ChatGPTの新機能「GPTs」が発表されてから、早速GPTを生成したり、実際に活用しているユーザーも増えてきており、X(旧Twitter)では既に役立つGPTsが共有されています。
特にGPTsは主に日常生活やビジネスにおいて利用されており、フィットネスやロゴ作成、文章作成などに役立っています。
しかし、GPTsは学生生活や研究にも役立ちます。例えば大学生や大学院生にとって必要な論文作成やそれに基づく論文発表などです。
この記事では実際にGPTsを作成して利用している筆者が学生や研究者にとって必要な論文作成や発表に役立つおすすめのGPTsを紹介していきます。
論文作成・発表に役立つおすすめGPTs9選!
2023年11月6日、OpenAI社から発表されたGPTs(ジーピーティーズ)。GPTsは自分専用のChatGPTを作れる新機能のことです。
ノーコードでの作成、低コスト、開発時間の短縮などのメリットにより多くのツールが公開されているため、研究者や論文作成者の間でGPTsが研究や論文の執筆と発表に役立つことを期待している人も多いです。
特にニーズに合ったGPTsを有効活用するとより効果的なリサーチや論文の作成、発表ができます。
以下では研究や論文作成に役に立つおすすめGPTs9選を紹介します。
①aper Interpreter
Paper Interpreterは、「最もアクセスされたGPTs」で世界6位と人気です。
Paper Interpreterは論文をアップロードするだけで分かりやすく解説してくれるAIのため、専門的な学術論文を一般の人でも理解しやすい形に変換してくれます。
ChatGPTとは異なり論文解説に特化しているため、論文のPDFをアップロードするだけで、指示も不要なので使い方は簡単です。
一般的な論文形式で回答するよう設計されており、毎回指示する手間が省け、テキストだけではなく、図やグラフも小項目ごとに説明してくれるのが特徴です。
図やグラフを解説してほしい時は、「Figure 1を説明して」のように特定する質問を入力すればPDFの中の図やグラフについても解説してくれます。
また日本語で解説してくれるためユーザー側で事前に翻訳する必要はないので、論文作成の時間短縮に役立ってくれます。
②英文校正GPT
英文校正GPTは、英語の文章を校正するためのAIツールで、特に日本人のように英語が母国語ではない人が英文を書く際に役立ちます。
また英文校正GPTはビジネス文書、電子メールだけではなく学術論文にも対応しているため、アカデミックライティングにおける文法や構文の間違いを検出して、原文よりも自然な英文を提案してくれます。
さらに文脈も適切に理解できるので文法やスペル、文体などのさまざまな視点で文章をチェックすることでネイティブが使うような自然な英文に修正することができます。
また英文校正の変更レベルの調整が可能なため、自分にあった校正レベルで使えますが、校正の質が低下してしまう長文への使用は不向きですので、文章を小分けにしてから入力しましょう。
③和英翻訳GPT
和英翻訳GPTは、アカデミック文章にも対応している、日本語から英語へ文章を変換してくれるGPTsです。
このGPTsは先ほどの英文構成GPTsと同様にアカデミック文章の和英翻訳に特化してるため、研究論文や特定の用語を翻訳する時に使用できて、英語の論文の作成や発表に利用できます。
また文脈も適切に理解、考慮してくれるので、Google翻訳のような従来の機械翻訳よりもユーザーの意向に沿った出力ができることが特徴です。
使い方としては、日本語で書かれたテキストを入力すると、英語に翻訳し文脈に応じた適切な言い回しを出力してくれるため、ビジネス文書や論文、日常会話など多くの種類の翻訳が可能です。
特に英語の初心者や英語のスキルに自信がない人でも簡単に使える設計になっており、英語中級者だけでなく、英語を用いて論文を作成したい人には特にオススメしたいGPTsとなっています。
④医療統計GPT
医療統計GPTは医療関連のデータを分析して解析を行うAIツールとなっており、分析ではPythonコードを利用し、線形回帰やロジスティック回帰や生存分析など、色々な統計手法を駆使した医療分析をします。
具体的にはクリニカルリサーチや公衆衛生研究、ヘルスケア戦略など医療分野のデータ分析に特化してるため、精度の高いデータ解析ができます。
