公認会計士はオワコンか?AI時代の現状と将来

AI×業界

「公認会計士はオワコン」――。こんな言葉を耳にして不安を感じたことはありませんか?急速に発達するAIは近い将来、さまざまな仕事を人間の代わりに行うようになると予測されています。「公認会計士の仕事もAIに奪われてしまうかも」と思ってしまうのも自然なことでしょう。

本記事では「公認会計士はオワコン」と言われる背景から、AIがもたらす影響、そしてAI時代を生き抜くために必要なスキルまでを具体的に解説します。AI時代の到来を前向きに捉え、自身のキャリアをステップアップしていくためのヒントを探りましょう。

📖この記事のポイント

  • 「公認会計士はオワコン」と言われるのはAIやRPAといったテクノロジーの進化が要因
  • 公認会計士は「オワコン」ではない。より高度な専門性や付加価値を提供できる会計士はむしろ活躍の場が広がる
  • 「オワコン」にならない公認会計士になるためには、進化していくAIとの共存こそがカギ
  • データリテラシーなど、AIを使いこなすためのスキル習得が今後は重要
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監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

「公認会計士はオワコン」と言われる背景とAIの影響

弁護士、不動産鑑定士と並ぶ「三大国家資格」のひとつである公認会計士。合格難易度が高く、高度な知識を必要とする専門職がオワコンと言われてしまうことには、どのような背景があるのでしょうか。

なぜ「公認会計士はオワコン」と言われるのか?

「公認会計士はオワコン」という声が上がるのには、主に以下の3つの理由が挙げられます。

  1. 公認会計士試験の合格者数の増加:近年、公認会計士試験の合格者数は増加傾向にあります。市場に供給される会計士の数が増えることで競争が激化し、一人あたりの仕事量が減少したり、報酬が低下したりする可能性が指摘されています。
  2. 企業数の減少(特に中小企業):日本経済の構造変化や少子高齢化に伴い、特に中小企業の廃業やM&Aが増加しています。これにより、会計士の主要な顧客である企業の数が減少し、結果として需要が減少するという見方もあります。
  3. AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の進化:テクノロジーの急激な進化により、人間の力を必要とする場面が少なくなっていくことが予想されています。

中でも近年注目されている大きな要因は、3つ目AIやRPAといったテクノロジーの進化です。

実際、AIやRPAはさまざまな分野で導入が進んでおり、これまで人間が行ってきた定型的な業務を自動化し、人間よりも効率的かつミスの無い作業を実現してきています。

公認会計士のような専門的知識を要する仕事は、以前は自動化が難しいと考えられていました。しかし特にここ数年はAIの進化がすさまじく「将来的には公認会計士の仕事もAIに取って代わられるのでは?」という懸念が広がっています。

AIの進化が会計士の仕事に与える影響

AIは「自動化」と「分析」を強みとしています。実はこれらの強みは会計士のいくつかの業務と親和性が高く、すでにさまざまな場面で活用されています。

  • 仕訳入力・会計データ処理:会計ソフトの進化とAIの連携により、領収書や請求書の情報を自動で読み込み、仕訳を自動生成するシステムが普及しています。これにより、手作業での入力ミスが減り、作業時間も大幅に短縮されています。
  • 勘定照合・残高確認:監査業務の初期段階で必要となる銀行口座の取引履歴と帳簿の突合、債権債務の残高確認といった地道な作業も、AIの得意分野です。AIが自動で突合処理を行い、不一致や異常値を瞬時に検知することで、会計士の手間を削減しています。
  • 契約書レビューの補助:契約書の中から特定のキーワード(例:リスク条項、期限、金額など)を抽出してリスクを検知するなど、AIが補助的な役割を果たすことで、作業コストの削減を実現しています。

このように、AIの発達によってこれまで作業にかかってきた時間や労力が削減されるのは、会計士にとってはメリットになります。しかし、AIが便利になるにつれて会計士の果たせる役割は小さくなっていき、会計士としての存在意義が問われるという側面も持ち合わせているのです。

公認会計士は本当に「オワコン」なのか?

では、「AIの進化で公認会計士の仕事がなくなる」という不安は、本当に現実になるのでしょうか。

結論から言えば「定型的な業務に依存する会計士には厳しい時代になるが、より高度な専門性や付加価値を提供できる会計士は活躍の場が広がる」と言うことができます。AIは公認会計士の仕事を「奪う」のではなく、「変革させる」存在であると解釈することが重要です。

AIの進化により、公認会計士の仕事がどのように変化し始めているのかを見ていきましょう。

監査業務の未来と公認会計士の役割変化

公認会計士の主要な業務である監査業務は、すでにAIの影響を受け始めています。

例えばAIは、大量のデータを高速で分析し、パターン異常や潜在的なリスクを検出する能力に優れています。不自然な取引や特定の勘定科目の急激な変動などを人間に代わってAIが検知することで、スピーディに対応できるだけでなく、人の目では見落としがちな不正の兆候を発見できるメリットもあります。

しかし、AIがどれだけ進化して、データ分析やリスク検知の能力が向上していっても、「監査意見の表明」という最終的な判断は、人間の公認会計士にしかできません。経営者の意図の把握、複雑な取引の実態理解、そして企業文化やガバナンス体制の評価といったデータでは見づらい非財務情報の分析が、AIには難しい作業だからです。

