「ディープフェイク動画って作れるの?」
「難しそうで手が出せない…」
最近、SNSやニュースで話題になっているディープフェイク動画。映画のワンシーンに自分の顔を合成したり,好きなキャラクターに”なりきる”動画を作ったり、活用の幅は無限大です。
しかし、「専門的な知識が必要そう」「高性能なPCがないと作れないのでは?」と躊躇している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、初心者でも簡単に使えるディープフェイク作成サイトを10個厳選してご紹介します。それぞれの特徴や使い方、料金プランまで詳しく解説していきますので、自分に合ったツールが必ず見つかるはずです。
ディープフェイクとは?
ディープフェイクは「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた言葉です。AIを使って、ある人物の顔や声を別の人物のものに置き換える技術のことを指します。
ディープフェイクの基本的な仕組み
ディープフェイクの中核となるのは「GAN(敵対的生成ネットワーク)」と呼ばれるAI技術です。これは、警察と泥棒の追いかけっこのような仕組みで動作します。
「Generator(生成役)」と「Discriminator(判別役)」という2つのAIが競い合うことで、より自然な映像を生成していきます。Generatorは偽物の映像を作り出し、Discriminatorはその映像が本物か偽物かを判定します。この過程を何度も繰り返すことで、最終的には見分けがつかないほど精巧な映像が作られるのです。
※「GAN」については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
最新のAI技術「ディープフェイク」が我々にもたらす可能性とは?
現代のディープフェイク技術では、以下のような様々な変換が可能になっています。
- 顔の入れ替え:映画やドラマのワンシーンに自分の顔を合成
- 表情の操作:静止画の人物に表情や動きを付加
- 音声の変換:別人の声で話している映像の作成
- 全身の動作変換:ダンスや動作の合成
特に最近では、WEBブラウザ上で簡単に操作できるサービスも登場し、専門知識がなくても高品質な映像制作が可能になっています。
ディープフェイクでできることと制限されていること
ディープフェイクで出来ることは、
- エンターテインメントコンテンツの制作
- 教育用コンテンツでの歴史上の人物の再現
- 映画やドラマの特殊効果
- バーチャルな試着システム
- オンライン会議での映像加工
ディープフェイクで出来ないことは、
- 他人の許可のない顔写真の使用
- 政治家や有名人へのなりすまし
- フェイクニュースの作成・拡散
- アダルトコンテンツへの悪用
- 商標権や著作権の侵害
です。法律や倫理的な観点からディープフェイクの使用は禁止されています。
なお、多くのサービスでは著名人の顔を使用した合成を自動的にブロックする機能を実装しており、不適切な使用を防止する仕組みが整えられています。
ディープフェイク動画を作るための準備
制作を始める前に、必要な環境と素材をしっかり整えましょう。ツールによって要件が異なるため、自分の環境に合った手法を選ぶことが重要です。
ディープフェイク作成におすすめのハードウェア要件
制作手法は大きく分けて「WEBブラウザで作成」と「PCアプリで作成」の2種類があります。
・WEBブラウザでの作成の場合
一般的なPCやノートパソコンで十分対応可能です。
- CPU:Intel Core i3以上
- メモリ:8GB以上
- ブラウザ:Google Chrome/Firefox最新版
- インターネット接続:必須
・PCアプリでの作成の場合
より高品質な動画を作成する場合は、以下のような高スペックPCが推奨されます。
- CPU:Intel Core i7/Ryzen 7以上
- メモリ:16GB以上
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660以上
- ストレージ:SSD推奨(100GB以上の空き容量)
- OS:Windows 10/11 64bit
ディープフェイク作成に必要な素材
ディープフェイク作成前に、以下を用意しておくとスムーズに作成できます!
