GrokのThinkモードとは?意外と知らない使い方とメリット

Grok

従来のAIと同じ感覚で使っていると、Thinkモードならではの強みを活かせず、「期待したほどではなかった」と感じてしまうかもしれません。便利なツールも、正しい使いどころを知らなければ効果は半減してしまいます。

本記事では、Thinkモードの概要から、具体的な活用例を交えて効果的な使い方をご紹介します。

📖この記事のポイント

  • Thinkモードは、問題解決への「道筋」を立てる論理的な思考機能であり、ウェブ全体からテーマの「本質」を掘り起こすDeep Searchとは目的が異なります。
  • 現在はGrok-4モデルを選択することで利用可能となり、問題解決や論理的思考の強力なパートナーとして機能します。
  • 正確性には限界があるためファクトチェックは必須ですが、使い方次第であなたの仕事や学習の質を大きく向上させる可能性を秘めています。
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監修者プロフィール
森下浩志
日本最大級のAI情報プラットフォーム「romptn ai」編集長。著書に「0からはじめるStable Diffusion」「0からはじめるStable Diffusion モデル・拡張機能集編」など、AmazonベストセラーのAI関連書籍を多数執筆。AIにおける情報の非対称性を解消するための社内研修や出張講義も行う。

Grok 「Thinkモード」とは?

Grokの「Thinkモード」とは、一言でいえば物事の本質をじっくりと考え抜くための「熟考モード」です。

多くのAIが素早く答えを出すことを得意とするのに対し、Thinkモードはあえて時間をかけ、より多くの思考リソースを投入します。まるで優秀なコンサルタントが問題を分析するように、

  • まず現状はどうなっているか(前提整理)
  • 考えられる選択肢は何か(仮説立て)
  • それぞれのメリット・デメリットは(評価)
  • 最も良いのはこの方法です(結論)

という思考プロセスを丁寧に進めます。一つの正解に飛びつくのではなく、A案、B案、C案と複数の選択肢を比較検討し、ベストな答えを探してくれる、それがThinkモードの真髄です。

「直感」の通常モード、「熟考」のThinkモード

この違いを理解するために、簡単なクイズで見てみましょう。AIに「1, 2, 4, 8, ? 次に来る数字は何でしょう?」と尋ねたとします。

◼︎通常モード

素早いAIは、数列をパッと見て「2倍ずつ増えているな」と直感的にパターンを掴み、「16です!」と即答します。多くの場合これは正しく、スピードが求められる場面で役立ちます。

◼︎Thinkモード

一方、Thinkモードは「本当にそうだろうか?」と一度立ち止まります。安易な結論に飛びつきません。その頭の中では、以下のような思考が展開されています。

  1. 前提の確認
     「これは単純な数列の問題、と解釈してよいか?何か特殊な文脈や隠されたルールはないか?」
  2. 仮説を立てる 
    「『前の数字を2倍する』というルール(等比数列)は、提示されたすべての数字に当てはまる。これが最も有力な答えだろう。」
  3. 別の仮説を探る 
    「しかし、万が一の可能性も考えて、これは『4つの数字で1セットの繰り返しパターン』の一部、あるいは、非常に複雑な計算式の結果、たまたま最初の4つが『1, 2, 4, 8』になっただけだとしたら?」
  4. 結論を慎重に吟味する
    「他の可能性も検討したが、与えられた情報だけから判断するなら、『2倍ルール』がシンプルで論理的である。したがって、現時点での最適解は16と結論付けよう。」

このように、Thinkモードは単に丁寧なだけでなく、複数の仮説を比較検討することで、答えの信頼性を高める思考法なのです。

混同されがちな「Deep Search」との違い

Grokには、Thinkモードと混同されがちな「Deep Search」という機能もあります。この2つ、実は得意なことが全く違うので、使い分けるのが超重要。ここでスッキリ整理しておきましょう。

結論から言うと、結論から言うと、その役割は「戦略コンサルタント調査分析チーム」の違いに似ています。

Thinkモードは、答えのない複雑な問題に対して、問題の構造を整理し、論理的な手順を組み立て「どうすれば解決できるか?」という解き方をじっくり考え抜きます。

一方、Deep Searchは、「このテーマについて現状どうなっているか?」という事実を徹底的に調べ上げます。しかも単に一度検索するだけではなく、まず最初の検索結果を読み込み【推論】し、「何が足りないか?」「次は何を調べるべきか?」を自ら考え、再び【検索】します。この「検索と推論」のサイクルを何度も繰り返すことで、情報の点と点をつなぎ合わせ、表層的な検索ではたどり着けない深い洞察を含んだ結果を出力してくれるのです。

