RPAエンジニアとしてのキャリアを積む中で、副業の可能性について考えたことはありますか?
この記事では、RPAエンジニアが副業をする際のメリットや注意点、求められるスキルなどを詳しく解説します。
RPAエンジニアとして活躍したいという方やRPA案件の現状について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
RPA案件とは
RPA(Robotic Process Automation)は、人が手作業で行っている事務作業などをロボットやソフトウェアによって自動化する技術を指します。具体的には、ノーコードツールの一つとして知られています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や業務効率化の動きから、多くの大手企業がRPAの導入を進めています。
この技術の導入や開発をサポートする役割を担うのがRPAエンジニアであり、彼らはRPAの開発や導入をサポートする案件に携わります。近年、RPAの導入が進む中で、RPAエンジニアの副業案件も増加傾向にあります。
RPAを活用することで、業務の自動化や効率化が図れるため、企業の業績向上やコスト削減に大きく貢献することが期待されています。そのため、RPAエンジニアは今後も高い需要が見込まれる職種となっています。
RPAエンジニアの副業事情
需要は徐々に高まっている状況である
DXの推進や業務効率化のニーズが高まる中、RPAへの注目度も増しています。しかし、RPAそのものがまだ一般的に浸透しているわけではないため、副業案件の数は限られています。
それでも、大手企業を中心にRPAツールの導入は進んでおり、今後の需要は右肩上がりに増加すると予想されます。
在宅案件は基本的には少ない
RPA自体がまだ新しい分野であることもあり、RPAの在宅案件はまだ少ないのが現状です。しかし、今後の需要の高まりを考えると、RPAの在宅案件の増加が予想されます。
開発スピードが早い
RPAはパソコン上の操作を記録する開発手法があり、コーディングなしでロボットを開発できるため、開発スピードが早いのが特徴です。これにより、副業でも対応しやすくなっています。
主なRPAツール
RPAのツールは多岐にわたりますが、主なものとしては「UiPath」「WinActor」「BizRobo!」などが挙げられます。
これらのツールを習得することで、より多くの案件に対応することができます。
以下は、これらのRPAツールとその特徴についての説明です。
UiPath
- 提供元: UiPath社(アメリカ)
- 特徴:
- 日本語に対応しており、日本の大手企業でも導入されている。
- 独自のフレームワークを持ち、ロボット開発の分野で活躍。
- デスクトップ版とサーバー版があり、拡張性が高い。
WinActor
- 提供元: NTTグループ
- 特徴:
- 純国産のツールで、日本語に完全対応。
- 環境構築が不要で、PCへのインストールだけで利用開始可能。
- Windowsで操作できるアプリケーションに対応し、Office製品やERP、OCR・ワークフローなどの業務システムも操作可能。
BizRobo!
- 提供元: RPAテクノロジーズ株式会社
- 特徴:
- 1ライセンス契約でインストール無制限で使用可能。
- ライセンスコストがかからない点が特徴。
- デスクトップ版からサーバー版まで提供。
- Salesforceやkintoneなどの業務系システムとの連携が可能。
RPAエンジニアが副業するメリット
RPAエンジニアとして副業をするメリットは多数あります。
ここではRPAエンジニアが副業するメリットをいくつか見ていきましょう。
理想とするキャリアを描きやすくなる
RPAエンジニアとして副業をする最大のメリットは、自分の理想とするキャリアを描きやすくなることです。
企業に所属している間は、自分でRPAプロジェクトを選ぶことが難しい場合が多いですが、副業として活動することで、自分の参加したいRPAの案件を選ぶことができます。特に、このRPAの副業案件に参加することで、自分のキャリアの理想にどれだけ近づけるかという視点が重要となります。
高収入を得やすい
フリーランスRPAエンジニアとしてRPAの副業案件に参加することで、自分のスキルや実績に応じた報酬が得られるというメリットもあります。契約時には希望の単価を交渉することができ、成果を上げることでさらに高い単価での契約更新が期待できます。
ライフスタイルに合った働き方が可能
フリーランスとしての活動は、自分のライフスタイルを自由にデザインすることができる大きな魅力となっています。
例えば、土日のみや平日の数日間だけの副業として活動することも可能です。そして、副業での実績や人脈を築くことで、将来的には完全に独立することも考えられるでしょう。
RPAエンジニアが副業する際の注意点
副業をする際には、主業との兼ね合いや時間管理が重要です。
