自動運転や機器制御などで活用されつつある「エッジAI」の開発や導入を検討する企業が増えてきています。
しかし、「エッジAI開発を依頼したい!」「エッジAIの開発を検討している」と考えた場合でも、いざエッジAIの開発を依頼する際に、「どのAI受託開発会社に依頼するべきか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では最適なAI受託開発会社の選び方をはじめ、エッジAIのメリット・活用事例について詳しく解説します。
エッジAIの導入によって自社の業務の効率化を進めたいと考える方は是非最後までご覧ください。
エッジAIの受託開発会社・サービスを選ぶポイントは4つ
エッジAIの受託開発会社やサービスを選ぶにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
ここではポイントを4つご紹介します。
エッジAI開発会社選びのポイント①:エッジAI開発に関する実績・ノウハウ・強みを理解すること
エッジAIの開発会社を選定するには、その開発会社にエッジAIの開発実績やノウハウがあるかを知ることが、重要なポイントです。
AIの技術も、予測、画像認識・生成、自然言語処理、音声認識、分析等、多岐に渡ります。
受託開発会社の選定では、そうしたAI技術のなかでも、エッジAI開発の分野において実績とノウハウを保有している会社を選定する事が大切です。
そうしたエッジAI開発の実績やノウハウがある受託開発会社なら、自社のエッジAI開発の目的や課題を理解してもらえるとともに、開発に関わるコミュニケーションを円滑に進められるでしょう。
またその受託開発会社のエッジAI開発の実績とノウハウが、どういったソリューションや業界にあり、何が強みかも把握するようにしましょう。
エッジAI開発会社選びのポイント②:目的・課題を明確にすること
エッジAI開発では、自社の目的と課題を明確にすることが重要です。
エッジAIの目的も、例えば、セキュリティ性を高めること、リアルタイムのデータ分析処理、通信コストの低減などがあります。
自社にとってのエッジAI開発の目的と課題はどういった内容なのかを明確にして、具体的に伝えられるようにしておきましょう。
エッジAI開発の目的と課題を明確にしておかないと、受託開発会社への相談で、曖昧な要件しか伝えられません。
また、受託開発会社も、エッジAI開発の目的と課題が明確でないと要件が定まらず、見積もり提示にも苦労してしまいます。
このように自社の目的と課題を明確にすることは、エッジAIの受託開発会社を選定するうえで重要なポイントなのです。
エッジAI開発会社選びのポイント③:必要なサポート体制を明確にすること
エッジAIでは、開発会社へ依頼する保守サポートの範囲を明確にすることが必要です。エッジAI導入後、どのような運用のサポートや保守サービスが必要なのかを明確にしましょう。
エッジAI開発は、AIモデルの開発だけでなく、カメラやAIモデルを搭載する工場の機械、スマートフォン、車、家電、エッジコンピューターといったエッジデバイスの選定が必要になります。
そうしたデバイスの導入後の保守や運用サポートを検討する必要があるのです。
希望するエッジAIの保守サポートの範囲を明確にして、開発会社へ依頼しましょう。
例えば、開発会社によっては24時間365日の保守サポート、デバイスの導入初期の運用サポート、デバイスの修理保守などのサポートがあります。
エッジAI開発会社選びのポイント④:複数の開発会社から相見積もりを取ること
エッジAI開発会社選定の際には、必ず相見積もりを取るようにしましょう。
見積もりを複数の会社から取れば、自社の予算内の開発会社を選べる確率が高くなるとともに、値下げ交渉などもできるようになります。
開発会社から見積もりを取る際には、エッジAIの予算と希望するサービス内容を明確に伝える必要があります。
そのためには、エッジAI開発の必要なコストを明確にしておくことが重要になります。正確なコストを把握しておくことは、自社の予算作成にも役立ちます。
そして、複数の会社からの相見積もりを比較する際は、各社のサービス内容と費用対効果を確認することが必要です。
単純なコストのみを見るのではなく、自社の求めるサービス内容であるか、見積もりは予算内かを基準に選定することで、費用対効果の高い最適な開発会社を選定することができます。
また、相場に比べて極端に価格が低かったりする開発会社がある場合、必ず安い理由を確認するようにしましょう。
もし必要な要件が見積もりに含まれていない場合、導入しても期待通りの効果を得られません。そのため、どれだけ安価でも、そのような開発会社を選定することは避けるべきであるといえます。
エッジAIとは:スマホやセンサーなどの端末でAI処理を行うAI技術
エッジAIとは、カメラやセンサーが装備された端末やスマホにAIを直接搭載し、その端末でAI処理を行うものです。
このエッジAIは、クラウド上で処理をおこなうAIと異なり、端末のみでデータを処理するAI技術です。
具体的にはスマホ、家電、車、工場の機械などが学習や分析などのAI処理を行うことができるAI技術です。
これまでのAI処理は、クラウドで処理されていました。しかし、クラウドでAI処理するためには、クラウドへデータ送信する必要があります。