機能目的得意なことお願いすることの例
Thinkモード答えのない問いに対し、構造化された解決策や計画を立案すること複雑な問題の構造化、論理的な解決策の立案、仮説検証「事業計画の骨子を作って」
Deep Search特定のテーマについて、ウェブ全体の情報から検索↔︎推論を行い精度の高い回答を出す「検索と推論」の反復による深掘り調査、複数ソースを横断した情報統合と分析レポート作成「最新のAI市場動向を調べて」
ThinkモードとDeep Searchの違い

このように、問題解決の糸口を探りたいならThinkモード、関連情報を「深く・広く」知りたいならDeep Search。この使い分けを意識するだけで、Grokの活用の幅がグッと広がります。

Thinkモード 3つのメリット

Thinkモードを使いこなすと、私たちの仕事にどんな良いことがあるのでしょうか?

ここでは、特に「これは便利!」と感じられる3つの大きなメリットをご紹介します。

AIの思考プロセスが見えることで、単に時短になるだけでなく、仕事の質そのものを高めてくれるんです。

メリット① 回答の透明性が高い

まず何よりも、AIの回答に対する「納得感」が違います。

AIの答えって、時々「本当にこれ合ってる…?」と不安になること、ありませんか?Thinkモードなら、その答えに至った思考のプロセスがステップごとに示されるので、「なるほど、こういう理由でこの結論になったんだな」とスッキリ理解できます。

例えば、経営戦略について相談したとします。Thinkモードは、提案の根拠となった市場分析やリスク評価のプロセスまで見せてくれます。

これなら、単なるAIの思いつきではなく、ちゃんと筋道を立てて考えられた提案として信頼できますよね。この透明性の高さは、ビジネスの重要な意思決定でAIを活用する上で、何よりの安心材料になるはずです。

メリット② 複雑な問題解決に強い

一人で考えていると堂々巡りになってしまうような、複雑な問題解決もThinkモードの得意分野です。

例えば、「最近、どうもECサイトの売上が伸び悩んでいる…」なんていう、原因が一つではない厄介な課題があるとします。

そんな時にThinkモードに相談すれば、想定される課題をステップバイステップで仮説を立て、大きな問題を解決可能な小さなステップに分解してくれます。

どうしても自分の経験や思い込みに思考が偏りがちですが、Thinkモードは客観的な視点で課題を構造化してくれます。まるで優秀なファシリテーターが議論を整理してくれるように、複雑に絡み合った問題でも、解決への道筋をクリアに示してくれるでしょう。

メリット③ 思考の壁打ち相手になる

企画書を作っている時や新しいアイデアを練っている時、「誰かに話を聞いてほしいな…」と思う瞬間、ありますよね。

Thinkモードは、まさにその最高の「壁打ち相手」になってくれるんです。

自分の頭の中だけで考えていると、だんだん視野が狭くなってしまうもの。そんな時、Thinkモードに「こんなこと考えてるんだけど、どう思う?」と軽く投げかけてみてください。すると、そのアイデアを深めるための次のステップや、自分では思いつかなかったような別の視点を提示してくれます。

Thinkモードの基本的な使い方

では実際の使い方を見ていきましょう。使い方はとってもシンプル。「え、これだけ?」と思うほど簡単なので、ぜひ今日から試してみてください。以前とは少し仕様が変わっているので、その点も合わせて解説します。

Thinkモードを選択

「Thinkモードを使おう」と思って画面を見ても、「Think」という名前のボタンは見当たりません。

実は、以前は専用のボタンがあったのですが、今の仕様はもっとシンプルになりました。

結論として、Grokのチャット画面で、賢い方のモデルである「Grok-4」を選ぶだけです。たったこれだけで、Thinkモードを利用できます。

Grok-4はGrokの中でも最も高性能なモデルで、その賢い頭脳の標準機能として「ステップ・バイ・ステップで考える能力」が組み込まれています。だから私たちは、難しい設定は一切不要。入力欄の上にあるモデル選択メニューで「Grok-4」が選ばれているか確認するだけで、準備は完了です。

