AI採点システム普及の波:教育現場のDXが進む | romptn Magazine

AI採点システム普及の波:教育現場のDXが進む

AIニュース

全国の中学校や高校で、AIを活用した定期テストの採点システムが導入され始めています。従来、教員が手作業で行っていた採点作業を自動化することで、業務の効率化と負担軽減が期待されているのです。

福岡市博多区の席田中学校では、昨年9月からデジタル自動採点システムを導入しました。カタカナやアルファベット、数字などの記号問題はAIが自動で採点し、記述式問題は生徒の回答を並べて模範解答と比較しながら採点します。数学科の教諭は、「1時間かかっていた作業が20~30分で終わるようになり、かなり楽になった」と語っています。

一方で、AIが判別できないケースもあるため、教員の確認作業は欠かせないとのことです。社会科の教諭は、「生徒の回答を確認し、必要に応じて修正することで、AIの精度を補完している」と話しており、採点作業を勤務時間内で終えられるようになったことで、個人情報保護の面でもメリットがあるそうです。

福岡市教育委員会の調査では、デジタル自動採点システムの導入により、85%の教員が業務負担の軽減を実感しています。採点時間の短縮により、授業準備や部活動指導など、生徒と向き合う時間が確保されるようになったことが、教員のモチベーション向上にもつながっているようです。

導入にかかる費用は、福岡県では1校当たり年間7万3700円、福岡市では約31万5800円、春日市では13万2000円となっています。北九州市と久留米市も今年度中に市内全ての中学校への導入を予定しており、AIを活用した採点システムは今後さらに広がりを見せそうです。

教育現場におけるAIの活用は、教員の業務効率化と生徒へのきめ細かな指導を両立させる可能性を秘めている一方で、システムの精度向上と適切な運用が求められます。AIと教員が協働し、より良い教育環境を実現していくことが期待されています!