この記事では、Gemini Ultraの概要や使い方、料金プランや活用事例などを徹底解説しています。
Geminiは、これまでGoogleの生成AIサービスとしてあった「Bard」という名称で提供されていたものが、アプリ利用可能になったタイミングで「Gemini(ジェミニ)」へ変更されたものです。
Geminiは複数の料金プランもあり、性能や活用方法も違いますのでしっかりと確認していきましょう。
それでは最後までご覧ください。
Gemini Advanced:Gemini Ultraとは
この章では、以下の2点について詳しく解説しています。
- Gemini Advancedとは?
- Gemini Ultraとは?
「Gemini Advanced」と「Gemini Ultra」は混同しやすい用語ですので、詳しく解説していきます。
Gemini Advancedとは
Gemini Advancedは、2024年2月8日にリリースされたGoogleの有料版生成AIチャットサービスです。
日本語対応のほか、40カ国以上の言語に対応しており、ChatGPT4よりも高性能で利用料金も安価と言われていますね。
また、Gemini Advancedでは「Gemini Ultra 1.0」が利用可能で、
- 文章、プログラムのソースコード、音声、画像、動画の入力に対応
- 文章やプログラムのソースコードの生成が可能
- ベンチマークテスト比較で32項目中30項目でChatGPT4の性能を上回る結果
- MMLU(Massive Multi-task Language Understanding)の項目では専門家を上回る結果
といった性能を持っています。
MMLUとは、「Massive Multi-task Language Understanding(大規模マルチタスク言語理解)」のことを指しています。
これは、数学・物理学など、57科目の組み合わせで知識や問題解決能力を測るテストのことです。
Gemini Ultraについては次の項目で詳しく解説します。
Gemini Ultraとは?
Gemini Ultraは、Gemini Advancedの中で利用できるサービスの一つで、テキストや画像、動画、プログラムソースコードなどに対応するマルチモーダル生成AI(MLLM)のことです。
Geminiシリーズには、
- Gemini Ultra 1.0
- Gemini Pro
- Gemini Nano
の3種類があります。
この中の最上位モデルが、「Gemini Ultra 1.0」です。
Gemini Ultra 1.0がGemini Ultraの初期のもので、他のモデルと比較した場合に複雑なタスクにも対応が可能な高性能のモデルとなります。
今後もアップデートが行われる予定となっているので、更なる高性能なモデルになると予想されます。
Gemini Advancedの料金:Gemini Ultraを使うには
まず最初に、Gemini Ultra 1.0を利用するためには、「Google One AI プレミアムプラン」に加入してGemini Advancedが利用できるようにしなければいけません。
Geminiの料金プランは以下の表に記載の通りです。
Gemini(旧Bard) | Gemini Advanced | |
---|---|---|
料金 | 無料 | 月額2,900円 |
利用方法 | Webブラウザ、アプリ | Webブラウザ |
処理能力 (MMLU) | 標準的な処理に対応 (88.5%) | より複雑な処理に対応 (90%) |
データ取扱量 | 数千億のパラメータ | 数兆のパラメータ |
利用用途 | 日常生活 | 研究開発 |
機能 | ・基本的な対話 ・文章生成 ・翻訳 ・質問への回答など | ・コード生成 ・データ分析 ・長文の生成 ・複数言語の同時処理 ・プログラミング言語のサポート |
利用制限 | 特に制限なし | 利用規約に基づき一部制限あり |
その他 | 無し | 2TBのGoogleストレージ |
Gemini Advancedを利用することで、入力データの処理も早くなり、扱えるデータ量も増えるため正確な結果を得やすくなります。
また、初回のみ2ヶ月無料で利用することができますし、「Google One AI プレミアムプラン」への加入により2TBのGoogleストレージが使えるようになるのも魅力的です。
Gemini Ultraの性能は?
この章では、Gemini Ultraの性能について以下の4点について解説します。
- 多様な入力方式に対応
- 文章、ソースコード、画像生成に対応
- 性能比較:32項中30項目でGPT4に勝利
- 理数&人文における全57科目の問題で専門家に勝利
性能については折り紙付きのGemini Ultraについて詳しく見ていきましょう。
多様な入力方式に対応
Gemini Ultraは、以下のように多様な入力方式に対応しています。
- 文章
- ソースコード
- 音声
- 画像
- 動画
ChatGPTでは、動画入力はできませんので、動画の内容を解析したり何か調べたい時はGemini Ultraを利用する方が便利です。
文章・ソースコード・画像生成に対応
Gemini Ultraは、文章の作成やプログラミングのソースコード生成、画像生成が可能です。
例えば、以下のように文章を作成してくれます。
ちょっと無理のあるタイトルで指示しましたが、的確に回答を作成してくれています。
また、以下のようにプログラムのソースコード(今回はPython)も簡単に作成してくれます。
数式を入力すると自動で計算する簡単なコードにはなりますが、一瞬で以下のようにコードを作成してくれました。
# ライブラリのインポート
import math
def calculate(expression):
"""
数式を解析し、結果を出力する関数
Args:
expression: 計算したい数式
Returns:
計算結果
"""
try:
# 四則演算とべき乗を計算
result = eval(expression)
except SyntaxError:
# 数式に誤りがある場合はエラーメッセージを出力
print("数式が正しくありません。")
return
# 結果を出力
print(f"計算結果: {result}")
# ユーザーから数式を入力
expression = input("数式を入力してください: ")
# 数式を解析し、結果を出力
calculate(expression)
動作結果も表示してくれるので、非常に親切です。
性能比較:32項中30項目でGPT4に勝利