プロンプトを入力する

Grok-4モデルを選んだら、あとはいつも通り、プロンプトを入力するだけです。

ただし、Thinkモードの性能を120%引き出すには、ちょっとした「聞き方」のコツがあります。

それは、単なる「答え」を求めるのではなく、「方法」や「手順」を尋ねることです。

「〜とは何ですか?」という知識を問う質問より、「〜するには、どうすれば良いですか?」といった相談ごとがThinkモードの得意分野です。

ここで、具体的な回答例を見てみましょう。

<投げた質問>

うちみたいな中小企業がDXを進めたいんだけど、何から手をつけていいかサッパリで…。初心者の僕にも分かるように、具体的な進め方をステップで教えてくれないかな?

<実際の回答>

Thinkモードを使いこなす活用事例2選

実際にどんな風に仕事に使えるの?と思いますよね。ここでは、実際に仕事で活用できそうと感じられるような、リアルな活用事例を2つご紹介します。

活用事例① 事業計画書の骨子作成

新しい事業を始めるときに避けて通れない、事業計画書の作成。考えなきゃいけないことが多すぎて、どこから手をつけていいか分からなくなりがちですよね。そんな時こそThinkモードが役立ちます。

例えば、こんな風にお願いしてみましょう。

地元の特産品を使った、オンライン専門のスイーツショップを開きたいです。そのための事業計画書の骨子を作ってください

<実際の回答>

活用事例② 「営業日報」のテンプレート

営業活動をする上で、反省点を洗い出し次に活かすための振り返りは最も重要ですよね。ただ、今使っている日報が本当に効果的なのか、いまいち分からない。そんな時はありませんか?

例えば以下のような指示を出してみると、的確に作成までのステップを提示してくれます。

営業チームの成功事例やナレッジを共有し、チーム全体のスキルアップに繋がるような、効果的な営業日報のテンプレートの作り方を教えて

<実際の回答>

Thinkモードを利用する上での注意点

ここまでThinkモードの良いところをたくさんお伝えしてきましたが、もちろん万能ではありません。

頼りになるパートナーだからこそ、その「弱点」や「クセ」もちゃんと理解しておくことが大切です。

ここでは、Thinkモードと賢く付き合っていくために、知っておきたい注意点を2つをお話しします。

注意点① 情報の正確性とファクトチェックの重要性

これはThinkモードに限らず、すべてのAIに言えることですが、AIが言うことが常に100%正しいとは限りません。

Thinkモードが示す思考プロセスは非常に論理的で説得力がありますが、その大元になっている情報が古かったり、間違っていたりする可能性はゼロではないんです。

Thinkモードが出してくれた答えを重要なビジネスの判断に使う前には、必ず公的機関のサイトで裏付けを取るなど、最後は「自分の目」でファクトチェックするクセをつけましょう。

注意点② リアルタイムな情報や最新の話題には向かない

GrokはX(旧Twitter)の情報にアクセスできるため、リアルタイム情報に強いのが大きな魅力です。しかし、その能力を最大限に引き出すには、実は「機能の使い分け」が非常に重要になります。 すべてのタスクをThinkモードに任せようとすると、「あれ、期待した答えと違う…」なんてことになりかねません。

Thinkモードの得意分野は、あくまで「じっくり考える」こと。例えば、営業戦略を立てたり、研修プランを練ったりといった、普遍的な課題に対して論理を組み立てるのが得意です。

最新の情報を加味した上で分析したい場合は、GrokのDeep Searchを利用するのをおすすめします。

この役割分担を意識することが、Grokを使いこなす最大のコツと言えるでしょう。

Thinkモードは解き方まで教えてくれる!

本記事では、Grokの『Thinkモード』について、その概要から具体的な使い方、メリットまでを網羅的に解説しました。

  • Thinkモードの基本的な機能とDeep Searchとの明確な違い
  • 現在はGrok-4モデルを選択することで利用可能となり、問題解決や論理的思考の強力なパートナーとして機能します。
  • 回答の透明性向上など、Thinkモードがもたらす3つの主要なメリット
  • ビジネスや学習にすぐ活かせる実践的な活用シナリオ

本記事で紹介した使い方や活用事例を参考に、あなたの仕事や学習における「第二の脳」として、ぜひGrokのThinkモードを役立ててください

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