また、契約内容や業務範囲をしっかりと確認することで、トラブルを避けることができます。
副業が容認されているか確認する
本業の会社で副業が禁止されている場合、原則として副業はできません。就業規則を確認し、副業が容認されているかどうかを事前に確認しておきましょう。
会社によっては届出をすることにより、副業が認められるケースもあります。
なお、副業禁止の会社で無断で副業を始めた場合、会社との間でトラブルになる可能性があるので、注意してください。
確定申告が必要になる
会社員は基本的に確定申告不要ですが、副業で20万円以上稼ぐと必要になります。そのため、確定申告に係る事務作業が増えます。
なお、確定申告を怠ると無申告課税や延滞税といった罰金がかかるので注意が必要です。
本業と競合する企業では働かない
会社員は競業避止義務があり、会社の情報を使って同業他社の仕事をすることは禁止されています。
そのため、RPA関連の企業に勤めている場合、RPAの副業は難しい可能性があるので注意が必要です。
RPAエンジニアの副業案件の単価
では、実際のRPAエンジニア向け副業案件の単価相場を確認していきましょう。
「副業案件」と一口に言えど、稼働日数によって獲得報酬単価は大幅に変動します。
RPAエンジニアがフリーランスとしてRPAの副業案件に参画した場合の単価は、週5日稼働の場合40~60万円程度が相場となります。
また、以下のようなRPAの副業案件の場合、80万円程度が単価の相場となってきます。
- RPAコンサルタントが担うような上流工程が組み込まれた副業案件
- 設計~運用・保守まで一貫して担う副業案件
このように、RPAエンジニアの副業案件の単価は、スキルや経験によって大きく変わります。そのため、市場の動向をしっかりと把握し、適切な価格設定をすることが求められます。
RPAエンジニアの副業案件で求められるスキルや資格
RPAエンジニアとしてのスキルとしては、コミュニケーション能力、課題の特定・解決能力、RPAツールを扱う技術力が必要とされています。
特に、クライアントの要望を正確に理解し、それを基に効果的なシステムを設計・開発する能力は、RPAエンジニアとしての成功の鍵となります。
また、その他の具体的なスキルについても見ていきましょう。
システム開発のスキルや経験
システム開発の知識はエンジニアにとって重要なスキルです。RPAロボットの構築・運用の流れは、一般的なシステム開発における流れと共通しています。
また、プログラミングに関する知識や経験があることも、RPAエンジニアとしての業務においてプラスになるでしょう。
RPAツールを扱える技術力
元々はAccess、Excelのマクロを活用して作業の効率化を行うのが主流であったことから、これらの経験や知識はRPAにおいても活かすことができます。
また、日本の企業が取り入れ始めている大手RPAツールにはWinActor®やUiPathなどが挙げられます。これらの知識があれば即戦力となるため、積極的に習得したいところです。
RPAエンジニアの資格
RPAエンジニアの資格として、以下の資格があります。
これらは必須の資格ではありませんが、一定の知識がある証明となり、クライアントや就職・転職の際に信用されやすくなるため、持っておいて損はありません。
- UiPath RPA アソシエイト資格試験
- UiPath RPA デベロッパー上級資格試験
- RPA技術者検定 アソシエイト
- RPA技術者検定 エキスパート
RPAエンジニアの在宅可能な副業案件はある?
先述の通り、現状RPAエンジニア向けの在宅可能な副業案件はまだ少なく、週5日の出社を求められるような常駐案件が大多数であるのが実情です。
しかし、RPAを用いたパソコン作業の自動化といった低単価な案件などであれば在宅可能な案件として出始めています。
ただし、在宅での業務をスムーズに進めるための環境整備やコミュニケーションの取り方、不具合の際の対応力が求められるなど、注意点も多くなっています。
このような問題が多数存在することから、現状は在宅可能な案件は少なくなっていますが、将来的に在宅可能な案件の増加は考えられます。
RPAエンジニアの副業の現状と将来性
RPA導入率はゆっくり高まっていることから、RPAエンジニアの需要は増加の一途を辿ることになります。そのため、RPAエンジニアの副業市場も拡大傾向にあり、今後も多くの案件が期待されます。
しかし、技術の進化や市場の変動に柔軟に対応することや、コンサルスキルやエンジニアリングスキルなど、RPAのスキル以外にも何らかの付加価値を高めることが、持続的な成功の鍵となります。
まとめ
RPAエンジニアとしての副業は、収入の増加やスキルの幅を広げるメリットがありますが、主業との兼ね合いや時間管理、契約内容の確認などの注意点も存在します。
RPAツールの習得や市場の動向を把握し、在宅での業務や将来性にも目を向けることで、成功への道を切り開くことができるでしょう。