AI技術の急速な進化は、クリエイティブ制作のハードルを下げるだけでなく、作品全体の品質をも底上げしつつあります。特にアニメーションの分野においては、従来のアニメーション制作で求められていた高度なスキルがなくても、誰でも簡単に美しいアニメーションを作成できるツールやサイトが登場しています。
この記事では、そのようなAIを活用してアニメーションを作成できるツールやアプリを厳選して紹介します。それぞれのツールの特徴や使い方、料金プランについて解説していきます。
AI技術を活用したアニメーションは、映画、ゲーム、広告などでの表現の幅を広げており、さまざまな分野への応用が期待されています。この記事を通じて、AIアニメーション制作の世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか。
AIアニメーションとは?
AIアニメーションとは、AI技術により自動的にアニメーション動画を生成する手法です。この技術を活用することで、従来の手法に比べて大幅な時間短縮ができるだけでなく、より複雑でリアルな動きや表情の再現が可能になります。
次のYouTube動画を取り上げ、ここで用いられているAIアニメーションの制作手法を解説します。
このチュートリアルでは、スタジオジブリにインスパイアされたアニメーションを制作する過程で、AIツールをどのように使用しているのかを解説しています。こちらで紹介されているAIツール一覧と、制作手順を以下に要約します。
利用シーン | 使用AIツール |
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シーン構成の作成 | ChatGPT |
画像を生成 | Midjourney, Leonardo AI |
アニメーションを生成 | PikaLabs, Gen-2 |
ボイスオーバー | ElevenLabs, Play.ht |
リップシンク | Deepshot, Wave2lip, LalaMu Studio |
フレーム補間 | FlowFrames |
編集とサウンドエフェクト | Capcut, Epidemic Sound |
シーン構成の作成:ChatGPT
まず、構成作成にChatGPTを使用します。プロンプトには、動画作成にあたりシーン構成を作って欲しい、何の映像なのか、テーマは何か、動画の尺、各シーンで使われる効果音や音楽といった必要な情報を指定します。セリフが必要な動画の場合はナレーション原稿もあわせて作成してもらいます。
使用する音源を取得:Epidemic Sound
生成されたシーン構成にしたがって、それぞれのシーンで使用する音楽や効果音を選んで取得します。Epidemic Soundには著作権フリーの音源が豊富に揃っています。
画像を生成:Midjourney, Leonardo AI
アニメーションの元絵を生成する際には、シーン(カット)毎に画像スタイルや人物の顔が変わってしまわないように注意する必要があります。Midjourneyであれば、リミックスモードやスタイル参照機能を使うことで細かな調整が可能です。生成する画像のアスペクト比を揃えることも重要です。
アニメーションを生成:PikaLabs, Gen-2
生成した画像を元にアニメーションを生成します。アニメ化したい画像をアップロードし、AIツールで動画化します。イメージ通りのアニメ動画を得るのに複数回の試行が必要であるため、このチュートリアルでは無料で使えるPikaLabsの利用を勧めています。
ボイスオーバー:ElevenLabs
ElevenLabsを使用してナレーション音声を生成します。自分の音声クローンを作ることもできますが、コミュニティライブラリに登録されている音声を利用することもできます。
リップシンク:LalaMu Studio
生成した動画と音声を同期させます。このチュートリアルでは、アニメ画像の顔認識をうまく行えるLalaMu Studioを利用しています。このツールは無料で利用できますが、ダウンロードできる動画が低品質であるため、フレーム補間が必要になる場合があります。
フレーム補間:FlowFrames
生成された動画のフレームレートを高める必要がある場合は、フレーム補間ツールを利用します。この処理は必ずしも必要ではなく、高品質で滑らかな動きのアニメーションが求められる場合に利用します。
編集とサウンドエフェクト:Capcut
編集ソフトを使用して生成したすべての動画と音声を1つのムービーにまとめます。使い慣れた編集ツールがあるならそれが使えますが、このチュートリアルでは無料のCapcutを使用しています。
このセクションでは、AIアニメーションの具体的な制作手順について解説しました。他にも、いくつかチュートリアル動画を挙げておきますので参考にしてください。
AIアニメーションが作れるツール5選
このセクションでは、AIアニメーション制作に活用できるツールを厳選して紹介します。
前述の通り、AIアニメーション制作は多くの手順を含みますが、紹介するツールはその一部の役割を担うものです。いずれも「画像を生成」「アニメーションを生成」の部分を担当するツールです。各ツールの概要説明に、どの機能を果たすものなのかも明記しています。
また以下の記事では詳しくAIアニメーション動画の作り方と完成したAIアニメーション動画を記載しているので、どのようなAIアニメーション動画が完成したか気になる人はぜひ見てみてください。