- ベース動画:入れ替えたい人物が映っている動画
- 合成用の顔画像:入れ替える人物の様々な角度からの顔写真(最低20枚以上推奨)
- 音声データ:音声も変換する場合は、対象となる人物の声のサンプル(30秒以上推奨)
ディープフェイク作成時の注意事項と法的制限
ディープフェイク作成時は、注意すべき事項が沢山あります。必ず確認しましょう!
法的な注意点 | ・肖像権:他人の顔写真を使用する場合は必ず本人の許可を得る ・著作権:映画やテレビ番組などの著作物を素材として使用する際は権利者の許可が必要 ・商標権:企業ロゴや商品などが映り込む場合は注意が必要 |
倫理的な配慮事項 | ①個人情報の保護 ・使用する写真や動画に個人を特定できる情報が含まれていないか確認 ・撮影場所や背景に注意を払う ②コンテンツの用途 ・エンターテインメントや教育目的での使用に限定 ・誹謗中傷や詐欺などの悪用は厳禁 ・政治的な目的での使用は避ける ③公開時の注意点 ・ディープフェイク動画であることを明記 ・視聴者が誤解しないよう適切な説明を付ける ・SNSでの拡散時は適切なハッシュタグを使用 |
これらの準備と注意点を押さえた上で、次章から具体的な作成手順に進んでいきましょう。適切な環境と素材があれば、初心者でも十分に質の高いディープフェイク動画を作ることができます。
【WEBブラウザ・PC】簡単ディープフェイクが作れるおすすめサイト5選!
今回は、実際に使える代表的なツールの使い方を、初心者の方でも分かりやすいように解説していきます。WEBブラウザで手軽に始められるものから、本格的なPCアプリまで、順を追って説明します。
①DeepSwap
DeepSwapは、ブラウザ上で簡単に顔の入れ替えができるツールです。
以下のような機能を備えています。
- 複数の顔を同時に入れ替え可能
- プレビュー機能で結果を確認
- クレジット制で、必要な分だけ購入可能
ワンクリックで簡単に質の高いディープフェイクを作成できるのでおすすめです。
※「DeepSwap」の詳しい使い方については、下記記事を参考にしてください!
②Hedra
Hedraは音声付きの動画生成が得意なツールです。以下のような機能を備えています。
- 豊富な無料音声オプション
- プロンプトによる細かい雰囲気の指定が可能
- 直感的なインターフェース
使い方を見ていきましょう!
- STEP1Hedraサイトで新規アカウント作成
①こちらを開き、「START FOR FREE」をクリック
②左側の「Sign to Use」をクリック
③お手持ちのメールアドレスorGoogleアカウントで登録
④利用規約に同意
- STEP2プロジェクトの新規作成
ダッシュボードから「Create」をクリック
- STEP3テキスト内容の入力(話させたい内容)
左側のブロックにて、以下を設定します。
- 話させたい内容をテキストエディタに入力
- 読み上げ時間を考慮して適切な長さに調整
- STEP4音声の選択または自分の声をアップロード
「Select Voice」から音声を選択します。
- 既存の音声から選択:様々な言語・性別の音声が用意されている
- カスタム音声のアップロード:自分の声をクローン化する場合は30秒以上の音声が必要
- STEP5使用したい顔写真のアップロード
①使用する顔写真をアップロード
- 正面向きの鮮明な写真を推奨
髪の毛や装飾品で顔が隠れていないもの
- 正面向きの鮮明な写真を推奨
- STEP6ビデオの生成を開始
「Generate video」をクリックして、ディープフェイクを生成します。
出来た動画がこちらです!
③Online Deepfake Makerでの作り方
Online Deepfake Makerは、高品質な出力が特徴のオンラインツールです。
主に以下のような機能を備えています。
- 高精度な顔認識
- 詳細な設定オプション
- クラウドベースで処理負荷が少ない
使い方を見ていきましょう!
