アメリカで歌声をAIから守る「エルビス法」が制定 | romptn Magazine

アメリカで歌声をAIから守る「エルビス法」が制定

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近年、AIの進化により、歌手の声を無断で使用するサービスが急速に広がっています。この状況に対処するため、アメリカのテネシー州で「エルビス法」と呼ばれる新しい法律が制定されました

この法律の特徴は、個人の「声」を財産として保護する点です。これにより、アーティストの声の無断使用を防ぎ、違反した場合は最高2500ドル(約40万円)の罰金が科されます。法律の制定に関わったソウルズビル財団のパット・ミッチェル・ウォーリーCEOは、アーティストの生活を守るために重要な法案だと述べています。

AIの影響は音楽業界にも及んでおり、4年後には音楽クリエーターの収入が3割近く減少する可能性があるという調査結果もあります。21歳のミュージシャン、クリス・クラークさんは、歌声を「AI泥棒」から守る必要性を訴えています。

一方で、無許可でAIサービスを展開する企業の存在も問題となっています。ボイス・スワップの共同創業者兼CEOであるダン・スタイン氏は、シリコンバレーの「許可を取らずに後で許しを請え」という考え方が背景にあると指摩しています。

テネシー州在住の好川仁弁護士は、エルビス法の影響が今後、アメリカ連邦議会や日本、ヨーロッパにも波及する可能性があると予想しています。

技術の進歩を妨げずに創作者の権利を守るルール作りは、今後も継続的な課題となりそうです。音楽業界と法律の専門家たちは、この新しい課題に対する取り組みを続けていくことになるでしょう。

引用:TBS NEWS DIG