ベリタステクノロジーズ合同会社は最新の生成AIツールに関するグローバル調査の結果を発表しました。調査は世界11カ国、11,500人の会社員を対象に行われ、職場での生成AIツールの利用状況や、それに対する考え方の地域間での違いを明らかにしました。
このAIニュースのポイント:
- 日本の職場における生成AIツールの利用率は38%で、調査対象11カ国中最下位となっています。
- 日本では生成AIツールの使用に対し慎重な姿勢が顕著で、世界トレンドの「情報収集」に対して、「ライティング向上やEメールの作成」に利用されています。
- 従業員の大半が生成AIの使用に関するガイドラインやポリシーの必要性を感じているにもかかわらず、その提供を行っている企業は少ないことが明らかになりました。
グローバル調査の結果
グローバル調査の全体結果では、職場での生成AIツールの使用に関する混乱が、従業員間の分断と機密情報の漏洩リスクの増加をもたらしていることが明らかになりました。
調査では、(世界11カ国の)従業員の70%以上が顧客データや会社の財務情報などをChatGPTのようなツールに入力して使用していることを認めています。一方で、約23%の従業員はこれらのツールの使用を避け、他の従業員が業務に使用することを誤りとみなしていることが判明しました。
また全体の90%が使用に関する明確なガイドラインやポリシーの必要性を認識しているにもかかわらず、企業の36%のみが従業員に対して具体的な使用方法を義務付けています。
日本独自の特徴
日本では生成AIツールを使用することのメリットを感じていない人が11カ国の平均と比べて2倍以上おり、「組織内での役割がAIに置き換わらないだろう」と考えている人が多いことが明らかになりました。
ベリタステクノロジーズは調査における日本特有の結果を次のようにまとめています。
・生成AIツールを職場で使用することは、個人としてメリットはないと思っているのは、28%で日本が一位(グローバル平均:14%)
・今後 3 年以内に組織内の役割が AI に置き換わると思っていないのは、78%で日本が一位(グローバル平均:58%)
・自分と同じ役割を果たしている同僚の 1 人が生成 AI を使用していていることがわかったら、それが不公平だと思わないのは、68%で日本が一位(グローバル平均:47%)
・生成 AI ツールを職場で使用することで、ビジネスにどのようなメリットがあるかという問いに、全くメリットはないという回答したのは、21%で日本が一位(グローバル平均:11%)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000096580.html
また日本の従業員の間でも、生成AIの使用に関する明確なガイドラインやポリシーが求められていることが明らかになりました。
ガイドラインの設定は世界的にも求められており、ビジネスの透明性を高め、生成AIの利用リスクを軽減する鍵となると指摘されています。
出典: PRTimes