Feloの安全性は大丈夫？危険要素と利用時の注意点を徹底解説

Feloは、日本のSparticle株式会社が開発した次世代AI検索エンジンで、2024年にリリースされました。複数の情報源を横断して整理し、要点をまとめて提示できるため、研究やビジネスの現場で効率的に情報を活用できます。特に、日本語ユーザーにとっては海外の論文や記事も言語の壁を意識せずに確認できる点が大きな強みです。

しかし、便利な一方で「入力したデータは安全なのか」「個人情報や機密情報を扱っても大丈夫か」といった不安を感じる方も少なくありません。暗号化やデータ管理体制などの安全対策は整っているものの、利用者側でも注意が必要なポイントがあります。

この記事では、Feloの安全性やデータ管理の仕組みを分かりやすく解説し、ユーザー自身が実践できる安全対策や注意点まで丁寧に紹介します。安全性を理解した上で、Feloを安心して活用したい方はぜひ最後までご覧ください。

監修者プロフィール

森下浩志

日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

他の主要AIツールと比べるFeloの安全性

まずは下記に、Feloの安全性について主要な生成AIツールと比較した表を示します。

日本国内での開発が行われている点やセキュリティの面で安全面は一定確保されていると考えられます。

ここからはこの表を前提に、Feloの安全性についてより詳しく解説します。

Feloの基礎知識と対応機能

まずは前提として、AI検索エンジン「Felo」の基本的な仕組みと、利用者にとって役立つ主な機能について解説します。

従来の検索エンジンと異なり、Feloは単に情報を並べるのではなく、内容を整理・要約して提示する点に特徴があります。

また、自動翻訳やマインドマップ生成といったユニークな機能も搭載されており、学習や研究、ビジネスの現場など幅広いシーンで活用できる柔軟性を持っています。

Feloとは？日本発の次世代AI検索エンジン

Feloは、日本に拠点を置くSparticle株式会社が開発し2024年にリリースされた検索特化型のAIエンジンです。

複数の情報ソースを横断的に収集・整理し、要点をまとめて提示するため、研究やビジネスの現場で効率的に知見を得られます。

特に日本語ユーザーにとっては、海外の論文や記事にも言語の壁を意識せずにアクセスできる点が大きな強みです。

Feloの5つのできること

Feloについて知っておくべき主な特徴・主要機能を簡単に紹介します。

①自動翻訳機能

Feloには、検索したコンテンツが外国語であっても自動的に翻訳し、日本語で提示する機能があります。元の言語を判別して対応してくれるため、英語や中国語をはじめとした多様な言語の論文や記事をスムーズに確認できます。

語学に自信がない方でも、世界中の最新情報を効率よく取り込める点が大きな魅力です。

②検索結果の要約

Feloでは、関連性の高い情報を抽出して要点を自動的にまとめ、検索結果を要約して提示します。さらに、その要約には参照元のURLが付与されるため、出典を確認しながら効率的に情報を取捨選択することが可能です。大量の検索結果を一つひとつ読む時間を省きたい場面で大いに役立ちます。

③マインドマップの作成

検索テーマに応じて、関連する情報をマインドマップ形式で可視化する機能が備わっています。これにより、トピック同士のつながりや全体構造を直感的に理解することができます。学習や研究だけでなく、企画段階でのブレインストーミングやチームでの情報共有にも有効です。

④プレゼン資料の自動作成

PowerPoint 形式のプレゼンテーション資料を自動生成する機能も提供されています。表紙や目次を含めたスライドのたたき台が整うため、企画書や報告書の初稿を短時間で作成できます。その後、自分の目的に合わせて自由に編集できる点も利便性の高さにつながっています。

⑤多様な検索モード

Feloには、目的に応じて検索対象を切り替えられる多様な検索モードがあります。Web 全般に加え、ニュース、SNS、論文、PDF などから選択して調べられるため、欲しい情報に最短距離でアクセス可能です。学術的な調査から最新トレンドの把握まで、用途に応じた柔軟な使い分けが可能となっています。