結果として、AI処理の遅延や通信量の増大、通信費の負担、またサーバーへの負荷が発生します。
また、クラウドAIでは、クラウド上へのデータ送信におけるセキュリティリスクも存在していました。
エッジAIは、こうしたクラウドAIと異なり、端末内でAI処理を行います。データの分析や処理が端末内で行われるため、通信量やサーバーの負荷の軽減、処理遅延の解消といったメリットがあります。
また、AI処理が端末内で完了するため、セキュリティリスクの軽減にもなります。
このエッジAI技術は様々なシーンで活用することができます。
例えば、道路上に、カメラを搭載した端末を設置し、そこで交通量の測定と分析をすることができます。
また工場において、エッジAI搭載のセンサーで、製造ラインの稼働状況を監視し、異常を検知したり分析することができます。
エッジAIは、顧客の行動分析にも活用できます。エッジAI搭載のカメラ端末を店舗に設置し、顧客の行動経路をAI処理で分析できます。分析結果をもとに、店舗のレイアウト変更や商品ラインアップの見直しに役立てることが可能です。
エッジAIを導入するメリット3選
エッジAIの導入メリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではメリットを3つご紹介します。
エッジAIのメリット①:リアルタイムでの応答・判断が可能
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エッジAIは、クラウドサーバーではなく、端末でデータ処理を行います。そのため、エッジAIはすばやくデータを処理し、応答と判断にかかる時間を短縮でき、リアルタイムに近い応答が可能になります。
こうしたリアルタイム性に優れていることが、エッジAIを導入するメリットです。
エッジAIは、基本的には、AI処理のためにクラウドサーバへ接続することは不要です。エッジAIは、クラウドサーバーへのデータ送信を待たずに、迅速に処理ができます。そのため、限りなく遅延なしに近い処理が可能となります。
そのため、例えば機器制御、異常検知、状況把握といったリアルタイム性が求められる作業や業務において、エッジAIが導入されています。
他にも自動車の自動運転や遠隔での医療手術などでは、高速な応答と判断処理が必要とされます。こうした分野でもエッジAIを活用することができます。
エッジAIのメリット②:通信コスト削減が可能
エッジAIは、端末内でAI処理をします。エッジAIでは、全てのデータをクラウドサーバーへ送信する必要はありません。端末側でAI処理後、必要なデータのみをクラウドサーバーへ接続し送信します。
このようにエッジAIでは、クラウドに送るデータ量を軽減できるため、通信量を少なくすることができます。そのため、エッジAIは通信コスト削減が可能になるのです。
一方、クラウドAIでは、クラウドサーバーで処理をするために、端末内の全てのデータをクラウドサーバーへの送信が必要です。
結果として、データ送信量が増加し、通信コストが大きくなります。
クラウドAIサービスは従量課金制が多いため、こうした通信コストが負担になります。
しかし、エッジAIでは、端末内でAI処理が行われるので、クラウドサーバーへのデータ送信量が低減され、通信コストの削減が可能になります。
AI技術を導入する企業にとって通信コストは大きな課題です。エッジAIは、こうした通信コストの削減を可能にするため、企業にとっては大きなメリットといえるでしょう。
エッジAIのメリット③:セキュリティシステムの強化が可能
エッジAIでは、端末内でデータが処理されるため、データ漏洩等のセキュリティリスクが軽減されます。インターネットを経由せずに処理することで、セキュリティを強化できます。
クラウドAIでは、AI処理のためにクラウドサーバへデータをネットワーク経由で送信し、アップロードする必要があります。そうすることで、情報漏洩のリスクが懸念されます。
例えば、端末のデータは、外部のネットワークを経由してクラウドに送信されます。そうして送信されたデータには、映像や音声などの個人情報やプライバシー情報も含まれることがあり、こうした情報がネットワーク上で外部に漏洩するなどのセキュリティリスクの問題があります。
しかし、エッジAIでは、外部のネットワークにデータを送信せず、端末内でAI処理が完結できるため、このようなセキュリティリスクが軽減されるのです。
企業にとっては、情報漏洩等のセキュリティリスクの対策は重要課題といっていいでしょう。エッジAIではこうしたセキュリティリスクを軽減できるメリットがあるのです。
自社の目的や課題解決に最適なエッジAIの開発を依頼してみませんか?
いかがでしたでしょうか。
この記事では、エッジAI開発に最適なAI受託開発会社の選び方をはじめ、エッジAIのメリットや活用事例についても解説しました。
リアルタイム性や導入後のランニングコスト、セキュリティの高さといったメリットから、エッジAIが活用される場面は増えてきています。
この記事を読んで「早速エッジAIを導入してみよう!」と思った方は、ぜひ当社にご相談ください。
最適な企業やツール選定により、多くの企業の業務改善が進められることをお祈りしております。