中国四大画像認識企業の1つであるSenseTimeがChatGPT最新モデルのGPT-4 Turboを超える言語モデルのAIを発表しました。
以下で今回のニュースのポイントとSenseTime社の解説をします。
今回のニュースのポイント
- SenseTimeが最新の大規模言語モデルSenseNova 5.0を発表
- 業界をリードする「クラウドからエッジ」のフルスタック大規模モデル製品マトリックスを立ち上げ
- SenseNova 5.0では言語、創造性、科学的能力が大幅に向上し、マルチモーダルな対話機能を追加
- 知識、数学、推論、コーディング能力に重点を置いた改良により、様々な垂直型アプリケーションに強力なサポートを提供
- 高精細画像の解析・理解やテキストから画像生成など、優れたマルチモーダル機能を備える
- 業界をリードするエッジサイドのフルスタック大規模モデル製品マトリックスを発表
- 端末デバイス向けのSenseTime Edge-side Large Model
- 金融、コーディング、ヘルスケア、政府サービスなどの分野に適用可能なSenseTime Integrated Large Model (Enterprise) エッジデバイス
- エコシステムパートナーと協力し、AIを活用した製品アプリケーションを革新し、生産性のさらなる向上を図る
- テキストからビデオへのプラットフォームで画期的な進歩を遂げ、ユーザーは詳細な説明や数フレーズに基づいてビデオを生成できるようになる予定
SenseTimeはどういった企業?
SenseTimeは、中国を代表する人工知能(AI)企業の一つです。2014年に香港で設立され、現在は深圳に本社を置いています。主に以下の分野に注力しています。
- コンピュータービジョン:画像認識、顔認識、動画分析などの技術を開発。
- 自然言語処理:大規模言語モデルSenseNovaを開発し、言語理解や生成などの機能を提供。
- 自律走行:自動運転技術の開発に取り組んでいる。
- スマートシティ:都市管理、交通管理、公共安全などの分野でAIソリューションを提供。
- 医療:医療画像分析、診断支援などの医療分野でのAI応用に取り組んでいる。
SenseTimeは、中国政府や警察とも密接に協力しており、監視カメラシステムへの顔認識技術の提供などで知られています。また、AIチップの開発にも乗り出すなど、ハードウェアの領域にも事業を拡大しています。
2021年12月に香港証券取引所に上場し、注目を集めました。世界的にも有数のAI企業として、今後のさらなる成長が期待されています。ただし、米国政府からは、中国軍との関係や人権侵害への関与を理由に、ブラックリストに掲載されるなどの制裁を受けています。