Gen-2
Gen-2は高品質なアニメーションを生成できるAIツールで、AIアニメーション制作においては「アニメーションを生成」の機能を担当します。
別ツールで生成した画像をアップロードするだけで、AIがそれらを分析してアニメーション動画を生成します。特にキャラクターデザインや表情のアニメーションに強く、細かい表現も得意とします。
こちらの動画は、Gen-2の基本的な使い方を説明したものです。
最近実装されたモーションブラシ機能を使えば、画像上の動かしたい箇所を複数選択し、それぞれに別の動きを指定することが可能です。これにより、これまでプロンプトで指定していた動きを細かく指定できるようになり、イメージ通りの動画が生成される可能性がより高まりました。
また、Runway Academyという豊富なコンテンツからなるチュートリアルも用意されており、初心者にも優しいAIツールといえます。
Gen-2の料金プラン
Basic 無料 | Standard 15ドル/月, 144ドル/年 | Pro 35ドル/月, 336ドル/年 | Unlimited 95ドル/月, 912ドル/年 | Enterprise 料金は問合せ |
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・125クレジット(初回のみ) ・クレジット追加不可 ・アップスケール/ウォーターマーク削除不可 ・3ビデオプロジェクト ・5GBアセット ・3編集者 ・720pビデオエクスポート ・ | ・625クレジット/月 ・アップスケール/ウォーターマーク削除可 ・無制限のビデオプロジェクト ・100GBアセット ・5編集者 ・4Kビデオエクスポート ・カスタムAI生成トレーニング | ・2,250クレジット/月 ・アップスケール/ウォーターマーク削除可 ・無制限のビデオプロジェクト ・無制限のビデオプロジェクト ・500GBアセット ・10編集者 ・4K, ProResビデオエクスポート ・カスタムAI生成トレーニング | ・無制限のビデオ生成 ・Proプランのすべて ・Exploreモード(低速)での無制限のビデオ生成 ・Creditモード(高速)用クレジット2,250/月 ・クレジット追加可 | ・シングルサインオン ・カスタムクレジット数 ・カスタムストレージ容量 ・モデルカスタマイズ ・アセット管理チームスペースの設定可能 ・高度なセキュリティ ・エンタープライズ向けオンボーディング ・継続的サクセスプログラム ・優先サポート |
MyEdit
MyEditは実写画像からアニメ画像を生成できるAIツールで、AIアニメーション制作においては「画像を生成」の機能を担当します。
実写画像(またはツールで生成した実写風の画像)をアップロードし、12種類のAIアニメスタイルから選択するだけでアニメ画像に変換します。
生成したアニメ画像は、AIアニメーション制作手順の「アニメーションを生成」にあたるGen-2などを使用してアニメーション動画を生成することになります。
MyEditの料金プラン
無料 | 画像プラン 1,460円/月, 6,960円/年 |
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・毎日ログインで3クレジット獲得 ・無料ツールのダウンロード無制限 ・プレミアムツールの試用と結果の表示 ・プレミアムツールの使用と1日1回のダウンロード ・ウォーターマーク付きでプレミアムスタイルの結果を表示 | ・毎月300クレジット付与 ・AI画像生成回数無制限 ・無制限のダウンロード ・全プレミアムスタイル使用可能 ・ウォーターマークなし ・複数画像のサイズ変更、画像形式変換 |
Drawever
Draweverは実写画像からアニメ画像を生成できるAIツールで、AIアニメーション制作においては「画像を生成」の機能を担当します。
実写画像(またはツールで生成した実写風の画像)をアップロードし、出力したいアニメスタイルを選択することでアニメ画像に変換します。
生成したアニメ画像は、AIアニメーション制作手順の「アニメーションを生成」にあたるGen-2などを使用してアニメーション動画を生成することになります。
Draweverの料金プラン
1画像生成で5クレジットを消費、クレジット購入して利用します。100クレジット(10ドル)からの購入が可能です。無料サインアップでも、初回のみ10クレジット付与されます。
VANCE AI
VANCE AIは実写画像からアニメ画像を生成できるAIツールで、AIアニメーション制作においては「画像を生成」の機能を担当します。
実写画像(またはツールで生成した実写風の画像)をアップロードし、出力したいアニメスタイルを選択することでアニメ画像に変換します。
生成したアニメ画像は、AIアニメーション制作手順の「アニメーションを生成」にあたるGen-2などを使用してアニメーション動画を生成することになります。
VANCE AIの料金プラン
1画像生成で1ポイントを消費、ポイント購入して利用します。100ポイント(650円)からの購入が可能です。
写真をAIアニメーション化できるアプリ6選
このセクションでは、スマートフォンでAIアニメーションを生成するアプリを厳選して紹介します。
生成したアニメーション動画の主な用途は、スマートフォン内での閲覧や仲間とシェアするなどです。前セクションで紹介したような、長尺動画の素材を作るツールとは位置付けが異なります。