使い方としては、患者のカルテなどの情報を含んだCSVデータを取り込んだあと、患者データや治療結果、疾病の発生率などのデータの処理が実行されて、最終的に統計情報として出力されます。
出力される内容は様々な異なる観点から出力されて、使用した統計手法に関連する注意点やバイアスのリスクも伝えてくれます。
また出力する情報はグラフやチャートを用いて出力されるので、患者のデータの傾向や関連性を直感的に理解しやすい仕様となっています。
医療GPTsの大きなメリットとして、高度な機械学習アルゴリズムを使えることで、複雑な医療データを正確に分析するため、医療研究者や医師が臨床試験の結果を解析したり疾病の傾向を理解する際に役立ちます。
データの品質は精度に直接影響するためデータの前処理と品質の管理に注意をする点と、不適切な手法を選んでしまうと、誤った結論につながる恐れがあるため適切な統計手法の選択が重要です。
加えてデータを取り込む際は、個人情報の取り扱いに注意をしましょう。
⑤スライド作成GPT
スライド作成GPTは、自動でプレゼン内容の下書きを作成するAIツールです。
記事データを取り込むと、内容を解析しプレゼン内容を台本や資料と共に提案してくれます。提案内容に問題が無ければ作成が始まり、記事データの取り込みからスライドのダウンロードまで約3分程度です。また作成されたスライドはpptx形式で出力ができます。
スライドのセット単位で作業を進めていき、最終的に出力されたプレゼンテーションが完成したら、全てのスライドの一括ダウンロードが可能です。
スライド作成GPTを使うことで、自ら事前資料の理解をしたり分析する必要がないため時間の節約になり、適切な配分でスライドを作成してくれるため、効果的なプレゼンができます。
なおスライドは12枚で作成される設計ですが、もしそれ以上の枚数で作成したい場合は、具体的な枚数や追加のスライドに含めたい内容を指示すると作成してくれるように柔軟な出力。
⑥コーディング用GPT Grimoire
コーディング用GPT Grimoireとは、ウェブサイト制作を自動で作成してくれるGPTです。
通常ウェブサイトを作るためには、HTMLやCSSなどのプログラミング言語の知識が必要ですが、GPTであるGrimoireを使うと、知識がない人でもウェブサイトを作れます。
手順はとてもシンプルかつ簡単で、作成したいWebサイトの内容やデザインのイメージをテキスト入力するだけです。
たとえば、「青と白の色でシンプルなビジネスサイト」のような具体的な指示を入力すると、その指示に基づいてデザインレイアウトやHTML構造、CSSの概要を提案してくれます。出力した提案内容に問題が無ければ、自動的にコーディングを開始します。
もちろんJavaScriptコードも生成してくれるので、動的サイトの制作も可能です。動的サイトとは、リアルタイムにページの内容を変化させるサイトのことで、ショッピングサイトやSNSサイトが動的サイトの代表例です。
コーディングが完了した後は、出力されたコードをエディターにコピペするだけで完了します。
コーディング用GPTGrimoireは、ホームページやブログ、オンラインストアなど、さまざまなタイプの制作ができます。
プログラミング経験がない人、急いでウェブサイトを立ち上げたい人にとって役に立つツールです。
⑦ResearchGPT(by Consensus)
ResearchGPT(by Consensus)は科学研究論文を基にした質問やリサーチに特化したAIツールです。
たとえば、一般的な質問である「寒さ病気の罹患に影響するか?」を、技術的な研究質問の「低温暴露は病気や感染のリスクを増加させるか?」のように業界や領域の用語に翻訳して検索してくれます。
研究者が論文を作成するときResearchGPTに質問すると、関連する文献や研究を要約して出力されるため、文献を効果的に引用することが可能です。
回答の形式に指定がない限り、
・導入文
・論文からの証拠
・結論文
の形式で出力されます。
もしリスト形式や要約など、特定の形式で回答をしてほしい場合は、具体的な指示をすると要望に沿った出力が可能になっています。
必ず回答に引用をつけるのがこのツールの特徴で、その引用は(著者, 年)の形をとり、ソースへのハイパーリンクを含めて出力をしてくれます。
出力する情報は研究論文に基づいた回答ですが、引用する際には必要に応じて引用元やソースの確認をした方が安全です。