- STEP1サイトにアクセスしてアカウント作成
トップ画面から「Sign up」をクリック
お手持ちのメールアドレスで登録します。
- STEP2ログインしてプロジェクトを新規作成する
「Create New DeepFake」をクリック
- STEP3元動画のアップロード
画面左側にアップロードしましょう。
- STEP4入れ替えたい顔写真の準備
画面右側にアップロードしましょう。
- STEP5パラメータの調整
- STEP6生成開始
④PhotoDirector
PhotoDirectorは、ディープフェイクだけでなく、画像生成や画像編集もできるオールマイティーな編集ツールです。
- STEP1PhotoDirectorをインストール
- STEP2「AI顔入れ替え」をクリック
- STEP3「ソース」に顔を使う画像、「ターゲット」に顔以外で使う画像を挿入
2枚の画像を入れると、自動で生成されます!
⑤MyEdit
MyEditは、PhotoDirectorと同じくサイバーリンク社が開発したツールで、プロフェッショナルな編集スキルがなくても、誰でも高品質な画像や音声作品を作り出せるものになっています。
このように、簡単にディープフェイク画像を作成できるようになっています。
※MyEditでのディープフェイクの作り方は、下記記事を参考にしてください!
⑥Reface
Refaceは、ディープフェイクを楽しんでいる方々に非常に人気のスマホアプリ・PCサイトです。顔を認識して、既存の写真や動画の顔と入れ替えることができます。
- STEP1Refaceへ登録する
- STEP2左上のメニューから「Swap faces」をクリック
- STEP3顔を使う画像をアップロードし、顔以外で使う画像を選ぶ
「Swap faces」を押すと完了です。
⑦DeepAIMovie
DeepAIMovieは、手軽にAIキャラクターの読み上げ動画が作れるディープフェイク作成支援サイトです。
主な特徴は、以下の通りです。
- テキストを入力するだけでAIキャラクターが自動で読み上げ
- 字幕付きの動画が自動生成
- 専門的な編集スキル不要
- 豊富なAIアバターから選択可能
動画編集の知識がなくても、テキストを入力するだけで、AIキャラクターが登場する字幕付き動画を簡単に作成できます。クリエイターはアイデアや内容の質に集中できるため、効率的なコンテンツ制作が可能です。
⑧fusionAC
fusionACは、日本初の無料AI顔交換サービス!写真ACの運営会社が提供しているツールです。
主な特徴は、以下の通りです。
- 日本語完全対応
- シンプルで分かりやすい操作性
- 商用利用も可能
- 信頼の日本企業が運営
写真素材サイト「写真AC」で知られるACワークス株式会社が運営する、安心して使えるAI顔交換サービスです。直感的な操作で誰でも簡単に顔の合成ができ、商用利用も可能なため、クリエイターの方にもおすすめです。
- STEP1fusionACへ登録する
こちらの「顔写真をアップロード」から登録できます。
- STEP2左側に顔を入れ替える画像をアップロードします。
- STEP3右側に元となる顔をアップロードします。
「顔を入れ替える」を押すと完了です。
⑨顔交換
顔交換は、完全無料でディープフェイク画像を作成できるサイトです。
- STEP1公式サイトを開く
- STEP2顔を交換したい写真を入れる
- STEP3交換する写真を入れる
- STEP4完成を待つ
⑩Faceswapper.ai
- STEP1公式サイトを開く
- STEP2上に元となる顔を入れ、下に顔を入れ替える画像を入れる
完了したら「Upload&Start」をクリックしましょう。
- STEP3ディープフェイクの完成
高品質な動画作成のためのコツ
ツールの選び方や基本的な操作方法は理解できたでしょうか?
ここからは、より自然で説得力のある動画を作るための実践的なテクニックをご紹介します。これらのコツを押さえることで、驚くほどクオリティの高い作品を作ることができます!