Feloの有料・無料プランの違い

Feloには「無料プラン（スタンダード）」と「有料プラン（プロプラン）」があり、利用できる検索回数や搭載モデル、機能に違いがあります。

Feloの安全性・安全への取り組み

ここでは、Feloの安全性への取り組みを紹介します。通信データの暗号化や国内サーバーでの厳重管理に加え、国際的な法規制の遵守や二段階認証の導入など、多面的な仕組みにより、安心して利用できる環境が整えられています。

①Feloは日本企業開発のAI

Feloは、東京を拠点とするスタートアップのSparticle株式会社が開発した多言語対応のAI検索エンジンです。

創業者の金田達也氏は、元Microsoft社員であり、中国のXiaomiでの経験も持つ国際的なバックグラウンドを有しています。

日本企業としての運営と国際的な知見の両方が、安全性の向上に寄与していると推察されます。

②通信データの厳重な暗号化

Feloでは、ユーザーが入力した情報やAIの回答など、すべてのデータがインターネットを通じて送受信される際に暗号化されます。

暗号化とは、第三者が内容を読めないようにデータを特別な方法で隠す仕組みのことです。

Feloでは「TLS」という最新の暗号化技術を使っており、定期的に見直して安全性を保っています。これにより、ユーザーの情報が外部に漏れにくく、安心してサービスを利用できる設計となっています。

③一時的なデータ保存と日本国内でのサーバー管理

Feloでは、音声翻訳やテキストのデータは一時的にコンピュータのメモリ（RAM）にだけ保存され、長期間の保存用の場所には書き込まれません。これにより、情報が漏れるリスクを減らしています。

また、Feloのサーバーは日本国内にある安全基準「ISO 27001」を取得したデータセンターで管理されており、定期的に安全チェックが行われています。

さらに、サーバーへのアクセスは限られたFeloの担当者だけに制限されており、利用者の情報を守る体制が整っています。

④法規制の遵守

Feloは、日本の個人情報保護法だけでなく、ヨーロッパのGDPRなどの国際的なルールにも従っています。これにより、ユーザーの名前や入力データなどの個人情報が安全に守られ、インターネットを通じて送るときも安全に保たれます。

万が一、個人情報について問い合わせたい場合は、Feloの公式サイトに載っているメールアドレスから担当者に連絡できます。

⑤アカウント保護機能

二段階認証（2FA）を導入しており、パスワードに加え、スマートフォンなどに送信される確認コードを入力することで不正アクセスを防ぎます。

また、アカウントの共有は推奨されておらず、個人での利用に限定することで、プライバシー保護とセキュリティの強化が図られています。

これらにより、安心してFeloを利用できる環境が提供されています。

Feloの安全性に対する不安要素

ここでは、Feloを利用する際に考慮すべき懸念点を整理します。創業者の経歴や国際的背景に伴う不安、個人情報の取り扱いやデータ利用範囲の不透明さ、さらに誤情報や偏りのリスクといった観点から、安全性に関する留意点を解説します。

①中国やその他外国との関連性への懸念

Feloの創業者や開発チームの一部には中国出身者が含まれており、創業者自身がかつて中国のXiaomiで勤務していた経歴があります。

そのため、国際的なバックグラウンドを持つ企業としての性質はあるものの、公開情報の範囲では、Felo AI（Sparticle株式会社）が中国、ロシア、ベラルーシ、北朝鮮と直接的な関係を持つ証拠は確認できません。

この点から、特定国との関連性に関する懸念は存在するものの、現時点では明確なリスクを示す情報は限定的といえます。

②個人情報の取り扱いへの懸念

Feloでは、ユーザーが入力する文章やデータが保存される可能性があることから、外部への漏洩リスクやプライバシー保護の観点で懸念が残ります。

公式のプライバシーポリシーにも、具体的な情報の保存期間や第三者提供の可否について詳細な記載が見当たらず、利用者としては安心してデータを扱えるかどうか判断しにくい状況です。