Gemini Ultraでは、ChatGPT4Vとの性能比較を実施したところ、全32項目中30項目が性能を上回ったとの結果が出ています。
その結果は以下の通りです。
テキストの項目でもマルチモーダルの項目でも良い結果を残しています。
理数&人文における全57科目の問題で専門家に勝利
Gemini Ultraは「MMLU(Massive Multitask Language Understanding)、大規模マルチタスク言語モデル」という全57教科あるベンチマークテストの結果でも専門家に勝利する結果を残しています。
専門的な知識を持つ人を超えると言われる数値が「90%」なのですが、Geminiのベンチマークテスト結果は、ちょうど90%を記録しています。
ChatGPT4Vはというと、86.4%とGeminiには及ばない結果となっています。
Gemini Advancedでできること / Gemini Ultraの活用事例
この章では、Gemini Advancedでできることを以下の2点で解説していきます。
- Gemini for Workspaceの使用
- Geminiアプリの利用(Android / ios対応)
有料版にすることで、さまざまなGoogleツールと連携ができるようになり非常に便利になります。
Gemini for Workspaceの使用
Gemini for Workspaceを活用することで以下のような作業が効率化されます。
- Googleドキュメントにて、原稿の作成および校正
- Gmailでのビジネスメール作成および校正
- Googleスライドでの、挿入画像生成
- Googleスプレッドシートでのテキスト生成
- Google Meet利用時の背景画像生成
特に、 Googleドキュメントと連携した原稿作成と原稿の校正については作業効率が格段に上がり、ビジネスメールの作成についてもテンプレートを用意してくれるので、迷わず作成が可能となります。
Geminiは、拡張機能によりGoogle WorkSpaceと連携することが可能です。
連携の方法については以下の通りです。
Geminiの画面左下にある「設定」を選択します。
設定メニューから「拡張機能」を選択します。
拡張機能が使えるものが中央に出てくるので、「 Google Workspace」の右上にあるチェック欄を選択します。
接続確認の画面になりますので、右下の「接続」を選択します。
これで拡張機能が使えるようになりましたので、 Googleドキュメントなどと連携が可能になります。
Geminiアプリの利用(Android / ios対応)
Geminiは、Googleのスマホアプリでも利用可能です。
実際にアプリでプログラムコードを生成してもらいましたのでご覧ください。
Googleアプリを開くと以下の画面になりますので、中央上部の「検索」の左のマークを選択します。
「Gemini」の画面に切り替わります。
下部の入力スペースに指示内容を入力します。
今回は、「Pythonコードで、ipアドレスを自動通知する方法を教えて」と入力しました。
その結果が以下の通りです。
しっかりとプログラムコードを出力してくれました。
アプリでも十分使えることがわかりましたが、 Googleアプリでは「無料版のみ利用可能」なのでご注意ください。
Gemini Ultraを使ってみた:Googleドキュメントで提案書を作成
実際にGemini Ultraを使ってみたいと思います。
今回は、「 Googleドキュメントで提案書を作成」してもらえるのか?検証します。
それでは早速、Geminiへ内容を指示してみましょう。
指示内容を下部の入力スペースへ入力します。
指示内容を入力すると以下のように回答結果が得られました。
どうやら現在の拡張機能では直接作成指示はできないようです。
どうやらGmailにアクセスすることができそうなので、「Google」に関するメールが何件あるか聞いてみました。
その結果、 Googleが記載されているであろうメールを検索してくれましたが、関係のないメールもヒットしています。
少し抽象的な指示だったためにこのような結果になった可能性もありますが、精度はあまり高くないようでした。
しかしながら、今後も拡張機能はアップデートされていく予定なので使える機能が増えることでさらに利便性が向上していくと思われます。
Gemini AdvancedとChatGPT Plusどっちが優れている?
Gemini AdvancedとChatGPT Plusについて、両者を比較してみました。
以下が比較した内容をまとめた表です。
Gemini Advanced | ChatGPT Plus | |
---|---|---|
料金 | 月額2,900円 | 月額約3,000円(1ドル150円の場合) |
連携 | Google製品 | 様々なプラグインにより連携先は豊富 |
特徴 | Google製品との連携ができる 月額料金が安い | プラグインが多いことにより柔軟性が高い |
処理速度 | 速い(MMLU結果:90%) | 速い(MMLU結果:86.4%) |
情報鮮度 | 未公表だが Google検索により 最新情報を得ることが可能 | 2023年4月まで |
その他 | Googleストレージ2TB利用可能 | – |
料金については、Geminiに軍配が上がりますが、そのほかの性能についてはほぼ互角と言っても良いでしょう。
ただし、Geminiの方が「Google One AI プレミアムプラン」加入により2TBのストレージが利用できる点が料金的メリットとして大きいでしょう。
Gemini Ultraの使い方のまとめ
Geminiについて以下の通り解説をしてきましたので振り返ってみましょう。
- Gemini Advancedは2024年2月8日にリリースされたGoogleの有料版生成AIチャットサービス
- Geminiは無料と有料(Gemini Adbanced)のプランがそれぞれある
- ベンチマークテストの結果、32項目中30項目がChatGPTを上回った
- Google Workspaceとの連携により効率化が図れる
- GeminiとChatGPTを比較した結果、料金面ではGeminiに軍配
リリースされたばかりの生成AIサービスですが、今後もアップデート予定となっていますので様々な機能が追加されていくのが楽しみですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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