①素材選びのポイント
- 解像度の高い素材を使用
- 光源や角度が似ている素材を選択
- 表情の豊富な素材を用意
②最適なトレーニング時間の目安
- 初期学習:4-6時間
- 細かい調整:2-3時間
- 最終調整:1-2時間
③仕上げのテクニック
- カラーグレーディングで全体の色調を整える
- ブレンディングで境界線を自然に
- フレームレートの調整で動きを滑らかに
これらのツールは、それぞれ特徴が異なります。初心者の方は、まずはWEBブラウザベースのツールから始めることをお勧めします。慣れてきたら、より本格的なPCアプリに挑戦してみましょう!
ディープフェイクのおすすめ活用方法
ディープフェイク技術は、適切に使用することで様々な分野での革新的な表現や解決策を生み出すことができます。ここでは、実際の活用事例と共に、おすすめの活用方をご紹介します!
活用例①:動画制作
映画やテレビ業界では、既にディープフェイク技術が積極的に導入されています。
・Disney+『マンダロリアン』- 若かりし頃のマーク・ハミルの再現
・Netflix『ウィッチャー』- スタントシーンでの俳優の表情合成
・映画『ワイルド・スピード』- 故ポール・ウォーカーの出演シーン
活用例②:バーチャルYouTuber制作
個人クリエイターでも、専用ソフトを使用することでバーチャルYouTuberを作成できます。FaceRigなどのソフトウェアと組み合わせることで、リアルタイムでの配信も可能です。
活用例③:歴史教育での活用
歴史上の人物を”蘇らせる”ことで、より印象的な学習体験を提供できます。
・イギリスの教育機関が開発した「デジタル・アインシュタイン」
・スミソニアン博物館の「対話型歴史展示」
活用例④:語学学習での活用
- Duolingoによる対話練習用アバター
- PearlAbyss社の「AI語学講師」システム
活用例⑤:アート分野での活用
ディープフェイクは、現代アートの新しい表現方法として注目を集めています。
- 森美術館「Future and the Arts」展でのAIアート作品
- チームラボの没入型デジタルアート
活用例⑥:ファッション業界
バーチャル試着システムなど、新しいショッピング体験を提供している企業も出てきました。
- Zeekitによるバーチャル試着(Walmart採用)
- GUCCIのARファッションフィッティング
- UNIQLOのオンライン試着システム
活用例⑦:メディア制作での活用
中国新華社通信の「AIニュースキャスター」は、24時間体制でニュースを配信し、複数言語に対応しています。
これらの活用方法は、技術の発展とともにさらに広がりを見せています。大切なのは、創造性を活かしながらも、倫理的な配慮を忘れないことです。
ディープフェイク作成時の注意点
ディープフェイク技術は素晴らしい可能性を秘める一方で、適切な配慮と責任ある使用が求められます。ここでは、制作者が知っておくべき重要な注意点を解説します。
作成の前に、必ず以下の権利関係を確認しましょう。
・肖像権:個人の顔や姿を使用する権利
・著作権:映像や音楽などの創作物の権利
・パブリシティ権:有名人の経済的価値に関する権利
・使用可能な素材の範囲:自分自身の顔や声か、使用許可を得ているか、権利の消滅した歴史的な映像や写真か、AIで生成された架空の人物かどうかなど
ディープフェイク技術は、使い方次第で社会に大きな影響を与える可能性があります。制作者一人一人が高い倫理観を持ち、責任ある使用を心がけることが、この技術の健全な発展につながります。
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介した10個のサイトは、どれも手軽にディープフェイク動画を作成することができます。
ただし、便利な技術だからこそ、使用する際は以下の点に気をつけましょう。
- 他人の顔写真は必ず許可を得てから使用する
- 著作権のある映像の使用は控える
- エンターテインメントなど、ポジティブな目的で活用する
楽しく、そして責任を持ってディープフェイクを活用していただければと思います。各サイトは日々アップデートを重ねていますので、本記事で紹介した情報は2025年2月時点のものとなります。最新の機能や料金プランは、各サイトで確認してみてください。
※ディープフェイクをスマホやスマホアプリで作成してみたい方は、ぜひ下記記事も参考にしてみてください!
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