③データ利用範囲の不透明さ

Feloが収集するデータの扱いについては、現時点では十分に明らかではありません。

具体的には、ユーザーの入力情報が学習データとして活用されるのか、あるいは外部に共有される可能性があるのかといった点が公開情報からは把握できません。App Store上では「開発者はこのアプリからいかなるデータも収集しない」と記載されていますが、ウェブ版サービスについても同様かどうかは確認できていません。

さらに、プライバシーポリシーの詳細な内容も公開されておらず、ユーザーが自分のデータの取り扱いを十分に理解することが難しい状況です。この不透明さは、安全性を評価するうえで留意すべき重要なポイントです。

④誤情報や偏りのリスク

FeloはAIと検索技術を組み合わせて情報を提供するため、参照するサイトの正確性が保証されるわけではありません。

そのため、誤った情報や偏った内容を出力する可能性があり、特に訓練データの偏りに起因する回答の歪みや、AI特有のハルシネーション（事実でない情報の生成）のリスクも存在します。利用者は結果を鵜呑みにせず、慎重に判断することが求められます。

Feloをより安全に利用するためのヒント

ここでは、Feloを安心して活用するための具体的なポイントを紹介します。入力時の注意やプライバシー設定の確認、利用規約の理解、そしてアカウントのセキュリティ強化といった基本的な対策を心がけることで、安全性を高めながら効率的に利用することができます。

ヒント①：入力内容に気をつける

Feloを利用する際は、個人情報や機密情報の入力に注意が必要です。

氏名や住所、電話番号などのプロフィール情報や、企業秘密に関わるデータは入力しないようにしましょう。

特に公開される可能性のある情報や詳細すぎる情報はリスクが高く、意図せず外部に漏れる可能性があります。必要な情報のみを入力し、不要な個人情報は控えることで、安全にFeloを活用できます。

ヒント②：プライバシー設定と共有設定を確認する

Feloには「トピック」などの情報共有機能があります。利用する際は、誰と情報を共有するかを確認し、プライバシー設定を適切に調整しましょう。

意図しない人や公の場で自分の情報が見られることを防ぐことができます。定期的に設定を見直すことで、より安全に情報を管理でき、安心してサービスを利用することが可能です。

ヒント③：利用規約/プライバシーポリシーを読む

Feloを安全に利用するためには、利用規約やプライバシーポリシーを事前に確認することが重要です。

データがどのように使用されるか、モデル学習に使われるのか、共有される可能性や保存期間などが明記されている場合があります。

特に企業版では、ユーザーデータが学習に利用されない旨が明示されているかをチェックすることが、安全性の判断材料となります。

ヒント④：アカウントセキュリティを強化する

アカウントを守るためには、パスワードを複雑に設定し、定期的に変更することが大切です。

そして二段階認証を有効にし、ログイン時に追加の確認コードを利用することで不正アクセスを防げます。

また、アカウントを他人と共有しないことも重要です。

これらの対策により、個人情報や利用データを安全に管理することができます。

Feloの安全性についてのQ&A

ここでは、Feloの安全性に関するよくある質問に答えます。暗号化や国内サーバー管理などの仕組みから、個人情報の入力に対する注意点、海外との関係性、データ保存の扱いといった気になるポイントを分かりやすく整理しました。

 まとめ: Feloは適切な対策で安全に利用できるツール

Feloは、日本企業であるSparticle株式会社が開発した多言語対応AI検索エンジンであり、引用付き回答や日本語対応など独自の強みがあります。

一方で、入力データの扱いや情報の正確性に関する不安は残ります。しかし、通信のTLS暗号化、国内ISO 27001認証データセンターでの管理、法規制の遵守、アカウント保護機能など、安全策が整っています。

加えて、ユーザー自身が入力内容やプライバシー設定、パスワード管理などに注意を払うことで、より安全に利用可能です。目的や環境に応じてリスクとメリットを理解し、適切な対策を講じながら活用することが推奨されます。