った方向に利用して悪用されてしまうこともあります。
例えばフィッシングや詐欺のメール文面は、本物と見まごうようなクオリティで生成することが可能となってしまいます。
また、プログラミングコードを生成することも可能であるため、ウィルスやマルウェアが専門的な知識なしに作成できてしまうことは今後大きな問題となってくることでしょう。
ChatGPTを使用するデメリット④:情報セキュリティリスクがある
ChatGPTは質問した内容を記憶して学習データとして取り込み、更に知能を拡大していきます。そのため、企業の機密情報や個人情報を投稿すると、思わぬ形で学習データとして活用されてしまう可能性があります。
こちらはChatGPTの特性を理解していれば回避可能なデメリットです。質問内容として入力する項目には外部に漏洩して困る内容が含まれていないかどうか、十分に注意して利用しましょう。
※ChatGPTの情報セキュリティリスクのさらに詳しい情報や解決策については、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するデメリット⑤:エラーやバグが多い
ChatGPTは使用している最中にエラーが発生して使用ができなくなったり、回答が途中で止まってしまったりといった現象は多くみられます。これらに対する対処方法が記載されている記事もありますので、自分で調べながら解決していく必要があります。
また、日本語版はまだリリースされていないためトップページは英語版のみです。入力は日本語でも可能となるため大きなデメリットではありませんが、やはり英語版のページには抵抗感を感じる人もいます。
使用するにあたり、最初の一歩を踏み出す際に躊躇してしまうユーザーも少なくありません。
※ChatGPTのエラーやその解決策については、以下の記事で解説しています。
ChatGPTを使用するデメリット⑥:教育上の懸念点がある
教育上の懸念として、ChatGPTの機能に依存してしまい、自ら思考する能力が失われることが挙げられます。Twitterなどでは読書感想文をChatGPTで代筆してもらったりといった活用方法が紹介されていますが、これらが普及すると学生の文章力は著しく損なわれることでしょう。
自ら考え、要約する能力がChatGPTの普及により失われていくことは今後頻発すると想像されるため、これらを培うような指導方法を検討することが今後の課題と言えます。
学生がChatGPTを使うメリット・デメリットとは?
1つ前にChatGPTのデメリットとして「教育上の懸念点がある」と話しましたが、学生側にとってChatGPTを利用することにどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
学生がChatGPTを使うメリット
学生がChatGPTを使うメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 学習のサポートツールとなる:ChatGPTは幅広いトピックに関する質問に答えることができるので、学生はレポートや宿題に必要な情報をすぐに得ることができます。
- 書き方のヒントを得られる:作文やレポート作成において、文章の構造、どんな語彙を使ったらよいか、文体などのヒントを得ることができます。
学生がChatGPTを使うデメリット
一方で、学生がChatGPTを使うデメリットも大きいのが事実です。
- 間違った情報を身に着けてしまう可能性がある:ChatGPTが提供する情報は常に最新で完全に正確とは限りません。そのため、嘘の情報を正しい知識として学習してしまうことがあります。
- ChatGPTに依存してしまう:ChatGPTに頼りすぎることで、自分で調べる能力や問題解決能力が低下する可能性があります。
- 学術不正になってしまう可能性がある:ChatGPTを使用して宿題やレポートを作成する際に、自身の考えや作業として提出することは、学術不正にあたる可能性があります。大学などによっては、ChatGPTを使ったレポート作成を禁止としているところもありますので、注意が必要です。
学生の方でChatGPTを利用する場合は、これらのメリットやデメリットを考慮する必要があります。
重要な課題のレポート作成などに使用してしまうと、知らないうちに他人の文章を盗用してしまう可能性があったり、間違った情報を広めてしまう可能性があったりします。
ChatGPTに依存してしまうことは、考える力や自分で解決する力を低下させてしまうので、メリットで述べたような学習のヒントを得る程度に留めておくと良いでしょう。
まとめ
この記事をまとめると、
・ChatGPTは自然言語処理能力と膨大なデータ収集力があることが大きなメリットです。これにより、将来教育やビジネスを支えることが期待できます。
・ChatGPTのデータは2023年4月までのもので、専門知識は不得意です。悪用、情報セキュリティリスク、教育上の問題がデメリットとして挙げられます。
・ChatGPTのメリットとデメリットを理解し、情報確認、個人情報保護に注意したうえで、適切に活用すること活用が必要です。
でした。
ChatGPTの特性を正しく理解し、うまく付き合っていきましょう!
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同じ悩みを解決した人がいるかもしれません。ぜひ質問してみてください!