つまり、AIが提示するデータ分析結果を基に「なぜそのような結果が出たのか」「その結果が企業にどのような影響を与えるのか」を深く洞察し、経営者に適切なアドバイスを提供することが、これからの公認会計士に求められる重要な役割だと言えます。

税務・会計コンサルティングでのAI活用

税務や会計コンサルティングの仕事も、AIの活用によって変化していくことが予想されます。

この領域では、公認会計士は単に税務・会計の知識を提供するだけでなく、クライアントのビジネスモデルや経営戦略に深く踏み込んだアドバイスを提供する能力が求められます。

例えばAIは、税法改正情報や判例を検索し、特定のケースにおける最適な税務処理の提案をするという使い方ができます。また、企業の財務データを分析し、節税対策やキャッシュフロー改善のためのシミュレーションを行うことも可能です。

公認会計士が持つ専門知識に、こういったAIの高度な分析能力を組み合わせることで、これまで以上に付加価値の高いコンサルティングサービスを提供できるようになるでしょう。

AI時代に「オワコン」にならないための公認会計士のスキル

AI時代に「オワコン」にならない公認会計士になるためには、進化していくAIとの共存こそがカギになります。そのために必要なスキルとは何でしょうか。

AIを使いこなすためのデータリテラシー

AIとの共存に必要不可欠なのがデータリテラシーです。これは、単にデータを収集・分析するスキルだけでなく、データの質を見極め、適切な分析方法を選び、AIが導き出した結果を正しく解釈し、活用する能力を指します。

具体的には、以下のようなスキルが価値を発揮するようになるでしょう。

  • 統計学の基礎知識:統計学の基本的な概念を理解し、AIのアルゴリズムがどのように機能するのかを知ることで、、AIが導き出すデータ分析の結果を適切に評価し、その信頼性を見極めることができます。
  • プログラミングの基礎知識:PythonやRといったプログラミング言語の基礎を習得することで、AIツールをカスタマイズしたり、既存のデータ分析ツールでは対応しきれないような、より複雑なデータ分析を実行できるようになります。
  • AIツールの操作スキル:表計算ソフトや会計ソフトに搭載されたAI機能や、専門的なデータ分析ツールを効率的に使いこなす能力も重要です。

クライアント本位の価値提供のための高いコミュニケーション能力

どんなに高度なデータ分析ができても、それをクライアントに理解してもらい、行動に移してもらえなければ意味がありません。AI時代においては、クライアント本位の価値提供を実現するための高いコミュニケーション能力が、これまで以上に重要になります。

  • ヒアリング能力:クライアントの真の悩みは、往々にして数字には出づらいものです。AIが示すデータだけでは見えてこない課題を深く理解するために、クライアントの声に耳を傾け、的確な質問を投げかける能力が必要不可欠です。
  • 提案力(説明力):クライアントのニーズに合わせて、最適なソリューションを多角的な視点から提案し、具体的なメリットを示す能力も重要です。AI分析が導き出す結果を分かりやすく説明する能力も求められるでしょう。
  • 信頼関係構築力:AIが提供する情報がコモディティ化していく中では、監査やコンサルティングを通じてクライアントとの間に強い信頼関係を築き、長期的なパートナーシップを構築する能力が重要になります。

継続的な学習とリスキリングの意識

AI技術の進化は止まることを知りません。AIの進化に伴い、今後は社会の価値観や考え方、仕組みまでも急激に変化していくでしょう。かつて「手に職」と言われた専門スキルも、変化に対応できなければその価値を失ってしまう時代が到来しています。

だからこそ、公認会計士に限らずあらゆるプロフェッショナルにとって、最新の技術動向やビジネス環境の変化に常に対応できるよう、続的な学習とリスキリングの意識が、これまで以上に必要不可欠なものとなっていきます。

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まとめ

今回は「公認会計士はオワコン」と言われる背景から、AIがもたらす影響、そしてAI時代を生き抜くために必要なスキルまでを解説してきました。

この記事で解説してきたことをまとめると、次のようになります。

  • 「公認会計士はオワコン」という声が上がるのには「合格者数の増加」「企業数の減少」に加え「AIやRPAの進化」による影響が大きい
  • AIの進化はすでに「自動化」と「分析」で会計士の仕事に影響を与えており、時間や労力が削減されるというメリットになっているが、会計士の存在意義が問われる側面もある
  • AIの進化は、定型的な業務に依存する会計士には厳しいが、より高度な専門性や付加価値を提供できる会計士には活躍の場が広がる機会でもある
  • AI時代に「オワコン」にならないためには、AIを使いこなすデータリテラシー、高いコミュニケーション能力、そして継続的な学習とリスキリングの意識を持つことが重要

AIの進化による脅威は、公認会計士に限った話ではありません。しかし、どのような仕事であっても人間にしか発揮できない価値は必ずあり、それは今後ますます重宝されていきます。

AI時代に「オワコン」とならずに人間ならではの良さを発揮し続けられるよう、スキルの維持と向上を常に意識していきましょう!