またツールの中には、アニメーション動画ではなくアニメ画像(アニメイラスト静止画像)を生成するツールも含まれます。概要説明にその違いを明記しています。
YouCam Perfect
YouCam Perfect | 写真加工&AIアバターは画像に動きのある装飾を加えたアニメーションを生成するアプリです。撮影した写真をよりアイキャッチに加工する、実にスマートフォンアプリらしいAIツールです。
加工元写真をライブラリから選んで、「虹」「キラキラ」「春」「天使」など写真に加えたいアニメーションスタイルを選択すればアニメーション動画が生成されます。
YouCam Perfectの料金プラン
YouCamプレミアム 900円/月, 3,500円/年 |
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プレミアム機能使い放題 |
BeautyPlus
BeautyPlus -自撮りカメラ、AIイラスト、写真加工は画像をアニメ画像に変換することができるアプリです。画像のテイストをアニメ風に変えるだけでなく、ステッカーやエフェクトで飾ったりも可能です。
加工元写真をライブラリから選んで、カートゥーンフィルターを適用すればAI処理によりアニメ画像に変換されます。ステッカーやテキストを加えるなどの編集機能を用いて、多彩な表現をすることも可能です。
BeautyPlusの料金プラン
BeautyPlus プレミアム 1,000円/月, 5,400円/年 |
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プレミアム機能使い放題 |
Meitu
Meitu 加工&カメラ&AIイラスト化アプリは画像をアニメ画像に変換することができるアプリです。画像のテイストをアニメ風に変える以外にも様々なフィルターで写真を加工することができます。
加工元写真をライブラリから選んで、イラスト化フィルターを適用すればAI処理によりアニメ画像に変換されます。
参考記事:Meitu AIイラストメーカーの使い方!危険性がある?著作権や商用利用についても解説! | Romptn Magazine
Meituの料金プラン
Meitu VIP 950円/月, 3,800円/年 |
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すべてのVIP機能 |
ToonMe
ToonMe アバターメーカーは画像をアニメ画像に変換することができるアプリです。画像のテイストをアニメ風に変換する以外の機能は備えませんが、欧米で好まれるテイストのフィルターが多数搭載されていることが特徴です。
加工元写真をライブラリから選んで、フィルターを適用すればAI処理によりアニメ画像に変換されます。
ToonMeの料金プラン
ToonMe Pro 1,100円/週, 4,100円/年 |
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PRO機能へのアクセス |
AI Mirror
AI Mirror: AI 画像編集・作画アプリは画像をアニメ画像に変換することができるアプリです。お気に入りのマンガやアニメーションのキャラクターに変身するフィルターが多数用意されています。
加工元写真をライブラリから選んで、フィルターを適用すればAI処理によりアニメ画像に変換されます。
AI Mirror PRO 800円/週, 4,500円/年 |
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PRO機能へのアクセス |
Vivid AI
Vivid AI: AI アバター作成 & AI 画像編集は画像をアニメ画像に変換することができるアプリです。様々なアニメフィルターが用意されているほか、プロンプトで画像を生成する機能も備えているため元画像ナシからでもAI画像生成が楽しめます。
加工元写真をライブラリから選んで、フィルターを適用すればAI処理によりアニメ画像に変換されます。またプロンプト入力だけでもAI画像する方法も用意されています。
Vivid AIの料金プラン
サブスクリプションプラン 1,000円/週, 4,500円/年 |
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全機能へのアクセス |
AIアニメーションが作れるツールやサイトのまとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では、AIアニメーション制作の手順やツールについて解説しました。
今回のポイントをまとめると、以下のようになります。
- AIアニメーション制作は複数ステップから成り各ステップに適したツールを使用する
- AIアニメーション制作のチュートリアル動画が多数あり制作の助けになる
- 「画像を生成」「アニメーションを生成」ステップで使えるツールの紹介
2024年の生成AIのトレンドは動画生成になると言われています。これらのAIツールを今から使いこなせば様々なチャンスを掴むことができるはずです。是非チャレンジしてみてください。
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