2023年7月から「Code Interpreter」というプラグイン(現GPTs)が使えるようになりました。
この記事では、「Code Interpreter」がどういったものなのかや、活用事例をいくつか紹介していきます。
ChatGPTのプラグイン「Code Interpreter」とは
「Code Interpreter」とは、私たち人間が普段使っている言葉で指示した内容を、ChatGPT上でコンピューターの言語(=Pythonコード)に変換・実行し、ExcelやPDF等のファイルのデータ抽出や分析・編集ができるGPTs(旧プラグイン)です。
ChatGPTのみでは難しかったことが、「Code Interpreter」を使うことで解決されます。
「Code Interpreter」でできることについては、こちらで詳しく解説しています。
ChatGPT Plusに課金しないとCode Interpreterは使えない
「Code Interpreter」を使うための注意点があります。それは、ChatGPT Plus(月額20ドル)に登録している方しか使えません。
「Code Interpreter」の導入方法については、こちらで詳しく解説しています。
Code Interpreterでできること
「Code Interpreter」でできることを紹介します。
- グラフや表の作成、分析
- Pythonコードの生成
- Excel、CSV、PDF等ファイルのアップロードやダウンロード
- 画像や音声データ等の読み込み
- QRコードの生成
- gifの生成
「Code Interpreter」はさまざまなファイルに対応しているため、対応しているものを以下にまとめました。
- テキスト(txt)
- データ形式(csv,xml,json 等)
- Microsoft Officeファイル(docx,xmlx,pptx 等)
- 画像ファイル(jpg,png,bmp,gif 等)
- PDFファイル
- ZIPファイル
- QRコード
- 動画ファイル(mp4,avi,mov)
このように、「Code Interpreter」を活用することで、専門的知識がない人でもプログラミングやグラフや表の作成、分析等ができるようになり、作業の効率化につながります。
Code Interpreterの設定方法
「Code Interpreter」の設定方法を紹介します。
ChatGPTを起動し、左下の「…」をクリックし、「Settings & Beta」をクリックします。
「Beta features」をクリックしたら、1番下の「Advanced data analysis」を有効化します。
トップ画面に戻り、「GPT-4」の中の「Advanced Data Analysis」にチェックを入れましょう。これで設定完了です。
ChatGPTのCode Interpreterの使い方例
「Code Interpreter」の活用方法はたくさんありますが、本記事では4つ紹介します。
- Excelファイルを分析させる
- Pythonコードの実行結果から回答を得る
- 画像の加工をする
- PDFファイルの要約
それぞれ順番に紹介していきます。
Code Interpreterの使い方例①:Excelファイルを分析させる
文部科学省が公開している「令和3年度 省庁別財務書類」というExcelファイルを使って分析してみます。
今回のプロンプトはこちら。
【Excelファイル】を添付
この表を分析してください。
データを添付する方法は、エクスプローラー(黄色いフォルダーアイコン)からファイルをクリックすればできます。
「Show work」をクリックすると、「Code Interpreter」の処理内容と結果を確認できます。
何度かエラーが出ましたが、分析結果はこちら。
令和3年度と令和4年度の資産を比較することができそうなので、グラフにしてもらいましょう。
プロンプトはこちら。
前年度との増減を分かりやすく表やグラフに示してください。
青が資産の部のグラフ、赤が負債の部のグラフです。
ですが、文字化けしているし、金額の差が激しく見づらいです。
もう少し細かく指示してみました。プロンプトはこちら。
資産の部の現金預金のみをグラフにしてください。
文字化けはありますが、見やすいグラフを作ってくれました。
グラフのおかげで、令和3年度よりも令和4年度の「預金・現金」が8000万増加したことが、パッと見ただけで分かりますね。
このように、指示するだけでExcelの面倒な操作を自動で処理してくれます。
Code Interpreterの使い方例②:Phytonコードの実行結果から回答を得る
今回はこちらの画像を使って、画像ファイルの拡張子を変更してみます。
プロンプトはこちら。
【jpg画像】
この画像をpngファイルに変換し出力してください。
プロンプトの指示通り、jpgの画像をpngに変換してくれました。
このように画像をアップロードして指示をするだけで、画像ファイルの変換処理を簡単に行うことができます。
「Code Interpreter」で実行したPythonコードは「Show work」をみると分かります。
Pythonコードはこちら。
# Load the uploaded JPEG image
img = Image.open("/mnt/data/27355402_s(1).jpg")
# Save the image in PNG format
output_path = "/mnt/data/converted_image.png"
img.save(output_path)
output_path
RESULT