またResearchGPTは文献検索にも有効なので、たとえば「心臓病の最新治療法は?」と入力するだけで、関連する研究論文や学術記事に基づいて情報を提供すると同時に、それらのソースも確認できます。
⑧ResearchGPT(by SciSpace)
ResearchGPT(by SciSpace)は、研究情報を探すことに特化したAIツールなので、利用可能なデータベースは282M+と多く、英語の文献を日本語でも検索してくれます。
論文を作成するとき、関連する文献を探してきて要約してくれるので、ResearchGPT(by Consensus)と同様に文献検索や引用したい時に活用できます。
ResearchGPTは研究者と科学者のための会話型アシスタントの役割を果たせるので、特定の質問に対して引用に基づいた回答を出力してくれます。
出力する回答はトップ5の関連論文の情報を基に、70語程度と簡潔にまとめられた状態で出力されるため理解がしやすいです。また情報元の関連論文のリンクと、検索した情報から得られる具体的な洞察を表形式で出力します。
注意点としてResearchGPT(by Consensus)と同様に出力される情報源は2023年4月時点なので、それ以降の最新の研究結果は含まれていない点に注意してください。
また曖昧な質問や一般的な質問をすると適切な回答を出力するのが難しいため、質問する時は明確かつ具体的な内容にしましょう。
以下はResearchGPT(by Consensus)とResearchGPT(by SciSpace)を比較した表です。
ツール | ResearchGPT(by Consensus) | ResearchGPT(by SciSpace) |
---|---|---|
主な目的 | 科学的研究に基づいた回答の提供 | 研究者のための会話型AIアシスタント |
利用可能なデータベース | 200M+の論文 | 282M+の論文 |
主な機能 | 質問に対する答え、論文検索、コンテンツ作成 | 広範囲な研究、論文の発見、PDFの質問、引用に基づいた回答 |
利用ターゲット | 研究者、学者 | 研究者、科学者 |
使用条件 | ChatGPT Plusアカウント必要 | ChatGPT Plusアカウント必要 |
特徴 | 科学的研究に基づいた洞察の提供 | 文献レビューと記事の概要作成の自動化 |
今後の期待 | 新機能の追加、ユーザー体験の向上 | 精度と効率を高めるための研究体験の簡素化 |
⑨ScholarAI
ScholarAIは学術分野の研究とデータ分析や文献検索をサポートするAIツールなので、学術論文の全文に直接アクセスすることができ、科学的な研究文献を効率的に提供できます。
ResearchGPTは幅広い範囲の研究や情報収集に焦点を当てているのに対し、ScholarAIは科学的な論文や学術的なデータベースの深い探索に特化している点がResearchGPTとの違いです。
そのため研究データや学術的な論文を素早く見つけたあと簡潔に要約をして分析するので、学生や研究者は文献検索や研究に必要な情報の収集を効率的にできます。
特定のキーワードに基づいて科学論文の要約を検索し、それらの情報をユーザーへ提供してくれます。
たとえば、「気候変動」と「再生可能エネルギー」に関する最新の研究を探している場合は、そのキーワードを用いて関連する論文の要約を見つけ出します。
ScholarAIはPDF全文の分析も可能なので、特定の論文の主要なポイントや内容の理解を深められます。
また検索した論文をインポートする機能もあります。
ResearchGPTと同様に出力される情報源は2023年4月時点のため、いくつかの論文は公開アクセスではないため、全文を直接取得できない点に注意をしてください。
便利なGPTsを研究・論文作成・発表に活用してみよう!
いかがでしたでしょうか?
これらのおすすめGPTsは研究や論文作成の効率化に優れてるため、研究者や論文作成者にとって有用なツールのため、ニーズに合わせて適切なGPTsを選ぶことが大切です。
またGPTsを利用することで、今まで論文検索や論文の要約にかけていた時間を別の作業に充てることができたり、研究作業により集中して取り組むことができるようになるでしょう。
どのツールも使い方は簡単なので、ぜひ一度実際に試してみてください。
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