/'mnt/data/converted_image.png'
ChatGPTに日本語で指示すれば、自動でPythonコードを生成し処理してくれるので、私たちが1からPythonコードを作る必要はありません。
Code Interpreterの使い方例③:画像の加工をする
Code Interpreterの使い方②で使った画像を加工していきます。
②で使ったチャット画面の続きから指示していきます。
プロンプトはこちら。
この画像をグレースケール画像に変換してください。変換後の画像を適切な名前で出力してください。 変換前の画像と並べて表示してください。
「Code Interpreter」で実行したPythonコードは「Show work」をみると分かります。
Pythonコードはこちら。
# Convert the image to grayscale
grayscale_img = img.convert("L)
# Save the grayscale image withe an appropriate name
grayscale_output_path = "/mnt/data/grayscale_image.png"
grayscale_img.save(grayscale_output_path)
# Display the original and grayscale images side by side
from matplotlib import pyplot as plt
plt.figure(figsize=(10,5))
# Original Image
plt.subplot(1,2,1)
plt.imshow(img)
plt.title('Original Image')
plt.axis('off')
# Grayscale Image
plt.subplot(1,2,2)
plt.imshow(grayscale_img,cmap ='gray')
plt.title('Grayscale Image')
plt.axis('off')
plt.tight_layout()
plt.show()
grayscale_output_path
RESULT
'/mnt/data/grayscale_image.png'
このように、チャット画面に指示するだけで、1分程度で画像の加工をすることができました。
しばらく放置して作業を再開しようとしたら、以下の画像のようにエラーが表示されます。
エラーの文章はこちら。
This advanced data analysis (beta) chat has timed out. You may continue the conversation, but previous files, links, and code blocks below may not work as expected.
こちらを翻訳すると、
この高度なデータ分析(ベータ)チャットはタイムアウトになりました。会話を続けることはできますが、以下の前のファイル、リンク、コードブロックは期待どおりに動作しない可能性があります。
このようなエラー表示が出てしまうため、作業は分散させずに一気に終わらせることをおすすめします。
Code Interpreterの使い方例④:PDFファイルの要約
「Code Interpreter」を使えばPDFファイルを読み込むことができます。
今回は、厚生労働省が公開している「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識」というPDFを要約してみます。
プロンプトはこちら。
【PDF】を添付
このPDFの内容を簡潔に要約してください。
しかし、エラーが出てしまったため、細かく指示を出してみました。
プロンプトはこちら。
最後のページだけ要約してください。
今回は、要約というよりURLが強調されました。
PDFだとエラーが出やすいため、この問題を解決すべく、Googleドライブにて「wordファイル」に変換してもう一度要約してもらいました。
プロンプトはこちら。
【docxファイル】
このファイルを読み込んで要約してください。
こちらもエラーが出てしまいましたが、しばらく待っていると要約してくれました。
このように、「Wordファイル」に変換すると要約してくれました。
もし、エラーが出てPDFの要約ができない場合は、この方法を試してみてください。
まとめ
いかがでしょうか。
この記事をまとめると、
- 「Code Interpreter」は「Advanced data analysis」という名称に変更されている
- 「Code Interpreter」は、ChatGPT Plusに課金しないと使えない→【2024/05/22追記】現在は無料ユーザーでも利用できるように!
- 「Code Interpreter」は、Excelからグラフや図の分析ができる
- 「Code Interpreter」は、プロンプトを入力するだけで、Pythonコードを自動生成し実行することができる
- 「Code Interpreter」は、画像の加工もできる
- ChatGPTをしばらく放置すると、エラー表示が出てしまうため作業は一気に終わらせる必要がある
- 「Code Interpreter」でPDFの要約もできるが、エラーが出やすいため「word」に変換することでより正確に要約できる
でした。
「Code Interpreter」というGPTs(旧プラグイン)を使って、うまく活用することができれば、作業の効率化につながりますね!
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